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在韓米国人学者、慰安婦巡る韓国の批判を「非生産的」

約束を破るウソツキ国家・韓国の矛盾とは?

当ウェブサイトで最近、精力的に追いかけている「慰安婦に関するラムザイヤー論考」を巡って、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に日曜日、米国人学者らが「日本との私的な関連性を理由にラムザイヤー教授の学問的真実性を攻撃するのは非生産的」などと指摘する論考を『ディプロマット』に寄稿した、とする話題が掲載されていました。まったくの正論です。

慰安婦問題は矛盾だらけ

韓国許すまじ:時間かけてでも慰安婦捏造犯罪の清算を』を含め、当ウェブサイトでこれまで何度も問題提起してきたとおり、「いわゆる慰安婦問題」を巡っては、「具体的な証明」というプロセスがすっ飛ばされています。

だいいち、問題の核心をなすはずの、「①戦時中、②日本軍が組織としての正式な意思決定に基づき、③朝鮮半島で少女のみ20万人を強制的に拉致し、④戦場に連行して性的奴隷として使役した」という4要素のすべてが矛盾だらけなのです。

このように考えていくと、慰安婦問題の本質とは、じつに杜撰なものです。なにせ、ちゃんとした証拠もないのに、「日本という国が朝鮮の少女たちに非人道的な行為をした」という与太話が、あたかも事実であるかのごとく世界中で信じ込まれているからです。

もともとは朝日新聞の虚偽報道が火をつけたことは間違いないにせよ、当時の日本政府が事なかれ主義的な対応に終始し、初動を間違ったこと、韓国が国を挙げて国際社会をうまく味方につけたことが、慰安婦問題をここまでこじらせた大きな要因でしょう。

これに加え、一部の識者が指摘するとおり、ちょうど1990年代といえば旧ユーゴスラビア紛争の影響で、欧州を中心に「戦場における女性や弱者の人権」というテーマに共感が得られたという事情も無視できないのかもしれません。

いずれにせよ、日本がいくら「慰安婦問題には何も証拠がない」と主張したところで、韓国だけでなく、国際社会がこの問題で日本に批判的であるという状況を変えることは、なかなか難しいというのが実情なのでしょう。

慰安婦問題の否定は簡単ではない

もっとも、「慰安婦問題が長い時間をかけて国際社会に事実として刷り込まれた」という状況も、結局は時が味方をしてくれるかもしれません。世の中に言論の自由が存在する限り、歴史的事実をいつまでも捏造し続けることなど不可能だからです。

こうしたなか、事例は非常に少ないものの、日本人以外の研究者、ジャーナリストらが「慰安婦問題はウソだ」とする主張を展開し始めています。

たとえば、米国人フリージャーナリストのマイケル・ヨン氏は数年前、「20万人を強制連行した」とする説が「虚構である」と主張し、わが国のメディアではちょっとした話題となりました。

【メガプレミアム】慰安婦強制連行は虚構…米国人ジャーナリスト「韓国は中国の操り人形」 米公文書に証拠なし

―――2015.4.20 11:00付 産経WESTより

ただ、このマイケル・ヨン氏の主張については、世界的にはさほど大きく取り上げられませんでした。結果的にはマイケル・ヨン氏の「慰安婦=虚構」論は大して注目もされず、批判すらされずに忘れられてしまったかに見えるのです。

ラムザイヤー論考に韓国が強く反発するわけ

こうしたなか、産経ニュースが先月報じた、ハーバード大学のJ・マーク・ラムザイヤー教授による「慰安婦=性奴隷説を否定する論文」についても、マイケル・ヨン氏の論考と同じ運命を辿る可能性が高いのかな、と個人的には感じていたことも事実です。

世界に広まる「慰安婦=性奴隷」説を否定 米ハーバード大J・マーク・ラムザイヤー教授が学術論文発表

―――2021.1.28付 産経ニュースより

ところが意外なことに、このラムザイヤー論考を巡っては、韓国、及び親韓派の米国人学者らなどの間で、猛反発が広がっているのです。

マイケル・ヨン氏の主張があまり注目されず、ラムザイヤー氏の論考が大きく注目されている理由は、なんだかよくわかりません。ただ、当時と現在を比べて、日本の置かれている国際的な立場が大きく異なっているという事情は無視できません。

マイケル・ヨン氏の主張が出てきた2015年4月頃といえば、安倍総理が米上下両院合同演説を行う直前のことであり、まだ日米同盟は単なる「2国間同盟」に過ぎませんでした。

