外国のことを知るためには、インターネットで相手国のメディアなどの記事を読むのは非常に有益です。ただ、それと同時に、個人的に好きなのは、「自分自身の足」で相手国を旅行する、という体験です。このコロナ時代だと気軽に海外旅行をすることもかなわなくなってしまいましたが、そろそろ旅が恋しくなってきました。
転職直前のドタバタの想い出
「あなたは、ひとりで海外旅行に行ったことはありますか?」――。
当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』、もともとは「政治や経済を中心に議論する」という触れ込みで始めたサイトではありますが、当初の隠れたテーマが「旅行」でした。
自分自身の旅行歴について、詳細を述べるのは控えておきますが、ひとつだけ、「今でも心に残っている旅行」というものがあるとすれば、それは今から20年近く前、ちょうど転職するタイミングで、ひとりでヨーロッパに出掛けてドライブをしたときのことです。
退職する会社の最終出社日は、「最終」出社日と言いながら、結局は会社で徹夜で(!)業務の引き継ぎ資料を作成し(※これも今考えたら凄い話ですね)、結局、「最終出社日」と言いながら翌日まで仕事をこなして朝の始業時間と同時にPCと入館証を事務職員に返還していったん帰宅。
シャワーを浴びて数時間仮眠し、午後は新宿の免許センターで国際運転免許証をとりあえず取得して(※日本国内の免許証を持っていれば、申請すれば即時交付してもらえます)、銀行でユーロ現金を調達し、こまごまとした旅行用品を買ったあと、そのまま成田空港に向かって飛行機に乗りました。
これが、人生で2回目の転職をしたときのドタバタ、というわけです。
ドライビングツアー
ちなみにこのとき手配していたのは、日本と欧州の航空機往復チケット(退職した会社の最終出社日の翌日に出発し、転職先の最初の出社日の数日前に帰ってくる便)と、初日に泊まるホテルの予約のみであり、3週間の現地滞在中で何をするかはまったく決めていませんでした。
最初の目的地に到着すると深夜だったので、とりあえずその日は現地のホテルでゆっくりと休息を取ったものの、翌日は現地のレンタカー屋で自動車を3週間借りる契約をし、その日以降、欧州各地を自動車でめぐったのです。
交通体系などが日本と異なるため、最初はおっかなびっくりでした。
というのも、欧州は右側通行であること、制限速度も日本よりも高速に設定されていることに加え、自動車はマニュアル・トランスミッションが中心であり、歩行者優先が徹底されるとともに、「ラウンドアバウト」という仕組みが街中で多用されているなどの違いが多数あったからです。
ただ、当初は慣れるまで少し時間が掛かりましたが、交通マナーも総じて良好であり、数時間も運転すれば、すっかり慣れてしまいます。
そして、これがかなり快適でした。
欧州は総じて、有名どころの観光地の治安が悪いことで有名ですが、レンタカーで地方に行くと、危険な目に遭うことはほとんどありません。治安は大変に良好です。
また、アルプス山脈の麓など、絶景のホテルに、非常に安い値段で泊まることもできますし、高速道路沿いのドライブインなどは日本のそれと比べても非常に充実しており、安全で快適な移動ができる、というわけです。
もっとも、今になって思えば、転職するタイミングで有給消化を使うことができたこと、自分自身も独身で家族もおらず、気ままな旅をすることができたなどの事情もあります。こんな特殊な旅行は「最初で最後」だった、というわけです。
このときの経験もあり、「レンタカーを使った旅行」自体はその後も何度か楽しんだのですが、さすがに「数週間の旅行」というのは人生のなかで経験していません。
「欧州ドライビングツアー」をテーマにエッセー集でも書けば売れるでしょうか。
アフターコロナ時代に備えて、今から準備するのはいかがでしょうか、出版社さん?
