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    Categories: 外交

外交知らずの外交官?日韓に「ツートラック」を要求か

日韓関係は「パターン⑧」へ

「この世で最も外交を知らないのは、外交官ではないか」。そんな皮肉のひとつでも言ってやりたくなるような酷い発言を目にしました。といってもそれを報じたのが「あのメディア」であるため、そもそも報道自体を鵜呑みに信じて良いのかという問題はあるでしょう。しかし、同盟国に対し、ありもしない「過去の残虐行為」を糾弾し、「ツートラック」をやれ、などと要求したというのが事実だとすれば、これは本当にとんでもない話です。

外交関係の4類型

外交はあくまでも人間関係の延長

以前から当ウェブサイトで何度も繰り返している話ですが、外交は、決して難しいものではありません。

「外交」と聞けば、多くの人は、「自分にはまったく関係がない、どこか遠い世界の話」、などと感じるかもしれませんが、そうではありません。外交も結局は「国と国とのおつき合い」であり、また、国もしょせんは人間の集合体である以上、人間同士のおつき合い、会社同士のおつき合いなどと、何も変わるところはないからです。

そして、私たち日本人が「日本国」という共同体に所属している以上、その日本国という共同体が外国とどう付き合っていくかについては、まさに「どこか遠い話」ではありません。

私たちの生活に直結する、大変に重要な話なのです。

だからこそ、私たち一般国民こそ、外交について議論する資格がありますし、また、むしろ私たち一般国民こそ、外交について積極的に議論すべきです。

何でこんなことを言うのかといえば、世の中で「外交官出身者でござい」、などと名乗る人たちの外交論が、得てして大変に間違っているからです。なかには、「こんな人たちが外交を仕切っていたのか」、「そりゃ日本の立場も悪くなるわな」、と思わず呆れるような人たちもいます(本稿では、あえてその実例は挙げませんが…)。

人間関係・外交関係の4パターン

さて、いつも申し上げているマトリックスです。

私たち人間は、他人と関係を築くときに、「好き嫌い」、「利害関係」の2つの軸で判断しているはずです。

いや、世の中には奇特な人もいますので、「嫌いだけれども付きまとってやる」、などの異常な行動を取るケースもありますが、あくまでも常識的な人であれば、誰かと「付き合う」、「付き合わない」を決める際には、「感情に照らしてその人と付き合いたいと思うか」、「その人と付き合う必要があるか」の2点で判断するのではないでしょうか。

つまり、「その人が好きか嫌いか」、「利害関係上、その人と付き合う必要があるかないか」という観点から、人間関係はざっくり、次の4つのパターンに分類できます。

人間関係の4パターン
  • ①その人のことが好き、利害関係上付き合う必要がある
  • ②その人のことが嫌い、利害関係上付き合う必要がある
  • ③その人のことが好き、利害関係上付き合う必要はない
  • ④その人のことが嫌い、利害関係上付き合う必要はない

(【出所】著者作成)

個人的な拙い経験に基づけば、①のような関係ばかりだと、人生がどんなに楽だったかと思います。自分にとって「付き合わなければならない相手」(学校の先生、職場の上司、取引先など)が「自分にとって好きになれる人」だったならば、本当にストレスなく過ごしていくことができるでしょう。

しかし、残念ながら、世の中はそこまでうまくできていません。

おそらく、当ウェブサイトを訪れてくださる方々を含め、世の中の99.999%くらいの人が、②の関係で悩んでいらっしゃると思います。「嫌いな人とどうやってうまく付き合っていくか」を議論し始めたら、本が何冊でも書けますし、そのようなテーマのブログサイトなどもたくさん見つかるでしょう。

一方、③の関係は、昔の職場の上司であったり、恩師であったり、と、すでに利害関係は消滅しているけれども、旧交を温めたくなるような相手、ということであり、そのような関係は一生続くこともあります(個人的には、このような関係は大切にしたいものだと思います)。

