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メダルラッシュなのに新聞に広告入らず=日刊ゲンダイ

さきほどの『東京五輪でオールドメディアが見せる「手のひら返し」』では、オールドメディア、ジャーナリスト、メディア御用達のコメンテーターの皆さんが、ほんのちょっと前までご自身が何を主張していたのかを忘れてしまっているように見受けられる、という話題を取り上げました。本稿はその「補足」として、もうひとつ、『日刊ゲンダイ』さんに掲載された、ジャーナリストの木野活明氏のレポートについても紹介しておきます。

日刊ゲンダイさん「1日100万回接種は荒唐無稽」

以前からしばしば言及しているとおり、『日刊ゲンダイ』さんといえば、菅義偉総理大臣が5月7日の記者会見でぶち上げた「1日100万回のワクチン接種」を巡り、「口から出まかせ」で「荒唐無稽」だ、などと舌鋒鋭く政府を批判したという実績があります。

菅首相がシャカリキ「ワクチン1日100万回」計画の荒唐無稽

―――2021/05/11 13:25付 日刊ゲンダイDIGITALより

この点、医療従事者等向けにワクチン接種が始まった2月17日の接種回数はわずか125回に過ぎず、また、高齢者向けのワクチン接種が始まった4月12日の時点でも、累計接種回数は1,694,041回に過ぎませんでした。

ところが、その4月12日から39日後の5月21日に、ワクチン接種が1000万回を超え、さらに2週間後の6月4日に2000万回を、10日後の6月14日に3000万回を、6月中に5000万回を突破。

今週月曜日には無事、8000万回を超え、とくに6月から7月の1日の単純平均接種回数は130万回を超過している状況です(平日に限定すれば150万回を超えていると思しき日もあります)。

そういうわけで、「口から出まかせ」で「荒唐無稽」なのは、菅義偉総理大臣ではなく日刊ゲンダイさんの方ではないか、日刊ゲンダイさんはこの記事を撤回したうえで菅総理や日本国民に陳謝すべきではないか、というのが、当ウェブサイトからの老婆心ながらの日刊ゲンダイさんに対するアドバイス、というわけです。

ジャーナリスト・木野活明氏「メダルラッシュでも広告入らず」

ただ、日刊ゲンダイさんはときどき、なかなか辛辣な記事を発信することもあります。

その典型例が、本日午前9時過ぎに配信された、次の記事でしょう(haduki様、情報のご提供ありがとうございました)。

メダルラッシュでも広告入らず…東京五輪スポンサー大手紙の誤算

―――2021/7/29(木) 9:06付 Yahoo!ニュースより【日刊ゲンダイDIGITALより】

執筆されたのはジャーナリストの木野活明氏ですが、先ほど紹介した記事と異なり、非常に鋭くて参考になる指摘です。

というのも、日本人アスリートの金メダルラッシュにも関わらず、「創業以来最大の赤字を出した朝日新聞をはじめ厳しい経営が続く新聞業界は、期待したスポンサー企業の広告が入らず困惑している」、というのがこの記事の指摘だからです。

木野氏は、次のように続けます。

東京オリンピックの最高位スポンサーを務めるトヨタ自動車は、すでに大会期間中のCMの見送りを明らかにしたとともに、同社の豊田章男社長をはじめ幹部の開会式への出席も見合わせた。このトヨタ自動車の対応に同調するように他のスポンサー企業も広告の出稿を控えているのだ」。

このトヨタ自動車の件については、当ウェブサイトでも『五輪ヘイト煽るメディアに「広告主離れ」のブーメラン』で取り上げていますが、あくまでも第一義的に自粛するのは五輪関連のCMだ、ということだと思います。

ただ、木野氏が取り上げる、「大手新聞社の幹部」の次のような証言を聞くと、状況はわりと深刻なのかもしれません。

通常ならスポンサー企業が連日ご祝儀広告をがんがん載せてくれるはずでした。ところがほとんど入らず新聞業界は大打撃です。朝日新聞の五輪批判がスポンサー企業に好感されるはずがありません」。

木野氏によると、広告の出稿は電通が仕切るため、「1社でも広告が出せなければ他社も横並びになる」、「企業の朝日新聞への反発が他の新聞社にも直接響いてきている」のだそうです。

こうした視点は、なかなか参考になりますね。

オールドメディアは自分で未来を食い潰す?

