せめて1ヵ月くらい自主停波しては?
「甘い、甘い、甘すぎる」!昨日の『「転落事件」から1ヵ月:ダンマリ決め込むテレビ朝日』の「続報」が出てきました。株式会社テレビ朝日が(なぜかPDFファイルで)例の不祥事についてやっと1ヵ月ぶりに詳細を発表したのですが、事実関係の調査と発表になぜ1ヵ月もの時間を要したのか、そして関係者に対する処分があまりにも軽すぎないか、読めば読むほど疑問に感じます。
目次
テレビ朝日がやっと報告書を公表
昨日の『「転落事件」から1ヵ月:ダンマリ決め込むテレビ朝日』では、テレビ朝日という会社の呆れた隠蔽体質、すなわち1ヵ月前の自社従業員の転落事件についてダンマリを決め込む姿勢を改めて確認しました。
こうしたなか、ちょうど当ウェブサイトの記事の公表と前後して、株式会社テレビ朝日はこれに関する追加での説明資料を公表したようです。
当社社員の緊急搬送事案について【※PDF】
―――2021 年 9 月 7 日付 株式会社テレビ朝日・プレスリリースより
なんと、呆れたことに、再びPDFファイル形式での公表です。
文章は次の記述で始まります。
「当社スポーツ局のスタッフ10名が緊急事態宣言下における東京都の要請及び社内ルールを無視し、深夜から未明にかけて飲酒を伴う宴席を飲食店で開き、当社社員1名が誤って店の外に転落して負傷した件に関しまして、不要不急の外出等の自粛を呼びかける立場にありながら著しく自覚を欠く行動があったことを深く反省しております。緊急事態宣言下で尽力されている皆様をはじめ、店舗など関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び致します」。
文中「社員」とあるのは、おそらくは「従業員」の間違いでしょう(※余談ですが、テレビ朝日としては「問題を起こしたのは当社スポーツ局のスタッフ10人だけだ」と述べていますが、これについては当ウェブサイトで何度となく申し上げているとおり、おそらくは氷山の一角だと思う次第です)。
「すみやかに」?そのわりに1ヵ月もかかったのはなぜ?
文章の続きを読んでいきましょう。
「当社では、事案発生直後すみやかに関係各部署の担当役員・局長からなる『緊急調査チーム』を設置し、対応に当たってまいりました。このほど、関係者への複数回にわたる聴取による事案の詳細の確認、10名のうち当社社員6名への社内処分、および再発防止策の策定を行いましたので、ご報告させていただきます」。
「すみやかに」?
それにしてはなぜ報告が1ヵ月も遅れたのでしょうか?
また、「当社社員6名」とありますが、問題を起こした10人のうちテレビ朝日の従業員は6人だった、ということでしょう。
以下、テレビ朝日による説明です(文中、従業員と記載すべき箇所を「社員」と誤用している点などについては原文ママ)。
事案の経緯
- 10名はいずれも当社スポーツ局所属で20代、社員が6名、社外スタッフが4名。うち社員5名が8月上旬、当社オリンピック番組の打ち上げとオリンピック後に異動する1名の送別会目的で8日の宴席をメッセージアプリ等で約束した。残る5名には当日の仕事終わり等に声をかけ、合わせて10名となる。
- 8月8日午後8時:六本木の飲食店にて参加者6名で宴席を開始。その後、負傷した社員(以下当該社員)を含む2名が加わる。午後11時過ぎまで飲酒を伴う飲食。
- 午後11時半:8名全員が渋谷のカラオケ店に移動し二次会。9日午前2時ごろ2名が加わり10名となる。カラオケ店では6階の個室で飲食と歌唱。
- 午前3時半:当該社員が一人だけ帰宅の意思を示し、個室を出る。社員2名が個室の外まで出てエレベーターの方向に歩いている当該社員を見送る。従って、当該社員以外の9名は当該社員の転落、搬送を目撃していない。
読めば読むほど、ツッコミどころだらけ
このあたり、事件から1ヵ月も経過し、ようやくテレビ朝日から正式の報告が出てきましたが、遅すぎます。
普段、何らかの不祥事が発生した際、テレビ朝日を含めた新聞社・テレビ局(すなわちオールドメディア各社)は「アポなしで」その会社に押し掛け、居座って強引にコメントを取ろうとしてきたはずです。こうしたテレビ業界の勝手ルールに照らすならば、1ヵ月も経過して報告するということが許されるわけがありません。
その点はさておき、内容についてもツッコミどころだらけです。
そもそも飲酒を伴う5人以上の宴席を、東京都が自粛要請している午後8時以降に開始するという時点でも呆れますが、カラオケ店(文中では隠蔽されていますが、おそらくは「パセラ渋谷店」でしょう)に移動したのが夜11時半というのも凄い話です。