ところが、ラムザイヤー論考が出てきた2021年1月頃といえば、日本は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の中心にいて、日米豪印クアッド連携を通じて、西側諸国から深く信頼され始めているという事情もあるのかもしれません。

それに、2015年12月の日韓慰安婦合意は、日本にとっては不本意な内容も含まれていたかもしれないにせよ、これを韓国が事実上反故にしてしまったという事情も無視できません。要するに、韓国は「約束を破るウソツキ国家だ」、というわけですね。

だからこそ、マイケル・ヨン論考にあまり反応を示さなかった韓国が、このラムザイヤー論考に関して強く反発しているのは、彼ら自身の危機意識の表れ、と考えた方が正確なのかもしれません。

在韓米国人副教授が韓国を「同質的」と批判

ちなみに当ウェブサイトでも、ラムザイヤー論考は「絶対的に正しい」と決めつけるつもりはありませんし、むしろ同論考の妥当性の検証についてはアカデミズムに委ねるべきものだと考えています。

あくまでも当ウェブサイトで問題視しているのは、韓国やその関係者によるラムザイヤー氏に対する批判が、論考の内容そのものに対してではなく、ラムザイヤー氏の人格であったり、日本企業との関連性であったりすることにあります。

また、そもそも論としてラムザイヤー氏の論考が誤っていると主張するならば、その証拠を彼らが出せば良いだけの話です。それなのに、『慰安婦論考の「掲載先送り・全面調査」要求は筋が違う』などでも取り上げたとおり、ラムザイヤー氏に対する攻撃者らは、この論考を葬り去ろうとして必死になっています。

まさに、言論弾圧そのものでしょう。

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に日曜日、こんな記事が出ていました。

延世大学・漢陽大学の教授、米メディアに「慰安婦売春」教授擁護する寄稿

―――2021.02.21 09:06付 中央日報日本語版より

これは、韓国の延世(えんせい)大学アンダーウッド国際大学のジョー・フィリップス副教授と、漢陽(かんよう)大学政治外交学科のジョセフ・イー副教授の2名が連名で、米外交専門誌『ディプロマット』に『「慰安婦」と学問の自由』という題名の共同寄稿を行った、とするものです。

中央日報によれば、両教授の主張の要旨は次のとおりです。

日本との私的な関連性を理由にラムザイヤー教授の学問的真実性を攻撃するのは非生産的であり、外国人嫌悪のように聞こえる。彼の文に韓国の視点が不足していると非難するのは同質的であり被害者中心的な『韓国』の視点を前提としたもの」。

まったくの正論でしょう。

実際、この中央日報の記事自体も、ラムザイヤー論考を「『慰安婦は売春婦』という妄言」と根拠なく決めつけてかかっていますが、こうした報道姿勢そのものが「非生産的」であり、「韓国の視点を前提としたもの」です。

また、両教授は2013年に『帝国の慰安婦』を刊行した世宗(せそう)大学の朴裕河(ぼく・ゆうか)教授が韓国国内で強く批判されたことを巡っても、次のように述べたのだそうです。

『慰安婦』拉致説に公開的に異議を提起した一部の学者は過度に頻繁に活動家に糾弾され、学校側の調査を受け、当局に起訴される」。

中央日報はこれを、「両教授が慰安婦問題に対する韓国国内の状況を否定的に説明した」と述べていますが、これも事実でしょう。

言論を理解できない韓国に自由民主主義国の資格はない

それに、中央日報の記事にはもうひとつ、重大な問題点があります。タイトルにラムザイヤー教授を「擁護する」などと記載していますが、記事を読んだ限り、両氏はべつにラムザイヤー教授を「擁護」などしていないからです。

中央日報によると、両教授は「私たちの目的はラムザイヤー教授の文を支持しようとするものではない」、「私たちは韓国の学者であり住民として、撤回と謝罪ではなく、経験的研究と分析を要求しようとするもの」と付け加えたのだそうです。

これは、「私たちはラムザイヤー教授の論考自体の妥当性を検証しているわけではないが、論考ではなくラムザイヤー氏個人を攻撃するという韓国の姿勢は間違っている」という意味合いだと理解すべきでしょう。

この点について、果たして彼らに理解ができるのでしょうか。

この点、中央日報の記事を読む限りにおいては、記事の執筆者らが「客観的事実」と「主観的意見」の違い、「証言」と「証拠」の違いなどをそもそも理解しているようには見えませんし、韓国でラムザイヤー論考を批判する人たちも同様です。

このように考えていくならば、そもそも「都合が悪い言論には弾圧で蓋をしよう」とする姿勢こそ大きな問題であり、そのような国が自由・民主主義国を騙る資格などありません。