そして、④の関係は、そもそも人間関係として続くことはありません。好きでもないし、付き合う必要もない人間関係など、継続するはずがないからです。

以上の考え方を国に当てはめたものが、次の「外交関係の4パターン」です。

外交関係の4パターン
  • ⑤その国に対する国民感情が良く、国益上付き合う必要がある
  • ⑥その国に対する国民感情が悪く、国益上付き合う必要がある
  • ⑦その国に対する国民感情が良く、国益上付き合う必要はない
  • ⑧その国に対する国民感情が悪く、国益上付き合う必要はない

(【出所】著者作成)

⑤が①に、⑥が②に、⑦が③に、⑧が④に、それぞれ対応しています。

先ほどの人間関係についても、まったく同じことが成り立ちます。

米国は⑤の典型例

たとえば、⑤の典型例は、米国でしょう。

日本にとって、軍事的にも経済的にも、米国は大変に大切な国でもあります。ヒト、モノ、カネのすべてにおいて日米は密接なつながりがありますし、日米同盟の相手国でもあります。さらに、また、『外交に関する世論調査』でも、米国に対する親近感は安定しています(図表1)。

図表1 米国に親しみを感じるかどうか

(【出所】過去の『外交に関する世論調査』を参考に著者作成。「親しみを感じる・感じない」にはそれぞれ「どちらかというと」を合算している。なお、内閣府のオリジナルの調査では、2020年の調査についてはコロナ禍のために「調査方法が異なり、単純比較はできない」と注記されている点に注意)

中国は⑥の典型例

一方、⑥の典型例は、中国です。

日本にとって、現在の中国との関係は、貿易面でも人的往来面でも密接ですし(※ただし、金融面ではさほど重要性はありません)、とくに貿易面では、中国は日本にとっては輸出、輸入ともに最大の相手国でもありますが、中国に対する国民感情は決して良好ではありません(図表2)。

図表2 中国に親しみを感じるかどうか

(【出所】過去の『外交に関する世論調査』を参考に著者作成。「親しみを感じる・感じない」にはそれぞれ「どちらかというと」を合算している。なお、内閣府のオリジナルの調査では、2020年の調査についてはコロナ禍のために「調査方法が異なり、単純比較はできない」と注記されている点に注意)

つまり、国民感情的には、中国はけっして「仲良く付き合えるような相手」ではないにも関わらず、現時点において中国との関係を断絶するわけにはいかないのです。だからこそ、「中国とどううまく付き合うか」は、外交に関して議論する際の例題のひとつ、というわけです。

敵対国とどう付き合うか

中国に対する外交の基本

では、国民の多くが「嫌いだ」と感じるような相手国とは、いったいどう付き合っていくべきでしょうか。

これには百者百様の答えがあると思いますが、個人的な見解を申し上げるならば、表面的には「お互いに国民感情を刺激することを控えつつ、国際的なルールに則って理性的におつき合い」するしかありません(もっとも、テーブルの下では相手の足を思いっきり蹴っ飛ばすくらいのことはやっても良いと思いますが…)。

また、それと同時に、油断のならない相手国に対しては、「自国の主要産業の機密を奪われないようにする」、「相手国に過度に依存し過ぎないようにする」、といったことは避けねばなりませんし、可能ならばその国以外のお友達を増やす、というやり方が考えられます。

たとえば中国の場合、地図で見ると、韓国、北朝鮮、ロシア、モンゴル、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド、ミャンマー、ラオス、ベトナムと陸で国境を接しており、また、海を隔てて台湾や日本などと近接しています。

日本外交は現在、「自由で開かれたインド太平洋」( “Free and Open Indo-Pacific” を略して、俗に「FOIP」)という戦略を進めていますが、このFOIPなど、(結果的には)中国に対する「包囲網」として有効に機能し始めています。

つまり、FOIP(とりわけ日米豪印4ヵ国の「クアッド」)は、日本とは自由主義、民主主義などの価値を共有しない中国に対し、一種の「価値同盟」、で対抗していこうとする考え方だと理解することもできるかもしれません。

(※もっとも、インドが「基本的価値」を日本と完全に共有しているかといわれれば、そこは微妙ですが…。)

