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【速報】日本政府が韓国で敗訴、主権免除違反確定へ?

本日の「速報」です。いくつかのメディアの報道によると、先ほど、自称元慰安婦らが日本政府を相手取った訴訟で、韓国の裁判所は日本政府の敗訴を言い渡したようです。現在、小用で外出中であり、まだ判決文をじっくりと読んだわけではありませんが、現時点の所感を掲載しておきたいと思います。

日本政府敗訴をどう見るか

非常に「困ったこと」になりました。

韓国メディアの報道によると、自称元慰安婦らが日本政府を相手取って損害賠償などを求めていた訴訟で、韓国のソウル中央地裁は日本政府敗訴を言い渡したもようです(現在外出中なので、まだ報道をきちんと読み込めているわけではありませんが…)。

https://m.yna.co.kr/view/AKR20210108052600004

この点、今朝方の『【総論】国家免除条約と「主権免除が認められる事例」』でも説明したとおり、主権免除はどこまで認められるかという点に関し、国際的なルールは必ずしも確立しているとは言い難いのが現状です。

しかし、2004年12月に国連総会で採択された「国連国家免除条約」の考え方によれば、主権免除が認められるのは商業的取引、雇用契約、不法行為などに関する裁判手続に限定されており、かつ、国の財産に対する差押は認められません。

あえていえば、「(旧日本軍の)不法行為に基づく訴訟」だとして、この国家免除条約にいう「不法行為の例外」に当てはめるという考え方もないではありませんが、国家免除条約自体、未発効ですし、そもそも韓国はこの条約に署名すらしていません。

また、万が一、国家免除条約に韓国が参加していて、それが発効済みだったとしても、自体は遡及効(条約の効力が発生する前の事件に効力を及ぼすこと)を認めておらず(同第4条)、今回の裁判のように第二次世界大戦中の行為に関して日本に損害賠償を命じることは許されません。

さらに、国家免除条約の枠組みを離れても、現在の国際法上、戦争中の不法行為に関して主権免除を認めなかった事例は存在しません。

イタリアの最高裁がドイツに対する損害賠償を命じた件については、国際司法裁判所(ICJ)は2012年に「慣習国際法によりドイツが享受すべき主権免除をイタリア裁判所が否定した行為は、イタリアがドイツに対して負う義務の違反となるものである」と結論付け、イタリアが敗訴しています。

日韓請求権協定で完全かつ最終的に決着済み

そもそも論として、日本が韓国に対し、「植民地支配中」あるいは戦時中に「酷いことをした」かどうかについては、歴史上、さまざまな論争があることは間違いありません。

たとえば、韓国の側からは「日本は悪辣な植民地支配でわが民族に深い損害を与えた」といった主張が聞こえてきますが、彼らがそのように主張するなら、個人的には「日本が朝鮮半島を併合し、統治してあげたことで、朝鮮半島が一気に近代化したじゃないか」と反論したい気持ちでいっぱいになります。

ただし、歴史にはさまざまな評価がありますし、見る立場によってそれらの評価が異なるというのは自然な話です。そして、ひとつだけ明白な事実があるとしたら、日韓間のすべての請求権の問題は、1965年の日韓請求権協定をもって、完全かつ最終的に解決済みである、ということです。

すなわち、韓国の側からは「違法な植民地支配の損害を賠償しろ」と言われても、日本としては「1965年の協定をもって解決済みです」と突っぱねることができますし、むしろ突っぱねなければならないという事案でしょう。

ただし、「日帝35年間」をきちんと清算するならば、朝鮮半島に遺した莫大なインフラ資産(道路、港湾、鉄道、工場、ダム、学校など)や教育、文化などの対価を正当に評価しなければならず、日本の側がむしろ韓国から莫大な金銭を支払ってもらわなければならないでしょう。

日韓請求権協定とは、これらの莫大な資産についても、日本が放棄する、という意味でもあります。

こんなにデタラメな慰安婦問題

ところが、日本政府に大きな過ちがあったとすれば、いわゆる慰安婦問題という与太話をキッパリと否定せず、それどころか1993年に当時の官房長官だった河野洋平が勝手にこの問題を事実であるかのごとく認めてしまったことでしょう。

あらためて、韓国が主張する慰安婦問題について、彼らの言わんとするところをまとめておきましょう。

①戦時中(1941年12月9日から1945年8月15日)、②日本軍が組織としての正式な意思決定に基づき、③朝鮮半島で少女のみ20万人を拉致し、④戦場に連行して性的奴隷として使役したこと