いまから4年前、チャリダーマンの韓国旅行記
さて、自分自身がこんな経験をしたという事情もあり、旅行に関する文章は大好きです。
こうしたなか、かなり以前から個人的に注目しているエッセイストが、「チャリダーマン」こと周藤卓也さんです。
ニューズサイト『GIGAZINE(ギガジン)』にちょうど4年前、こんな記事が掲載されていました。
チャリダーマンの150カ国の旅の中で韓国は嫌なことの起きない最高の国でした
―――2017年07月24日 09時00分付 GIGAZINEより
リンク先記事によると、周藤さんはこの記事を執筆した時点で、じつに150ヵ国を「自転車で」旅してまわっていたのだそうですが、2009年5月にご自身の地元・福岡から船で釜山に渡航した際の体験を記事にされています。タイトルに記載されているとおり、「嫌なことが起きない最高の国」だったのだとか。
記事冒頭の記述を紹介しましょう。
「自転車世界一周を始める前は『韓国には行かなくてもいいや』と思っていました。インターネットで韓国の情報を探ると『竹島』『慰安婦』『靖国参拝』『韓国併合』と、嫌な気持ちになるものが引っかかり、忌避感を抱くには十分でした」。
韓国という国の日本に対する姿勢は理解に苦しむものです。実際、この記事が寄稿された4年前の時点では、まだ自称元徴用工判決問題も発生しておらず、慰安婦合意の破棄も発生していませんでした。それにも関わらず、冒頭でこんな記載があるというのも、興味深いところです。
ただ、周藤さんによると、こうした「忌避感」に反し、韓国の自転車旅行、「実際には嫌なことは1つも起きなかった」のだそうです。
「韓国への考え方が変わったのは、オーストラリアのワーキングホリデーでした。韓国人の友達ができたのが理由です。(中略)右も左も分からない場所で、敵わないくらいに親切にしてくれた人がいました。そんな心ある人たちに触れて彼らの国を見てみたくなりました」。
では、周藤さんが実際、韓国に渡ってどうだったのでしょうか。
具体的な体験については、リンク先の記事を読んでいただければと思いますが、安宿であるなずなのに好条件な部屋、宿の主人の温かいもてなし、そして国道のサービスエリアで親切にしてくれた売店のおばちゃん…。
結論として、周藤さんはこう指摘するのです。
「釜山からソウルまで韓国を縦断しましたが、嫌なことはなにも起きませんでした(中略)自転車世界一周の旅では150の国を訪問しましたが、その中でも韓国は1、2を争うほどに居心地のいい国でした」。
大変に興味深い記述ですね。
お互いに尊重し、理解する努力
ちなみに周藤さんは「日本と韓国は家族にはなれない」、「友達として仲良くなるのが一番だ」とする考え方をお持ちであり、また、そのためには「別々の国でそれぞれの主権を認めて、互いに尊重し合えるような関係を目指すべき」だと述べます。
150ヵ国を自身の足で巡って来たという経験をお持ちの周藤さんの発言には、説得力があります。
もっとも、この記事では、こんな記述があります。
「チャリダーマンの旅は終わりましたが、韓国を旅したときに比べても『韓国嫌い』の声が大きくなっている気がします」。
実際、周藤さんが韓国を旅した2009年以降に、まだ李明博(り・めいはく)大統領(当時)の島根県竹島不法上陸・天皇陛下侮辱発言(2012年8月)、朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領(当時)の2013年の「被害者と加害者の関係は千年経っても変わらない」発言などがありました。
さらに、先ほど紹介した4年前の記事と比べると、現在までに、自称元徴用工判決(2018年10月・11月)、火器管制レーダー照射事件(2018年12月)、主権免除違反判決(2021年1月)、東京五輪での「放射能フリー弁当」騒動(2021年7月)などが相次いで生じています。
周藤さんの憂慮どおり、「韓国嫌い」の人は、間違いなく増えていることでしょう。
