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立憲民主党の新代表は共産党と連合の板挟みで前途多難

立憲民主党が順調に迷走中です。日本共産党の志位和夫委員長は「閣外協力でも政治を根本から変える巨大な一歩となる」と述べたそうですが、連合の芳野友子会長は選挙協力について「あり得ない」との立場を繰り返したそうです。明日実施される代表選で誰が選ばれるのかはわかりませんが、誰が次期代表になったとしても、立憲民主党は前途多難、といったところでしょうか。

志位委員長「政治を根本から変える」

昨日の『日本共産党委員長「衆院選で自公を追い詰めた」と総括』では、日本共産党の志位和夫委員長が衆院選における野党共闘を巡って自公政権に言及し、「支配勢力に攻め込み、追い詰めた」などと述べた、とする話題を取り上げました。

日本共産党の志位和夫委員長が衆院選で「自公を追い詰めた」と自画自賛――。追い詰めたのは自公ではなく、むしろ枝野幸男・立憲民主党前代表であり、立憲民主党そのものではないかと思うのですが、いかがでしょうか。そして、日本共産党は支持基盤の高齢化も止まらないと聞きます。意外と遠くない将来、日本共産党の議席がさらに激減するのを目撃できるかもしれません。最大の敗者は立憲共産党とオールドメディアちょうど1ヵ月前の衆院選では、新聞・テレビなどの事前予測では、「立憲民主党が公示前と比べ30議席ほど勢力を増やす」は...
日本共産党委員長「衆院選で自公を追い詰めた」と総括 - 新宿会計士の政治経済評論

これについて探していると、共同通信のもの以外にも、FNNプライムにも同じような記事が掲載されていたのを発見しました。

共産・志位委員長 野党共闘の継続訴え 「攻め込み追い詰めた」

―――2021年11月28日 1:17付 FNNプライムオンラインより

こちらの記事では、野党共闘で自公政権に「攻め込み、追い詰めた」という、昨日も紹介した発言以外にも、こんな趣旨の発言も取り上げられています。

  • 野党の共闘は重要な成果を勝ち取ったことをまず強調したい
  • 限定的な閣外協力でも、共産党が協力して政権が生まれたら、政治を根本から変える巨大な一歩となり、支配体制を土台から揺るがす

「支配体制」という表現にも大いなる違和感がありますが、「日本共産党が協力して政権が発足したら、政治を根本から変える巨大な一歩となる」という点に関しては、当ウェブサイトとしても完全に同意します(ただし、それが「良い方向」に変えるものであるという保証はありませんが…)。

ジリ貧立憲民主党にとって諸刃の剣

いずれにせよ、日本共産党側は「野党共闘」を続ける気満々であるというのは興味深いところです。

ただし、昨日の議論の繰り返しで恐縮ですが、当ウェブサイトなりの主観も交えて申し上げるならば、日本共産党との共闘は、立憲民主党にとってはまさに「諸刃(もろは)の剣」でしょう。

今回の総選挙では、立憲民主党は小選挙区で57議席を獲得しましたが、これはまさに日本共産党との選挙協力の賜物でしょう。

また、比例区で見れば、立憲民主党は前回・2017年の総選挙と比べ、獲得した票数は1108万票から1149万票へと、約41万票増えています。

しかし、前回の衆院選では旧民進党が立憲民主党と希望の党などに「分裂」しての選挙となり、両党の比例区の得票数は2076万票だったという事情を無視してはなりません。

今回の選挙では国民民主党と合わせた得票数が1409万票でしたので、実質的に旧民進党は比例区での得票を667万票も減らしたのだ、という言い方できます。要するに、「ジリ貧」、というわけです。

そして、もしも日本共産党との関係が今後悪化し、これらの小選挙区で日本共産党が再び候補を立てるようなことがあれば、今後の選挙では、日本共産党候補者と「共倒れ」になるかたちで、立憲民主党はさらに議席数を減らすかもしれません。

連合会長は重ねて「日本共産党との協力はあり得ない」

ただし、日本共産党との選挙協力をこのまま続ければ、最大の支持基盤のひとつである連合との関係を損ねることにもつながりかねません。

こうしたなか、日本経済新聞電子版の次の記事によれば、連合の芳野友子会長は28日、BSテレ東の番組に出演し、立憲民主党と国民民主党の連携を巡り、「合流を今後も求めていきたい」などと述べたのだそうです。

連合会長、立・国合流を訴え 「共産と共闘ありえない」

―――2021年11月28日 13:31付 日本経済新聞電子版より

日経はまた、立憲民主党が30日に新代表を選出することに関連し、芳野会長は新代表に対し、日本共産党との選挙協力をしないように求める考えも示したのだそうです。

また、30日に予定されている立憲民主党の代表選を巡っても、現在出馬中の4候補の立場に関して「いま代表選中なのでコメントは控えたいが、決まったあかつきには連合の考えを示して理解していただきたい」と述べたのだとか。

このあたり、次期立憲民主党代表選が盛り上がりに欠けるという点もさることながら、立憲民主党にとっても大きな支持基盤である連合から再度、日本共産党との選挙協力が「あり得ない」ということを、あらためて芳野会長自身から牽制された格好です。

代表選後に待つのは分裂?党名変更?

