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若年層ほど自民支持の状況を「民主主義の危機」=日経

40歳未満だけで見ると自民党が300議席近くを獲得:これは「民主主義」じゃなくて「オールドメディア」の危機

今朝の『取材力も分析力も専門知識も足りないオールドメディア』を含め、かねてより当ウェブサイトで取り上げているテーマのひとつが、新聞、テレビを中心としたオールドメディアの影響力の長期的凋落という論点です。これに関連し、日経新聞に昨日、若年層ほど自民党支持が高いという現状を「民主主義の危機」と決めつけた記事が掲載されていたようです。

衆院選はメディア敗北の象徴

当ウェブサイトではこのところ、10月31日に実施された衆院選に関する話題を手掛かりに、「オールドメディアの凋落」取り上げることが増えています。

この点、ちょうど1週間前の『衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ』などでも触れたとおり、当ウェブサイトにおける基本認識は、今回の衆院選で最も「醜態」を示したのは新聞、テレビを中心とするオールドメディアだ、というものです。

今回の総選挙、最大の勝者は、おそらくは議席を4倍近くに伸ばした日本維新の会であり、また、事前に惨敗を予想する意見も見られた自民党も、議席数は15議席減で済んだという意味では、「勝者」といえるかもしれません。一方の敗者はいったい誰なのか。「立憲共産党」と揶揄された野党共闘にも関わらず13議席減らした立憲民主党もさることながら、やはり最大の敗者は、新聞、テレビを中心とするオールドメディアではないかと思うのです。2021/11/01 10:15追記図表に注記を追加しています。オールドメディアさん、予測はどうでしたか?...
衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ - 新宿会計士の政治経済評論

また、今朝の『取材力も分析力も専門知識も足りないオールドメディア』でも指摘したとおり、良いか悪いかは別として、インターネットの社会的役割が上昇するにつれ、オールドメディアの社会的役割は徐々に低下して来ているのです。

新聞・テレビがツイッター画像の丸写しを垂れ流す時代に!「衆院選の『真の敗者』は新聞、テレビを中心とするオールドメディアだった」――。衆院選から1週間が経過しましたが、時間が経つにつれて、その思いを強くするしかありません。というのも、冷静に眺めてみたら、オールドメディアの取材力のなさ、分析力のなさ、専門知識のなさが露呈してきたからです。オールドメディアの「外」で高度な専門知識に基づく分析を行うサイトが出現するかもしれない今日この頃、記者クラブ制度がなくなれば、もしかしたらオールドメディアの存在意...
取材力も分析力も専門知識も足りないオールドメディア - 新宿会計士の政治経済評論

そして、オールドメディア社会的影響力は、若年層になればなるほど、極端に低下していくという現象も生じています(『紙媒体の新聞から10代が離れた』等参照)。

「テレビ利権」はいまだに根強いが、果たしてその将来は?以前の『新聞を「情報源」とする割合は10代以下でヒトケタ台』では、総務省の調査結果を速報的に紹介したものの、記事のなかに盛大な事実誤認が含まれており、その訂正に追われるあまり、続きについて紹介しそびれてしまいました。ただ、ネット上でちょっと興味深い記事を発見したという事情もあるため、あらためて「メディア利権」についての先行きについて、考えてみたいと思います。総務省の調査当ウェブサイトにおける盛大な事実誤認のお詫び以前の『新聞を「情報源」とす...
紙媒体の新聞から10代が離れた - 新宿会計士の政治経済評論

やはり、「生まれたころからインターネットが存在していた」という若年層ほど、新聞、テレビの影響を受け辛いというのも当然かもしれません。

若年層ほど自民支持が高い現状を「危機」と断じる日経

さて、こうした世代間の「分断」について、いまさらのように、「オールドメディア」の代表格である日経新聞が取り上げているようです。

日本に潜む分断 衆院選分析、40歳未満で自民300迫る

―――2021年11月7日 2:00付 日本経済新聞電子版より

日曜日に日経電子版に掲載された記事によれば、「出口調査や自治体ごとの得票のデータ」を紐解くと、「自民党は40歳未満の層で強さが顕著」、「高齢者と溝がある」、などとしています。

リンク先記事は有料読者限定記事なので、全文は引用しませんが、かりに「世代別・男女別に選挙を実施したら、どうなるか」をシミュレーションしたところ、40代未満の集計結果で議席を配分すると、自民党は295.5議席で現実の261議席を34も上回ったのだそうです。