いずれにせよ、ラムザイヤー論考は韓国が「どちら側の国」なのかを判断するうえでの格好の踏み絵となったのかもしれません。

【参考】関連記事

新宿会計士:

View Comments (29)

  • 宮澤政権では後に宮澤喜一当人が「薬が効きすぎた」と認めているように強力な総量規制で意図的にバブルを崩壊させた。バブル崩壊の裏で米国の資本家がボロ儲けしていた事で当時は本屋に行けば「バブル崩壊は米国の陰謀」といった類の本が数多く置かれていました。
    その宮澤政権での河野談話が朝日新聞の報道を大きく後押しし、「世界中が勘違い」する土台を作った事、それは米国にとってとても都合が良かった事は事実です。
    やはり河野談話の裏にも米国の意思があったと考えるのが自然だし、宮澤政権は「世紀の売国政権」「世紀の米国傀儡政権」と言えるのかもしれません。

  • 本日は竹島の日ですが、竹島に関してもこの記事の最後の部分、すなわち韓国が言論というものを理解しているのかどうかという問題は同じなのでしょうね。
    竹島の件で、面白い記事を見つけたので皆さんにシェアしておきます。

    「竹島の日」の前に改めて叫ぶ「竹島は日本の領土」
    『親日派のための弁明』の金完燮氏が語る日韓領土紛争の真実
    https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64024

  • >この点について、果たして彼らに理解ができるのでしょうか

    出来ません。

  • 米国でまで論文を封殺しようとする、あまりに異常な行動に対して、
    在韓米国人学者も黙っていられなくなったのでしょうね。

    中央日報日本語版の記事より、同じ在韓米国人学者を取り上げた WoW! Korea の記事は、韓国人にとってはもっと衝撃的でしょう。
    <W解説>ハーバード教授の「慰安婦=売春婦」論文、韓国タブー「貢女論」で韓国大学の教授2人が異例の擁護 (WoW! Korea 2021/02/21 22:03)
    「教授らはまた「韓国政府は高麗(918~1392年)王朝と朝鮮(1392~1910年)王朝の時、当時の韓国は数万人の「かわいい女」(貢女)を中国に送った」とし」

    騒ぎ過ぎたあげく、とうとう貢女にまで言及されてしまいました。
    上記記事の最後近くに「韓国歴史のタブーである「貢女論」」とあるように、
    これって、「慰安婦は売春婦」以上に、韓国がひた隠しにしたいことなんですよね。
    宗主国へ何かを献上するほどの産業がなかった高麗・朝鮮で、
    両班が奴隷の中から(それなりに)「かわいい女」を見繕って献上していました。
    それが「貢女」。
    長期間そんなことを続けてきたからこそ、現代の韓国でも、海外に遠征する出稼ぎ売春婦が多いのでしょう。

    「かわいい女」を宗主国に献上し続けた結果、
    どういう遺伝子が半島から欠落し、どういう遺伝子ばかりになったかも、
    科学的に興味を引く点ですけどね。

  • 韓国人が「慰安婦=売春婦」説について感情的に批判し、学術的に研究・分析すべきとの声がもっと上がってくれれば、日本としては歓迎すべき展開です。
    この2名の在韓外国人副教授はこれから大変な圧力、猛非難にあうと予想されますが、騒げば騒ぐ程韓国に「学問の自由」「表現の自由」がない事が世界に露呈していくでしょうね。
    韓国人にそのことに気付くだけの理性、知性があるかどうか。
    ちなみに中央日報では触れられていませんが、この寄稿は韓国にとって都合の悪い事実のオンパレードです。

      • イーシャ様
        記事のご紹介ありがとうございます。
        漢陽大の学生()は、学問の追及を否定するのであれば学生などやめてしまえばいいのに(棒)。
        ディプロマット誌へ寄稿した在韓外国人副教授には災難ですが、この寄稿文の問題提起がド正論であることを韓国人自ら証明していく様は滑稽ですね。

  • 韓国の歴史改竄の中で慰安婦の嘘は、大した事ではありません。
    彼らは、任那総督府を認めず、韓国国内に残った史料を、韓国が日本に教えた根拠にしようとしています。貢女についてもそうですが、朝鮮時代に中国大陸の属国であった事、日清戦争で日本が朝鮮を独立させた事も認めていません。
    この辺の歴史認識は、正にファンタジー。
    個人的に慰安婦の嘘より、こちらの方が気に入りません。
    近代史についても朝鮮戦争を「北朝鮮の南進が原因では無い」「5.18に北朝鮮工作員は、関与していなかった」など、北朝鮮寄りの改竄が行われており、そのうち「アメリカが悪いニダ」になるんだと思います。

