米国が議会・政府を挙げて、半ば公然と、「韓国の民主主義の実施方法や人権遵守状況には問題がある」などと言いだしていたとしたら、それはいかなる意味を持つのか――。じつは、これは「仮定の話」ではありません。すでに現実のものとなっている話題です。ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に昨日、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の最新論考が掲載され、「米国は韓国を反人権・反民主国家と認定」、「バイデンは『従中』の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領を乱打する」と指摘しています。
目次
日韓関係論
日韓関係のギクシャクは誰の目からも明らか
世の中、ちょっとでも世間の話題に関心がある人であれば、「日韓関係がギクシャクしていると思うか」と尋ねられれば、おそらくほとんどの人が「はい」と答えるのではないかと思います。
もちろん、日韓関係がギクシャクしたことの「責任の所在」については、韓国に100%の責任があるのか、日韓に50%ずつの責任があるのか、はたまた日本に100%の責任があるのか…。その分析はさまざまでしょう。
当ウェブサイトの場合だと、「文在寅(ぶん・ざいいん)政権が発足した2017年5月以降に限定しても…」、と、韓国がやってきた不法行為の数々を列挙したうえで、ずばり、「責任のほぼ100%が韓国の側にある」と結論付けてきたつもりです。
しかし、「日本が真正な謝罪をしないのが悪い」、「日本が正しい歴史認識を持たないのが悪い」といった立場からは、その責任の一部または全部が日本にある、という結論に至るかもしれません(といっても、さすがに「日本が100%悪い」という主張をするにはかなりの無理がありますが…)。
また、日韓関係がギクシャクしたことで、どちらの国がどのような損害を被るのかについても、議論はわかれていますし、さらには日韓関係の「ギクシャク」を除去するためにはどちらの国がどのような負担をすれば良いのかについても諸説ある状況です。
(※もっとも、当ウェブサイトでは最近、「日韓関係のギクシャクはあえて除去しなくても良いのかもしれない」、といった視点からも議論を展開しているのですが、この点は余談ですので本稿ではこれ以上触れることはしません。)
日韓ギクシャクの原因と結果は「日韓」だけで見ると誤る
ただし、こうしたなか、ひとつ、絶対に忘れてはならない論点があります。
それは、現在の日韓関係は、すでに「日本と韓国だけ」では決められなくなっている、という点です。
「日韓関係のギクシャクを除去しなければならない」とする主張は、得てして「日本と韓国はともに米国の同盟国であり、日米韓3ヵ国連携を円滑に推進しなければならない」といった考え方が、暗黙の裡に含まれています。
その一方で、「韓国が米韓同盟から離脱し、中国に寄っていく」という傾向を突き詰めていけば、やがて米韓関係が破綻するかもしれませんし、そうなった場合には日韓関係もこれに引きずられて破綻する可能性が極めて高いといえます。
つまり、目先の「韓国の奇行」という点だけに視点を奪われていると、議論を読み誤ります。
「日韓両国は隣国同士だから仲良くしなければならない」と主張したくても、現実に韓国が中国の属国(あるいは北朝鮮の属国)と化してしまった場合、そのような国と仲良くすること自体、安全保障の観点からは許されなくなってしまうのです。
だからこそ、「米国」「中国」というファクターを無視して「日韓の友好関係は大事だ」、「日本は何があっても韓国と仲良くしなければならない」、といった議論は適切ではありませんし、有害ですらあるのです。
最新鈴置論考は「人権・民主」
鈴置論考の最新版は「米国が韓国を反人権・反民主国家と認定」
さて、近年、韓国の奇行が度を越しているためでしょうか、日本に「コリア・ウォッチャー」はずいぶんと増えた気がします。ただ、揺れ動く朝鮮半島を眺めるのはたしかに大切ですが、「揺れ動いている状態」だけでなく、「誰がどう揺り動かしているのか」を見なければ、本質が読めません。
この点、当ウェブサイトでしばしば紹介する鈴置高史氏に関しては、自身を「韓国観察者」と名乗っていますが、正直、その深みはまったく異なります。その理由はいくつかあるのですが、とくに大きなものは、鈴置氏の韓国論には多くの場合、「米国」「中国」というファクターが出てくる点にあります。