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今朝の『日韓関係巡って事実を無視し「文明論」に逃げ込む詭弁』では、昨日配信された『日本人が理解しなければならない「韓国人の本音」』と題する記事をもとに、「日韓関係において、安全保障や経済の側面で、韓国と決裂するという選択肢はあり得ない」という「大前提」を疑うことも大事だと申し上げました。
しかし、それと同時に、最低限、相手国のことについては理解するという努力は必要でしょう(※もちろん、ここでいう「理解する」は、「相手の行動を無条件に認めて許すこと」ではありません。また、残念ながら、当ウェブサイトでは「文化人類学的な立場」から韓国論を研究しようとまでは思っていません)。
その意味では、昨年まで韓国に在勤していた、「韓国在住日本人」様というコメント主の方が寄稿して下さった一連の投稿(『読者投稿の募集と過去の読者投稿一覧』等参照)についても、「生の韓国人」を知るうえでは大変に参考になるのではないかと思う次第です。
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外国に関わった人は大抵その国が好きになります。
私自身は米国、ロシア、タイに関わりましたが、どの国も好きです。(アメリカの食事の不味さには未だに閉口していますが)
しかし、韓国に関しては韓国に関わったあとに韓国のことを忌み嫌うようになる確率が高いように思います。
この周藤さんは韓国好きになったようですが、その逆の人が妙に多いように思われます。
他国にはない韓国の問題点を示している事象の一つかと思っています。
なお、私は韓国にまだ行ったことがないですが、一度は行ってみたいと思っています。
韓国に行った友人は、仕事で行った方しか知りませんが、帰国後何年経ってもロクな印象しか、語ってくれません。私が話を振ると、顔に皺が寄って「思い出したくない、話すのは嫌だ」サインが出るんですね。
それでもポツポツと話はしてくれます。だいたいの知人は「韓国、中国は二度とイヤ」でした。稀に「中国なら声が掛かればまた赴任しても良い」という人が1名居ました。
ところが、いわゆるオバサン連中(主に同窓生)は10年ぐらい前は、「韓国に行きたい」「行ったよ」と言う話が聞こえて来ました。安いツアーで化粧品など買わされる一行ですね。
しかし3〜5年前には下火になりました。韓国化粧品自体、人気が無くなったのです。日本の百貨店、モール、ショッピングセンターからも撤退しました。価格の割に質が伴わない事、日本女性の肌に合わない事、飽きられた事、等が理由です(オバサンらに聞いた話です 笑)。
チャリダーマンさんのように150カ国も訪問し、オープンに社交的に話が出来る人は良いでしょうね。しかし朴訥で大人しめの方は海外で現地の方とのコミュニケーションは、ツライでしょう。いや、そういう人はまず一人で海外旅行なんか行かないか。行ってもパッケージツアーですね。
チャリダーマンさんの韓国行きは2009年ですか。ソコが微妙だなぁ(笑)。そのあとの李明博、朴槿恵、文在寅大統領と日韓関係は韓国側による反日、侮日で極端に悪化の一途ですからね。
チャリダーマンさんは「韓国という国に抱く印象は人それぞれ」と書かれてます。しかしそれぞれながら、今時点では悪い印象のほうに集約数が増えているだろうと、たの心配しています。
ある程度海外暮らしをしてきた視点で述べさせていただくと、150カ国も訪問したという人は、逆にコミュニケーション能力がない可能性もあります。
150の国の言語全てに通ずることはまず無理なので、殆どの国では表面的な付き合いしかできないでしょう。
150カ国も訪れてる人は、コミュニケーション能力が豊かなのではなく、その逆に周囲が皮肉や嫌味を現地語で言っていても全く気づかない「鈍感力」に卓越してる可能性があります。
なお、私は鈍感力をバカにしているわけではありもせん。
海外で暮らすには鈍感力に裏打ちされた図太さも時には必要だからです。
チキンサラダさま
おっしゃっておられること、肌感覚的によくわかります。
チキンサラダ様