さて、以前からしばしば報告しているとおり、コロナ禍はオールドメディアの経営にも大きな打撃を与えています。

コロナ禍でのテレビ局経営:在京5局はすべて減収減益』でも触れたとおり、在京キー局(の持株会社)は2021年3月期決算で、いっせいに減収減益に陥りました。

とはいえ、在京キー局に関してはいずれも経営基盤自体が安定しているため、すぐに経営破綻するという状況にはありません。

また、大手新聞社の中で唯一有価証券報告書を提出している株式会社朝日新聞社の場合、『株式会社朝日新聞社の決算:一過性要因とその他の要因』や『株式会社朝日新聞社の有報を読む』でも述べたとおり、同社としては過去最大級の最終赤字を計上しています。

ただし、朝日新聞社に関しては赤字は一過性のものと考えられますし、自己資本比率や流動性なども観点からも経営状態は極めて健全であり、また、莫大な含み益を有する優良資産も多いと想定されるため、ただちに経営破綻することは考え辛いでしょう。

しかし、『某新聞社、4期連続営業赤字で自己資本比率も3%割れ』などでも述べたとおり、かつて大手新聞の一角を占めた某新聞社は、おそらくは実質債務超過であり、倒産寸前の状況に追い込まれています。

このように考えていくならば、これから10年も経たずに、いくつかの社は経営破綻するかもしれませんし、あるいは「救済合併」がなされ、じわじわと体力を削られていくのかもしれません。

いずれにせよ、東京五輪自体も「五輪中止」を煽ったオールドメディア自身がみずからの未来を食い潰しているようなものです。今から10年後、オールドメディア業界がどうなっているかを、楽し心配に待つことにしましょう。

新宿会計士:

View Comments (32)

  • 日本の新聞社は民間の営利企業のくせに営業部のステータスが非常に低い、と某ブログで読んだことがありますが、さもありなんといったところでしょうか。

  • そういう経営判断したんだから、結果を甘受するしかありません。普通の一般企業でも同じですね。

    ノーリスクで記事書き散らしていたツケが来ましたね。

  • TOYOTAもソフトボール決勝はCM出してましたね。
    日米両チームにTOYOTA所属の選手が出場してたので。
    でも、トヨタイムズのCMで、五輪特別版ではなかった。

  • 「ゼロコロナという病」藤井聡、木村盛世著によれば、2021年3月期の民放キー局5社の広告収入はすべて前年比マイナス。タイムよりもスポットの収入の落ち込みが大きいとのことです。タイムは番組提供関係の広告収入のため、その番組が続くかぎり続きます。スポットは景気に影響を受けます。コロナをあおって経済を落ち込ませて収入減。それと毎年冬に多い風邪薬のスポット広告、この冬はほとんど見ません。これもコロナの影響と言えるかもしれません。(みんなマスクをするので風邪、インフルエンザがはやらない)
    正義漢面して五輪は中止などという世論工作をしておいて五輪関係の新聞広告(例えば「xxxは東京2020を応援しています」のようなイメージ広告)がもらえるわけがない。広告が減れば新聞はもたない。いずれ壁新聞になるでしょう。

  • 以下、開催前の新聞社の論調を3つ。

    「東京五輪開催反対!」
    「今、何故五輪開催なのか?やっていいのか?」
    「コロナが終息せず危機的状態でも開催したい人々」

    、、、でも開催したら国民は応援してます。日本選手だけでなく、外国選手も。1964年東京大会も前評判は悪かったと思います。ポスター見ても「ふ~ん。それで?」でしたね、子供ですから(笑)。