すなわち、中国に対し、「言うべき」を言うためには、その前提として、中国に対して強い力を持っているべきであり、その力は軍事力だけでなく、経済力、さらには「国際社会でお友達を作る力」も必要だといえるでしょう。

政府のあらゆる行動は国益の追求につながるべき

さて、古今東西、あらゆる国家の目的は国益の最大化にあり、あらゆる政府の目的は国益の追求にあります。そして、国益とはいうまでもなく、軍事的な安全保障、経済的な発展・繁栄(平たく言えば「国民が平和で豊かに暮らしていけること」)のことです。

その重大な使命が頭から完全に抜け、腐敗しきった組織の筆頭が、「日本経済を破壊してでも、省益のために何が何でも増税を進める」という財務省でしょう(※この点についてはまた別途議論したい点がいくらでもありますので、別稿にて何度でも取り上げたいと思う次第です)。

ただ、その国益という視点がどうも欠落しがちな組織が、財務省以外にもあります。

ほかでもない、外務省です。

もちろん、外務省内にも国益をしっかりと考えて行動する人がいると、個人的には信じているのですが、ただ、先ほども申し上げたとおり、外務省出身者でありながら、この「国益」の視点が完全に欠落し、外交を「その国と仲良くすること」だと勘違いしている人もいるのです。

当たり前の話ですが、国家のありとあらゆる行動は「国益」のためだけに存在しますし、ある国と付き合うことが、わが国にとって「有害」であるならば、そのような国との付き合いをやめる、というのも、国家としての選択肢には当然に入って来なければなりません。

これが、人間関係でいうところのパターン④、外交関係でいうところのパターン⑧です。

韓国はパターン⑥なのか、パターン⑧なのか

そして、当ウェブサイトを運営し始める以前から個人的に抱いている根本的な問題意識のひとつが、「果たして日本にとって韓国は、本当に付き合わなければならないのか」、という視点です。

韓国に対して、もはや日本国民の多数が、決して良い感情を抱いていないであろうことに関し、さほどの疑念の余地はないでしょう(図表3)。

図表3 韓国に親しみを感じるかどうか

(【出所】過去の『外交に関する世論調査』を参考に著者作成。「親しみを感じる・感じない」にはそれぞれ「どちらかというと」を合算している。なお、内閣府のオリジナルの調査では、2020年の調査についてはコロナ禍のために「調査方法が異なり、単純比較はできない」と注記されている点に注意)

ただし、ここで韓国をどう位置付けるかは微妙です。

先ほどの「外交の4類型」でいうところの、⑥か⑧のどちらに該当するのか、という問題です。

  • ⑥その国に対する国民感情が悪く、国益上付き合う必要がある
  • ⑧その国に対する国民感情が悪く、国益上付き合う必要はない

韓国が日本にとって⑥、つまり「国民感情は決して良くないが、国益を考えたら付き合わなければならない」という国なのか、それとも⑧、つまり「国民感情も悪いし、国益を考えたら無理して付き合う必要もない」という国なのかについては、見極めが必要です。

日韓関係、3つの議論:いますぐの日韓断交は非現実的

これについて考えるうえで、拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』で提示したのが、次の3つの考え方です。

①一衣帯水論

韓国は同じアジアの国として、地理的にも近く、歴史的にも文化的にも深い関係を持っている。日韓両国は一衣帯水の関係にあり、切っても切れない関係にある。また、過去に日本は韓国を「植民地支配」するという加害者としての歴史を忘れてはならない。

②経済関係論

日韓経済は「ヒト、モノ、カネ」の面で密接に結びついており、日本企業の多くが韓国に進出する一方、韓国の産業も日本製の製造装置や部品、素材などに強く依存しており、経済的側面から、日韓両国は相互に重要な関係にある。

③朝鮮半島生命線説

韓国は地理的に見て日本に非常に近く、この地域が日本の敵対勢力に入れば、日本の安全保障に深刻な脅威をもたらす。だからこそ、日本はあらゆるコストを払ってでも、朝鮮半島を日本の友好国に引きとどめておかなければならない。