そして午前3時半に当該従業員が転落した際の経緯が、次の記述です。
当該社員からの聴取内容
- 疲労がたまっていて、酔いが回ってきた意識があり、周りに迷惑をかけてはいけないと思い、皆より先に帰ろうとした。
- 他のお客さんと乗り合わせるのを避けようとエレベーターではなく非常階段を使った。
- はっきりとは覚えていないが、外に出られないと思い込み、隣のビルの壁や看板をつたって降りようと考えたのだと思う。
- 何かをつかんだ後に落ちてしまい、その瞬間に激痛が走って、通行していた方に助けを求めた。
2 階から転落した当該社員は緊急搬送されて入院した。左距骨骨折で補助器具なしでの歩行までおよそ半年の診断。手術を経て先ごろ退院し、現在はリハビリを開始した段階。
転落した従業員がリハビリをしようが何をしようが関係ありません。自業自得でしょう。
それよりも、「他のお客さんと乗り合わせるのを避けようと」というくだりがありますが、言い換えれば、パセラ渋谷店は東京都の自粛要請にも関わらず、深夜まで営業していたということでしょうか。
また、なぜこの人物が「他のお客さんと乗り合わせるのを避けよう」としたのかについても不可解です。目撃されたくなかったからでしょうか。さらには「疲労がたまっていて、酔いが回ってきた意識」の部分も、たんに「飲み過ぎて泥酔していた」だけの話ではないでしょうか。
もはや噴飯物=テレビ朝日のダブルスタンダード
噴飯物なのは、その次の記述です。
「当社ではコロナ感染が拡大した直後から、『新型コロナウイルス感染防止策』という形で社内ルールを明文化しており、その中で『宴席は厳禁』としています。スポーツ局でも局独自のガイドラインを作成して社内ルールを日ごろから周知徹底していたほか、局員全員が参加する月1回の局会でも確認をしていました」。
要するに、世間から何か言われたときに備えてルールだけ作ってあとは無視、ということでしょうか。
考えてみれば、これほど恥ずかしい言い訳はありません。「厳格なルールを作っていた」という言い訳をすればするほど、株式会社テレビ朝日のコンプライアンスが「ザル」であるということを、自ら露呈しているのとまったく同じだからです。
ではなぜ、この10人の従業員がかかる宴席を実施したのでしょうか。
「今回、宴席に参加した10名も、このルールは認識していましたが、『少しならよいではないか』『今日ぐらいいいのでは』という甘えがあったとしています。10名は現在では、今回の行動が、社会のルール、会社のルールを逸脱し、放送メディアの一員としての自覚に著しく欠如したものであることを猛省しています。なお、10名とも緊急事態宣言下での宴席は、今回が初めてだったとしています」。
あれですか?テレビ朝日の社内では、「泥酔してビルの2階から転落する」くらい飲むのが「少しくらい」なのでしょうか?
「反省」ならサルにでもできます。
普段、他社にあれだけ厳しく突撃をかましておきながら、「少しならおいではないか」、「今日くらいは」という発想は「甘え」というレベルではありません。
世間一般の常識では、それは「腐敗」と呼びます。
処分になっていない処分
さて、もっと強烈なのは、次の記述でしょう。
「事案の経緯が確認されたことから、当社は10名のうち社員6名について謹慎10日間の処分としました。また、スポーツ局長及びスポーツセンター長について管理監督責任を問い減給1か月の処分としました。さらに、スポーツ局統括の亀山社長、スポーツ局担当の浜島常務から、今回の事案を踏まえて役員報酬を10%、1ヵ月返上の申し出がありました」。
甘い、甘い、甘すぎます。
さすがにこれだけ世間を騒がせておいて、「問題を起こした10人のうち当社従業員6人については謹慎10日間」、「上司は監督責任を問い減給1ヵ月」、「役員は報酬10%を1カ月分返上」…。いったい何様なのでしょうか。
反省しているならば、放送免許返上とかはしないのでしょうか?あるいは、「放送利権は大切だ」、「さすがにそこまでできない」などとおっしゃるのならば、1ヵ月ほど自主停波のうえ、以降はコロナ問題を含めた国内政治を一切番組で取り上げないと確約されてはいかがでしょうか?
さらに呆れるのは、次の記述です。
「社外スタッフ4名については、それぞれの派遣元会社に適切な対応をお願いしました」。
自分でその「適切な対応」とやらを見届けないのでしょうか?
あるいはそれぞれの派遣元との取引を打ち切るなどの措置はしないのでしょうか?
