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傾聴に値するラムザイヤー教授の「日本語メッセージ」

「慰安婦=性奴隷」という与太話を突き崩すきっかけとなるかもしれない論考のひとつが、ハーバード大学のJ・M・ラムザイヤー教授の論考です。これについては当ウェブサイトでこれまで何度となく取り上げて来たとおり、韓国やその擁護者たちが必死になって攻撃しているのですが、これに対するラムザイヤー教授自身の反論動画がありました。時間がある方は、是非とも視聴してください。

慰安婦問題=韓国の利権

当ウェブサイトの読者の方々であればご存知のとおり、韓国と全世界では、「慰安婦」とは「日本軍の手により戦時性奴隷とされた女性たち」である、というウソが罷り通っていますが、不思議なことに、韓国はこの「慰安婦=性奴隷」説を裏付ける確たる物的証拠を、ただの1点も示していません。

もっと言えば、「朝鮮半島で少女を拉致しろ」といった命令書がただの1枚も残されていないばかりか、自称元慰安婦の多くは自発的な売春婦であったということを示す証拠も多く、さらには自称元慰安婦の証言の多くは一貫性がなく、矛盾だらけでもあります。

これらについては『「反日種族主義」著者「論文にぐうの音も出ない韓国」』、『「反日種族主義」著者、慰安婦強制連行説の崩壊を予想』等でも紹介したとおり、韓国人学者の李宇衍(り・うえん)氏の議論に詳しく触れられているとおりです。

ただ、それと同時に当ウェブサイトでこれまで繰り返し述べてきたとおり、「ウソツキは証拠を嫌う」し、「利権を持っている者は得てして極端に議論に弱い」という特徴があります。

そもそも慰安婦問題自体、30年もの時間をかけて、韓国が国を挙げて、(時として朝日新聞の捏造報道などの力を借りながらも)頑張ってゼロから捏造(つく)り出してきた利権そのものでもあります。

事実、日本を除く全世界で、慰安婦問題を「日本、日本民族、日本という国そのものが韓国・朝鮮民族に対して行った、極めて深刻な人権侵害事件」などと誤認させるのに成功したため、韓国がこの問題さえ持ち出せば、水戸黄門の印籠よろしく日本をやっつけることができるわけです。

慰安婦問題を筆頭とする歴史問題とは、韓国にとっては楽しくて仕方がない娯楽であり、また、本来ならば実力では絶対に勝てない相手国である日本に対し、半永久的に、道徳的優位に立ち続け、日本から技術や資本を引き出し続ける貴重な「外貨獲得源」でもあります。

まさに、韓国による利権そのものであり、だからこそ、慰安婦問題を含めた歴史問題は絶対に「解決」しないのです。

(※余談ですが、日本もそのことを念頭に置いたうえで、歴史問題では韓国に譲歩するどころか、むしろ、韓国が二度と歴史問題を持ち出して来ることができないように、韓国に徹底的な制裁を加えるべきと考えていますが、これについては拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』の主題でもあります。)

利権を突き崩すラムザイヤー論考が批判されるのも当然

さて、相手は30年という月日をかけて捏造(つく)り上げられた与太話ですが、私たちの国・日本としても、「慰安婦=性奴隷」という与太話を否定する客観的な事実をひとつづつ積み上げていかねばならない立場にあります。

ただ、それと同時に、利権を持っている者は自らの強欲や怠惰で簡単に滅びるものでもあります。放っておけばどんどんとボロが出て来ますので、「慰安婦=性奴隷」説を否定する資料を大切にしつつ、「慰安婦=性奴隷」説を突き崩し、ウソツキに制裁を加えるチャンスを待たねばなりません。

こうしたなか、当ウェブサイトでは2月2日の『「慰安婦=性奴隷」否定する論考に韓国メディアが反発』を皮切りに、米ハーバード大学のJ・M・ラムザイヤー教授が発表した慰安婦に関する論考について、しばしば取り上げて来ました。