さて、立憲民主党代表選といえば、ウェブ評論サイト『東洋経済オンライン』に、こんな記事が掲載されていました。

「立憲代表選」がちっとも盛り上がらない根本原因/テレビ局は木下富美子都議の辞職表明を優先

―――2021/11/26 7:00付 東洋経済オンラインより

執筆したのは政治ジャーナリストの泉宏氏ですが、なかなか辛辣です。4候補の違いについて、泉氏は次のようにバッサリ切り捨てているからです。

衆院選の最大の敗因とされた共産党の『閣外協力』の可否や、政権担当能力を示すための経済政策から憲法改正への対応に至るまで、候補者間の見解の違いはほとんどない。来夏の参院選での共産党を含めた統一候補擁立には全員が賛成で、原発などエネルギー政策への対応でも意見対立を避けているため、選挙戦はまったく盛り上がりに欠けている」。

ただ、泉氏のこの舌鋒鋭い指摘は、現在の立憲民主党代表選を適切に表現していると言わざるを得ません。

日本共産党との選挙協力を「あり得ない」とする芳野会長自身の立場からすれば、誰が次の党代表に就任したとしても、連合との関係に苦慮するであろうことは想像に難くありません。

(※なお、泉氏の論考は立憲民主党代表選の状況をかなり適切に描写していると思いますので、よろしければ是非、ご一読ください。)

このように考えていくと、やはり立憲民主党は代表選後も現在とまったく同じ形を保っているとは考え辛いのが実情でしょう。

代表選の結果に不満を感じて一部のグループが党を飛び出して新党を作るのか、または「枝野商店」のイメージ刷新を狙って党名変更を図るのか。

さっそく困難な舵取りが予想される「前途多難」に新代表がどう対応するのか(あるいはまったく対応しないのか)については、興味は尽きないところです。

新宿会計士:

View Comments (15)

  • 『反自民・親共産』と『反自民・反共産』のどちらがより票を取れるか、というお話しになりそうで、そうなると『自身の政治理念・目標』ではなく『投票してくれた人の政治理念・目標』に沿った政治活動をする事になり、ある意味『プロ政治家』って感じになりますね。

    なんだろう…順番が逆な気もしますが、政界で生きていくには其れも必要なのかもですね。

  • > 一部のグループが党を飛び出して新党を作るのか
    日本を飛び出して半島へ行き、共に民主党に合流されるのがいいいのではないでしょうか。

    • イーシャ様

      一部だけですか? 勿体ないので、全部南国に贈れば
      よい政治活動ができると思います。
      日本がニッコリ、南国もニッコリでWINWINの状態になりますよ。
      出自もどうせアッチだし。

  • 立憲が標榜する「まっとうな政治」が、ただの選挙互助会だという事だと思います。

  • 毎度、バカバカしいお話を。
    立憲共産党だけでなく、すべての政党が、文句も注文も付けずに、黙って票を投じてくる支持者を求めているんだって。(確かに、そんな支持者がいれば、こんなに有り難い存在はないので)
    おあとが、よろしくないようで。

  • 連合も諦めて立憲や国民民主党を見限れば良いと思います。
    組合の上部団体だから、反政府をモットーとすぬのは、もう遅れた話です。
    おじさん。おばさん連中が好きな55年体制そのものです。
    日本の企業が遅れていると多くの識者(何の?)が叫んでおりますが
    もう一つのダメなものが労働組合なのです。
    何もしない、やっている気分を出す組織を改編する事も必要だと思います。
    ブラック企業とかマスコミ報道されておりますが、多くの企業に組合が有るのです。
    組合は組合員・社員(役職付も含め)の事を見ないで、何をしているの?
    本当に組合があるなら、ブラック問題は存在しません。ましてや、上部団体である連合も。
    これは教育現場におけるイジメ問題と相似しているの思いませんか?
    組合員・社員が生徒・組合が教師・連合が教育委員会とみれば、イジメ問題を無視して
    いるから、イジメ問題が無くならいのと同じです。

    • トシ様

      記事を読んできましたが、筆者は割と冷静にSNSの世論に根ざした今回の立憲・共産の選挙戦略のまずさを分析していると思います。
      SNSは声の大きな意識高い人の声が目立ちそれを世論と勘違いし、結果的にドッキリにかかって落とし穴に落ちたという旨の論評もなかなか的確な分析かと。

      野党の皆さんもツイッターを止める必要は無いと考えますが
      SNSを利用して有権者を自陣営に引き込みたいなら、政治的な主張をしていない日常生活や趣味のつぶやきをしている人がどうしているのか良く観察し、そこから潜在的に国民が求めている事は何か?を根気よくくみ取る努力が必要でしょう。
      まぁ自分の考えは正しい、自分の行為は正しいという信念が強いと困難でしょうが。

      • haduki様

        衆院選投開票日の枝野の敗戦コメントの中に
        「空中戦では我々が勝っていた」というのがありました。

        枝野自身もSNSに吞まれていたことがうかがえます。

        個人的に立憲がこれから地に足をつけての活動ができるとは思えません。

        • アメリカの選挙でも、空中戦では民主党有利に見える例が多いので
          外国人記者はしばしば「民主党圧勝」と勘違いするらしい

    • トシさま
      私も記事読みましたが、毎日ブーメラン飛ばすよりは、SNSをやめた方がマシかもしれません。

      • だんな様

        立憲の新代表の最初の仕事は蓮舫にSNSを辞めさせることでしょう。

        あれはまさに「百害あって一利なし」。

        蓮舫を黙らせることが新生立憲のスタートになるかと思われます。

  • BSプライムニュースで候補者の小川氏変なこと言ってた。

    与党を批判で追及していく野党大一党にしていく!

    ずっとそれですやん。