例のJ・マーク・ラムザイヤー教授の慰安婦論考を巡って、韓国国内を中心に、再び撤回を求める声があるようです。学問の世界の話を政治的に封殺しようとするというのも興味深い国ですが、ただ、ここでポイントとなるのは、米国政府がもうこれ以上、韓国の味方をしないであろうという点に加え、日本政府も(おそるおそるながらも)慰安婦強制連行の証拠がないという事実を少しずつ公言し始めた、ということでしょう。
慰安婦問題の与太話
当ウェブサイトでもこれまで何度も繰り返してきたとおり、「いわゆる慰安婦問題」とは、「日本軍が戦時中、朝鮮半島で少女を20万人ほどを組織的に拉致し、戦場に強制連行して性的奴隷として使役した」とされる問題のことです。
当たり前ですが、本来ならばこんな問題、与太話以外の何物でもありません。
そもそも論として、当時の交戦国だった米国の調査で、いわゆる戦地の慰安婦の多くは自発的にやってきた者たちであることが判明しています(『「反日種族主義」著者「論文にぐうの音も出ない韓国」』、『「反日種族主義」著者、慰安婦強制連行説の崩壊を予想』等参照)。
百歩譲って、「日本軍が朝鮮半島に軍事侵攻した際に、現地で朝鮮人女性が日本軍の兵士たちに暴行された」といったストーリーだったら、まだ理解はできます(実際、インドネシアでそのような事例は発生していたようです)。
しかし、20万人といえば当時の朝鮮半島の人口の1%にも相当する人数ですし、彼女らを日本軍が組織的に徴発して戦場に送り込んだというのも、兵站や戦略的合理性などを一切無視した不合理な暴論のたぐいでしょう。
この問題を巡り、日本政府に悪かった点があるとしたら、1990年代にこれが日韓間の政治問題となり始めた際や、国連クマラスワミ報告などのメチャクチャな報告書が出てきた際にも、「強制連行の事実はない」という点をキッパリと主張しなかったことです。
慰安婦合意は「結果的には正解」だった
その意味においては、2015年12月28日の日韓慰安婦合意も、一種の「政治決着」としては止むを得なかった、という評価をすることもできなくはありません。
【参考】いわゆる「日韓慰安婦合意」(2015年12月28日)のポイント
- ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
- ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
- ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
- ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。
(【出所】外務省HP『日韓外相会談』より著者作成)
ただし、この①、②については、あたかも日本政府自身が慰安婦問題という与太話を事実であるかの如く認めたかにも読めてしまううえ、実質的に日本政府が「謝罪と賠償」を行ったようなものだという見方もできるという点について、これまで当ウェブサイトでも、しばしば強い不満を示してきました。
もちろん、物事にはかならず「光」と「陰」という2つの面がありますので、この慰安婦合意が全面的に正しかったとも、全面的に誤っていたとも申し上げるつもりはありません。しかし、あくまでも結果論ではありますが、この慰安婦合意をやっておいて良かった、といえる状況が生じたことはたしかでしょう。
韓国は「約束破りのウソツキ」、米国も味方せず
文在寅(ぶん・ざいいん)政権が発足した直後の2017年12月に、韓国政府が外交機密文書を勝手に公開してしまったこと、2019年までに慰安婦財団が解散されたことで、爾後、堂々と「韓国は約束破りのウソツキ国家だ」と公言することができるようになったからです。
ただし、安倍総理が「韓国はどうせ政権が交代したら約束を破るに違いない」と睨んでこの慰安婦合意を仕込んだのか、それとも予期しなかった効果をもたらしただけなのかについては、もう少し時間が経過し、歴史家的な視点での検証をすることは必要でしょう。
とりわけ現在の局面において気に留めなければならないのは、慰安婦問題が韓国国内で一種の「利権」となっているという点と、「慰安婦問題」を巡り、少なくとも米国政府はもはや韓国の味方ではない、という点です。
「利権構造」というのは、慰安婦問題で「メシを食っている人」がいるということです。尹美香(いん・びこう)韓国国会議員など、その典型例でしょう。
そして、利権構造というものは、得てして腐敗します。韓国国内で慰安婦がらみの内紛が生じている件(『相次ぐ韓国の自爆、日本が「エサ」与えなくなったから』等参照)も、慰安婦問題が韓国政府にとっても手が付けられない「モンスター」に変わった、という証拠にほかなりません。
また、2015年12月の慰安婦合意の際もそうでしたが、かつての米国は、慰安婦問題を巡って日本の側に立とうとしませんでしたし、むしろ慰安婦問題が「日韓間の軍事協力の妨げになる」として、「日本に対して」その問題の解決を求めてきたほどです。
しかし、現在の米国政府は、この問題で日本に圧力を掛けることはありません。