このうち①は論拠としてはお粗末であり、論外ですが、残り②と③については、部分的に事実を含んでいるため、無碍に否定することはできません。

もちろん、当ウェブサイトとしては、これまで②に関しても、「韓国以外にも重要な相手国は存在する」、「韓国に代替するビジネスパートナーを見つけるべき」、と主張してきたつもりです(拙著の「韓国がなくても…」というタイトルも、これを表現しているつもりです)。

ことに、昨日の『「解決済み」の慰安婦問題、今さら何を協議するのか?』で議論したとおり、韓国は日本に対し、国際法や条約、約束をないがしろにした不法行為を仕掛けてきています。そんな国をビジネスパートナーにすること自体、大きなリスクをはらんでいると言わざるを得ません。

ただし、ビジネスは「べき論」だけで動くものではありませんし、昨日の『6月の輸出高も「台湾>韓国」:基調は定着するのか?』などでも触れたとおり、日本経済にとっての韓国の重要性は徐々に低下しつつあるとはいえ、依然として韓国は日本にとって重要なビジネスパートナーです。

さらに、③に関しては、日本の外交と防衛政策が同時にFOIPに舵を切った(『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』、『ついに日韓ハイレベル防衛交流「ゼロ回」に=防衛白書』等参照)ものの、まだまだ安全保障上、韓国とのつながりを断ち切ることはできません。

なぜなら、米国が韓国との関係を継続しているからです。

日本にとって米国が最も重要なパートナーであり、かつ、その米国が「日米韓3ヵ国連携」に拘る以上、安全保障面から日本が韓国との関係を「断ち切る」という選択肢は取れません。

いや、むしろそうだからこそ、「韓国抜き」でのFOIPを日本が推進すること自体、究極的には、「防衛面でも韓国がなくても大丈夫な状態」を作ることにある、という言い方もできるのかもしれません。

聞き捨てならない米国務次官補発言

米国務省次官補の発言、「ツートラック」そのものでは?

さて、こうしたなかで、韓国メディア『中央日報』(日本語版)を読んでいると、昨日、こんな記事を発見しました。

米国務省の韓日担当副次官補「韓日、過去と未来は別々の“カゴ”で扱え」(1)

―――2021.07.29 16:14付 中央日報日本語版より

米国務省の韓日担当副次官補「韓日、過去と未来は別々の“カゴ”で扱え」(2)

―――2021.07.29 16:14付 中央日報日本語版より

これは、米国務省のマーク・ランバート日韓担当副次官補が現地時間28日のカンファレンスで、「日韓協力の必要性」を強調したうえで、「米国が考える日韓解決法」を提示した、などとする話題です。

具体的には、ランバート氏は「2つのカゴ」論なるものを提示し、次のような趣旨のことを述べたのだそうです(※もっとも、意味を変えない範囲で、日本語表現についてはかなり整えています)。

米国は共通の基盤を探るために日韓両国政府と協力してきた。我々は率直になろう。歴史は変わらない。20世紀に起きた残酷行為はそのままだ」。

つまり、この「2つのカゴ」論とは、「日本の韓国に対する過去の残虐行為」についてはきちんと解決することとしつつも、未来の協力に関しては分離して対処しよう、という提案でしょう。

報じたメディアがメディアだけに、その記載内容が公正中立なのか、あるいは鵜呑みに信じて良いのか、という問題はあります。ただ、もしもこの報道がランバート氏の発言を正確に反映しているのだとしたら、これはとんでもない内容であり、このランバート氏の発言こそ、「恥知らず」にもほどがあります。

もしも日本の韓国に対する統治を「過去の残虐行為」と呼んでいるのならば、そのこと自体が事実に基づかない韓国のプロパガンダをほぼ鵜呑みにしたものと言わざるを得ませんし、また、日本としてもとうてい受け入れられるものではありません。

百歩譲って、ランバート氏が「過去の残虐行為」を「韓国が主張する過去の問題」という意味で述べているのだとしても、「過去と未来を分離して解決しよう」という発想についても受け入れられるものではありません。