その鈴置論考の最新版が昨日、『デイリー新潮』に掲載されました。
米国は韓国を反人権・反民主国家と認定 バイデンは「従中」文在寅を乱打する
韓国の民主主義の後退に米国がようやく気づいた。中国との対立を深める中、価値観外交を強化する米国は韓国を「仲間の国」と見なさなくなるだろう。韓国観察者の鈴置高史氏が展開を読む。<<…続きを読む>>
―――2021年4月26日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
「米国が韓国を反人権・反民主国家と認定」(!)。
相変わらず、刺激的なタイトルではあります。
しかし、いつものとおり、内容は具体的な記載やその情報源などが詳しく示され、それらにいちいち、わかりやすい解説が付されているというもので、朝鮮半島問題に関心がある人であれば、読み始めたら最後、あっという間に読了してしまうことは保証します。
米国は議会も政府も韓国を問題視
こうしたなか、気になる方はリンク先記事を直接読んでいただきたいのですが、リンク先記事を読む前に、鈴置論考では少し前から、ジョー・バイデン政権が文在寅政権を相手にしなくなったという点に言及なされているという点を思い出しておきましょう。
たとえば、『日米の「対韓半導体制裁」の可能性を議論する鈴置論考』でも紹介した、デイリー新潮の4月12日付『文在寅の弱みにつけ込む中国 「韓国が米側に戻る橋」を壊す』でも、米国が韓国を「通貨」や「半導体」で「お仕置きする」、というシナリオが示されています。
今回の論考は、その続きでしょうか、例の「対北ビラ禁止法」を巡って4月15日に米国の議会で開かれた聴聞会から議論がスタートします。
ちなみに「4月15日」という開催日は、金日成(きん・にっせい)の誕生日でもありますし、開催した超党派の「トム・ラントス人権委員会」は、もともとは下院外交委員長だった故トム・ラントス議員(2008年2月没)にちなんで名づけられた委員会です。
しかも、鈴置氏によると、ラントス議員は人権委員会の創設者であるとともに、下院外交委員長だった2007年6月26日、下院外交委員会で「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議」が採択された際に「日本の歴史否認」を厳しく糾弾した人物でもあるそうです。
鈴置氏は、こう評します。
「そのラントス人権委員会が、今度は韓国の反人権、反民主主義を糾弾する場になったのですから皮肉な話です」。
この鈴置論考を読んで、個人的に「そういえば」と思い出したのは、『鈴置論考、米国が韓国の政権を人権で潰す可能性に言及』などで取り上げた、米国務省の「人権報告書」です。今年の人権報告書で韓国の与党政治家らの不祥事が大々的に取り上げられました。
つまり、米議会も国務省も、どちらも韓国を「人権擁護の観点からは問題がある国家とみなしている」、というわけです。あるいは、鈴置氏の言を借りれば、「軍事政権と同じ扱い」、「文在寅氏をタコ殴り」、といったところでしょうか。
相変わらず疑問が付くのは米国の対応
さて、今回の鈴置論考におけるひとつの主眼は、「次は反米政権を選ぶな」、です。
これは、米国が韓国を「人権遵守状況に問題がある国」と見始めたことが、米国なりの韓国国民に対するメッセージでもある、という可能性でしょう。それが、ビラ禁止法を巡る米国のやり取りです。
「実利的な面からも、米国が対北ビラ禁止を何としても撤回させたいのは事実です。情報を流しこむことは北朝鮮の独裁体制を揺さぶる最高の手段だからです。だからこそ北朝鮮が嫌がり、北朝鮮の言いなりの文在寅政権が禁止したわけです。」
「もちろん、韓国人に対し『文在寅政権は見限ったぞ』とのメッセージを送る狙いもあるでしょう。2022年3月の選挙で再び反米左派の大統領を選んだら米国はただではおかないぞ、と恫喝したわけです。韓国の保守系紙もそれに応え『米国の怒り』を大きく伝えているのです」。
「米国の怒り」とは、文在寅政権が遅くとも来年5月には退陣することを見越し、「(文在寅氏の)次も左派(政治家)を大統領に選んだら許さないぞ」、というものでしょう。
おそらく、米国の狙いは鈴置氏の見立てどおりです。
