またしても、「瀬戸際戦術」でしょう。韓国メディアの報道によると、昨日、自称元徴用工からの申し立てに基づき資産を差し押さえられている日本製鉄側の即時抗告を、韓国の裁判所が棄却したのだそうです。ただ、売却するためには別途「特別現金化命令(売却命令)」が必要だ、などとされており、楽し心配していた日本企業の資産売却までの道のりはまだ長そうです。
目次
瀬戸際戦術
瀬戸際外交・瀬戸際戦術の特徴
瀬戸際外交ないし瀬戸際戦術とは、「越えてはならない一線」の手前で相手を挑発し、相手に譲歩を迫るというものです。
非常にわかりやすい事例が、北朝鮮の「ミサイル発射」でしょう。
米国など国際社会が北朝鮮に対し、「長距離弾道ミサイルの開発は容認しない」などの姿勢を示すと、まずは「短距離」ミサイルを発射する、といったことがしばしば行われます(『【速報】北朝鮮がミサイル発射?迅速な日本政府の対応』等参照)。
これには、「米国が米朝交渉に応じてくれなければミサイルを発射するぞ」という警告の意味があるのかもしれませんし、あるいは、「米国に対してはどこまでやっても大丈夫なのか」を見極める、という意味もあるのかもしれません。
いずれにせよ、ポイントは「『これをやってはならない』と示したラインのギリギリ手前で相手を挑発する」、という行動です。
そして、そのラインで相手が動かなければ、1ミリずつ、薄く、薄くそのラインを動かしていく、というのが彼らの基本的な行動パターンではないかと思うのです。
ただ、それと同時に、この「瀬戸際外交」、見切ってしまえばどうということはありません。
相手に「ライン」だけ示しておいて、そのラインの向こう側で踊っている限りは無視すれば良い、という話でもあるからです(※相手に「ライン」そのものを示すことが正しいかどうか、という議論はありますが)。
GSOMIA破棄騒動
たとえば、今から約2年前、2019年8月22日に、韓国政府は『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(俗にいう「日韓GSOMIA」)の終了を日本側に文書で申し入れた、という「事件」がありました。
当時、韓国政府は日本政府に対し、「輸出規制(※)を撤回せよ、さもなくばGSOMIAは終了する」と要求したのですが、これについて日本政府側は微動だにせず、最終的に韓国はGSOMIA破棄の事実上の撤回に追い込まれました。
(※日本政府が韓国に対する輸出「規制」を行ったという事実はありませんが、ここで重要なのは韓国政府側の認識です。)
このあたりの経緯については、『あれから1年:いまだにGSOMIA破棄できない韓国』などでも詳しく取り上げたので、本稿では繰り返しません。
余談ですが、おそらく当時、韓国政府内の認識としては、次のような「不法行為の不等号」があったのだと思います(※「強制徴用判決」とは、後述する、2018年10月と11月の自称元徴用工判決のこと)。
(日本の過去の不法行為)+(日本の輸出規制)≧(強制徴用判決)+(GSOMIA破棄)
要するに、「韓日関係においては日本の過去の歴史問題に加え、2019年7月に日本政府が突如として輸出規制を適用した」ということをもって、「日本が韓国に対する加害者となった」、というのが韓国側の認識なのでしょう。
この「そもそもの数式」が間違っているので、日韓両国政府の認識が埋まることはありませんし、GSOMIAと輸出管理適正化措置も、そもそも最初から「交換条件」にはなり得ないのです(『徴用工解決と輸出管理撤回という政治決断はあり得ない』等参照)。
歴史問題の2つの視点
さて、自称元徴用工問題、すなわち「『戦時中、強制徴用された』と自称する者やその遺族らが日本企業を相次いで訴えている問題」に言及するまえに、当ウェブサイトなりに考える、「自称元徴用工問題」を含めた日韓間の歴史問題における2つの「本質的な問題点」について振り返っておきましょう。
日韓歴史問題の2つの本質的問題点
- ①本来、日韓間のあらゆる請求権に関する問題は、1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に決着しており、慰安婦問題は2015年12月の合意で最終的かつ不可逆的に解決済みである。
- ②韓国側が主張する「被害」の多くは、(おそらくは)韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである。
このうち、日本政府がとくに強く主張しているのは、①の問題点です。
