X

日本共産党委員長「衆院選で自公を追い詰めた」と総括

日本共産党の志位和夫委員長が衆院選で「自公を追い詰めた」と自画自賛――。追い詰めたのは自公ではなく、むしろ枝野幸男・立憲民主党前代表であり、立憲民主党そのものではないかと思うのですが、いかがでしょうか。そして、日本共産党は支持基盤の高齢化も止まらないと聞きます。意外と遠くない将来、日本共産党の議席がさらに激減するのを目撃できるかもしれません。

最大の敗者は立憲共産党とオールドメディア

ちょうど1ヵ月前の衆院選では、新聞・テレビなどの事前予測では、「立憲民主党が公示前と比べ30議席ほど勢力を増やす」はずだったにも関わらず、蓋を開けてみれば結局、立憲民主党と日本共産党が議席を減らしました。

当ウェブサイトでは『衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ』で「総括」しましたが、端的にいえば、衆院選の「最大の敗者」は、オールドメディアと立憲民主党、日本共産党の3者だったのではないか、というのが現時点の著者自身の見解です。

今回の総選挙、最大の勝者は、おそらくは議席を4倍近くに伸ばした日本維新の会であり、また、事前に惨敗を予想する意見も見られた自民党も、議席数は15議席減で済んだという意味では、「勝者」といえるかもしれません。一方の敗者はいったい誰なのか。「立憲共産党」と揶揄された野党共闘にも関わらず13議席減らした立憲民主党もさることながら、やはり最大の敗者は、新聞、テレビを中心とするオールドメディアではないかと思うのです。2021/11/01 10:15追記図表に注記を追加しています。オールドメディアさん、予測はどうでしたか?...
衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ - 新宿会計士の政治経済評論

いや、もちろん、「議席を減らした」といっても、立憲民主党の場合は公示前勢力109議席が96議席に落ちたということであり、これを「惨敗」と称するには少し大げさでしょう。

ただ、立憲民主党は最大の支持基盤のひとつである連合から苦言を呈されながらも、日本共産党との選挙協力に踏み切り、「野党共闘」を進めたわけですから、その結果が96議席だったと考えれば、これが立憲民主党にとっての「最大の成果」だった、という言い方もできるかもしれません。

そして、同時に今回の選挙は、立憲民主党にとっては今後の進み方を巡るジレンマを突き付けた、という形でもあります。

選挙協力で追い詰められた立憲民主党

小選挙区で57議席を獲得したというのは、日本共産党との選挙協力の賜物でしょうし、もしも日本共産党との関係が今後悪化し、これらの小選挙区で日本共産党が再び候補を立てるようなことがあれば、今後の選挙では、日本共産党候補者と「共倒れ」になるかたちで、立憲民主党はさらに議席数を減らすかもしれません。

その一方で、連合から「タブー視」されてきた日本共産党との協力に手を付けた以上、日本共産党との協力関係を続ければ、連合との関係がますます悪化するかもしれません。

つまり、今後の立憲民主党は、日本共産党との関係を断ち切ることが難しくなった、という言い方もできますし、連合との関係をどう整理していくのかというテーマにも直面していて、まさにどちらに転んでも困ったことになった、というわけだと思います。

まさに、立憲民主党は日本共産党との選挙協力により、追い詰められてしまったのです。

現在、立憲民主党では、枝野幸男・前代表の後任者を決める代表選が行われていますが、正直、4人の候補者のうちだれが勝利したとしても、「日本共産党を取るのか、連合を取るのか」などの問題は、避けて通ることはできません。

あるいは、代表選の結果次第で、再び党名変更をするのか、それとも新代表に不満を持った人たちが立憲民主党を飛び出していくのかは知りませんが、どのみち「ジリ貧」という未来しか見えない気がする次第です。

志位和夫氏「自公を追い詰めた」

こうしたなか、日本共産党の志位和夫委員長は昨日、東京都内で開いた「第4回中央委員会総会」で、野党の共闘を巡って自公政権に言及し、「支配勢力に攻め込み、追い詰めた」などと自賛したようです。

志位氏「自公追い詰めた」と総括/衆院選の野党共闘

―――2021/11/27 13:41付 共同通信より

やはり、20年以上も党委員長としての長期政権を続けていると、さまざまな感覚が鈍って来るのでしょうか、それともさまざまな感覚が鈍っているからこそ、日本共産党の委員長を務め続けることができるのでしょうか。

自民党はたしかに公示前の276議席と比べれば、勢力を15議席減らしていますが、それにしても絶対安定多数にほぼ等しい議席数を維持していますし、連立を組む相手である公明党も29議席から32議席へと小幅ながらも躍進したため、結果的には両党あわせて293議席に達しました。