そして、米国に対して少しきついことを申し上げますが、「外交を通じて相手国を変えられる」というのは、米国なりの大きな思い上がりの一種でしょう。拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』でも紹介しましたが、外交ではけっして相手を変えることなどできません。
「米国は文在寅政権を見限ったぞ」とのメッセージが韓国国民に理解されるかどうか、あるいは理解されたとしても、韓国国民が米国の都合に合わせて行動するかは微妙でしょう。
とくに、鈴置氏の次の文章を読むと、米国がこのあたりを理解していない可能性が高そうに見えて仕方がないのです。
「この聴聞会で明らかになったように、米国も『韓国の民主主義の後退』には気づいた。ただ多くの米国人はまだ、北朝鮮や中国にゴマをする左派政権が原因と見なしている。だから左派政権を叩くために『民主主義』を武器とした」
中国というファクター
そのうえ、事態をややこしくしているのが、「中国には頭が上がらない」という韓国人の心理です。
まずは、次の記述を読んでみましょう。
「2009年、本音を語ってくれる韓国の指導層の1人に『なぜ、韓国人は中国に立ち向かわないのか』と聞いてみたことがあります。答は『日本と異なり、中国との戦争で勝ったことがないから』でした。『新羅が唐を半島から追い出した羅唐戦争(670―676年)では勝ったではないですか』と重ねて聞くと、『そんな大昔のことは意識に残っていませんよ』とさびしそうに笑ったのが印象に残りました」。
このあたり、韓国が、ときとしてどんな理不尽な目に遭ったとしても、頑なに中国についていくのを選ぶという、私たち日本人からすれば理解に苦しむ心理をうまく説明しています。
私たち日本人のなかでは、「自由・民主主義国である米国と同じような価値観の下で生きる」ことを重視し、「中国的な価値観の下で生きるのはまっぴらごめんだ」という人が多いのではないでしょうか。
しかし、鈴置氏によれば、大事なのは、「現時点でどちらが強いか」、という視点なのだそうです。
「現時点では米国の方が経済的に強いから、米国側にいるべきだ――との理屈です。記者も『米中どちらが優位か』ばかりを聞いています。要は、米国の方が強い間は米国側に居続けよう、との前提で議論しているのです」。
まさに、李氏朝鮮期から大韓帝国期にかけての韓国が、清国なのか、日本なのか、ロシアなのかと右往左往した様子が目に浮かびます。
ちょっと見てみたい
こうしたなか、今回の鈴置論考もあっという間に読めてしまったのですが、以前から抱いている疑問がますます強くなったのも事実です。そうした疑問点のひとつが、来月に予定されているという米韓首脳会談で、文在寅氏がジョー・バイデン氏に、どの面下げて会いに行くのか、というものです。
安倍晋三総理の「置き土産」といえば「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」ですが、韓国はかたくなにFOIPにコミットしようとしていません。そんな韓国をバイデン大統領はどう迎えようとするのでしょうか。
あるいは、バイデン氏(や)米国外交関係者の頭の中にあるであろう、「文在寅氏さえ除去し、後任に保守派政権が誕生すれば、韓国が再び米国の側に戻って来る」という思い込みが、文在寅氏の訪米でどう変わるのでしょうか。
その答えはおそらく、遅くとも来月判明するのだと思いますが、それまで興味は尽きないところだと思う次第です。
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鈴置論考は昨日の夜見つけて予習済みです。書いてある通りで、コメントはありません。新宿会計士様の「相変わらず疑問が付くのは米国の対応」分析に関して言うと「アメリカという1つの意思・意見を持った国がある」という前提を見直すことが大切でしょう。民主主義国家といのは、多数の圧力団体からの意見を集約して妥協点が見いだされたところで国政が決まります。圧力のバランスは時々刻々変化するので、国政方針も時々変わります。「韓国国民が米国の都合に合わせて行動するかは微妙でしょう」については、中国もアメリカも、そのためには、韓国には上から目線で圧力・命令をかけ続けることが大切だと分かっていると思います。
