最近発足した枠組みのひとつに、英米豪3ヵ国の「AUKUS」があります(発音はオーカスだそうです)。このAUKUSを巡って、米シンクタンクの主催するイベントで、英国の制服組トップが「AUKUSは排他的なものではない」としたうえで、将来的に参加が想定される国として、日本を真っ先に挙げたのだそうです。
中国の台頭というリスクにFOIPとTPPで対処
台頭する中国のリスクは、近隣国である日本にとっては他人事ではありません。
ただ、さまざまな経緯もあり、日本が現時点で台湾を国家承認したうえで同盟を結ぶ、といったことは、まだハードルが高く、機が熟していません。
また、日本の伝統的な「友好国(?)」であるはずの韓国は、日本との間で、外交、防衛、経済などさまざまな面でもめ事を起こしていますし、これに加えて北朝鮮の核開発、ミサイル開発、日本人拉致事案などの諸懸案に対しても、どうにも頼りない相手国だと言わざるを得ません。
こうした厳しい環境のなか、いったいどうして行けばよいのかといえば、最も賢明な方法のひとつは、信頼し得る同盟国・同志国を世界中に増やすことです。
幸いなことに、日本は菅義偉内閣時代、外交で重視する優先課題に、「中露韓」などの近隣国との関係を3番目に引き下げ、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を2番目に位置付けたうえで、連携すべき相手国として、米豪印クアッド諸国、ASEAN、欧州などを列挙しました。
また、同じく菅内閣では、防衛上も従来の日米韓3ヵ国連携の戦略上の優先順位を引き下げ、FOIPを最も重視する形に変更しました。さらに、経済・産業的には、菅内閣の前任の安倍晋三内閣時代にTPPが発足し、域内の自由貿易の活性化なども期待されています。
つまり、台頭する中国というリスクに対し、FOIPなどの理念、TPPなどの実効的な条約などで諸外国と連携し、「1対多」で中国リスクに当たろう、というのが、現在の日本の基本的な外交姿勢だと考えて良いのではないでしょうか。
AUKUS+日本
こうしたなか、最近発足した「AUKUS(オーカス)」と呼ばれる英米豪3ヵ国のあらたな安全保障の枠組みを巡って、英軍のカーター国防参謀長(制服組のトップ)が先日、米シンクタンクのイベントで、将来的に日本などを含める形で拡大する可能性があると述べたのだそうです。
British defence chief General Sir Nicholas Carter says AUKUS security pact ‘not designed to be exclusive’
The UK’s departing Chief of the Defence Staff has signalled the new trilateral AUKUS security pact with the United States and Australia could be expanded to include other allies such as Japan.<<…続きを読む>>
―――2021/10/20付 ABCニューズより
豪ABCニューズによると、カーター氏はAUKUSを巡って「排他的な仕組みではない」としつつ、このAUKUS結成で日本が「排除された」と考えているのではないか、といった質問に対し、日本については「いずれ参加することが可能」と指摘。
これに加えて、日本以外にも、将来的な参加が想定されている「同志国」として、たとえば現在、英米豪3ヵ国とともに情報共有協定「ファイブアイズ」に参加するカナダ、ニュージーランドの両国を具体例に挙げたのだとか。
いわば、AUKUS拡大の筆頭候補が日本、というわけです。
単独ではリスクは抑え込めない
こうした議論が出て来ること自体、歓迎したい話です。
もちろん、世の中には「抑止よりも対話が重要だ」、「日本などが中国リスクに備えれば、中国側も軍拡し、却って地域の緊張を高める」、などと言い出す人もいるのですが、そもそも軍拡をしているのは日本やAUKUSなどの側ではなく、中国の側です。
実際、中国の「公船」は頻繁に、尖閣諸島周辺海域を航行しており、しかも次の産経ニュースの記事によると、21日に出没した中国の船舶は、「1隻は機関砲のようなものを搭載」していたのだとか。
尖閣周辺に中国船 3日連続
―――2021/10/21 10:40付 産経ニュースより
そういえば、18日には、中露両国の艦艇計10隻が津軽海峡を日本海から太平洋に抜けていく、という事案も発生しています。
中国・ロシア艦艇が18日に津軽海峡を初めて同時通過=防衛省
―――2021年10月19日9:04付 ロイターより
このあたり、意外と知られていませんが、津軽海峡自体は『特定海域』として、わが国の領海ではないとされるなど、通行自体が領海侵犯にあたるということはなさそうですが、ただ、近隣国からこうした挑発がなされているという事実は、重く受け止める必要があるでしょう。