なぜなら、すでに解決した「過去」をわざわざ蒸し返して問題にしているのは、韓国の側だからです。

というよりも、中央日報が報じた「ランバート氏の発言」、韓国の政治家やメディアが常々繰り返している「ツートラック」(というよりも「食い逃げ外交」)そのものです。

米国が日本にとって、最も重要な同盟相手であるのと同様、日本も米国にとって、インド・太平洋地域における最も重要なパートナーであることを思い起こすならば、国務省の「副次官補」という立場にある者が不用意な発言をすること自体、同盟を揺るがす可能性があることに、もう少し注意すべきでしょう。

もっとも、「この世で最も外交を知らないのは外交官である」というのは、日米ともに成り立つ命題なのかもしれませんね。

米韓同盟の先行きにも注目したい

いずれにせよ、韓国が日本にとって、経済的・軍事的に不可欠な国なのかどうか、という疑問点は、米国にとっても成り立つように思えてなりません。

もちろん、地理的には、朝鮮半島がちょうど中国の喉元に突き付けられた匕首(あいくち)のような位置にありますし、米国にとっては、たとえば北京からわずか1000キロほどの距離にある烏山(うざん)空軍基地を抑えていることの戦略的価値は大きいと思われます。

ただ、米国の同盟国という立場にありながら、勝手に「三不の誓い」を立てて中国の軍門に下ろうとしたり、米朝間の対話を邪魔したりするような態度が、米国自身にとって「匕首」としての利用価値を上回る損害をもたらしていることについては、米国自身ももう少し意識すべきでしょう。

もっとも、個人的な理解に基づけば、それを米国自身に気付かせるための日本政府としての努力が、FOIPに集約されている、ということでもあります。

こうしたなか、文在寅(ぶん・ざいいん)政権があと9ヵ月あまりで終了します。

その後任に誰が就任するかはまだわかりませんし、後任者によっては米韓関係や日韓関係を縫合しようとする努力も出てくるかもしれませんが、そうだとしても、米韓同盟や日韓関係が破綻するという流れを食い止めることはできない、というのが当ウェブサイトの現時点の見方です。

文在寅氏の後任に穏当な人物が選出されれば、そのスケジュールが遅くなり、李在明(り・ざいめい)氏のような人物が選出されれば、そのスケジュールが前倒しされる、ということなのでしょう。

今後の展開には注目したいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (57)

  • 早朝の更新を有難う御座います。

    世の中で「外交官出身者でござい」、などと名乗る人たちの外交論が、得てして大変に間違っているからです。

    端的に言って状況を大局的に把握出来て戦略を決める人と現場で多数で煩瑣な決まり事や、言語や文化・法律の異なる様々な人々と日常的に友好的に対応する為のスキルで評価される実行部隊の要員は別物でしょう。

    コミュニケーションに有能な通訳が必ずしも優秀な外務大臣になれないように。

    • > 大局的に把握出来て戦略を決める人と
      > 煩瑣な決まり事(中略)実行部隊の要員は別物

      仰る通り別物です。故に、現場の実行部隊は、大局的な戦略立案に口を出すべきではありません。煩瑣な決まり事に専念して頂きたいものです。

    • 外交は政治家が行うものです。
      外務省はその事務局であり外務次官は事務局長です。

      マーク・ランバート日韓担当副次官とやらの軽率な発言は日本人の対米感情の悪化を招きかねない危険な発言です。
      中国の覇権主義への対応に日米の連携が不可欠な現状での発言は大きな問題です。

      今時この様な発言が日本人に通用すると思っているのでしょうかね?
      この方、韓国を過大評価し過ぎでは無いでしょうか?
      あるいは日本を過小評価しているのでしょうか?
      いずれにしても世界情勢の変化が読めない愚か者です。

  • おはようございます。できるだけニュートラルにこの発言を取り上げたものがないか探したところ、聯合ニュースが同じ話題を英語記事にしていました。
    https://m-en.yna.co.kr/view/AEN20210729000400325

