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半導体製造装置の対韓輸出はむしろ最近増えた

よく「日本にとって中韓は切っても切れない関係にある」、「日本の輸出『規制』の影響で対韓輸出高が減って日本経済にも打撃が生じている」、などとする主張を見かけます(それを主張している具体的なメディアについては、本稿ではあえて触れません)。しかし、こうした主張が基本的な統計データをちゃんと踏まえてなされているかどうかについては、疑問です。こうしたなか、当ウェブサイトでは「ある目的」があって、今後、中韓と日本の関係を「数字で」読んでみる作業を開始しようと思います。

中韓なき日本

日中断交、日韓断交は「現時点では」あり得ないが…

以前、拙著『数字でみる「強い」日本経済』で報告したとおり、日本にとって中国、韓国は重要な輸出先です。したがって、日本はとりあえず中韓両国とは良好な関係を保っておく方が有利であることは間違いありませんし、ましてや彼らと「今すぐ断交する」というわけにはいきません。

ただ、それと同時に、同著を執筆するなかで気付いたのですが、どうも貿易関係から見ると、日中、日韓にはそれぞれ重要な特徴があります。それは、「日本から中韓との関係を積極的に深めてきたのではなく、中韓の側から日本との関係を積極的に深めてきた」という性質がある、ということです。

ここでは韓国を例に挙げて、説明しましょう。

経済活動には大きく「ヒト、モノ、カネ」という3要素があり、それぞれに日本から韓国、韓国から日本、という流れがあります。これを図示すると、次の6つのパターンがある、というわけですね。

  • ①日本から韓国へのヒトの流れ
  • ②日本から韓国へのモノの流れ
  • ③日本から韓国へのカネの流れ
  • ④韓国から日本へのヒトの流れ
  • ⑤韓国から日本へのモノの流れ
  • ⑥韓国から日本へのカネの流れ

人的交流は「韓国>日本」

このうち①と④については、現在は武漢コロナ禍の影響もあり、ヒトの往来が限りなくゼロに近い状況になっているという特殊事情はあるのですが、少なくとも過去の日韓間の往来は次のとおりでした(図表1)。

図表1 日韓間のヒトの往来
区分 人数 備考
①日本→韓国(短期渡航者) 3,271,706人 訪韓外国人全体(17,310,254人)の18.90%
②韓国→日本(短期渡航者) 5,584,638人 訪日外国人全体(31,882,062人)の17.52%
③日本→韓国(永住者+長期滞在者、2018年10月1日) 39,403人 外国在留日本人総数(1,390,370人)の2.83%
④韓国→日本(長期在留者、2019年末) 446,364人 在留外国人総数(2,933,137人)の15.22%

(【出所】①は韓国観光公社『韓国観光統計』、②は日本政府観光局『月別・年別統計データ(訪日外国人・出国日本人)』、③は外務省『海外在留邦人調査統計』、④は法務省『令和元年末現在における在留外国人数について』よりそれぞれ著者作成)

つまり、ヒトの往来に関していえば、日本人にとっての韓国、韓国人にとっての日本は、短期渡航先としては非常にメジャーであることがわかります(①、②)。

といっても、人口比で考えたら、日本を訪れる韓国人の人数の方が、韓国を訪れる日本人の人数を大きく上回っているのは、それだけ韓国が一方的に日本に近寄ってきているという証拠でしょう(※もっとも、2019年は「ノージャパン運動」の影響で、8月以降、訪日韓国人が激減しているのですが…)。

しかし、長期的な在留者に関しては、日本に在留する韓国人は446,364人(うち、特別永住者が281,266人、それ以外が165,098人)に達しているのに対し、韓国に在留する日本人は39,403人に過ぎません。

つまり、人数だけで見れば、日本に暮らしている韓国人の人数は、韓国に暮らしている日本人の人数の10倍以上に達している、ということです。

モノの流れは「日本>韓国」

次に、「モノの流れ」として、日韓それぞれのデータから貿易高を確認しておきましょう(図表2)。

図表2 日韓間の貿易高
モノの動き 金額 備考
⑤日本から韓国への輸出高(2019年) 5兆0442億1045万円 日本の輸出高全体(76兆9273億0692万円)の6.6%
⑥日本の韓国からの輸入高(2019年) 3兆2291億6219万円 日本の輸入高全体(78兆5713億5157万円)の4.1%
⑦韓国から日本への輸出高(2019年) 284億2021万ドル 韓国の輸出高全体(5422億3261万ドル)の5%
⑧韓国の日本からの輸入高(2019年) 475億8085万ドル 韓国の輸入高全体(5033億4295万ドル)の9.5%