これで「追い詰めた」とは、なかなか興味深い認識だと言わざるを得ません。

責任を取らない志位委員長

だいいち、日本共産党自体、勢力を公示前と比べて10議席と2議席も減らしていますが、志位和夫氏はそのことについて責任を取るとの考えを否定しています。

共産・志位氏、辞任せず 衆院選退潮も責任論を否定

―――2021/11/1 19:57付 産経ニュースより

さすが、20年以上、党委員長として君臨されている方は、年季の入り方が違います。

そもそもその志位氏自身、小選挙区で勝ち上がったわけではなく、常に比例関東ブロックの1位に君臨しているだけであるため、極端な話、「どんなことがあっても絶対に責任を取らない」という姿勢を貫き、それこそ「最後の1人」になるまで辞めなくて済む、というわけです。

もっとも、日本共産党自身、若年層からの支持基盤が弱いらしく、おそらく今後は選挙のたびに議席を減らしていくことでしょう。絶対に責任を取らない志位氏とともに日本共産党が沈んでいくのは、日本にとって悪いことではないのかもしれません。

意外と近い将来、日本共産党の議席数がヒトケタ台にまで激減するのを見ることができるかもしれませんし、志位和夫氏が「最後の日本共産党議員」となるならば、それはそれで興味深いことだと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (30)

  • 日本共産党の活動と発言は誠に「恣意」的、であるよりは「志位」的なんですね。

    ところで私はかなり以前から「恣意的ならぬ、志位的」と云う語呂合わせを思いついているのですが、世間でこの様に発言しているのを目にしません。当たり前すぎてジョークにもならず、面白くないからですかね。

    • 私も 共産党さんのご登場ごとに
      なんと恣意的な(笑)と感じており、
      コメント欄でも私だけでなく同様の感想を
      掲示板書き込まれたのをたまにですが目にします。

      目立たない理由は
      なんにでも無理筋で噛み付く
      共産党支持者の方は、
      恣意さんの話題だけでなくたとえば
      共産党がオウム真理教と同じ
      公安指定である事実などでも
      ご自分たちに関する話題はスルーして
      誹謗語盛った他の攻撃で
      話題をすり替えます。

      そういた彼らは自分たちを市民(?)と称し
      攻撃対象には陳腐な「ネトウヨ」レッテル貼りや
      ネトサポだのバイトだのと言いまくってます。
      それもそのはず、
      発言しているお顔ぶれの実態の多くは
      専従や赤旗ビラ配りでオマンマの(笑)
      いわゆるプロ市民さんと呼ばれる人たちです。
      そんな少数の彼らが
      ネトウヨレッテル貼りするその先は
      選挙結果でも明らかな日本を支える
      多数派国民良識層なのにと呆れます。、
      さらには彼ら自身は
      「日本言論立ち位置標準分類」において
      他国の捏造加担して
      日本の道を左に西に踏み外した
      「どぶサヨ」と分類されてしまっている
      お方さんたちなんですから。

      • 世相マンボウ 。様、ご返事有難う御座います。私からのご返事が遅れまして申し訳ありません。

        > 私も 共産党さんのご登場ごとになんと恣意的な(笑)と感じており、コメン
        > ト欄でも私だけでなく同様の感想を掲示板書き込まれたのをたまにですが目に
        > します。

        私が寡聞にして拝見していないだけで、私が感じる不条理と云うか、「共産党さんのご登場ごとになんと恣意的な不正な」思いを私以外の方々も感じているのを伺い、ああ、良かった私だけではないのだ、と安堵しました。

        そして世相マンボウ 。様の「目立たない理由はなんにでも無理筋で噛み付く共産党支持者の方は」以降の説明を拝読して、成程、と得心致しました。

        尚、本を読んではいないので恐縮ですが、著者のアイドル時代から私はファンである千葉麗子様の著書を思い出しました。
        さよならパヨク チバレイが見た左翼の実態
        https://honto.jp/netstore/pd-book_27795388.html

        貴重なお時間を費やして、的確なご説明をして下さり、誠に有難う御座いました。

  •  「大本営発表、我が方の収めたる戦果!自民党議席15席!!モリカケ問題で史上稀なる圧倒的勝利を得ましたことは、既に発表された通りであります。追い詰められた自民党は支持率を犠牲にして疑惑からかろうじて逃走し得たのでありますが、躍起となって支持率の補充を行うとともに、公明党よりの増援を得まして、健気にも……」

     志位同志、軍国主義っぽいですよ?

    (参考資料・昭和17年第二次ソロモン海戦大本営発表音源)

  • 会計士様

    志位様は「神」なのです。
    神は間違える事はありません。 民衆が間違っているのです。
    法律の上に党がある組織の長である事から、「神」と認定できるのです。 
    あれ~おかしいな? 立憲民主党も法律の上に党がる組織なのに
    枝野氏が党主席を辞めてしまった。 きっと彼は「堕天使」に違いない。

    世間では、いわゆる立憲民主党の次の主席の選挙活動が行われているらしいが
    どうせ中身が無いし、自分はこうやるといった指針も無い事だし、誰が主席に
    なっても、自民党の批判しかできないし。
    誰かアミダクジを作ってあげて、それをTVで生中継すれば、フジTVの視聴率も
    上がるのではないでしょうか?