    まずリード文では「ランバート氏は韓国は日本と協力した方が安全であり、日本やアメリカにとってもそれは事実だ、と述べた」とあり、米韓・米日韓の協力に重点を置いた書き方に見えます。

    また、中央日報が取り上げている発言を引用すると、
    "(略) And let's be frank -- history is not going to change. The atrocities of the 20th century are what they are,"
    "I think our challenge as practitioners is to have those things in one basket, treat them accordingly, but also try to fill up another basket with things that bring the countries together in the 21st century,"

    私としては、ランバート氏の発言の主眼は21世紀のバスケットの方にあり、「歴史問題でウダウダ言ってないで日本と協力してくれ」と言っているように感じます。
    我々から見て最善の発言は、バスケットは1つでそのバスケットの中身は韓国が全て解決すべきだ、というものかも知れませんが、アメリカにそれを求めるのはまだ早いのかも知れません。
    ランバート氏は外交官としては普通の発言をし(その普通が我々の感覚とはズレがあるかも知れませんが)、非難されるほどではないかな、と感じました。

    • > Seoul court decisions in favor of Korean men and women forced into free labor or sexual slavery during Japan's 1910-45 colonial rule of Korea.

      > Lambert said the countries should address such "atrocities," but separate them from things they can cooperate on.

      ランバート氏はこうも書いており、“atrocities”(残虐行為)と断言している以上、ほぼ韓国の主張する歴史観を鵜呑みにしている人物と見てよいでしょう。

      常々私が申し上げているとおり、こうした歴史観は米国が作り上げたものですから、ランバート氏が特別に偏向した人物とは言えません。

      日本としては、米国の認識もこういったものであるという前提で、慎重で忍耐強い外交を続ける必要があります。

    • ぷら様のご意見に同感です。
      自分の乏しい英語読解力では誤解も生じることを承知で、ランバート氏の発言をべらんめえ口調にすると、()内は想像です。
      “(略) And let’s be frank — history is not going to change. The atrocities of the 20th century are what they are,”
      →「有体に言えばだな、20世紀に起きたことは、今更いくら何だかんだ蒸し返しても変わりゃしねえんだよ(オメーの言う歴史認識は聞き飽きたぜ)」

      “I think our challenge as practitioners is to have those things in one basket, treat them accordingly, but also try to fill up another basket with things that bring the countries together in the 21st century,”
      →「オレが思うに、古いことはひとつバスケットに詰めてしまい、21世紀は(古いバスケットは置いておき)新たなバスケットに(思考回路を切り替えて)協力することで一杯にしようと思えないんかい。(いつまでも昔のことをごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ)」

      てな、ところですか。これじゃ、中央日報より曲解しているではないかと言われそうですが。ハハ

    • 日本政府にはatrocitiesって何のこと言ってるの?ぐらいの問い合わせはしておいてほしいですね。

    • ぷら さん

      英文記事ありがとうございます。

      >我々から見て最善の発言は、バスケットは1つでそのバスケットの中身は韓国が全て解決すべきだ、というものかも知れませんが、アメリカにそれを求めるのはまだ早いのかも知れません。

      バスケットの中身を韓国が自力で解決するなら、バスケットの数はひとつでもふたつでも百でも構わないと思います。

    • 残虐行為なら、米軍も民間人に対する無差別攻撃をやっていますから(まさか千人単位での殺害、それも生きたまま焼き殺す事を、人道的とは言わんでしょうよ)、万が一韓国の言う日本軍による残虐行為の責任を、条約により決定したことを無視して繰り返すことに賛成するなら、日本も同様に米国及び国連に対して賠償を請求できることになる筈ですが、少なくともトランプ政権はその辺も承知していたのか、明確に否定していましたよね。

    • みなさま

      反応いただきありがとうございます。原文に当たるのは重要だと感じました。

      中央日報の致命的な(かつ意図的な?もしくは無意識的な?)解釈違いは以下です。

      > 同時に「過去のカゴ」と「未来のカゴ」の分離は韓国に対しては過去は過去として対応しろというメッセージになっている。

      これはランバート氏の発言の
      but also try to fill up another basket with things that bring the countries together in the 21st century
      という部分を無視しています。"A but B."という文があるとき、重要なのは必ずBであって、Aのみを取り上げて主張してはなりません。
      他にも、故意に接続詞を挿入したりして自分に都合の良いように解釈している箇所があります。韓国メディアのウソ、誇張のバラマキ方が分かった気がしました。