いずれにせよ、日本の領土・領海の守りは、待ったなしであり、だからこそ日本は信頼に値する同盟国・同志国を増やしていかなけばなりません。
その意味で、AUKUS拡大論がAUKUS側から出て来ること自体、第一義的には歓迎すべきことだと考えて良いでしょう。
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津軽海峡自体が国際海峡と認定されている限り、軍艦の通行を認めざるをえません。
津軽海峡を露・中の軍艦が津軽海峡を通行したとしても、挑発行為にはあたりません。
船が日本列島を飛び越える能力は、未だ無いのです。
但し、トルコにあるボスポラス海峡のように、通行できる軍艦を制限できるように
したいのは希望です。
それよりも、瀬戸内海を航行する南国船籍船及び南国人が運行する船に対し、水先案内人を
つけなければならないような時期にきております。
南国人が運行する船による艱難事故があまりに多すぎる。 特に日本に対し南国が
揉め事を起こすと。 故意か過失かが解らない状況です。
ただのリップサービスだと思うけど
ちょろんぼ様
津軽海峡については非核三原則とかいうばかげた責任逃れでアメリカ海軍艦艇を通過させる為に領海宣言していないという因習があります。
少なくとも、沖縄の海域のように潜水艦は浮上航行しなければならないと言うのが国際法に定められた法です。
まあ自衛隊の水中固定聴音機が埋設されている津軽海峡を好き好んで通過するロシア潜水艦もいないでしょうけどねw。
りょうちん様
問題は青函トンネルぶっ壊すのは簡単で、壊されると電力・インターネット・物流等のインフラがこわされ北海道というデカイ国土が孤立するということで、守るには北海道はあまりにデカイということです。
困った事にロシア軍・中国軍にとっては本領発揮出来る大地が北海道的な地勢であり、ぶんどった時に美味しい実入りがあるのは沖縄ではなく北海道です。
露中とも一番の課題は穀倉地帯の確保ですから!
沖縄乗っ取っても観光と基地しか旨味はないんですけど、北海道だと資源や食糧が得られ、アメリカ本土への基地としても美味しい。
尚且つ温暖化で北極海航路が成立した際に重要拠点に成りうるという困った地政。
元々左派が根強い北海道で、じわじわ左翼が多様性だの先住民だので分断始めているのは要注意だと思うんですが…
日本列島が長いのも困ったものです。
沖縄って象徴的戦利地としての意味合いが強いですが北海道は奪ってすぐに役立つのが問題なんだよなぁ…
日本がクアッド、台湾、東南アジア諸国、英仏加NZ等と、
連携を深める現状は大変喜ばしいのですが、
AUKUSにしてもfive-eyesにしてもそうですが、
この諸国はアメリカが中東等で戦争にする時に、
ぶつくさ文句を言いながら、一緒に従軍する国々なのです
(英国のベトナム戦争不参戦など例外はありますが)
翻って、日本が例えば「アサド政権の人権蹂躙は許せない。日本も攻撃に参加せよ」
と言われて、自衛隊を参戦できるでしょうか?
無理でしょう。憲法的にも世論的にも難しいでしょう。私はやって良いと思ってますが。
なので、日本にはおのずと限界があります。five-eyesもそうです
日本は全面参入では無く、対中、対北などの部分参加となるでしょう
それでも、戦後70年の歴史から見れば、情報・軍事・外交面で、
飛躍的な上昇だと思いますけどね
日本には防諜法がないので無理と聞きました。
AUKUS拡大論にしろ,5 eyes拡大論にしろ,日本を加えようという案は,アメリカ以外の国々の人間から出てくるのばかりで,肝心要のアメリカ政府の関係者からは全く出て来ず,それらの拡大案に関しても黙殺しているだけという事実から,アメリカの本音が何処にあるか推して知るべしだと考えます.
アメリカは、日本外交が多角化する事による日本のアメリカ離れを危惧していると思います。
日本をコントロールする事が難しくなりますので。
日本には独自外交を展開するための意思と能力が必要です。
憲法改正と国防力の強化が必須ですね。
迷王星様
しょうがないではあ~りませんか? 米国は分裂病なのです。
一派は日本の再軍備化を望み、もう一派は日本の武力を無くすべきと
考えている人達の集団なんですから。 と、書いてきて、日本の現状と
同じですね。 北国に拉致された人達を帰還させる為には、軍事力が必要と
考える人達と中共・露・何とか半島諸国の属国化する為日本の軍事力は不要と
考える人達との集団ですね。
そう言えばアサヒはどっち側なのでしょうか?
1945年8月迄国民を鼓舞し戦争を推し進めていった人達が、戦後急に
戦争反対と叫ぶのは、どっちが正しい姿なのでしょうか?
戦前のアサヒなら、敵国に日本を侮辱する像を建てたら、真っ先に戦争を
毎日紙面で国民を鼓舞していたと思うのです。
"AUKAS-JA" ならば「おー、カスじゃ」で語呂が宜しくないです。
豪州に誘われてもね~。
日本に軍隊は存在しておりませんからね~。
おままごとの軍隊もどきは存在しますがね~。
おままごとの軍隊もどきでも、世界で10位に入るのはスゴイと思います。
日本に軍隊が存在すれば、一番に参加していたでしょうに。