『「米国は慰安婦合意歓迎」発言を無視する韓国メディア』でも報告しましたが、米国務省のネッド・プライス報道官は3月12日の記者会見で、2015年12月の慰安婦合意で慰安婦問題は解決済みとの立場を示しています。
また、米国務省が先日公表した『人権報告書』に、尹美香議員など複数の韓国与党政治家が含まれた件(『鈴置論考、米国が韓国の政権を人権で潰す可能性に言及』、『韓国外相「99%発言」の真意は「米中二股外交宣言」』等参照)は、もはや米国が決して韓国の味方をしないという証拠です。
慰安婦論考の撤回求める声は強まるが…
こうした状況の変化もあったのでしょうか、日本政府はあらためて、慰安婦に関しては「強制連行を示す物証は日韓ともに存在しない」とする点を公式に述べた、とする記事がありました。
慰安婦「強制連行」なし 完全な公式明言
―――2021/3/29付 Japan In-depthより
執筆したのはジャーナリストで麗澤大学特別教授の古森義久氏です。
古森氏は3月22日に参院文教科学委員会の公式審議の場で、自民党の有村治子議員が萩生田光一文科相らに対して慰安婦の強制性をただしたところ、政府側からは「強制連行を直接示す物証はない」との見解が示されたと指摘。次のように述べます。
「日本の慰安婦問題は虚偽の証言や報道にハイジャックされ、長年の間、日本を貶める政治プロパガンダとして悪用されてきたが、その虚構の核心だった『強制連行』が国会の公式の場で日本政府の代表により改めて正面から否定された。」
メディアがあまり注目していない論点ですが、これも注目に値するものと言えるかもしれません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
その一方で、結果的に「慰安婦=性奴隷」説を否定することになったとされる、ハーバード大のJ・M・ラムザイヤー教授の論考を巡っては、韓国側で「撤回」を要求する声も高まっているようです。
米大学教授の慰安婦論文撤回を 韓中日の39市民・学術団体が声明
―――2021.04.05 13:55付 聯合ニュースより
ただ、このような要求が、おもに韓国(や日中)の「市民」団体から出て来ているという事実自体、慰安婦問題が一種の「利権」である証拠でしょう。
当ウェブサイトとしては、ラムザイヤー論考についてはこれまでもしばしば取り上げて来ましたが(たとえば『ラムザイヤー論考巡り早大教授「韓国の批判は筋違い」』等参照)、ラムザイヤー論考そのものについて検証するつもりはありません。
なぜなら、アカデミーの世界で出てきた論考は、あくまでも学問の立場から批評されるべきものだからです。
韓国側がこれを封殺しようとしているということ自体、慰安婦問題の強制性に疑義をさしはさむことが韓国で許されない話として受け止められている、ということでしょう。
ただ、この問題について韓国が騒げば騒ぐほど、結果的には「キジも鳴かずば撃たれまい」、になりそうな気がしてならないのですが、はて、どうでしょうか。
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朝日新聞の捏造が招いた自称慰安婦問題ですが、それが結果として捨韓・滅韓につながるなら、災い転じて福となす。
すばらしいではありませんか。
朝日新聞にも、存在価値があったというものです。
よかったですね、朝日新聞さん。
韓国と運命を共にできれば、朝日新聞も本望でしょう。
それは言いすぎです。そもそもマッチポンプには存在価値など無く迷惑です。
また、別に韓国が滅びても朝日新聞は滅びませんので、その意味でも間違っているかと思います。
朝日新聞は土地不動産持ってる限りあと100年は滅びませんので、ただただ、日本国日本人に迷惑を撒き散らすことのないように外圧を加えるしかありません。
今現在は野党のみなさんが見事なブーメランでこれをやってくれてますが、そこを切り離した時に、またしぶとく生き残りやってくるやつです。
個人的には将棋が大好きなのですが、朝日はこの名人戦のスポンサーです。高校野球もそうですね。ニコニコ動画が将棋中継を手放したのち、ネットでの中継はabemaTVがやってますが、これも朝日です。
しぶといんですよ。本当に。偏向さえなければ番組自体は好きなのはNHKと同じやつなんです本当。
太郎様
横から失礼します。韓国はアノ半島に居付く限り韓国という国名を失おうが、シナの一省になろうが、タコ殴りされてスッテンテンになってもしぶとく生き残るように思います。あんな外交、一千年以上やってますから(笑)。但し李氏朝鮮並みの酷い有様でしょう。
しかし朝日新聞社は一応日本の企業です。反日の記事をどれだけ書こうが、親韓、媚中発言を言いふらそうが、読者が居なくなればオワリです。部数は実質ピークの3分の1。
穀潰しのロートル記者やデスク、論説委員をタンマリ抱えてたんでは、高いサラリーに会社の利益は吹き飛びます。
優良不動産を持っていて賃貸で貸すか、店子を入れてリーシングぐらいか、手はありません。そのごく優良不動産も、切り売りしてたら素寒貧になるでしょう。いわゆるタケノコ生活です。
朝日新聞とその系列メディアには未来はありません。囲碁・将棋もタイトル戦出来るのは、昔から深く関わっていたからでしょう。不確かですが、名人戦はずっと以前は毎日新聞社では無かったですか?