「事案発生後、当社では緊急事態宣言下における社内ルールを改めて徹底しました。また、こうしたことを二度と起こさないよう、今後様々なフェーズで研修などを行い、若手社員には、社会人として、またテレビ局の社員として働くことの責任を改めて意識づけ、再発防止を図ります」。
そもそもテレビ局の従業員以前に、彼らにはまともな社会人としての自覚があるのでしょうか。
やはり、世間一般よりも遥かに高い給与をもらい、弛緩し切っているのではないでしょうか。
いずれにせよ、次の記述を読むと、テレビ朝日が何の反省もしていないことは明らかでしょう。
「当社といたしましては、事案の調査から判明した当社若手社員に生じていた甘え、その甘えを原因とした、報道機関で働いているという自覚を著しく欠いた行動を真摯に受け止め深く反省しております。上述した再発防止策などを通じて、改めて社員教育を徹底していくことで、視聴者の皆様の信頼回復に努めてまいります。改めまして、多大なご迷惑をおかけした皆様に深くお詫びいたします」。
本当に真摯に受け止め深く反省するなら、理想をいえば社長の退任と放送免許自主返上、それができないならせめて1ヵ月間程度の自主停波とすべての報道番組の終了をすべきです。
これまで不祥事を発生させた企業にテレビ局が行ってきたことを考えれば、こんな報告にもなっていないような報告書での幕引きを許してはなりません。
自分が非常識な事件を発生させたのであれば、その程度のことは当然に社会から期待されると考えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
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真のマスゴミ。
>亀山社長、スポーツ局担当の浜島常務から、今回の事案を踏まえて役員報酬を10%、1ヵ月返上の申し出がありました
申し出がありました・・・返上と決まった訳ではない?たかが1割1か月で?
もはやお笑いの域
無根拠に憶測で申し上げますが、この業界や週刊誌などの幹部の給与には、あらかじめ普段から"返上分用"の給与が上乗せされていて、過激な報道を奨励し、いざ騒動になってしまったらその分をひくだけ、という構造なのかなぁとか想像しました。そうでなければもっと無難な姿勢になるでしょうから。
自分の知っている会社では 社長が 50% 半年でした。
聞いた話ですが 前年の所得に基づく 住民税などがかかるため
この比率は 実質 1年無報酬相当とのことでした。
その分翌年の税金は減るので±0かと
>>申し出がありました・・・返上と決まった訳ではない?
鋭いご指摘であります。
もう半世紀前ですが、日大紛争で、
理事は"辞めるべき"との結論になりました
という記者会見を思い出しました。(リアルで聞いたのではなく本で読んだ受け売りですが...)
彼らの思う壺、でしょうが、「どうせそんなもんだと思った。驚きもしない。」というのが正直な感想です。
謹慎10日とか言ってるけど、実質は特別休暇10日ですよね。有難い!!
彼らに何かを期待するだけ無意味なのでは?
反省の色無し。本当は
「何が悪いのか?」
「各局やっている。詳細バラしたら報復する」
「たかが毎日やっている呑み会じゃないか」
「役員、部長に迷惑をかけた」、、。
運が悪かった、あの女が下手をこいた、ぐらいですね。ABC朝日放送は窃盗するし。グループ全体が反社集団です。
テレ朝は1か月の放送自粛、コロナ禍には今後一切触れない、参加した社員は全員諭旨解雇、社長交代、役員、局長、部長、直属上司は減給10%を12か月、同席した別会社の処分は、このラインに準じ、テレ朝が最後まで見守る。最低限処分はコレだ。
そもそも、問題は「当社社員の緊急搬送事案」などではありません。緊急搬送であったかどうかなんてお宅の話であって、国民には関係ない。「当社社員の反社会的行動について」「当社社員の防疫に反する行為について」あたりでないと、タイトルに"国民が知るべき問題の核心"の記載が無いしょう。見方によっては「当社社員のテロ行為について」まで言う方だって居るでしょうに。
戦争法とか言い換えて喚く人たちと思考が(存在が?)一緒なのでしょうね。あとこの言い訳で顧客が納得すると思っているのなら、相当にナメているか想像力が無いか(まず下品な罵倒表現を用いましたがだいぶ修正しました。よしよしエラいぞ私。)どちらかとしか思えません。
テレビ朝日がこのように社会を舐めきった行動を堂々と取れるのは、監督官庁が相当に甘いからでしょう。監督官庁もTVとズブズブの関係であろうと想像されてしまいます。この業界は役所も含めて腐敗臭がプンプン匂います。
権力よりマスゴミのほうが腐敗しているように思えますが,
何とかならないのでしょうか。
腐敗した権力には選挙で鉄槌を下すことはできるのですが。
新聞はともかく、テレビ局は「見ない」ことで直接ダメージを与えられないんですよね・・・
テレビ朝日は、「今日こそ何か反省の弁が」の期待で観る視聴率狙いでは?
文春オンラインによると
「10名中、6名の社員はいずれも入社2年~4年の若手社員で、多くが体育会系出身。参加したある男性スタッフは過去にコロナ感染者を出した多人数での『飲酒パーティ』にも参加したことがあり、濃厚接触者として、しばらくの間出社を禁止されたこともあります。」
意識の低い愚か者は、学習せず同じ事を繰り返すようです。
私の所属組織にも、2回目の濃厚接触者となり現在出勤停止となっている者がいます。
正直腹立たしい。