自称元徴用工判決自体、法的には「完全かつ最終的に決着した問題」を、韓国の側が一方的に破ったという意味を持ちます。韓国が名実ともに法治国家ではなくなろうとしている、という点では、むしろ韓国にとっても深刻な問題でもあります。
ただ、当ウェブサイトで主張したいのは、上記②の問題点も深刻だ、という点です。
自称元徴用工自体、放置しておけば自称元慰安婦問題と同様、韓国はそのうち全世界で「日本が過去に強制労働という罪を犯した」、「日本はナチスと同じだ」、などと言い出すかもしれません(※というよりも、すでに2015年7月のユネスコ総会に先立ち、韓国は国際社会にそのような宣伝をしています)。
実際、『ユネスコ軍艦島遺憾決議、日本は「根元を断つ」努力を』でも報告したとおり、ユネスコ世界遺産委員会は今年7月、いわゆる「軍艦島における朝鮮人の強制連行」を巡る展示方法・内容が不十分として、日本を非難する声明を全会一致で採択しました。
これも、韓国側の国際的なロビー活動の執拗さを示す証拠のひとつでしょう。
当ウェブサイトなりの見解を述べておくと、こうした個別個別の韓国の名誉棄損、誣告(ぶこく)などの行為に対処するのは非常に非生産的であり、ユネスコ遺憾決議についても基本的には撤回させることは難しいと思っています。
したがって、日本がやらねばならないことは、「根元を断つ」努力です。
もっといえば、「サイレント型経済制裁」、「消極的経済制裁」、「セルフ経済制裁」など、さまざまな形の制裁をうまく組み合わせ、韓国が自称元徴用工問題という「ウソ、捏造」に基づく問題を提起したという事実自体に対するコストを、利息付きで韓国に負担させなければならない、というわけです。
売却スルスル詐欺
売却スルスル詐欺は典型的な瀬戸際戦術
さて、普段から申し上げているとおり、自称元徴用工問題を巡る韓国側の対応には、典型的な瀬戸際戦術が含まれています。
瀬戸際戦術においては、「越えてはならない一線」の手前で相手を挑発し、その一線を少しだけ越え、またすぐに引っ込む、といったことを繰り返します。
ただ、この瀬戸際戦術も、先ほど申し上げたとおり、「越えてはならない一線」を越えない限りは放置する、というのが短期的には非常に有効な対処法です。このことは、私たち国際社会が北朝鮮を相手にしてきた経験が、そのまま生きる分野ではないかと思います。
こうしたなか、自称元徴用工問題の「各論」には、少なくとも次のようなものがあります。
自称元徴用工問題の「各論」
- ①韓国大法院による2018年10月と11月の日本企業敗訴判決
- ②日本政府による日韓請求権協定に沿った問題解決手続に韓国政府がまったく応じなかったこと
- ③自称元徴用工らの側による日本企業の資産差押と売却手続(売却スルスル詐欺)
- ④長崎県端島(いわゆる「軍艦島」)などでの「朝鮮人強制連行・強制労働」という歴史捏造
先ほど取り上げたユネスコの件に関わる④を含め、どれも非常に深刻な問題ばかりですが、このうち③が、典型的な瀬戸際戦術なのです。
事実関係を振り返っておくと、韓国で違法判決を下された被害企業のうち、大法院判決で違法判決が確定してしまっているのが日本製鉄(当時の新日鐵住金)と三菱重工業ですが、この2社に対しては、自称元徴用工らの側から在韓資産の差押を喰らっています。
また、高裁レベルで敗訴している不二越についても同様に、在韓資産が差し押さえられてしまっている状況にあるのです。
ハードルが高い、非上場株式の売却
ただ、ここで重要なポイントがあるとしたら、この3社、差し押さえられている資産はいずれも簡単に売却できるものではない、という点でしょう。
ことに、日本製鉄と不二越については、現地企業との間で設立した合弁会社(JV)の株式を差し押さえられてしまっているのですが、一般にJVは現地企業との合弁契約に基づいて設立され、合弁当事者以外の者が株主となることは想定されていません。
そして、日韓ともに、法的に「定款の定めに基づき、発行する会社の承認を得なければならない」、とする規定(いわゆる「株式の譲渡制限」)を設けることが可能であるとされており、一般にJVにはこの譲渡制限条項が設けられています。
日本国会社法第2条第17号
譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
大韓民国商法第335条(株式の譲渡制限)
①株式は、他人に譲渡することができる。ただし、会社は、定款で定めるところにより、その発行する株式の譲渡に関して理事会の承認を必要とすることができる。