いろいろなタイトル戦を作ってますが、人によれば名人戦は他のタイトルを全部足して同等の重み、一方では他のタイトル戦と同じ扱いという声もあるようです。
私は将棋をしないので分かりませんが、結局名人戦の名前が朝日新聞社は欲しかっただけじゃないのですか?金があるから出来たのでしょうが、もう今なら無理!他企業に渡すかもしれないと思います。
そのあたりが、朝日憎しで過去を歪めるのが気持ち悪いです。
(朝日の捏造・NHKの偏向は大嫌いですもちろん)
私も自信がなかったためググりましたが、Wikipediaではこうです。
> 当初の主催は東京日日新聞及び大阪毎日新聞で、のち二社が合併して毎日新聞主催だったが、第9期(1950年)から第35期(1976年)は朝日新聞社の主催に変わった。第36期(1977年)から毎日新聞社の主催に復し、第66期(2008年)より毎日新聞社・朝日新聞社の共催となる。
(Wikipedia 引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E4%BA%BA%E6%88%A6_(%E5%B0%86%E6%A3%8B))
少なくとも、戦後1950~1976からは朝日主催です。
夏の甲子園もたぶん大正の御代から朝日主催ですよね。
いうても、「日本の文化」の一部ではあるのですこんちくしょうは。
事実は事実としてどうするかという話をここではやっていただきたいとは思いました。
失礼しました。
アメリカも踏み絵を避けられないよう本気で韓国の言う日本との諸問題に対応してきましたね。
慰安婦問題しかり、海の呼称問題しかり。
韓国の言い訳がいつまで保つのか、楽しみですね。韓国の次の政権はえらいこっちゃです。
「安倍総理が『韓国はどうせ政権が交代したら約束を破るに違いない』と睨んでこの慰安婦合意を仕込んだのか、それとも予期しなかった効果をもたらしただけなのか」
⇒この点については、恐らく、安倍総理は「韓国政府が約束を守れば儲けもの、約束を破っても十分元が取れる」と判断しての行動だったと思います。やはり、エドワード・ルトワックが言った様に、安倍総理は「稀代の戦略家」だと思います。
ただ、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が再選されず、バイデン氏が当選したことが、日本にとっては予期せぬ「追い風」に、文在寅政権にとっては思いもよらない「逆風」になっています。これも、結果的には、新型コロナウィルスをアメリカにまき散らした習近平国家主席の功績と言えなくもないですが。
まあ、約束守ったら慰安婦カード捨てるしかないしね。
それはそれで目的達成できた。
「韓国の味方はしない」はたぶん正しくなくて「文在寅や共に民主党の味方はしない」が正しいと思います。親米政権誕生に向けて、いろいろ工作しているのでしょう。慰安婦=売春婦論もその一貫かと。
>「安倍総理が『韓国はどうせ政権が交代したら約束を破るに違いない』と睨んでこの慰安婦合意を仕込んだのか、それとも予期しなかった効果をもたらしただけなのか」
安倍前総理の発言から、韓国が約束を守らなかったら終わりだと、考えていたんだと思います。
そして決断させたのは、「戦後を終わらせる為」だったんだと思います。
はい。
この下ですぐに匿名さんも書いてますが、2015年(平成27年)8月14日の演説が、ここで取り上げられないのが不思議です。
一応リンク貼っておきますが、確信的にあの合意を結んだことは疑う余地はあんまりないのではないのでしょうか...