    • 共産主義ではマルクスの資本論が聖典であり共産党は教団の位置にあるのでしょう。
      お経を否定したら仏教徒でないし、
      聖書を否定したらキリスト教徒でないし、
      コーランを否定したらイスラム教徒でない。

      選挙で負けても資本論を否定するわけにいかない。
      選挙区の人民の信心が足らないからいけないということなのでしょうね。

  • 自公を追い詰めたかどうかはともかく、
    >残念ながらこういう結果になったが、方針そのものは正確だったと確信を持っている
    ということであれば、きっとそのとおりなのでしょう♪

    その方針で、どのような結果を求めていたのかはわかんないけど・・・・
    でもまぁ、野党共闘した選挙区での当選が59もあったそうだから、このうち何人が立憲とか共産党以外の所属かわかんないけど、共産党の息がかかった議員が増えたのは間違いないんでないかな?

    日本経済新聞>>データで見る野党共闘 5野党、一本化の勝率28%
    https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/shuin2021-analysis-joint-struggle-simulation/

    あと、もっと長期的な作戦だったりするのかな♪
    例えば、・・・・?(゚_。)?(。_゚)?エート
    志位さんもそれなりの年齢だから、生きているうちは頑張るにしても、自分が亡くなった後の党内のいざこざを避けるために、徐々に議員を減らして共産党を解党するつもりだったりして・・・・・

    • >あと、もっと長期的な作戦だったりするのかな♪

      まさに「自己(自公)を老い詰める作戦」なのですね。
      *だんな様のネタの二番煎じです。
      m(_ _)mゴメンナサイ。

      • カズ様

        貰い物ですが、どうぞなのです♪

        *∧_∧
        (=・ω・) オトト‥
        (つ( ̄ ̄ ̄ ̄)
        | ( ̄ ̄ ̄ ̄)
        ∪( ̄ ̄ ̄ ̄)
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  • 追い詰めた(?) (笑)
    かつて敗走始めたISさんも同じような
    言い回しをされてましたわなあ。

    こんな呆れられ見放される言い訳などせずに
    ここで潔く負けを認めて反省して
    (といってもどうせフリだけですが)
    たとえば、
    「共産党はこれまでの、
     社会と国民の皆様への
     誹謗攻撃破壊方針を反省決別して
     まじめな民主主義政党として生まれ変わり
     正直に言葉を盛らずに
     もっとクレクレ主張をいたします」(?)
    とでも宣言をしたほうが
    共産党さんにとってよいのにと思います。
    さすれば、
    鬱憤層支持者以外にも
    今より少しは無党派層に支持を広げられ
    眉を顰められることも
    少なくなるのにと
    アドバイスをしてさしあげたいです。

  • 不破家の番犬がマウンティングしてるようにしか見えないっす・・・

  • 自公を追い詰めたんじゃなくて立憲民主党を追い詰めたんじゃないの?

    枝野がやめて、初めて見るような人たち4人でどうでもいいこと言い合ってる。
    誰が党首になっても何も変わらないと思うよ。

  • 元々共産党にとっては、議会制民主主義などというものなど、悪しきブルジョア的システムでしかなく、選挙に参加しているのも一時的便法でしかありません。従って、議席数の多少の増減など、とるに足りない問題なのです。さすがに議席数ゼロとなると、党の存在をアピールする機会を失うことになるので、少々まずいでしょうが、共産党としては、むしろ総得票数の方が問題なのではないかと思います。

    志位氏の発言がズレて見えるのは、議会制民主主義の観点から見ればズレているというだけであって、革命政党の本分からすれば、必ずしもズレていないのかもしれません。
    まあ、現代日本で革命思想がどれほどの意味と意義を持ちうるのかは知りませんが。

    • 同感ですね。議会制民主主義を否定する共産党にとって、議席の増減など取るに足りないものでしょうね。
      増えたら増えたでプロパガンダに利用し、減ったら何もなかったかのように無視する、ただそれだけですね。

      なお、公安が未だに共産党をマークしているのは、共産党が昔同様危険だから、という意味合いはなくなってきています。
      共産党などもはやマークする必要もほとんどないですが、公安の練度維持のため仮想敵が必要という程度の意味合いになって久しいですね。

  • 恣意委員長は、野党共闘を継続の方針ですね。

    小選挙区での独自候補擁立費用もバカにはならないのでしょうし、只々廃りゆくはずだった選挙区票の有効活用で、何らかの見返りが得られるのであれば続けない手はないのでしょうね。
    支持層の高齢化(赤旗減部)も相まって、活動資金の枯渇は待ったなしなんですものね。きっと。

    支持層の年齢は高齢。
    支持層の構成は高麗。

1 2