②第1項ただし書の規定に違反し、理事会の承認を得ない株式の譲渡は、会社に対して効力がない。
(※日本語訳は筆者による)
ということは、JVの株式を売却するためには、まずは①株式の買い手を見つけて来ること、②買い手と売り手の間で値段を決めること、という手続に加えて、③買い手が株式の取得を会社に主張するために、株主名簿の書き換えを完了させること、というハードルがあるのです。
少~~~~~しだけ、事態が動いた
ただ、個人的には、裁判を通じて非上場のJV株式をどうやって売却するのか、じっくり拝見させていただきたいと思っていたのですが、残念なことに、自称元徴用工判決から3年が経過しようとしているにもかかわらず、いまだにそれは実現していません。
そういえば昨年も、「2020年8月4日に公示送達の期日が到来したら、ただちに株式の売却が実施される」、というった報道がありました。
当時、当ウェブサイトでは『8月4日が到来しても、恐らく「現金化」は実現しない』という記事で、それを否定したのですが、結論的には当ウェブサイトの「予言」が的中し、いまだに売却は実現していないのです。
こうしたなか、「2020年8月4日」から1年以上経過した昨日、少しだけ事態が動いたようです。
「強制徴用」日本製鉄、資産差押に即時抗告…韓国大邱地方裁判所、「理由ない」棄却
―――2021.08.12 07:29付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)の報道によると、大邱(だいきゅう)地裁は11日、日本製鉄側が出していた即時抗告を棄却したのだそうです。
中央日報が報じた裁判所の言い分は、こうです。
「この事件の差押命令に何か誤りがあると認められる資料がなく、抗告は理由がない。債権者の損害賠償請求権が韓日請求権協定の適用対象に含まれなかったと大法院が判断した以上、これを前提とした債務者の主張は受け入れることはできない」。
「何か誤りがある」というのは、この判決というよりも、大韓民国という国の在り方そのものではないか、というツッコミはとりあえず脇に置くとしましょう。
問題は、これで日本製鉄の在韓資産であるPNR社の株式の売却が実現するのかどうか、です。
中央日報によれば、現在差し押さえられている株式は81,075株で、「額面価格5000ウォン基準で4億537万5000ウォン」、などとしています。
(※余談ですが、この「額面価格」とは、日本の旧商法でも存在していた「額面株式」のことだと思いますが、おそらく中央日報の記者も、「株式の額面と株式の公正価値」という概念を混同しているから、こんなことを平気で書いてしまうのでしょう。当たり前の話ですが、株式の額面と株式の公正価値は、まったくリンクしません。)
ただ、中央日報によると、韓国法上、この81,075株を売却するためには「差押命令とは別に特別現金化命令(売却命令)がなければならない」、「したがって債権者の売却命令申請に基づき、関連の裁判が別途進められる」、などとしています。
「もういい加減、どうでもいいからさっさとやれ」、などとイライラする方もいらっしゃるかもしれませんが、手続を細分化し、少しずつ、少しずつ売却手続を進めるというのは、瀬戸際戦術の典型的でもあるのです。
【参考】大きな蕪
(※画像と記事本文は関係ありません。)
日本政府は努力を尽くしたが…
これについて、日本政府はすでに、できることを尽くしました。
2019年1月には韓国政府に対し、外交的協議を申し入れたにも関わらず、その協議申し入れは無視され、5月に至っては当時の李洛淵(り・らくえん)首相から「韓国政府にできることには限界がある」などとする発言がなされました。
だからこそ、日本政府はただちに国際仲裁手続への移行を韓国政府に通告したのですが、韓国側は仲裁委員の選任などの手続を一切無視し、2019年7月19日には、手続面での条約違反も確定しました(『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』等参照)。
韓国がこの売却手続を停止しない限り、日本企業は韓国に新規進出し辛くなるでしょうし、既存の取引契約についても見直しを進めるという動きが広まるのではないでしょうか。
ひとつだけ欲を申し上げるなら、日本政府には「もう一声」、まずは韓国国民に対する入国ビザ免除プログラムの恒久的停止をお願いしたいと思う次第です。コロナで日韓往来がほぼ停止しているという事情を踏まえるならば、さほどハードルは高くないと思うのですが、いかがでしょうか。