ttps://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html
いくらかのコリアンウォッチャーでは、あの合意は破られるケースを織り込んで結ばれたものだと当時から言っておりました(例えば某楽韓さんとか)。自分もそう思ってました。右よりの方の一部は不満ありげでしたが。
個人的考えですが、FOIPもまだ見えてない顔がある気がしてなりません。単なる中国包囲網以上の意味がある気がします。もし自分の考えが当たっているならば、50年、100年後には別の顔を見せているのかもしれません。
だんな様
>そして決断させたのは、「戦後を終わらせる為」だったんだと思います。
同感です。
苦渋の演説にその強い意志が表れていました。
なので、合意後に合意を覆せない各種文言を入れたのでしょう、覆した場合の罰を考えながら。。
安倍さんが終戦70周年で将来の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせるわけにはいかないと言った年の12月に慰安婦合意が成立したことを思うと、安倍さんは全てをお見通しだったのかもしれません。
自分の支持層からの反発があることを承知で大きな視点で決断したのではないでしょうか。
韓国がこちら側に来ても、あちら側についてもいいように、セキュリティダイヤモンドというコンセプトも確立しつつ、と考えると、安倍さんの思慮の深さにある意味で背筋が凍ります
匿名様
全文同感です。
菅政権は安倍元総理のこの意志を受け継ぎ、決して軌道修正してはいけません。
なお慰安婦問題は、国際的に日本が著しく不利、かつ取扱い注意なデリケートな問題なので、感情的な右派の意見を取り入れ、うかつに日本の正当性を主張すると逆効果の可能性が高いので、菅首相には注意してもらいたいと思います。
その意味で、「強制連行は無かった」という主張は何とか逆効果にならずに済む、上手くいけばプラス効果が期待できるものだとは思います。
ですが、深く深く発言の効果を予想し、費用対効果を見極めながら慎重に行うべきかとは思います。
「韓国の皆さん、慰安婦問題は『解決した』のです。あなた方や一部の日本の学者や政治家が謝罪と賠償を叫ぼうが、ラムザイヤー教授が何を言おうが、両国の首脳が『最終的に不可逆的に解決した』とテレビの前で確認したのです。これ以上の解決の在り方がほかにあるでしょうか?
韓国は誠意ある謝罪を事あるごとに唱えますが、それは具体的にはなんなんですか?
さらにこの問題に関してお互いに国際的な場で非難しない事も確認されてます。
もう一度言います。慰安婦問題は『解決した』のですよ。
何度も問題を蒸し返す事に怒るのは我々日本人ではなく、あなた方韓国人なのです。それが慰安婦問題の核心です。」
⋅⋅⋅⋅と、私は声を大にして言いたいです。
今思うと慰安婦合意は日本からの試金石だったなと。
合意を守るなら、最低限の交渉はできるけど
破るなら付き合ってはいけない相手であり、距離を置くべき国。
日本はもう動くことはないので、これでメシを食っていた連中は
新たな飯の種を探すことになるでしょう。かつて同和関連のゴロツキ達が、
反原発やアイヌに食い込んでいったように。
次は朝鮮戦争の第五種補給品やベトナム戦争時の戦時売春婦たちでしょうか。
だとしたら今度のターゲットはアメリカですね。
慰安婦像の乱立もこの辺の布石なのかもしれません。いやはや面倒な方々だなあ
いつもお世話になっております。
そもそも、このいわゆる従軍慰安婦は朝鮮戦争時の売春婦を表しております。
これは慰安婦の証言から明らかです。 ジープとかヘリコプターとか、クリスマス
休暇が出てくるあたりで、日本軍向けと異なります。
ただ、米国向けに請求できないので、日本向けにするため日本の知識階層が
嘘を新聞発表し、慰安婦向けの回答用例題文を覚えさせようとしましたが、
失敗したから上記のジープ等が出てくるのです。
日本向けならバカな人達が可哀そうとお金をあげるキッカケになるでしょ。
だから年齢も第二次世界大戦時の従事した年齢と食い違いが出たり
幼児を従軍慰安婦?にしたとするしかないのです。
韓国のいう「慰安婦問題」は、
もう人権問題ではないし、アメリカの国益に沿った話でもないと、
アメリカ政府が見切ったからねぇ。
いいかげんに、韓国は同盟国として役目を果たさないと。