    正直言って、日本のメダルは前1964年東京大会に及ばないだろうなぁと思ってました。しかしごめんなさい。選手の皆様の限界を超えた努力、素晴らしいです。

    新聞社にご祝儀の広告収入が入らないのは、まず最大手のトヨタ自動車が「出稿しません」と言ったため。以下の企業は右に倣えした。日本選手が活躍しようと、このご時世広告をバンバン出しませんよ。広告代減って良かったね、じゃないですか。

    でも、中には手のひら返しをしない新聞もあります。そう、中小企業並みの資本金に減資したM
    新聞社は、未だに五輪反対キャンペーンまがいの記事を載せています。ココまで来ると、反社会的組織、国家転覆を謀る秘密結社では無いでしょうか。

    来年には吸収されて、「朝日新聞+M」に題字が変わっているかも(笑)。

    • 毎ちゃんが潰れようと御自由にだけど,朝ちゃんが救済合併して毎朝新聞になるのだけは勘弁してね.

      過去の少なからずのドラマが再放送候補のリストから外されかねない.少なくとも東京キー局系列の地上波やBSでは.

      • 迷王星さま

        うわー!マイチョウ新聞!ツボです!
        むしろ他の架空新聞会社を思いつくことが出来ないくらい私の中ではメジャーです(笑)

        • 毎日系(?)なのか、TBSテレビの例の関口宏のサンデーモーニング…凄かったらしいですね。
          五輪始まって最初の放送の冒頭で

          「お伝えしなければなりませんが…」

          の捨て台詞で始まったそうです!

  • まあそのスポンサーに忖度しないジャーナリズム精神はすばからしいと思いますよ

    • 教祖様(中華思想・小中華思想・反日教の)だけに忠実な宗教新聞ですから当然かも。

  • まあ、他のスポンサーからのお恵みの為にスポンサーになるのは、他のスポンサーと比べて不純だと思います。

  • 私はこの新聞社幹部のコメント見て、こんなんだから経営難になる訳だと改めて思いました。
    ちなみにトヨタの新聞広告は博報堂が多いしハウスエージェンシーも持ってます。
    トヨタはすでに新聞からは遠ざかってもいます。若者の車離れを少なくしたい。だからネット中心のオウンドメディアにシフトしています。テレビ広告との連携もしています。他のスポンサー企業もその傾向ですから新聞はどのみち。広告効果が見込まれない媒体との認識です。最近、トヨタはハウスエージェンシーと電通でネット関連の新会社も設立しています。
    日本の新聞社は新聞紙から出ることができません。
    ただアメリカは、事情が違ってテレビでもオリンピック関連の広告だしてます。

  • 朝日に代表される左派マスコミはテレビも含めて「東京五輪中止」を求めながら、本当に中止になった時にどう自社経営するつもりだったのでしょう?

    野党と同じく、反対の為の反対をしつつ実際は開催される事を見越して主張はするけど自分の財布の皮算用はするつもりだったとしか思えません。

    トヨタとトヨタの広報戦略部門は全てを見越していたのではないでしょうか?
    現に五輪公式と銘うったCMこそ止めたようですが、トヨタに必要な広告はほぼ減っていないようです。
    ご祝儀やめただけでしかないという…

    新宿会計士様の記載から日刊ゲンダイDigitalの記事に飛んでみましたが、Yahoo!のコメント欄最上位に掲出される「オーサー」と呼ばれる記名投稿で高田浩三なる方が「企業のマーケティングリテラシーがけしからん!」調の文言を書いておりますが、企業のマーケティングリテラシーがボンクラなのはマスコミ各社の方なのではないですかね?