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中央日報日本語版などによれば、旧朝鮮半島出身労働者問題で被告となった日本製鉄の差し押さえられた資産(合弁会社の株式)を現金化するには差押命令とは別に特別現金化命令(売却命令)がなければならない、とのこと。そして債権者の売却命令申請に基づき、関連の裁判が別途進められている、とのこと。
ということは、この売却命令関連の裁判だけで一審、二審や公示送達、抗告等々、また延々と瀬戸際戦術をやり続けて来るのでしょう。
下手をするとあと10年くらい瀬戸際ヤルヤル詐欺をやってるかもしれません。
日本政府や被告となった企業は、淡々かつ粛々と原則に基づいた対応をし続ければよいかと。
現金化話には、もう飽きてます。
>まずは韓国国民に対する入国ビザ免除プログラムの恒久的停止をお願いしたいと思う次第です。
これには、強く賛成します。
後は、現行法の厳正適用ですね。
しばらく前まで、韓国と北朝鮮は全く違う国だと思っていましたが、最近はそうではないと思いはじめてきました。国のシステムにこそ違いはあれ、どちらの国も結局やっていることは独裁政治であり、権力闘争であり、瀬戸際作戦であって、よく見るととても似ている。それもそのはず同じ民族ですからね。近い将来、北朝鮮に対するように、韓国にも処する時代が来るのかもしれませんね。
韓国の一番の目的は、日本統治は不法行為であったということを内外に発信し、定着させることでしょう。
その意味で、韓国最高裁による徴用工の判決は、「労働の対価としての請求権」でなく、あくまで不法占領下の強制徴用による「不法行為に基づく精神的苦痛に対する損害賠償権請求権」、つまり、日本統治が不法行為であったことを前提としたものなので、韓国にとっては、民族の誇り&永遠の金づる確保をかけた、譲れない絶対的かつ戦略的な判決なわけです。
しかし国際法の見地から言って明らかに無理スジな主張、かつ日米韓連携を重視するアメリカからの圧力もあって、現状では判決結果を実行するには時が来ていない、と判断しているのでしょう。
要は現金化なんかより、日帝の不法占領を認めた判決結果が変わらずそのまま存続する方がもっと重要、むしろそれが目的なのだから、ということです。
当然特に地裁レベルでは、上席的かつ良心的な裁判官が日本企業に対する請求権を棄却する例もあるでしょうが、地裁レベルの判決は日韓の外交関係に何ら影響を与えません。
最高裁の判決、及び実行が全てです。
私は上記見地から、韓国政府が最高裁の判決内容を否定することは、もはや例え保守政権になってもありえないこと、但し資産化等の実行は潮目をみていずれ実行される、とみています。
日本統治は不法行為、特に三一独立運動以降、は左派右派問わず、もはや韓国人の揺るぎのない真実となっているので、日本と韓国との間で歴史問題のが解決されることは未来永劫ないものと思います。
安全保障、経済関係についても基本的に離別の方向性かと思いますが、短期的にはアメリカの圧力で近づく可能性も高いでしょう、残念ながら。。
以下訂正です。
(誤)
上席的かつ良心的な裁判官が日本企業に対する請求権を棄却する例
(正)
常識的かつ良心的な裁判官が日本企業に対する請求権を棄却する例
彼らが欲しいのは金じゃなくて、上告理由の「不法な植民支配・侵略戦争に対する反人道的な不法行為(の慰謝料)」を日本に認めさせたという事実なのです。
現金化を執行し一連の流れが終われば、金は手に入れたが日本は判決を認めなかったというただの自慰行為になるだけです。
彼らにとって手間暇かけてわなを仕掛けたのにそれは避けたい、執行を引き延ばし、日本の変化(政権交代、総理交代)や外務省のオウンゴールを待っている状態なのだと思います。
彼らにとって金銭は目的ではなく上告理由の「不法な植民支配・侵略戦争に対する反人道的な不法行為(の慰謝料)」を日本が認めたようにすることが一番の目的です。
お金が目的ならさっさと現金化すればよいだけです。
判決が執行され裁判の一連の流れが終わってしまい、金は手に入れたが日本政府にこの裁判を認めさすことが出来なければただの自慰行為となってしまいます。
それを避けたいので執行を引き延ばすことで、日本の変化(政権交代、総理交代)、外務省のオウンゴールを期待しているのではないでしょうか?