中国や韓国がなぜ民主主義国家にならない(なれない)かは、多くの人々の分析があります。韓国の儒教の場合は、子分の順位を競う思想で、親分が民主主義国家でも専制主義国家でも、どちらでも適応できてしまうのでしょう。「お前は1番の子分だ」とおだてておけば、よく言うことを聞く子です。中国の場合は、民主主義を採用したら、地方やみんなが勝手なことを始めて、国がバラバラになって、そのうち内戦がおこって、自分達もひどい目にあうから、専制主義のほうが安心して暮らせる、とみんなが考えているようです。
民主的に民主主義を捨てる。
ということもあるのかもしれませんね。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
管理人様>米国が韓国を「人権遵守状況に問題がある国」と見始めた
アメリカは上記状況を正しい運営である前提条件は「民主主義は国家の経済を最良の仕組みである」と言う事が必須ですが、国家を含めた機能集団が相互に作用する現代社会において上記の言い分が本当に正しいかを常に検証するべきです。
アメリカ型の民主主義社会での社会発展は人間が自由な活動を行うことで最も効率的な社会発展が得られる前提ですが、人間が行う創造が最も効率的であるということが根本の条件に存在します。
これが技術の発展で「常時成立するか」どうかです。
AIによるディープラーニングとネットワークの発展で創造されるいろいろな社会改善が人間が行う労働での社会改善が常時上回る状況になると現代社会において中国が志向するAIとネットワークシステムに基づく専制統治システムがアメリカ型の民主主義社会よりも優れた社会統治システムになると思います。
つまり韓国人が中国にすり寄るのはアメリカ型の民主主義社会の限界を韓国人の奴隷根性がかぎ分けているのではないでしょうか(笑)。
「今後はアメリカよりも中国が全てが世界一になる」
アメリカがそれを否定する戦略が出せない限り、韓国人が中国にすり寄るのは避けられないかと思いますよ(笑)。
以上です。駄文失礼しました。
奴隷根性嗅ぎ分け嗅覚は性能が良く中々、馬鹿に出来たものではなく一種の感覚的凄みを感じます。
猫が四角い段ボールに吸い込まれていくように韓国も序列を軸にした身分制度に支配されていないと個が基本単位である現代社会で落ち着かないのかも知れません。
(在住さんの話で韓国人との会話では、まず年齢からとのエピソードがありました個人の前に先に身分が来ます)
AIに儒教的序列や出身成分を教えディープラーニングされ改良されていく社会がどうなるかは分かりませんが韓国人は社会の安定性をベースにしたモデルを一番重視して考えていると予想します。
日本や西欧とは違い保守的であるものの非常にわきまえた。そして謙虚なものの態度と言い換えることも出来るかと思います。
支配を上位者に委ねてその中で幸せを享受する。似たような価値観でマトリックスという映画の現実主義者で裏切り者のサイファーという人物を思い起こしました。
マトリックスの部分に反応します。
サイファーという登場人物は、モーフィアスに目覚めさせられてネブカドネザル号のメンバーとなり、マトリクスとのインターフェース(グリーンモニターを文字が流れ落ちるアレ)を操るハッカー。
マトリクスのエージェントは彼にヴァーチャルな酒池肉林を与えると持ちかけられて寝返る。
彼に命を預けてマトリクス潜入中の仲間のインターフェースをシャットダウンして殺害。
さらに船内で物理的破壊と殺戮をしようとして射殺される。
こんな感じだったでしょうか。
このような行動はどこかで見た景色のように思えます。
かの国のようであり、ユダのようでもあり。
ちょっとした思いつきですが、アメリカに対してかの国の異常性を説くとき、日韓とか中華云々ではなく、新約聖書的価値観に譬えればズバリ突き刺さるような感じがします。
「米国が韓国を反人権・反民主国家と認定」
とは言え、まだアメリカは次期韓国政権に期待していると思います。
文在寅を乱打するということはですが、韓国はアメリカのせいにして、裏切りを続けると思います。
韓国が「アメリカが、韓国より日本を優先する事」を認めた時に、日韓離間に続いて米韓離間が進行すると思います。
鈴置さんにここまで言われるとさすがに韓国の反発が記事になって出てくるかなと予想して楽しみにしています。
今まではあまりにも図星で反応しづらかったのですが、さすがに非民主的国家と言われては存在意義が全否定されますし。
反応が楽しみです。
どうでしょうね。これまで韓国メディアの記事で鈴置さんを名指しで取り上げたものを読んだことが無いので。
まあ、彼らに言わせると、武藤元大使は「代表的な嫌韓派」らしいのでねぇ。