「①戦時中」、というわりには自称元慰安婦の証言がコロコロ変わる(たとえば『彼女がフィリピンに渡ったとき、日本軍はいませんでしたよ?』等参照)。

「②日本軍が」、というわりには、日本軍による慰安婦徴発に関する命令書がただの1枚も出てこない。

「③少女20万人」、というわりには、その少女とやらの父親、兄、弟らが抵抗したという話はまったくない。

「④性的奴隷」、というわりには、慰安婦らは多額の給与を得ていた。

なんだか、メチャクチャな話です。

いわゆる「戦場の女性と人権」という問題は国際的にも重要な課題ですが、多くの場合、外国の軍隊が侵攻して来て、その場で女性が性被害に遭う、というケースであり、そもそも「日本軍が第二次世界大戦中、朝鮮半島に軍事侵攻して現地の女性が被害に遭った」という話はありません。

なぜなら、第二次世界大戦中、朝鮮半島は日本領だったからです。

慰安婦合意破棄、自称元徴用工に続く国際法破り

ただし、日本政府が初動を間違え、慰安婦問題が国際社会では「旧日本軍が朝鮮人女性を性的奴隷として取り扱った問題」として完全に定着してしまっていることを忘れてはなりません。その意味で、世界は韓国のウソにまんまと騙されたのです。

このような状況を踏まえれば、2015年12月に安倍晋三総理が当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権とのあいだで日韓慰安婦合意を取り交わしたことを巡っても、100%、安倍総理を責められるものではありません。

あらためてこの合意を振り返っておきましょう。

【参考】いわゆる「日韓慰安婦合意」(2015年12月28日)のポイント
  • ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
  • ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
  • ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
  • ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。

(【出所】外務省HP『日韓外相会談』より著者作成)

このうち、日本政府のお詫び表現が①、事実上の賠償金が②であり、この①、②をもって日本政府としてできることはすべて終わりました。あとは④を守るのみです。

しかし、韓国政府は③、つまり(旧)日本大使館前の公道上に慰安婦像が設置されている問題を「適切に解決されるように努力する」という義務を果たしていませんし、④についてもまったく守る気配はありません。

それどころか、現在進行形で韓国は国際社会において、この問題で日本を非難・批判し続けていますし、韓国政府は2019年7月までに、日本政府が10億円を拠出した財団を、日本政府の了解なく、勝手に解散してしまっています。

つまり、この合意はわずか数年で、いとも簡単に破られ、反故にされたのです。

慰安婦合意破り、2018年10月と11月の自称元徴用工判決に続き、今回の主権免除違反判決は、韓国という国家が約束破り・国際法違反の常習国家であることを、私たちに嫌というほど見せつけてくれたのかもしれません。

むしろ問題は「問題を作り出して放置すること」

さて、自称元徴用工判決の件については、これまでも当ウェブサイトでさんざん論じてきたとおり、結果として国際法に違反する状態を韓国が作り出したという意味では非常に深刻ですが、ただ、日本政府がいう「日本企業に不当な不利益が生じる」という状況には至っていません。

おそらく日本政府のいう「不当な不利益」とは、「日本企業が不当な判決により損害賠償を支払わされる」という状態だからであり、その意味で、日本企業の在韓資産が差し押さえられているというだけでは、「不当な不利益」とまでは言えないというのが日本政府の解釈なのでしょう。

ただ、自称元徴用工判決から2年以上が経過しましたが、その間、日本政府がこの問題を巡り外交的協議を申し入れていたにも関わらず、韓国政府がこれに応じず、その一方でこの問題を積極的に解決しようとしてこなかったという問題は深刻です。

日韓問題の本質とは、まさに、「韓国が問題を作り出して放置すること」にあるのでしょう。

その意味で、今回の判決についてもおそらく、韓国政府としては是正措置を講じようとしないでしょうし、また、仮に日本政府が国際司法裁判所(ICJ)への付託を提案しても、韓国は無視するでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

といっても、あくまでも個人的な予測を申し上げるならば、おそらく韓国は今回の判決の「強制執行」はできないと思います。自称元徴用工判決問題における「売却スルスル詐欺」を眺めていると、そのように感じざるを得ません。

たとえば、原告らが日本政府の在韓資産である大使館の用地などを差し押さえる(少なくとも「国家免除条約」上は違法行為)、といった行動には出るかもしれませんが、その売却はズルズルと引き延ばす、という展開が容易に想像できるのです。

いずれにせよ、今回の判決についても、大山鳴動して「売却スルスル詐欺」が1件増えただけ、というオチとなりそうな気がしてなりません。

新宿会計士:

View Comments (38)

  • 日韓は、実質上武器を使わない「戦争状態」に突入した。経済を武器とした戦闘を開始して韓国を叩き潰すべし。

    • 同意。
      これは、国家主権に対する挑戦なので、
      理論的には、戦争時に取れるすべての手段が、使用可能になりましたね。
      これで、輸出規制にも、さらに立派な理由ができました。