この点、あらためてお断りしておきますが、「ラムザイヤー論考自体が学問的に正しいかどうか」について、当ウェブサイトとしてはこれまで断定的に結論付けたことはないつもりですし、これからもおそらくしないでしょう。学問の世界で出てきた論考は、学問の世界でその妥当性が議論されなければならないからです。

しかし、非常に興味深いことに、、このラムザイヤー論考を巡っては、韓国ではメディアや市民団体、在米韓国人学生など、それこそ国を挙げて苛烈な批判が生じていますし、また、米国内でもこうした韓国の立場に理解を示す者たちが、同様にラムザイヤー論考を批判しています。

ラムザイヤー論考は慰安婦とされる人たちが性奴隷ではなく売春婦であったという事実の暴露につながりかねないからでしょうか。その意味では「慰安婦問題=利権」説が正しいことを、彼ら自身の行動が証明しているように思えてなりません。

このように考えていくと、ラムザイヤー論考を批判する者たちの最大の目的は、おそらく、この論考自体を「なかったこと」にすることによって、議論そのものを封殺することにあるのでしょう。まるで共産主義国家のような態度そのものですね。

あるいは、彼らがラムザイヤー論考を「何としてでも」封殺しようとしているのも、「利権」という観点からは、ごく自然に説明できてしまう、という言い方をしても良いでしょう。

ラムザイヤー氏の肉声を聞く価値あり

こうしたなか、ラムザイヤー氏が自身の論考に対し、批判されていることに、肉声で寄せたメッセージを発見しました。

4月24日緊急シンポ「ラムザイヤー論文をめぐる国際歴史論争」ライブ配信!【つくる会CH】

リンク先は動画サイト・YouTubeに投稿されたもので、「国際歴史論戦研究所」の主催、産経新聞社の後援で4月24日(土)に開催された『【緊急シンポジウム】ラムザイヤー論文をめぐる国際歴史論争』の模様を収録したものです。

動画では、李宇衍氏が寄せたメッセージも収録されていますが、本稿ではおもにラムザイヤー氏のメッセージについて紹介したいと思います(上記リンクも動画の1:51:30~、つまりラムザイヤー氏の発言のあたりから始まるように埋め込んでいます)。

ライムザイヤー氏は開口一番、非常に滑らかな発音で、次のように発言します。

ラムザイヤーです、よろしくお願いします。

ハーバード大ウェブサイトによると、ラムザイヤー氏は「一橋大学、東京大学、東北大学では日本語での授業経験」があるのだそうです。

それはさておき、ラムザイヤー氏は今回、自身の論考が(おもに特定の勢力から)強く批判されていることを受け、次のように述べます。

しかし、今度の課題は僕でもありませんし、僕の8ページの論文でもないことは明らかです。単なる1人の教員に対する嫌がらせの問題ではなく、もっと深刻な、重大な問題だと思います。

過去の出来事を誠実に細かく包括的に、できるだけバイアスなしに伝えること、学問の自由を徹底的にまもることが、今日の課題になっていると思います。

まさに、これがラムザイヤー論考に対する批判の本質でしょう。

ときとして人格攻撃を伴いつつ、論文に対し感情的に反発する姿勢は、学問的な態度ではありません。ラムザイヤー氏はこれを「スターリン主義」「中国の文化革命のようだ」などと皮肉っていますが、まったく同感と言わざるを得ません。

なお、本稿ではライムザイヤー教授の発言の全文を紹介してませんが、全体で10分少々のメッセージは非常にわかりやすく、かつ、心にも響くメッセージですの。

日本語が理解でき、かつ、この問題に関心がある方であれば、賛成派/反対派を問わず、すべての人に視聴していただきたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • シンシアリーさんのところで見ました。
    このラムザイヤー教授の意見表明の場を作った人らに感謝です。
    教授はスピーチの中で、やはり個人として友人の助けが必要だと何度も述べられています。

    韓国(人)側の戦略として、やはり個人潰しがあるように思えてなりません。個人の発言へに対する集団による弾圧ですね。
    それを許すのはおかしいという気持ちはおそらく一般的なのです。ただ、具体的な応援がないとやはり、個人としては潰れます。