>韓国人も「言論の自由」を唱えますが、自分の主張を一方的に押し通す権利を要求しているだけです。「他人の言論の自由」を尊重しはしないのです。
>中国的な価値観の下で生きるのはまっぴらごめんだ、との思いはまったく見られない。
これと通じ合うのは日本人には無理ですね。
人権で当選されたバイデンさんにとっては、ちょうどよい国家かもしれませんね。
ウィグル(中華)ムスリムを下手に攻撃するよりも、安価で手間暇をかけずにアメリカに利益をもたらす(かも)と、ご認識されているのではないかと。
次の手が楽しみですね。
韓国(朝鮮民族)にとっては力(パワー)こそ正義のようです
かつてアメリカが絶対的にも相対的にも世界で圧倒的な力だったからこそ、韓国では自由と民主主義が正義になりました
しかしそれらは仮の正義に過ぎないのです
ですから韓国はそれらの本質を理解していないし、理解するつもりもないのです
仮初の正義だから、その必要がないのです
その為に中国が台頭しアメリカの力が絶対的・相対的に弱まっている現在、韓国の正義が揺らいでいます
韓国のバランス外交というものは、韓国の正義の価値観の揺らぎの表れです
将来においてもし中国がアメリカに対して優勢になれば、韓国では独裁と共産主義が正義となるのです
また韓国が核を欲しがるのも、核が力だからです
韓国は核を保有することで、韓国自身が正義になることを望んでいます
韓国は正義の棒を振り回したいのです
>米韓首脳会談で、文在寅氏がジョー・バイデン氏に、どの面下げて会いに行くのか、というものです。
内容ではなくて”会う”ことが大事。協議の名を借りた要請。
単独会談は3分(121秒)以上設けられるのでしょうか・・?
バイデン氏に"Do it yourself"と言われて沈黙しそう・・。
米国の次の選挙では適正な政権を選べというメッセージは合理的だとは思いますが、対中恐怖症と火病に猛り狂った韓国人に響くとは思いません。
次に更なる左派が政権についた場合、米国はどうするのでしょうか?
米国が南朝鮮という地政学的に価値の大きい拠点を放棄することはあり得ません。
李承晩のような人物を裏で準備している可能性はないでしょうか。
その場合、南朝鮮は東西に分かれ、米中間の主戦場は台湾や尖閣ではなく朝鮮半島ということになります。
我が国にとってはそういう展開の方が諸々メリットがあるのではないかと思います。
アメリカにとって韓国内に米軍基地を置いておく事は少しはメリットはあると思います。
北京が近いですし。
朝鮮半島は日本列島に囲まれています。
中国にとって韓国はコストを払って手に入れるほどの価値は無いと思います。
中国が台湾、尖閣に拘るのは太平洋への通路を確保するためです。
韓国が中国の手に落ちてもチベット、ウイグルと同じ扱いになるだけです。
「そうした疑問点のひとつが、来月に予定されているという米韓首脳会談で、文在寅氏がジョー・バイデン氏に、どの面下げて会いに行くのか、というものです」
⇒この疑問に対しては「あの面下げて会いに行く」と思います。「あの面」とは、2019年4月に行われたドナルド・トランプ大統領と文在寅大統領による米韓首脳会談の時の「あの面」で、30分のうち27分を記者会見に費やし、肝心の会談は2分程度で終わった「2分会談」です。そもそも、この会談に先立ちアメリカ側は高官から「北朝鮮への制裁緩和の話をするのであれば来なくてもいい」という旨の発言があり、実現自体が危ぶまれていたものの、韓国側が押しかけるかたちで実施されたものでした。
また、2019年11月にバンコク近郊で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)の首脳会議に先立ち、安倍晋三首相と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が、控室で約10分間会話した時の「あの面」です。
この2つの首脳会談(会話)のいずれも、相手側は文在寅大統領との会談(会話)を希望していなかったにもかかわらず、文在寅大統領が無理やり押し掛ける形で実現したもので、来月に予定されているという米韓首脳会談も、構図としては全く同じです。
相手から、いやがられようと嫌われようと、カエルの面に小便、馬耳東風の「あの面」でバイデン大統領との首脳会談に臨むことは間違いないでしょう。その「面の皮の厚さ」には、太鼓判を押すことができると思います。