コメントが反映できていなかったので2重送信してしまいました。
申し訳ありませんが削除をお願いします。
おっしゃる通りだと思います。
韓国に保守政権が誕生し、かつ日本に野党連合政権が誕生すれば、確実に韓国に譲歩、つまり事実上日本の統治は不法であったことを日本政府自ら認めるでしょう。
自民党政権のままでも、韓国に保守政権が誕生した場合は、アメリカの圧力で日本政府が譲歩せざるを得ない状況になる可能性が高いと思います。
私が言う潮目を見て現金化とは、日本が韓国の主張を全部、あるいは一部を受けいれた場合等で、統治は不法行為であることが内外に認知された場合です。
但し、日本が受け入れなかった場合でもいずれ資産化するでしょう、日本が受け入れなかったとしても、国際的に争点を認知させたということで最低限の役割を果たしたのですから。
その意味で、徹底的に長期化させ、争いを国際社会に認知させることを狙っているものと思います。
慰安婦問題の二匹目の泥鰌、アメリカ国内の歴史家等が応援団として力を奮ってくれるでしょうからね。。
今後の状況を踏まえた
以下、訂正です。
(誤)
韓国に保守政権が誕生し、かつ日本に野党連合政権が誕生すれば、
日本が受け入れなかった場合でもいずれ資産化するでしょう、
(正)
日本に野党連合政権が誕生すれば、
日本が受け入れなかった場合でもいずれ現金化するでしょう、
>今後の状況を踏まえた
→削除
単に持て余しているだけだと思いますけどね。
以前であれば、かなりの無理筋でも、吹っ掛ければ日本が譲歩してくれました。しかし、彼らは調子に乗りすぎ、サンフランシスコ条約体制そのものを毀損しかねないネタを吹っ掛けてきました。いくらなんでも日本もその一線を越えてまで譲歩することはできませんし、SF条約体制への挑戦となれば、アメリカの圧力も期待できません。
つまり、調子に乗って吹っ掛けたはいいけど、国内をさんざん煽ってきた手前、いまさら拳を下すこともできず、ぐずぐずと引きずっているだけであるように見えます。
この件に関して、アメリカが下らん介入をしてくる可能性がゼロとまでは言いませんが、まずないだろうと踏んでいるのは、この件が日韓条約、引いてはSF条約を毀損しかねないネタであり、それは戦後のアメリカのアジア戦略の全否定に繋がりかねないからです。目先の日米韓の枠組みのためにそこまでするとは考えられません。実際、対中という観点からはもちろん、対北という意味でも、現在ですら日米韓という枠組みは機能していないのですから。
龍様
>この件に関して、アメリカが下らん介入をしてくる可能性がゼロとまでは言いませんが、まずないだろうと踏んでいるのは、この件が日韓条約、引いてはSF条約を毀損しかねないネタであり、それは戦後のアメリカのアジア戦略の全否定に繋がりかねないからです。目先の日米韓の枠組みのためにそこまでするとは考えられません。
少々甘い期待かと思います。
韓国が論点としているのは、日韓請求権協定で明示された「労働の対価としての請求権」でなく、日本統治が不法であったことを前提とした「不法行為に基づく精神的苦痛に対する損害賠償権」です。
つまり、アメリカ肝いりで合意された日韓請求権協定の枠外ということで、アメリカに対して請求権協定違反ではないですよ、アメリカの顔をつぶすわけではないですよ、と言っているようなものです。
そもそもアメリカにとって、日本統治が不法であったか否かはどうでもよく、中国を睨んでいかに現在の日米韓連携を強化させるかが重要であり(=韓国が日本への反発を和らげる)、
日本が従来のように韓国に譲歩してくれるのが最も安易で無難なものだと考えているかと思います(韓国が譲歩することは絶対ないと解っているので)。
また、日本の統治が不法行為であったことが日本内外に認識されたのなら、戦前日本絶対悪論の強化につながり、日本の自主独自外交、核保有等の軍備強化を防ぐためのけん制になるとさえ考えているのかもしれません。
なぜならば、それがアメリカの国益につながるからです。
アメリカは唯一の同盟国、かつ最大の友好国でありますが、アメリカの国益と日本の国益は必ずしも一致しない面もあります。その典型が日韓との間で横たわる歴史問題です。
韓国に保守政権が誕生すれば、保守政権の維持強化のために得点をあげさせる必要があり、日本に対して徴用工問題と輸出管理問題で譲歩を迫ってくる危険性は大いにあると思います。
アメリカにとって決して下らん介入ではないのです、国益上有用な介入なのです。