これに対し、同じ手法で60歳以上を見てみると、逆に自民党は223議席にとどまり、単独過半数すら維持できないのだとか。

(※なお、日経電子版の記事には、男女別の集計、地域別の集計なども掲載されているのですが、本稿では割愛します。ご興味があれば直接、日経の記事をお読みください。)

ただ、日経の記事の末尾の、この記述については、なかなかに意味不明です。

衆院選で垣間みえた分断の芽を摘むことができなければ、米国のような政治の二極化、民主主義の危機ともいえる状況が日本でも進みかねない」。

どうして若年層で自民党が支持を得ている状況が「民主主義の危機」なのでしょうか。

当ウェブサイトなりの見解で恐縮ですが、むしろ高年齢層ほど自民党支持率が低くなるという状況は、新聞、テレビなどのオールドメディアの社会的影響力が残っている層における投票行動を、オールドメディアが歪めているという状況の証拠ではないでしょうか。

その意味で、世代間の分断を「民主主義の危機」と定義づけるなら、その原因を作ったのは日経新聞を含めたオールドメディアそのものです。

そして、そのオールドメディアの影響力が若年層に対して低下している状況は、「民主主義の危機」ではなく、「オールドメディアの危機」と呼んだ方が正確ではないかと思う次第です。

時間が経てばますますオールドメディアの影響力は落ちる

もっとも、一時期流行した「高齢者は情報弱者だ」という決めつけには、個人的には賛同しません。

高年齢層に、新聞、テレビなどのオールドメディアの報道を鵜呑みにする人が多いことは否定しませんが、これも時間の問題であって、新聞やテレビの社会的影響力が中・長期的に見て下がっていくという点に関しては、高年層に関しても同じことが言えるというのが個人的な仮説だからです。

だいいち、日経電子版の記事でも、「60歳以上に限定したら自民党の獲得議席数は223議席だった」と記載されていますが、その場合であっても「5野党」の獲得議席数は168議席であり、自民党のそれを下回っています。

つまり、メディアの調査によれば、投票行動において世代間である程度の相違が生じていることはたしかだとしても、その差は「大きな溝」とまでいえるものではありません。

そういえば、最近、とある方から、当ウェブサイトが一部の大手新聞社の方から「目の敵」にされているという話を小耳にはさんだのですが、かくいう当ウェブサイト自体、読者は比較的中高年の方が多く、「中高年はネットを見ない」、「中高年は新聞しか読まない」という言説には、個人的には大変懐疑的です。

やはり、いったんネット利便性に慣れてしまうと、もう新聞、テレビには戻れなくなるものなのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (39)

  • 確かに分断があると思いますね。オールドメディアが好きな人と、嫌いな人。単にだんだん嫌いな人が多くなってきているだけだと思います。

  • 今の若い世代は、学校でネットリテラシーの教育を受けており、世の中の情報には「うそ」が混ざることを知っています。当然新聞テレビの情報も「うそ」が混ざっていることを前提に見ているので、騙されにくいのかもしれませんww。
    別の見立てをすれば、ネットの普及が「情報の提供」という分野での規制緩和となっており、既得権益者であるオールドメディアの利権の崩壊が、静かに進行している、と見ています。

    • 昔から新聞の情報に嘘があることが、教科書に載っていたと思うけど

    • こんにちは。
      名(=迷)言でした。
      いわゆるリベラルやそれを推すメディアの方々が与党に勝てない理由をこれほど簡潔かつ明確に、しかも自身で表明したツイートって他にあったかな?というくらいに。

      • 当初リプは批判のお祭だったのですが、なにやらその後に同胞の応援メッセージが大量に入ったようです。
        そのうち「アカウントが乗っ取られてました」と仰るのかと期待していたのですが。

        • う〜む、ですねぇ。
          味方の失策は味方がより厳しく諫言するのが親心だと思うんですが、応援の方々は有権者は愚かだと思ってるんでしょうかねぇ。
          そういえば「大衆は愚かだ」って言った政治家もいましたね。アドルフ・ヒトラーとかいう(汗)

    • 右傾化しようが左傾化しようが個人のかってでしょ。
      なんで役人あがりに言われなきゃならないの。

    • 身内に自民党の議員がいるのに、こうやって自由に言いたい放題出来るのが、ある意味日本は「良い国なんだな。」と熟々思います。
      前川喜平が理想とする政権(恐らくは立憲民主党と日本共産党による「市民連合」政権)が実現すれば、実家である前川製作所は「市民連合」政府によって接収されて国営企業になるか、重税を課せられる事を嫌って日本から出て行くかもしれません。
      自分さえ傷を負わなければ身内であってもどうでも良いのだと思っているのでしょう。
      因みに身内に自民党の議員とは、中曽根弘文参議院議員(前川喜平の義弟)と中曽根康弘衆議院議員(前川喜平の甥)の事です。

    • あれあれ(笑)

      黙ってればいいものを
      前川喜助平さんがそんなことをいってましたか。

      初鹿高井にあの破廉恥米山までの
      韓流政党立憲民主党のありようを
      さらに明確にしてもらってますなあ

      • 親戚は株式会社前川で東京五輪利権屋。

        環状2号線予定地や朝日新聞社ある辺りや旧築地市場や豊洲あたりの地上げをやった不動産デベロッパー。

        悪しき資本家そのものなんだが?