    • 7世紀以前、新羅、百済、任那は倭人の領域でした。
      現在の韓国は、三国時代の新羅を国のみなもとと位置付けているようですが、それは12世紀の三国史記に新羅の記述が多いため。その三国史記に「新羅の創成期の王は丹波国出身」という趣旨の記述があるけれど、都合がわるいので知らないふりをする。
      5世紀の倭王たちは「倭 新羅 任那 加羅 辰韓 暮韓 地域の民政支配権、軍権」を中国南朝から認められていた。百済は中国の一部、ということで、その支配権は拒否された。
      朝鮮北部にあった高句麗は、現代中国の史学会では「中国外周民族」とされている。
      結果、朝鮮人の朝鮮人による古代国家などは、なかったことになるようです。

      わが国外務省のホームページでも、最近の改定以前は韓国の項目・歴史について「3世紀に氏族国家ができた」と書いていました。これは正しい認識だと思います。朝鮮人の民族国家はなかった、との主旨を書いていたのです。

  • On 'Comfort Women' and Academic Freedom
    By Joseph Yi and Joe Phillips for The Diplomat.

    短い記事に怒涛のような高密度ファクト攻撃。
    これはたしかに韓国人の精神がもたない。
    そしてこれが(歴史学でなく)外交誌に載ったことも重要…なのは彼らも知っているから騒ぐのか。
    広めてくれてありがとう、中央日報w

    (便乗すると、「歴史戦」って本があったけどタイトルが悪いと思っていた。そこを「戦場」と認めるべきではなかった)。

  • 韓国の大統領と外務部長官が日本の総理大臣と外務大臣と、テレビの前で握手して「完全かつ不可逆的に解決した」と宣言したということは、日本の謝罪や事実上の賠償金である10億円も納得の上で受け取った、というのが普通の脳ミソなら思うこと。

    「被害者の感情が」⋅⋅⋅とかは韓国政府が説得する責任がある。
    韓国人は「普通の脳ミソ」ではない事を自ら証明してどうするの?

  • 更新ありがとうございます。

    「慰安婦問題」に対して韓国は「具体的な証明」というプロセスをすっ飛ばしてます。「日本が悪い事をした」「日本は被害者の婆さんらに心からの謝罪をせよ」。こんな事ばっかり繰り返して言う。

    日韓が「2015年12月に最終的に不可逆的に合意した件」ですから、もうとっくに終わった話であり、今こそ本来は対中、対北について両国は真摯に向き合う時だったのです。ところが、嫌がらせ、嘘つき、他国に無い事言い吹らす。ま、もう要らん国だけど(笑)。

    また朝日新聞の嘘記事も、仰る通り時期が悪かったです。1960〜1980年までなら、ここまで長くズルズル引きづらなかったと思う。『戦場における女性や弱者の人権というテーマに共感が得られた』(会計士様)。

    私は異常な性格とは自分では思ってませんが(たぶん)、この「ジェンダー論」や「社会的弱者」「少数派」「底辺層への思い遣り」「戦場で悲惨な目に遭う少女・子供」、、こんな言葉を聞くとそれ以上聞きたくない心境になります。ヒトコトで言うと鬱陶しい。

    それを振りかざして騒ぎ立てる輩が、日本国内でも海外でもたっくさん居るからです。本当に子供や女性の立場を考えているのか?何か背後に見えるモノはなんだ?政情不安や治安を悪くしたり、誤誘導させる連中が、その中にきっと居る。

    ラムザイヤー教授の刊行本について、韓国の水曜集会(キモチワルイナマエ)で韓国系の婦人やお婆さんらが集まって抗議した。いや、ちょっと待って欲しい(おひさ〜笑)。教授を罵倒する前に事実を知るべきだ。お婆さんらは、春を売ってたのなら、高給貰ってたと、志願したとハッキリ言いなさい!それとも作り話か。

    恥ずかしい歴史かもしれないが、何処の国でも戦中などドサクサ時は、高給稼げるから居ます。今でも海外遠征挺身隊が居るでしょ?(日本もかな)

    ラムザイヤー教授を個人的な面から非難したり、論考とは何ら関係ない事で火をつける。両副教授のメッセージは至極マトモな話です。こういう方が韓国側から声を出す事は、勇気がいるでしょう。でも少しずつですが、嘘の山は崩れていきます。

  • 「韓国=古代国家」仮説は、韓国が聖慰安婦教を核とした祭政一致国家であることを自ら示し続けることで、ますます補強されているようです。別に喜ばしくもなんともありませんが。

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