日本政府は、差し迫った危険が目の前に来ているという認識のもと、予め対策を考えておく必要があるでしょう。
日韓請求権協定は日韓条約に付随するものです。日韓条約では、日韓併合の終了を明示していますが、併合の事実そのものを否定してはいません(日本側の解釈では)。現在に至るまで、日韓併合の違法性を主張しているのは韓国のみであり、その主張は国際会議で幾度も否定されています。それを覆そうとするのは、SF条約体制への挑戦であり、遡れば桂=タフト協定の否認にもつながります。アメリカにとって益することは何もありません。
アメリカが日韓の歴史上の問題に本質的には関心がないという点には同意しますが、だからと言って、アメリカが日本国の法的主張を枉げさせてまで日本に圧力をかける意味が分かりません。そんなことをするくらいならば、日本国憲法を改正するよう圧力をかけたほうがよほど有益です。
できるかもしれない非左派政権にエサを与えるというのであれば、頓挫している日韓漁業権協定交渉において、日本に譲歩させるくらいでも十分でしょう。その程度ならば、困るのは日本の漁民くらいですし、壊滅しつつある釜山あたりの韓国漁民にとっては大きなポイントになるでしょう。
もう一度繰り返します。アメリカにとって、日本国に法治主義を放棄させ、かつSF条約体制を毀損しかねないと分かったうえで、機能するかどうかも分からない日米韓という枠組みに固執する理由は何ですか? アメリカにとって、そこまでの価値があることですか?
龍様のコメント 12;15、対する返信です。
>もう一度繰り返します。アメリカにとって、日本国に法治主義を放棄させ、かつSF条約体制を毀損しかねないと分かったうえで、機能するかどうかも分からない日米韓という枠組みに固執する理由は何ですか? アメリカにとって、そこまでの価値があることですか?
日本に法治主義を放棄させるわけではありません。
日本に不法行為であったことを認めろ、という圧力でなく、韓国との交渉のテーブルにつき、双方合意できるよう話し合え、といった要請(圧力)です。
日本統治が不法行為うんぬんは、アメリカは関知しないでしょう。
日韓の間で勝手にやってくれということです。
なお韓国は、交渉のテーブルにつき、何らかの合意がなされた際には、日本は自ら統治の不法性を認めたとみなすでしょう。
日米韓という枠組みに固執する理由は、対中国です。
韓国を中国側には絶対に行かせない、ということなのでしょう。
アメリカ政府の中でも、このブログにおける多くのコメント主様のように、日米韓という枠組みの有効性に疑義を持っている政治家や官僚もいるのでしょう。
一方で、日米韓という枠組みの有効性を信じ、固執している連中もいるのでしょう。
アメリカ政府も一枚岩ではありません、だからこそロビー活動があるのではないですか?
また別の理由として、長年の米韓同盟下における軍需産業などの各種利権団体が従来通りの韓国との連携を望んでいるということもあるかもしれません。
また上記ロビー活動ともダブりますが、韓国保守派等によるアメリカ政府への働きかけ、ということもあるでしょう。
アメリカは多様な考え、価値観、利害関係を持つ人により成り立つ国ですから、そもそも国益にとって何がベストプラクティスなのか、流動的にならざるを得ません。
PONPON様
> 韓国との交渉のテーブルにつき
「話くらいは聞いてやってよ」程度の圧力(?)はあるかもしれませんが、「成果」を出せというのは、日本に法治主義を放棄しろと言っているのに等しいです。日本としては、この点に関して譲歩の余地はなく、また河野前外相がアメリカにもそう伝えています。その上でなお日本に譲歩を要求するのであれば、それは日本に法治主義を放棄させることに他なりません。
> 日米韓という枠組みに固執する理由は、対中国です。
その根拠がよくわかりません。アメリカが日米韓という枠組みに今でも拘っているのはわかりますが、それは朝鮮半島問題を主眼とした場合であり、対中包囲網という観点から考えれば必須とは言えず、そのほうがもしかしたらマシかもしれない程度でしかありません。なぜならば、在韓米軍も韓国軍も、対中軍事衝突という事態に至った場合、ほとんど役に立たないからです。PONPON様が挙げられたいくつかの推測にしても、在韓米軍維持の理由にはなりますが、対中包囲網構築という意味ではあまり意味がありません。だから何度でも伺うのです。対中国という観点で、役に立つかどうかも怪しい日米韓という枠組みのために、アメリカが日本に圧力をかけるメリットは何ですか?