  • おはようございます。
    この中央日報に報じられたランバート国務省福次官補の発言は韓国側に都合よく脚色されたものだと思えてなりません。何しろ、韓国の高官が米国に何かを訴えて、それを聞いた米国高官が「understand」と言ったら「米国は了解した」とか「米国が同意した」と政府発表され、報道されるお国柄ですもの。それで様々なレベルで韓国と協議がされ、それが発表された段階で相手国から「そんなことは言ってない」と否定の声明が出るところまでがお約束の様式美ですからね。
    さて、これはあくまで私の推測にすぎないのですが、ランバート国務省副次官補の発言はあくまで韓国にむけたもので、いつまでも過去の問題にこだわって蒸し返すことはやめて未来に向かっての関係構築をせよという趣旨だと思います。その言葉の主語を韓国⇒韓日と変えれば韓国がこれまで主張してきた自分勝手なツートラック論に早変わりです。そして、あたかもアメリカも韓国のツートラックに賛同しているような体で我が国にツートラックを受け入れさせようというプロパガンダだと考えます。さらにランバート国務省副次官補の「歴史は変わらない。20世紀に起きた残酷行為はそのままだ」という言葉は、中央日報の記事を読むとあたかも日韓の歴史問題を言っているような印象になるけれども、20世紀に起きた残酷行為とは世界中にたくさんあるわけで単なる一般論にすぎません。
    こう考える理由は、もしツートラック論で本当に現在の日韓関係を(一時的にでも)改善しようとするなら、2015年以前の遣り方と全く同じことで、これではまた韓国側に食い逃げされてほとぼりが冷めたらまた蒸し返されることは米国も解っているはずだからです。さらには一時的にでも日韓関係を取り繕う必要があると米国が考えているとしたら、例えばG7のとき、米国主導で日米韓首脳会談をし、日韓首脳会談をするように両国に指示することもできたはずだし、五輪開幕前の文在寅大統領が訪日するかどうかで日韓で駆け引きをしていたときに日本政府に対して韓国の要求に応じて首脳会談をしろと圧力を掛けることもできたはずです。でも実際は、G7での首脳会談もなかったし、五輪前のゴタゴタのときも米国から日本に圧力が掛けられた様子が見当たらないからです。

    • イジワルばあさん 様の観方に同意します。と言うより、そうあって欲しいと希望します。
      韓国メディアの報道ですから、既に韓国有利なバイアスが掛かっていて、しかもいつの間にかそれが真実に昇華し、やがて協力しない日本が悪い!になるんでしょうね。

  • ウェブ主様の人間関係・外交関係4パターン説は前々から、つねづね感服していました。しかし、昨年末からオリンピック開催直前までの日韓首脳会談開催をめぐるゴタゴタを見るうちに、少し疑念が生じてきました。4パターン説には「相手がノーマルである」ことが大前提となっていると考えられます。もし、相手がアブノーマルであるとき、例えばストーカーのような異常行動をとる相手の場合は⑧のノーマル相手対応を超えてしまうのではないかと感じます。
    つまり、「⑧その国に対する国民感情が悪く、国益上付き合う必要はない」のに避けても避けても執拗に絡んでくる国際的ストーカー相手にはどうするのか、僭越ながらもう少しだけ補強してほしいと願う次第であります。