なるほど~。150か国も訪問する人は、ほぼ居ないですね。周囲が嫌味言ってても、全く気づかない「鈍感力」。これって凄い武器ですね。言葉が分からなくても、少し冷静になれば、自分の立ち位置が分かるだろうに。「自転車で日本から来た。特に悪意は無い」と言われても、警戒するのがフツーでしょう。
私見ですが、要は厚かましくって、相手のちょっとの仕草では何も感じない人でしょうか?そういうタイプの日本人も、私は苦手だなぁ。日本国内でも、もし知らない日本人が私に「自転車で世界中回ってます。ちょっと、いいですか?」と言われたらハリネズミか亀さんのようにフル装甲しますネ(笑)。
あ~韓国?絶対に行きません。中国も。
ちょうど楽韓さんのとこでも似たような話を挙げておられていましたね。
私も20年ほど前に東京で学生をしていた頃、同じアパートの隣人として知り合った韓国人留学生の友人が居ました。もうお付き合いはないものの、彼らについて全く嫌な思いをしたことがないどころかとても良い方でした。一人は韓国人が自称するテンプレみたいな明るく美形(整形かは存じません)でマッチョな兄貴肌で、もう一人は嫌韓日本人が語るテンプレみたいなヒョロガリメガネで内向的ですが、気の優しい方でした。キノコヘアは当時まだ流行っていなかったのか坊主頭でしたが。
今の"韓国"についての知識や印象があっても、そのために彼らを貶したり嫌ったりすることなどありません。実はそんなイケメンじゃなかったよななどの記憶改変もなし。ドラえもんは実は韓国起源だとは大真面目に言ってましたけどね。彼自身が日本から奪いたいなどと考えついたわけでなく、単にそう教えられて育ったんでしょう。
「〇〇国人に嫌なやつがいた、○○国の人間はすべて悪いやつだ。」と言うのなら、それはもう頭の弱い発言です。経験に基づいているとはいえ差別でしょう。同時に、「韓国で出会った人は皆良くしてくれた。韓国はネットの情報と違って良い国だ。」と断定するのも、全く同じ程度です。
「昔友人だった韓国人はとても良い人だった。しかし社会に出てから関わった韓国企業は、測定目合わせ用の工業製品が不合格だったのに後日スリ変えて合格を迫ってくるような会社だったし、韓国の文化では日本は貶められるし、個人では良い顔をしてはくれるが全体の投票行動では過激に日本バッシングする政党と大統領が選ばれる。」が私の足で…ではなく日本に居てではあるものの、韓国評ですね。余計にタチが悪い。個では友人になれるのに気を許すと集団として貶められるんですから。
周藤氏は、外交や政治問題に興味を持たれない方が純粋で幸せでいられると思います。まして「嫌韓ムードが多勢になってきた中、自分の経験により韓国を擁護した後に結局裏切られた(?)」場合、反動でもうとりかえしのつかない嫌韓になるでしょうから。
実際に韓国にまつわる人物の嘘と傍若無人の振る舞いを受けた(マウント取るためにすぐ分かる下らない虚栄心に満ちた数々の嘘を言い、相手は嫌っているのに、素知らぬ顔で人の家に上がり込んで冷蔵庫の食物や無断で食い、妹に色目を使うような人物)、しかもそれなりに(日本人的な対応をし続けた挙句に)長い期間付き合ったことがある人は、現在の韓国の国家の姿はその人物の姿と非常に平仄するのです。
でも、その人以外に良い人がいるのは知っていますし、実際そういう人たちと仲良くもできますが、あの人物のような奴は嫌悪感で近づきたくもないし、それを産出した韓国人の国民性の一端は見過ごせません。
個人と国家の関係性をどこまで同一視するか、これは国際関係論の根っこの部分なのだろうと思います。
みなさんの意見を聞きたいです。
すみません。
遊びの旅行と
お互いの利害関係がぶつかるお仕事の訪問は全く違うのに
よい人達ばっかりだあーーはお花畑過ぎ
私自身は当該国には二十一世紀初頭に3回行ったことがありますが、実体験でいえば、嫌な目にあったと感じたことはありません。強いて印象に残っていること一つを挙げると、釜山→ソウルの夜行列車で隣に座ったおっさんが、私が会社員と知るや「是非連絡してくれ!!」と名刺を渡され、赤の他人に積極的というか押しが強いというか....確かにこの勢いだから経済成長するなあと当時は感じた次第です。
それを超える実体験は無いので「観念的な嫌寒だ」と言われればそれまででしょうが...