なお、在韓米軍は、軍事的な機能というよりは、当面北朝鮮に対する外交カードとして極めて有用です。一回しか使えないので、使うタイミングは難しいですが、当面維持を図る十分な理由になるでしょう。
とは言え、アメリカが時に理不尽であり、非合理的な選択をすることもあるというのは理解しますが、そうであるならば、いかなる予測も議論も無意味ということになります。
龍様のコメント、13:12に対する返信です。
>だから何度でも伺うのです。対中国という観点で、役に立つかどうかも怪しい日米韓という枠組みのために、アメリカが日本に圧力をかけるメリットは何ですか?
申し上げたように、「役に立つかどうかも怪しい日米韓という枠組み」、と考えていない議員や官僚がいるのであろう、ということです。韓国をアメリカ陣営につなぎとめることが対中国戦略上必要と考えている連中がいるというのが私の推測です。
龍様がおっしゃるように、私も日米韓という枠組が機能するとは思えませんが、それはあくまで我々の主観です。
この点、あくまで推測レベルの話ですので、龍様との意見はいつまでたっても平行線のままかと思います。
繰り返しますが、日米韓という枠組が機能するとは思えない、という点では龍様に完全に同意します。
なおひとつ龍様に教えて頂きたいのは、サンフランシスコ講和条約は、日本の朝鮮半島不法占領(統治)を前提としたものなのでしょうか?
もし日本が統治の不法性(違法性)を認めたならば、おっしゃるようにFA体制の崩壊につながるのでしょうか、また崩壊とは具体的にどのような状態のことを言うのでしょう?
私の認識では、アメリカ政府は日本の朝鮮半島統治を合法とも不法(違法)とも公式では認めていない、ということですが、知識不足の私なので、誤った認識かもしれません。
なお龍様おっしゃるように、成果を出せ!、と圧力をかけるの法治主義の放棄を迫るに等しいかというと、
労働の対価ではない不法行為に基づく精神的苦痛に対する請求権なのでそもそも日韓請求権協定の枠外であり、また日本統治を適法とアメリカが認めていないということならば、法治主義の放棄とまでは言えない、という論理構築も成り立つものと思います。
日本としては決して認めることはできない論理ですが。。
龍様の調子にのって持て余した説は説得力あります。
多分彼等は先を読む能力に欠けてるので、慰安婦の成功体験から同じだと思い行動し、自ら解決出来ないので、日本に解決丸投げしてるのでしょう。
また、米国がこんなもんの尻拭いに労力を割くとも思えません。
全面的に同意いたします。
カノ国の人間、況んや、イカレタ極左運動圏政府の考えなんか分析してみたところで、と言ってしまえばそれまでの、どうでもいいようなはなしではあるんですが。
『(日本の過去の不法行為)+(日本の輸出規制)≧(強制徴用判決)+(GSOMIA破棄)』という数式。
はじめ見たときには、ああなるほど、煎じ詰めればこういうことになるのかと納得したのですが、よくよく考えると、なんとなく違和感があるのです。
左辺の項は、彼らなりの理屈に依れば、日本がカノ国に負っている負債、不当行為。右辺は日本がそれを充当するだけの損害賠償、是正措置をおこなわなければ、甘受しなければならないペナルティとでも言えばいいんでしょうか。
日本の過去の不当行為≧強制徴用判決
これは納得(あくまで彼らならそう考えるんだろう、という意味でですが)。
日本の輸出規制≧GSOMIA破棄
これはどうでしょう。もしそう考えているなら、「輸出規制」を撤回させんが為にぶつける手札としては、「GSOMIA破棄」は迫力不足ということになります。それを承知の上でやってるとすれば、これは一種のぼったくり行為ということになります。当初から、日本が鼻も引っかけてくれなかったこのバーター取引を、「ああ、やっぱりダメだったか」とさっさと引っ込めずに、いつまでも持ち出してくるのは、米国というファクターを回避できれば、「GSOMIA破棄」は日本に対してまだ十分効果があると信じ込んでいるように見えます。
つまり彼らにとっては、少なくとも、
日本の輸出規制(というイヤガラセ)≦GSOMIA破棄+五輪を契機とした文ジェインの来日および首脳会談(という日本にとっての)機会喪失(これなら米国に申し開きできんぞ)
くらいの逆向きの不等号でものごとを考えているとでも想定しない限り、もはやその行動は支離滅裂ということになります、いかに状況判断がデタラメでも、短期的利益損得計算だけは、最後までしっかりやるのがカノ民族の特徴と思うのですが。
GSOMIAが日本に対する外交カードになりうると未だに考えているようですから、短期的な損得勘定すら怪しいと思いますが。
人の賢さをはかるのに、モノの見方があります。
賢ければ10歩先を見て行動し、周りが理解出来ずにいても、時間が経てば理解出来るというものです。
また、2歩3歩先を見て行動する赤好きな人を見ても理解出来るでしょう。
しかし、半島に住む人々は過去を捏造し、現実を見ず未来はケンチャナヨな行動を好みます。
その様な人々に、常識が通じるのか?