    その意味でこのブログの記事も応援になっていると思われます。
    取り上げていただいてよかったです。

    #個人的には、ラムザイヤー教授の関西訛りが愛おしいですw

  • 見ました。多分視聴回数はカウントされているので それだけでも 応援の気持ちの反映となると思っています。

  • ラムザイヤー教授の日本語が、とても流暢でした。
    幼年期から18歳くらいまで日本で暮らされたそうですが、ほとんど日本人と変わらないネイティブな日本語でした。
    シンシアリーさんのブログへのコメントにも書いたのですが、いったい、日本でのラムザイヤー教授の知名度ってどうなんでしょうか?
    オールドメディア(NHK、朝日、etc. )でのラムザイヤー教授についての報道はほぼゼロ、ですよね。
    でも反して、韓国では論文発表以来、連日怒涛のように報道されているようです。
    日本のメディアの「報道しない自由」も凄いですが、日韓でラムザイヤー教授について知っているかどうか、アンケートをとったら興味深いのでは?
    と、思ったりします。

    • どこでアンケート取るかですね。ここで取れば60~80%は出ますよw
      ただNHKが「電話で」取れば、0~1%程度かもしれないですね。操作なく。
      また、韓国ネタやってない例えばYoutuberが急にこのアンケートやってもたいがいかもです。

      これはブログ主さんの最近の主題ともかぶると思うのですが、ネットとネット外、またネット内でも「興味の分断」は相当に起きてると思われます。

      ネット民はある程度韓国ネタが目に触れる機会も多いのですが、それを読みたくない人は読まないです。なので、インターネットバンザイとも言えない自分もいます。
      #新聞ならなんとなく読んだのに、テレビならなんとなく入ってきたのにってことも最近よくあります。

      電話やネットでのアンケートの多数決にどれだけの意味があるか、というのが最近の興味です。政党支持率もぶっちゃけアンケートですしね。
      なんとなく、物理的な日限固定での最終的な「選挙」の仕組みは大事だなと思った次第です。はい。

  • 学術会議・野党 「学問の自由を守れ」
    ラムザイヤー教授「学問の自由を守れ」

     酷い差ですね。
     前者は筋が通らない上に(故に)ヒステリック、片やラムザイヤー教授の理路整然として穏やかな語り口。そう感じるのも私にバイアスがあろうかとは思いますが、少なくともこの動画で語られている内容…学問の自由と原則に、ケチはつけようがないと思います。

     どうせ「被害者お婆さんの"事実"を踏みにじるなんて学問じゃない!」とかよじれた批判がくるでしょうけど(例:ヘイトスッペチは表現の自由じゃない!)。
     っていう先も計算尽くかな。

  • 更新ありがとうございます。
    ラムザイヤー教授の動画を見ました。

    まずは私が想像していたよりも、遥かにラムザイヤー教授のお考え、話し方が「日本流」でした。イントネーションなんて私とほぼピッタリです(ちゃうやろ)。米国人大学教授で、これほど流暢な(ある意味日本人以上)日本語を話されるとは驚き。まさにネイティブスピーカーですね。

    米国では少なくとも学会や知識人の間で「日本軍人が太平洋戦争中、近隣のアジア諸国で非戦闘員に蛮行に及んだ、朝鮮半島では女性は性奴隷にされた」が罷り通ってたとは。

    今更ながら、そこまで酷く濡れ衣を着せられては無いだろうと、思っていた自分が恥ずかしいです。

    しかし30余年に渡り、嘘とでっち上げで作り上げた「対日打ち出の小槌」は、さぞかしおかわりが出来て、韓国にとっては手離せないツルでした。

    これを被害者ではなく戦時売春婦と括り、事実を正しくまとめ上げて論考したラムザイヤー教授には、猛烈な攻撃があったと思います。

    いくら米国大学教授、助教授といっても、特にコリアン系の教師らは知性を微塵も感じさせないほど、非難し教授の論考自体を消し去ろうと命懸けだったでしょう。祖国(粗国?)の嘘話がバレるから。