  • ブログ主様がご指摘のとおり、文在寅政権は『三権分立の我が国では司法に行政は介入できない。日本政府は判決を履行せよ。』と言い続けるだけと予想。そして、絶対に日本側が飲めない『妥協案』をたまに提示しながら、国際社会に向かって『我が国は韓日関係のためにこんなに努力しているのに、日本政府は全くなにもしない。けしからんのは日本政府だ。』とも言い続けるでしょう。スルスル詐欺の常習者なので可能性は低いですが、できることなら差し押さえた日本企業の財産の現金化や、日本国政府の財産差押え、現金化に踏み切ってほしい。そうなることで、真の日韓関係健全化の第一歩が始まると思います。

  • 安部さんの時、ホワイト国から韓国を外すにあたってのパブリックコメントに嬉々として参加したことを思い出します。まことに残念ながら、「自由で開かれた」を「安定した」と言い換えた菅政権は、遺憾砲のみで具体的対応を迅速にとらない可能性が高いですね。
    しゃべりがヘタという致命的欠点も、安部政治を引き継ぐの一点で容赦してきましたが、非科学的コロナ対策+媚韓・中(=媚2F)が続いているので、今回も遺憾砲で終われば、もう菅政権は終わりですね。

  • この判決は、結果的には日本政府にとっては好都合かも。昨年11月の米国大統領選挙でバイデン政権誕生が確実となったのち、『バイデン政権は同盟重視、国際協調重視だ。ともに米国の同盟国である日韓両国関係がギクシャクすることは望まず、両国の関係改善を強く求めてくるはずだ。』という論調が大手メディアなどに目立つようになりましたが、バイデン次期大統領が『裏書き』したとされる日韓慰安婦合意を、行政(大統領府)につづき司法も反故にしたわけで、仮に『徴用工』問題でバイデン政権が日本に妥協を求めてきても、『だって、韓国政府と約束しても政権が変わったり、司法を盾に反故にされるから』と拒否する口実ができたかと。
    で、韓国には立法府が特別措置法を制定して両問題を国内で解決する道は残されると思いますが、国民情緒が憲法より上位に来る国柄ではほぼ無理でしょう。結局は一度、日韓関係は行くところまで行かないと、正常化の道には進めないのではないでしょうか。

  • 12月上旬に判決出すつもりが、ちょうどその頃アグレマンの話があったので日本を刺激したくなくて判決を延期要請。
    12月末にアグレマンが無事出たので判決をだす。

    日本政府は判決が出たことで対抗措置が取れる。駐韓大使の召喚と駐日大使アグレマンの取り消し。アグレマンおもらしだけでは動きにくかったけどここからは余裕。

  • 更新ありがとうございます。

    あらあら、困った事になりましたネ〜♪。日本は無視で良いと思います。南朝鮮はヤルヤル詐欺、実働出来っこない。

    国家免除条約自体、未発効ですし、そもそも韓国はこの条約に署名すらしていません。

    国家免除条約に韓国が参加していて、それが発効済みでも、事態は遡及効を認めていない。第二次世界大戦中の行為に関して日本に損害賠償を命じることは許されません。

    35年間で内地以上のインフラ整備をしたのに、この恩知らずが。日本は相手にしない。「裁判勝った」と言われるのは悔しいが、日本人はますます朝鮮嫌いになるでしょう。そしたら困るのは半島だ!

    あ、2021東京五輪、朝鮮半島は「敵性国」と日本をみなしており、汚いプレー多い為、招待しない。訪日観光も無期限中止、在日は本国送還でヨシ!

  • 予定調和ですね。
    そして新宿会計士さんの仰る通り、韓国政府も韓国人もこの問題を解決する気はさらさらない事も間違いないでしょう。
    彼らは日本人にも感情がある事を理解していない。する気も無い。
    今後も契約が成り立つこと以外は疎遠になっていくだけです。政治家とかも利益にならない事はやらない。悪評高い二階幹事長や公明党、立憲民主党すら相手にしていない。
    国際政治の兼ね合いから制裁とかはよっぽどが無い限り行われない、と予想していますが…

  • こういう時、無性に朝日新聞のAIで書いてる論評や社説を読みたくなります。明日朝は、コンビニで購入します。

  • 反人道的犯罪には国家主権免除は摘要されないというなら、その中身の証拠を出して⋅⋅⋅

    あ!今書いてて思ったが、そういう正論が通用しないからこその、このデタラメ判決なのですね。 元マスコミ関係の匿名 様がおっしゃるように、ケンカは売られたので買うしかないでしょう。
    それでは益々日韓関係が⋅⋅⋅とおっしゃる向きもあるでしょうが、もう話し合いで解決できる段階は通りすぎましたね。心配なのは総理や閣僚に報復する覚悟があるかどうかです。そこが一番気掛かりです。

    • きたたろうさま

      最早日韓関係関係なんて、もうどうでもいいですね。
      政府は在韓日本人・企業、在日韓国人に帰国・引き上げ勧告を出すべきです。韓国がどうなるのか高みの見物です。

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