本稿はエクセルビジネスマンの悩みを少しだけ開示してみたいと思います。民間企業の生産性を著しく引き下げている「エクセル方眼紙」は役所が大好きですが、とりわけ日本年金機構様のそれは酷いのヒトコトに尽きます。
不肖ながら、ウェブ主は「エクセル」という特殊なソフトウェアが大好きな人間です。この20数年間、エクセルを開かない営業日はなかったと言っても過言ではありません。
さて、このエクセル、一見するととても使い勝手が良いのですが、それと同時に極めて危険なソフトウェアでもあります。直感的に使える反面、仕事ができない人間が下手にエクセルを触ると、とっても奇妙な代物ができてしまいます。
それが、「エクセル方眼紙」です。
エクセル方眼紙の作り方はとても簡単で、新規シートを立ち上げて「Ctrl+A」ですべてを選択し(図表1)、セルの幅や高さをそろえれば(図表2)、これで完成(図表3)です。
図表1 Ctrl+A
図表2 マウスで幅や高さを任意のピクセルにそろえる
図表3 エクセル方眼紙の完成(やったー)
このような方眼紙を使えば、こんなおバカなフォーマットを作ることもできます(図表4)。
図表4 こんなおバカなフォーマット
「セルの結合」、「罫線」などの機能をフルに使って製作された「エクセル方眼紙」こそが、ビジネスの大敵です。入力する側はコピペもできませんし、集計する側はデータを集めるのも大変で、非生産的とはこのことを言うのだと思います。
まず、一番言いたいのは、
セ ル を 結 合 す る な !(怒)
です。
いまどき何らかの報告書(図表4の事例だと営業日報)を手書きで提出させる会社があるのかどうかは存じ上げませんが、百歩譲ってこれを手書きで書かせて提出させているのだとしたら、まだわからなくはありません(というかわかりたくもありませんが)。
しかし、これをデータで提出させているのだとしたら、悪いことは言いません。今すぐそのフォーマットを捨てるべきです。なぜなら業務が極めて非効率だからですし、先ほどの営業日報は、こんな具合に変更できるはず(図表5)。
図表5 こんな具合
ちなみにA、D、E、F列はAlt→D→Lで「データの入力規則」を呼び出し、最初から日本語入力(M)をオンにしておき(図表6)、同じくB,C列は日本語入力をオフにしてけばよいでしょう。なぜなら、A列には人名、B列には日付、C列には時間、D~F列には文章が入ることが確定しているからです。
図表6 日本語入力のオン、オフ
あと、B列は書式設定で yyyy/mm/dd aaa と指定しておけば、日付を入れれば自動で曜日まで入ります(図表7)。
図表7 曜日はaaaで指定して!
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
なぜこんな当たり前のことを申し上げているのかといえば、日本年金機構や日本年金機構、日本年金機構など、いかにも仕事ができなそうな組織が、この手のエクセル方眼紙型フォーマットを作って公表しているからです(図表8)。
図表8 日本年金機構が作成している低レベルすぎるエクセル方眼紙フォーマット
(【出所】日本年金機構)
さすが、日本年金機構は壮絶です。レベルが違いすぎます。
定期的に個人情報漏洩事件などを発生させる組織だけのことはあります。フォーマットもレベルが低すぎます。やはり日本年金機構は解体して、あらためて歳入庁などを創設した方が良いと思うのですが、いかがでしょうか。
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Excelを売り出すためにMicrosoftはMultiplanを止めてしまいました。
MS-DOSの時代に、BASICでしこしこプログラミングしなくても、仕事になったのはMultiplanのおかげでした(でも、結構高価でした。遠い目...)
とはいえ、MacでもWindowsでもExcelが使える時代もあり、乗り換えて結構便利に使っていました。Officeをインストールしていても使うのはExcelだけ。
ExcelというかOfficeを売り込むためにM$は破格の値段でOfficeを売り出し、一太郎からWordへの乗り換え需要を引き起こしました。Excelが一般的に使われるようになると、価格がだんだんと上昇し、データのファイル構造も変わり、使い続けるにはヴァージョンアップせざるを得ない状況が作られてかなりの年数が経っています。
このバージョンアップの強制、いろいろな理由がもっともらしくPC関連のサイトで流れますが、私個人はM$税と捉えています。どうも面白くない。
では、どうしているか。バージョンアップを止め、xlsファイルのレベルで使っていました。でも、世の中でxlsがマイナーになったし関数も少ないままなので不便を感じるようになりました。現在はLibreOfficeのCalcに完全に乗り換え10年ほどになっています。
初歩のデータベースを試したり、他のソフトとのデータのやりとりがあれば、Excel方眼紙の無意味さなどすぐに理解出来るはずですね。日本年金機構、申請の書類からしても、データなぞ考えていないことがその機構全体に蔓延しているとしか、思えません。
更新ありがとうございます。
いや〜懐かしいですねえ〜。エクセル!(笑)私も今でこそ使う事はありませんが、現役ギリギリまで毎日使ってました。
「エクセル方眼紙」も思い当たります。まるで罫線による自分だけが納得の報告書です(爆笑)。Wordより遥かに使った時間、作成書類は多かったでしょう。
しかし会計士様の激オコオコの件、「セルの結合」は同僚もやってましたが、はた迷惑、迷惑千万です!