(【出所】⑤、⑥は財務省『普通貿易統計』、⑦、⑧は韓国銀行データベースより著者作成)

日本にとって、韓国はたしかに貿易黒字を計上している相手国ではありますが、韓国に対する輸出高については日本の輸出高全体の6.6%に過ぎず、輸入高に至っては4.1%という状況です。

これに対し、対日貿易が韓国の貿易高に占める割合は、輸出が5%と少ないものの、輸入については10%近くに達しています。このことから、少なくとも日本にとっての韓国よりも、韓国にとっての日本の方が、金額的には重要性が高いのではないか、という想像が働きます。

カネの流れ:日本にとって韓国との関係は僅少

さらに、カネの流れについては露骨です(図表3)。

図表3 日韓間のカネの流れ(与信、直接投資)
カネの動き 金額 備考
⑨日本の金融機関の韓国に対する対外与信(最終リスクベース、2019年9月) 540億ドル 日本の対外与信総額(4兆5494億ドル)の1.23%
⑩韓国が国を挙げて日本の金融機関から借りている金額(最終リスクベース、2019年9月) 540億ドル 韓国の対外債務全体(3298億ドル)の16.37%
⑪日本の韓国に対する対外直接投資(2019年) 390億ドル 日本の対外投資全体(1兆6459億ドル)の2.10%
⑫日本の韓国からの対内直接投資(2019年) 74億ドル 日本の対内投資全体(3103億ドル)の2.37%

(【出所】⑨、⑩は国際決済銀行 “Consolidated Banking Statistics” 、⑪、⑫はJETRO『直接投資統計』より著者作成)

⑨と⑩には同じ金額が入っていますが、これは、⑨が「日本から韓国への与信」、⑩が「韓国から日本への与信」を意味していて、それぞれの金額的重要性を備考欄で確認していただくことができます。

つまり、日本の金融機関から韓国への与信は540億ドルで、これは日本の金融機関の対外与信全体に対して1%少々という極めてわずかな金額に過ぎない、ということです。

これに対し、韓国が日本の金融機関から借り入れている金額は、外国金融機関からの借入額全体の16.37%を占めているのですが、これは、韓国にとって日本の金融機関の存在感はそれなりに重要だ、ということを意味しています。

さらに、日本の韓国に対する直接投資は390億ドルで、これは日本の対外投資全体の2.1%に過ぎません(なお、韓国も日本に投資しているのですが、これについては金額が少ないため、本稿では言及を割愛したいと思います)。

いずれ日中関係についても取り上げます

なお、上記図表1~3と同じことについては、『紙媒体も「良いものを作れば売れる」、それだけのこと』のなかで、中国についても実施していますが、いちおう、図表として再掲しておきましょう(図表4)。

図表4 ヒト・モノ・カネの流れで見た日中関係
項目 日中の数値 全体の数値
①訪日中国人(2019年) 9,594,360人 訪日外国人総数(31,882,062人)の30%
②訪中日本人(2017年) 約268万人 出国日本人総数(17,889,292人)の15%
③在日中国人(2019年12月) 813,675人 在日外国人総数(2,933,137人)の28%
④在中日本人(2018年10月) 120,076人 海外在住日本人(1,390,370人)の9%
⑤対中輸出高(2019年) 14兆6819億円 日本の輸出高(76兆9316億円)の19%
⑥対中輸入高(2019年) 18兆4537億円 日本の輸入高(78兆5995億円)の23%
⑦対中貿易収支(2019年) ▲3兆7718億円 日本の貿易収支は▲1兆6678億円
⑧金融機関の対中与信(2020年3月、最終リスクベース) 879.3億ドル 日本の金融機関の対外与信総額(4兆6905億ドル)の1.87%
⑨日本企業の対中直接投資(2019年12月) 1303.1億ドル 日本企業の対外直接投資総額(1兆8583億ドル)の7%

(【出所】著者作成。なお、②のみ報道ベース、それ以外については図表1~3と同一の情報源)

このあたり、本稿ではあまり詳しく突っ込んで触れる余裕はないのですが、機会を見繕って、別稿でぜひ、日中貿易などについても議論したいと思います。

いずれにせよ、日本と中国、日本と韓国は、いずれも経済的には非常に関係が深いものの、どちらかといえば中韓の側が積極的に日本との関係を深めようとしている、という方が実情に近いのではないかと思う次第です。

輸出規制の影響

日韓貿易の真相

こうしたなか、本稿でもうひとつ取り上げておきたいのが、「日本の対韓輸出『規制』」の影響です。

この「輸出『規制』」という表現は、日本政府が昨年7月に発表した対韓輸出管理適正化措置を、韓国政府が意図的に偽って記載しているものですが、本稿ではあえて、韓国政府や韓国メディアの表現にあわせ、この「輸出規制」という誤った表現を使っています。

それはさておき、韓国国内では、「日本の輸出規制の影響で、日本からの輸入高が減って、むしろ日本に大きな打撃が生じている」というストーリーが、まことしやかに信じられています。

本当でしょうか?