もはや日韓関係に於いては、早くビザを復活させた方が良い。
韓国も日本もお互いの為を思うなら、ビザという国際ルールを以って、一歩後退した方が良いと思います。
一歩後退じゃなく一歩も二歩も後退に訂正です。
過去,数人の韓国人といっしょに仕事をしたことがあります。ただし,ソウル大学で博士まで取っている理系の人なので,普通の韓国人ではありません。この人達は,当然まともですし,国際事情にも明るいので,韓国の現状分析も正確にできます。韓国がすごい学歴社会で,受験勉強は日本の子供よりずっと頑張っているのも詳しく話してくれました。他方,努力が報われるのは,ごく一部の人だけで,大多数は残念な結果に終わります。あと,上下関係は,日本の戦前くらいの厳しさがあるようです。それで,結果として,不満を沢山かかえた民衆が大量生産されてしまうようです。不満のはけ口が国内政治に向かうと大変なので,悪者を海外に作って,そこに不満を発散させよう,と誘導したのが,日韓関係の悪化につながってしまいました。韓国人は,よく勉強しているぶんSNSを通した情報発信にも熱心で,結果として炎上も頻繁に起きます。
私は,人口数千人の田舎の出身なのですが,そこの人達を見ていると,SNSもほとんど使わないし,ネットでの情報発信もしません。政治的発言がほぼゼロで,極めて静かです。不満がムラ社会の中に閉じこめられていて,その外には出ないわけです。それが,日本の政治の安定にも寄与しているのです。ただし,選挙では,都市住民が予想していないことが起きることもあります。マキャヴェッリが言っていた「共和国は国庫を豊かにし、市民を貧しくせよ」(貧しい市民は政治に口出ししないという意味)を地でいく感じで,感心はしませんが。
韓国の場合は,政治に口出ししない市民が少ないのでしょう。それで「船頭多くして船山に登る」じゃないですが,政治が迷走を始めます。
愛読者様
>………ソウル大学で博士まで取っている理系の人なので,普通の韓国人ではありません。この人達は,当然まともですし,国際事情にも明るいので………、
ちょっと待って頂けませんか? この時点でもう終わっていると思います。普通の韓国人で無ければ異常な下等な韓国人と捉えて宜しいのでしょうか?、多分そうなのでしょうけど。
不満のはけ口が国内政治に向かうと大変なので,悪者を海外に作って,そこに不満を発散させよう………。こんな事されたら日本はたまったもんじゃありませんね、それこそ、謝罪と賠償を韓国に求めて当然じゃないでしょうか?
更新ありがとうございます。
ヨーロッパの事で思い出しましたが、だいぶん前に取引先の社長様一行(当時生まれたての零細企業でしたが、今や売上高500億円超で利益もガッポリ取れるメーカーに成長しました。非上場です)とドイツの現地で待ち合わせして、見本市(ドイツはビジネスショーが各都市で盛んで、欧州だけでなく日本、米国、中東、アジアからもバイヤーや商社員、通訳が集まりました)に行き、各ブースでの商談をしました。
私を含めて計4人、フランクフルトからケルン、ミュンヘン、ハンブルグ、オーストリア、スイス他と各地を回りました。足は、私は一度だけ別用があった為、憧れていたDB(ドイツ国鉄)の特急列車の1等車、コンパートメントに乗りました(会社からは承諾を得てます)。
それ以外はアウトバーンを中心に移動し、すべてレンタカーを取引先が用意しました。私以外全員国際免許を持っています。社長がレンタカー会社で「予約しているが、一番良い車を貸してほしい。金は出す」と言い、「ポルシェッ」と奥の車を名指します(笑)。
しかし「予約がある」と言って相手のドイツ人は貸してくれません。私たちは「どうしよ?ベンツの最上級車でいいか?」と決めたものの、現物があるのに「ダメだ」と言う。で、相手は「BMWなら一番グレードの高い車を貸す」と言うので、それにしました。
車に乗ってから皆で言い合ったのは「日本人だから貸してくれないのではないか?」です。考えれば得体のしれない若い日本人4人組(当時全員20~30歳代)に、ポルシェやベンツのEとか、貸す気はないのでしょうね。