「何でそんな事するの?」と聞いても、「やり方教えて貰っただけ」とかイミフの答えしか返って来ません。
今年1月に日本年金機構◯◯事務所に行きましたが、そういう書式は見当たりませんでした。残念!次回行ったら尋ねてみます(笑)。
エクセルをどれくらい使いこなせるかを、IT 技術レベルの判定基準にしている会社があります。
そういう所へ行けば、私なんて初心者以下です。
人事のXX共が理解できる範囲で判定するんじゃねぇ!
官公庁のIT音痴ぶりを揶揄するジャーゴン(洒落)として
「ネ申エクセル」
というものがあります。この悪慣行を廃絶するには、おやじDX(デラックス)こと政府CIO氏と担当大臣の交代くらいから始めるのがちょうどと考えています。
最近不祥事を起こしたとある会社の外回りの人たち。
保険部門は携帯させられているタブレットに搭載されているシステムで活動報告。
その他の部門は、帳面に手書き記載で報告。
委託元が違うせいと言われればそれまでなんですが。
私はエクセルのマクロでVBAを覚えアクセス、さらにVB.netに移行しましたがそういう意味ではエクセルに感謝しております
(ちなみにセル結合しててもコピペも集計も出来ますけど?)
あと特定の範囲に均等割り付けとかするにはどうしてもセル結合するしか無かったですし
ただリンクの塊みたいなワークシートにすると開くだけでしんどくなったのでアクセスに移行して、でもファイルが壊れまくるのでVB.netに移行した、って敬意でした
ちなみにDOSの頃はOS/2のSMARTとかDOSのUP2とかでしたw
はじめまして。やしろじゅうと申します。
いつも興味深く拝見させていただいております。
年金機構のホームページを確認しましたが、新宿会計士さんがご提示されている様式は、手書き用ではないでしょうか(ホームページ上で明示されてはいませんが、ボールペン等で記載して下さいとの注意書があります。)。
ホームページ内に「届書作成プログラム」というものがアップされていて、別のデータを使用して届書を作る場合は、このプログラムを使って電子申請してほしいようですね(プログラムはvbで作成されているみたいです。)。
エクセルをバリバリ使っている職場なので、新宿会計士さんの気持ちは痛いほどよくわかります。
私は今でもテキストファイル(.TXT)を一番よく使います。
自分向けのメモや日報などはこれで十分です。
人に見せる文書なら、ExcelよりWordの方が体裁の良いものが早く作れると思います。
何でもかんでも罫線でくるむのはExcelユーザーに限ったことではなく、大昔なら「一太郎」ユーザーにありがちなことでした。罫線大好きなのは、お役所文化が民間の文系部署に伝搬したのではないかと思っています。
罫素文字ってのが大昔に存在していました。
日本語ワードプロセッサ(専用機)がもてはやされていたころ、書類&書式を枠で括りたくてしょうがないひとたちに愛用されていました。
ある人物(南青山勤務から赤坂に当時在ったイニシアティブ企画社へ転職)はいわゆるシフトJISの立役者(穏便な表現)ですが、彼が当時(いつもの斜に構えた姿勢で)お役所ってさ、枠がないと書類とは思ってくれなくって、うふふ。と言ってました。
こんにちは。
今回の記事、かなり冷や汗をかいております。
と言いますのも、私、エクセル方眼結構好きです(汗)
理由は、新宿会計士様がお怒りのところです(滝汗)
とはいえ、これって諸刃の件で、複数人で共有するようなファイルを方眼にしてしまうと、めちゃくちゃ使い勝手が悪くなるんですよね。それぞれで癖みたいなのがあって、方眼だとその癖がそのまま出てしまいますから。
とはいえ、方眼ではないと癖が出ないかというとそうでもないので、自分は複数で共有したり引き継がないといけないものはできるだけ結合とか使わず単純な表にして、自分用で必要があれば方眼を使うことにしております。
それに、使いにくかったら自分で作り直せばOKというつもりでおります。もちろん作り直す時間と手間がかけられればですが、たかだかエクセルファイル、必要なことが書かれていれば充分で「これでないとダメ」みたいなことを言い出すことがいちばんの問題なのでは?と思ったりもします。