  • 今回、出口調査が外れた原因が、午前中で調査を打ち切って、対象外年寄りばっかりだったからとの分析も間違いじゃないかもと思いますね

    ただ、時間別の投票者の年代比率のデータが見つけられないので、そうなんかなあで終わってしまうのですが

  • >若年層ほど自民支持の状況を「民主主義の危機」=日経

    そういう考え方が、民主主義の危機だと思います。
    若者は、誰に拘束されずに自由に政党を選択しており、それが民主主義でしょう。
    アメリカのように、選挙結果の不正で国民が二分される訳でも無く、成熟した民主主義だと思います。
    特定野党のせいで、選択肢が限定されるのは、民主主義の危機かも知れません。

    • 大本営に騙された現在の80~90代が戦争の悪夢を語り続けるように
      マスコミに騙された30代くらいの世代が民主党時代の悪夢をネットで語り続けていますよ

  • 立憲民主党のような出鱈目な政党が野党第一党であることこそが、まさに民主主義の危機だと私なんぞは思いますけどね。そして、立憲民主党の出鱈目ぶりを全く報道することなく、全力で持ち上げようとするマスメディアは、間違いなく民主主義の敵であると確信します。
    もっとも、世の中には社会に対するルサンチマンに満ち溢れた極左思考の人、自称リベラル、自称意識高い系の人たちも存在しますので、そういった人たちのために立憲民主党が存在していてくれても構わないとは思います。しかし、野党第一党である、さらに政権交代を目論むなどというのは論外です。彼らの言動は、ノイジー・マイノリティそのものでしかありません。
    もちろん、自民党に問題なしなどとは決して言いません。多くの問題を抱えており、様々な不満をぶつけたくなるというのは理解できます。しかし、国会をワイドショーか何かと勘違いしている立憲民主党、お前らだけはダメだ。

    健全な民主主義という観点から考えれば、国会は「追及の場」などではなく、「建設的な議論の場」であるべきです。何よりも国会は法律を作るところなのですから、より良い法律を作るための議論が行われなくてはいけません。その過程で、法案の不備、政府の不手際などがあれば、追及するのは当然ですが、「追及」はあくまでも手段であって目的ではありません。
    このようなことすら全く弁えない立憲民主党は、日本の民主主義体制にとって害毒でしかありませんし、それを咎めようともしないマスメディアも同罪です。そんなマスメディアが「民主主義の危機」を煽ったところで、まさにへそで茶を沸かすようなものです。

  • 「日経新聞の記事が正しいことにするために、「若年層ほど自民党支持の状況は、シルバー民主主義の危機である」と変更する」と言ったら、山田君が座布団を持ってくるでしょうか。
     おあとがよろしいようで。

  • あるのかないのか分からないような「重大事」をことさら危機と煽るような活動を始めた新聞社は、信頼の危機、存続の危機から耳目を逸らそうとしているだけではないか。雉も鳴かずば撃たれまい。そうなりそうです。

  • 記事の本文は読めなかったけど、

    >日本に潜む分断 衆院選分析、40歳未満で自民300迫る

    という記事のタイトルだけ見ると40歳未満で自民党の支持が多いことを憂いているようにみえますね♪

    単に年代によって投票行動に影響する関心事項が異なってて、自民党は40歳未満の関心事柄を訴えたということだと思うのです♪

    年齢は誰もが若→老と進むもので、人種とかみたいに生まれつき固定されるものじゃないから、「分断」って言うほどのものじゃないと思うのです♪

  • 日本を10年20年単位で観察すれば、驚くほど社会も世相も変わっていくのですね。
    10年前は民主党が与党だったり、オールドメディアが元気だったり。
    2、3年おきの選挙の度に世の中が変わっていくようです。
    あと10年経てば、団塊世代の多くが退場するでしょう。
    新聞は、どれくらい部数を減らすでしょうか。
    その後の世論はどうなるのか楽しみです。

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