  • ランバート副次官補の考え方は、以前のアメリカ政府の主流だったと思います。
    この話は、韓国が慰安婦合意と日韓協定を守る事が、過去を入れるカゴになる前提で、韓国はそれが出来ませんので話が進みません。
    文政権は、アメリカにとって、日韓の価値の変化をもたらしました。日本の民主党政権時代の変化と同じだと思います。
    茂木外相がバイデン政権に約束した「日米韓協力は、ちゃんとやる」は、北朝鮮対応で守られていますので、アメリカも文句の付けようが有りません。
    最近の南北融和的な話は、韓国の勝手な解釈による行動を誘発するリスクが増えるだけで、アメリカが理想とする交渉には、ならないでしょう。
    ランバート副次官補の発言は、現実を見ればそのうち気が変わるので、気にしなくても良いでしょう。

  • >ランバート氏の発言は「ジョー・バイデン大統領が韓日関係に積極的に介入する意志はあるか」という司会者の柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交部長官の質問に答える過程から出た。
    >ランバート氏は「もし両国が共に米国に役割を果たしてほしいと願うなら、米国は役割を果たさなければならないと考える」と明らかにした。

    韓国がどれほど米国の介入を求めても、日本が求めなければ介入しない、という趣旨で答えているようです。

    「ふたつのカゴ」論も、GSOMIA破棄を外交カードにしようとする韓国への牽制にも思われます。

    ランバート氏が、「韓国はツートラック方式で日本との交渉に臨め」と述べたのか、「韓国はツートラック方式で韓国内で処理せよ」と述べたのか、については、ハッキリしてないですね…。

  • 国務省のマーク・ランバート副次官補が言うツートラックは、韓国を意識したものではないでしょうか。「日韓協力の必要性」を強調したうえで、米国としては日韓に費やされて来た無駄なエネルギーに、辟易しているはずです。

    二つの籠論、「20世紀に起きた残酷行為」は黙ってられないですが、米国としては、韓国に対して我慢も忍耐も限界なのでしょう。

    それもこの記事自体、韓国媒体からなので、うまい具合に切り貼りしたと思います。ほっときましょうネー。

  • 対韓外交を進めるうえで、米国外交当局の考え方は、大事な要素の一つです。従って、ランバート副次官補の発言には注意を払う必要があると思います。ただインタビュアーが中央日報ということもあり、その趣旨・評価の判断は、現時点で下すことはできません。普通に考えれば、「いつまでも過去のことに拘らず、将来の利益にために、日韓は協力すべき、そのために米国は頼まれればいつでもサポートする用意がある」、というこれまでの米国の主張をなぞったものですけどね。日本から言えば、「そういう米国の意向を圧力と受け止め、受け入れた2015年慰安婦合意を、一方的に破綻させた韓国にけじめをつけてから言うのが、古今東西、仲裁人の役割だろうが。おととい来やがれ」ということですけどね。日本の外交当局の皆さんは、油断することなく、米国の外交当局と意見をすり合わせておいてください。外交・国際関係は正邪の勝負ではありません。勝ったものが正しいのですから。

  • http://japan.hani.co.kr/arti/international/40716.html
    ↑同じ話題を論じたハンギョレの記事では、
    >「米国が数年間、日本、韓国と共通の基盤を探るため、協力してきたことは秘密ではない」・・とのランバート氏の言及が掲載されています。

    ”二つのかご” を好意的に解釈すれば、「確定(解決)済みのことを蒸し返すな!」「現実を見よ!」だったりするのかな・・?

    >ランバート副次官補は「そこには和解と妥協があると考えている」とし、「両国(韓日)が米国の役割を望むなら、我々はそれを果たさなければならないと思っている」と述べた。

    これも、「両国が望まなければ介入しない宣言!」だったりするのかと・・??

    • はい、ランバート氏の真意は韓国をたしなめたのでしょうね。
      もちろん韓国は与野党とも盛大に正反対に勘違いするのでしょう。

      • チキンサラダ様
        >もちろん韓国は与野党とも盛大に正反対に勘違いするのでしょう。

        外交的な言い回しも良いのですが、ご都合主義の彼らにおいては幾分か「曖昧さを排除する方向」でなければ発言者の "負の真意" は伝わらないのかもですね。

        *返信ありがとうございました。

  • アメリカの三下外交官の言葉なんかにあまり右往左往しない方がいいかと。ご主人様の顔色をうかがっている忠犬みたいな感じが・・。

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