道理をとき、利益誘導し、信頼関係を築く事は出来るのか?
その答えはこの数年の出来事で出ているのではないか。
話し合いは、双方に一定程度の知性を必要とします。
知性無き交渉は結果も知性無きものとなるでしょう。
チャーハンはまだか?
韓国の日本製鉄や三菱重工業らへの瀬戸際外交や、サラミスライスは、結局のところ実行やる気無しの韓国丸出し。もう馬鹿らしいです。友邦国ではありません。
叱りつけて、断交を申し渡したい気持ちですが、そう短気は起こさずに、じっくり締め上げましょう。
会計士さん言われる「日本政府には、まずは韓国に対する入国ビザ免除プログラムの恒久的停止をお願いしたいと思う次第です。コロナで日韓往来がほぼ停止しているという事情を踏まえるならば、さほどハードルは高くないと思う」。
異議なし。全面賛成。コロナ禍の今だからこそ、導入しやすいです。
彼らにとって金銭は目的ではなく上告理由の「不法な植民支配・侵略戦争に対する反人道的な不法行為(の慰謝料)」を日本が認めたようにすることが一番の目的です。
お金が目的ならさっさと現金化すればよいだけです。
判決が執行され裁判の一連の流れが終わってしまい、金は手に入れたが日本政府にこの裁判を認めさすことが出来なければただの自慰行為となってしまいます。
それを避けたいので執行を引き延ばし、日本の変化(政権交代、総理交代)、外務省のオウンゴールを待っているのではないでしょうか?
これはPONPON より:様への返信ですがコメントが反映できていなかったこと、操作上のミスで新規投稿になってしまいました。
申し訳ありませんが削除をお願いします。
>少~~~~~しだけ、事態が動いた
*結局、韓国司法は現金化で韓日関係破綻のすべての責任を負担せねばならなず、背を押す世論に「やってますアピール」を続けざるを得ないだけなのかと・・。
>日本政府はすでに、できることを尽くしました。
*日本側が輸出管理を強化したのも、「差押え資産の現金化」と最終ラインを示したのも、彼らの自主的な更生を期待すればこそ(なのかな?)なのだと何故に気付かないのでしょうね。
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(余談です)
教科書に載ってる『おおきなかぶ』。あのカブの抜き方は、ちょっと問題なのでは⁉ 柳田理科雄
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagitarikao/20210416-00232846
>最終的には5400kg。結局おじいさんは、カブを抜くための力5.4tのすべてを負担せねばならない!
*非現実的?なのかもですが、数字をつかった論考は読んで楽しいです。
理科雄先生は公園の砂に蕪を埋めて実験されていますが、現実には蕪を育てるのは砂でなくて畑の土だと思います。砂と土では土質力学的には大いに性質が異なります。鉛直方向に抜く場合の実験では蕪の質量とそれを覆う砂の質量との合計で200gとの結果のようですが、これが土でしかも育つ間長期間埋まっていたならば蕪と土の間に粘着力が働きます。砂場での実験かつ埋めて直ぐに引き抜いたのでは粘着力はほぼゼロであり、長期間土に埋まっていることによる粘着力の再現が実験では出来ていません。
地面に埋まっているものを引き抜こうとするとき(例えばテントのペグなど)、その物体の重量以上の渾身の力で引かないと抜けないのは粘着力によるものです。
別にケチをつけるわけじゃありませんが。。。
匿名29号様
https://www.takii.co.jp/tsk/y_garden/autumnsummer/kabu/index.html
↑こちらの図解なんかを見ると、基本的に一本根とはいえ実際の畑で測定して欲しかった気がしますね。品種にもよりけりなのでしょうが、けっこう長いんですね。