    (ちなみにYahoo!ニュースのコメント欄は世論誘導のツールでもあるらしく、五輪関連の記事のコメントを読んだところ、「五輪に関する政府与党はけしからん」「管政権を終わらせよう」「政権交代!」「それにしてもコロナ爆発」「北京五輪は大丈夫!」の匿名コメントのオンパレードで、よくある左派論調の如く基本構成文を多数意見であるかのように見せて実はコピペのキャッチフレーズ繰り返しのプロパガンダ羅列で溢れかえっていました。)

    朝日新聞社は社名とは裏腹に実際のところ中央区を中心に不動産業(サントリーが元株式会社壽屋なる非上場の不動産屋さんの如く)ですから五輪や五輪後再開発で中止になろうがどうしようが潤う(そういえば築地再開発及び環状二号線辺りの利権に食い込んでいるのは、あの前川喜平元文科省次官の親戚のやってる株式会社前川ですね。)し、テレ朝やフジテレビも不動産利権でセーフですが、中小企業毎日新聞社とかは飛びかねないですね。
    只でさえ、毎日新聞社は聖教新聞の印刷を受注出来ないと成り立たないというのに…まぁ地方紙等も聖教新聞印刷と地元折り込み広告頼みなのは変わりませんが。

    そうこうするうちに、武田が新型コロナ治療薬に進んでいて、臨床結果次第ではもはやPCR検査陽性であることに意味が無くなりそうなのですが、そういった真の朗報については報道しない自由を行使中です。
    現代はじめマスメディアのこれまでの論調が粉砕されかねないほど日本や世界は日々変わり続けているのに、マスコミや左派知識人の文言は時間がいつもどこかで止まっている様ですね。

    せめてデータに基づかない出鱈目と時間軸の切り取りはやめて欲しいものです。
    誤報や自社不祥事についても現代のように忘れ去られるのを待ったり北海道の新聞社のように「社内調査して謝罪したつもり(非公開)」は本当にやめていただきたい。

    • がみさま

      最近のヤフコメはさらにやられてる気がします。
      以前はあからさまなC国アゲ日本サゲコメントには、青ポチ(否定の意)が多く付いていましたが、このところは赤ポチ(賛同の意)が上回る事が多く見受けられます。

      あちら様の手回しが細かくなったのか、染まった日本人が増えたのか、後者なら少し怖いです。

      • haduki様
        読んで来ました。
        なるほど、これは知らなかった。
        毎日安泰か…伊藤氏vs山口氏裁判で奇しくも明らかになった「正規の入社じゃなく実績すら無くても、飲み会で意気投合すれば貴方もジャーナリストになれるかも制」の印刷会社の生きる道でしょうか?

        毎日新聞本社やあの法政大学が皇居や靖国神社至近の都内要衝に立地しているだけでも心配なんですけどね…

        凡人封様
        コメだけでなく、Yahoo!及びソフトバンクグループ自体が迷走中かつ断末魔っぽいですね。
        万年赤字の韓国クーパン米国市場上場は韓国国内で一時禁止された空売りを米国で上場してご祝儀相場で内緒で売り逃げ現金化だと思いましたし、アリババ等中国で過剰に投資していた企業は中共政府の「外国市場に中共の許可無く上場しちゃ党の利益にならないし制御面倒だからダメ!」政策で頓挫中。
        非上場会社を資本支配して付加価値有るように見せかける広報して上場して儲ける錬金術ビジネスシステムが破綻したんでしょうか?

        余波でYahoo!ニュース検閲権や便衣兵・土台人コメント優先権に魂売り渡したんでしょうか?
        元から魂無いか…

        Yahoo!ニュースで唯一評価出来るのは他社記事引用ですが天気予報だけになりました。

        毎日新聞については本気で腹にすえかねていることがあるのですが、それは後日別投稿で書きます。
        新宿会計士様にご迷惑かける可能性があるほどヤバいネタかも知れないので…

  • インターネットというライバルが現れて、
    従来の新聞や商業放送が、"どのようにスポンサーに媚びるか?"は、大きな課題ですね。

    • WindKnight.jp様

      反面「スマホは愚者のSNS発言権乱用器」という問題も発生しているようで、アスリートや著名人のかたは大変なようですね。

      今回も五輪選手への誹謗中傷は恐ろしい状況らしいです。

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