    プライドの高い朝鮮民族には由々しき事態だった。その為アイツラは世界中に散らばっている仲間を動員、いろんな方向からラムザイヤー教授を攻撃した。

    教授にとっては当初味方、友達が居ない状況は辛かったでしょう。しかし、教授は一人ではありません。学内での友人、日本の支持者、今回後援した産経新聞社、或いはSNSで拡散させている草の根の私達も、出来る事から応援してあげたいと思います。

    このラムザイヤー教授の論文に対する韓国及び反日勢力の罵詈雑言が、逆に彼らの命取りになるかもしれません。下品な言い方ですが、コレはモノになります。日本に対する言いがかり、でっち上げの数々を認めさせて永遠に謝罪させるきっかけになって欲しい。でも認める前に「国交◯裂」になるでしょう。

    • めがねのおやじ様

      そもそも、戦前の日本絶対悪論(二度と戦争をさせないぞ)はGHQが作り上げたもので、戦後になって戦前に逮捕等されていた学者やジャーナリストを現場復権させたのもGHQです。
      戦前に逮捕等されていた学者やジャーナリストの多くは共産主義者だったので、彼らが大学等に戻った後は当然ながらその日本絶対悪論に基づく共産主義等左翼思想を布教し、また職を失わないという保護された世界の中で気に入った弟子を教授にするという左翼の連鎖体制が今に至るまで続いています、学術会議がその典型です。

      つまり、米国&日本の学会や知識人の間で「日本軍人が太平洋戦争中、近隣のアジア諸国で非戦闘員に蛮行に及んだ、朝鮮半島では女性は性奴隷にされた」が罷り通っているのは、その歴史観の本家本元が米国発日本育ちなのだから当然のことでしょう。

      対ソ冷戦下で米国の方針は180度転換し、日本の武装化を促し、今に至るまで同盟国として日本の善き理解国、最大の友好国となりましたが、GHQ時代に生み出された「反日反戦思想を持つ現実無視の妄想信者達」は日米とも今も健在であり、
      そういった信者たちと韓国の反日妄想民族主義者たちが相互利用しあい、それがシステム化されビジネス化され、韓国や日本を含む世界各地に反日モンスターが次から次へと生み出されることになりました。

      歴史学者の世界はそのモンスターの総本山です。
      彼らにとってラムザイヤー教授の論文は、彼らの聖書であるGHQ史観を否定しかねない悪魔の攻撃であり、ラムザイヤー教授への攻撃は彼らにとって自己の存在意義&価値をかけた聖戦なのです。

  • シンポジウムの全容を視聴しました。
    ラムザイヤー教授の論文は、most downloaded, most popular という評価がついているそうです。
    韓国のバカ騒ぎが、論文の注目度を上げているのでしょうね。

  • 本当に宗主国だった中国が最近流石に鬱陶しく感じ始めたようで、キムチ・泡菜議論なんぞが起きているようです。

    ついでだし、北の正統性の補強南への損切りを兼ねて中国辺りから「南が旧日本軍と闘って独立した話嘘だし、そもそも旧日本軍そのものだから中国に賠償と社債しやがれ」「もともと半島は中国領土」論文が出ないもんでしょうか?

    もはや半島南北利用価値ゼロですから、大中華はどんなこと言い出しても不思議じゃない気がします。

  • ラムザイヤー氏は、「今回の批判者にとって重要な事は、強制連行説とか性奴隷説に対する反対説が絶対に英語の文献に現れたらいけないという事らしいです。」と述べ、学界は「寛容性のない雰囲気」になってきたと警告されています。

    そこで、ふと思ったこと。
    これはBLM運動と似ているのではなか。黒人は過去虐げられてきたんだから、彼らの如何なる言動を批判・反対してはいけない。彼らには主張し、行動する権利があるのだと。その結果、商店の掠奪や市街地占有などが罷り通り、本来正すべき犯罪行為が犯罪と見做されなくなった。罰すべき犯罪が正当な行為とされる。

    ラムザイヤー氏の言葉は、学界に対してにとどまらず、米国社会に対しての警告でもあると受け止めた次第です。