その頃は欧州でウロウロしている東洋人は、日本人ぐらいですが、「アジア人軽視」は根強かったと思います。但し全員一眼レフカメラNIKON、CANONを持ち、SONYの小型レコーダーを持っていたので、行く先々で驚かれ、羨ましがられました(笑)。なお日本人以上に蔑視されていたのは、アフリカ系黒人でした(地下鉄で扱いを見ました)。
で、ここまでは思い出話です。
韓国について「いい人ばっかりだぁ~」はお花畑でしょうし、3年前迄の「日韓1,300万人の交流が霧散する」などと思わず、人的交流の抑制で良いと思います。差し当たってはビザ復活で。どうせ一人6万円しか使わないんでしょ?オーストラリア人やアメリカ人、イギリス人は20~30万円でしたよネ?台湾人、タイ人、マレーシア人でも10万円ってことはありません。もっと使います。6万円出費して日本人が6万円以上の嫌な思いをしているなら、来なくて結構です。
韓国には一時期仕事でよく行きました。プライベートでも1,2度行ったかな。その範囲では特に不愉快な思いをしたことはありません。とは言え、仕事で行っていたときは「日本の本社」を背負ってましたので、軽く扱われるはずもなく、いろいろと"接待"も受けたりなど、わりと呑気に行かせてもらってました。韓国人たちとのやり取りでも、契約とか権利に関する考え方が少々緩いなとは思いましたが、著しくおかしいと感じたこともありません。
現地での印象はというと、「韓国メシは結構美味い」「運転マナーは酷い」「道路、特に歩道の舗装の仕上がりは酷い」という感じですかね。ただ、ソウルの中心街でも、表通りはそこそこ奇麗なんですが、一歩裏に入ると「あれ?」ということもしばしばありました。また、街中の看板や標識がほぼハングルのみだったので、日が落ちると方角すらわからなくなるというのが難点といえば難点だったかな。
ということで、意外に思われるかもしれませんが、個人的には韓国がらみで特に不愉快な思いをしたことはないのです。もっとも、プライベートでまた行きたいかと問われたら、たぶんNOでしょうね。なにしろ観るべきものが何もないし、メシだけならばわざわざ韓国に行くまでもないからです。この辺が中国との違いですね。
韓国に限った話ではありませんが、とにかく現地に行って、その国の空気を吸い、その国の大地を自分で踏んでみるというのは大きな意味があると思います。もちろん、数日滞在したくらいでその国の何がわかるんだというのは正しいと思いますが、それでもやはり行かないと分からない感覚というものは確実にあります。パッケージツアーは利用したことがありませんが、それでも行かないよりはマシなのではないかと思います。
韓国が良い国か悪い国かは状況によって変わると思います。
小生が投稿した韓国人の分類では、日本人に対し好意を抱き、尊敬の念を持つ韓国人もいます。ただし、このような韓国人は高学歴で海外経験の多い方です(小生の分類ではタイプ1)。
日本人と相入れない部分は時間にルーズな点と、約束を守らない事、ボッタクリが多い事でしょうか。観光レベルだとこの程度だと思います。
実際に住むと、さらに様々な欠点が見えてくると同時に、韓国の良いところも見えてきます。
ただ、ほとんどの韓国人が、「日本=悪」という考え方を持っていますので、心の底から信用できる韓国人は極少数です。この点は打ち解けて実際に話をしないと、気付きにくい部分かと思います。小生の分類ではタイプ2になり、韓国人では最も多いタイプです。
それぞれの国に独自の価値観があり、自国の価値観で他国を評価するのは、時として非常に危険です。新宿会計士様もチャリダーマン様も、実際にその国を訪ねることによって得られるその国の民族性や思考性に気付いた部分も多々あると思います。
やはり、実際に自分でその国を経験する事が、その国を理解する最良の方法のひとつかと思います。鈴置さんのコラムを読むと、住んでいたからこそ説得力のある内容になっているのだと思います。
駄文にて失礼します