日本の「輸出『規制』」が発動される以前の、たとえば2018年におけるデータによれば、日本の対韓輸出高は年間約5.8兆円であり、内訳は「機械類及び輸送用機器」が全体の41.3%を占めているほか、化学製品(23.5%)、原料別製品(14.4%)で約8割に達します(図表5)。

図表5 日本の対韓輸出・品目別分解(2018年)
ジャンル 金額 構成比
機械類及び輸送用機器 2兆3924億円 41.30%
うち一般機械 1兆3064億円 22.55%
(半導体製造装置) (6297億円) (10.87%)
うち電気機器 9223億円 15.92%
(半導体等電子部品) (2565億円) (4.43%)
化学製品 1兆3613億円 23.50%
うち元素及び化合物 4295億円 7.41%
(有機化合物) (3044億円) (5.26%)
うちプラスチック 3090億円 5.33%
原料別製品 8343億円 14.40%
うち鉄鋼 4551億円 7.86%
その他 1兆2045億円 20.79%
合計 5兆7926億円 100.00%

(【出所】財務省『普通貿易統計』より著者作成)

資本財と中間素材で全体の8割も

とりわけ、「半導体製造装置」というジャンルが対韓輸出高の10%を超えていますし、ほかにも有機化合物や半導体等電子部品、鉄鋼やプラスチックなど、日本から韓国への輸出品は、「モノを作るためのモノ」(資本財や中間素材)が大部分を占めていることがわかります。

ということは、これらのジャンルを中心に、「日本の輸出規制の影響で、日本の対韓輸出高がどれだけ減ったか」を見れば、日本の輸出「規制」とやらが日本にブーメランになっているかどうかをある程度は見ることができる、というわけでしょう。

ノージャパンがてきめんに効いているのは…

その前に、よく報じられるデータについて確認しておきましょう。

韓国における「日本の輸出規制を受けたノージャパン運動」が成果を上げている項目は、俗に自動車と日本製ビールだといわれているようです。そこで、普通貿易統計をもとに、韓国向け輸出について、明らかに「輸出規制」以降、日本の対韓輸出が大きく減ったと思しき品目をリストアップしてみました。

(※なお、以下の議論では図表はすべて普通貿易統計をもとに著者が作成した者であり、出所表示については省略します。)

まずは、輸出高全体、そして「飲料」と「自動車」です(図表6-1図表6-2、図表6-3)。

図表6-1 日本の対韓輸出高合計

図表6-2 飲料の対韓輸出高

図表6-3 自動車の対韓輸出高

飲料、自動車については、「輸出規制に伴うノージャパン運動」の効果として、対韓輸出高がてきめんに減少していることがわかります。

しかし、日本の対韓輸出高全体については、減り始めたのは2018年の年頭であり、ちょうど半導体不況が始まった時期と重なっています。このことから、「個別品目」ではたしかに「輸出『規制』」の影響で減少しているものがあるかもしれないにせよ、全体の趨勢に影響を与えているかは微妙です。

そもそも金額で重要なのは、半導体製造装置等

なにより、そもそも論として図表6-2と図表6-3については、「縦軸」に注目していただきたいのですが、いずれのジャンルも月間5000億円前後の対韓貿易額と比べ、正直、僅少であり、日本経済に対する影響度合いとしては限りなく低いといわざるを得ません。

そこで、日本の対韓主力輸出品である「半導体製造装置」や「電気機器」についても見ておきましょう(図表6-4図表6-5)。

図表6-4 半導体製造装置の対韓輸出高

図表6-5 電気機器の対韓輸出高

電気機器(半導体等電子部品など)の対韓輸出高は、たしかに昨年を通じて低迷しているのですが、低迷を開始した時期は「日本の輸出『規制』発動」よりもかなり前です。要するに、昨年の半導体不況の影響などにより、韓国の対外輸出が低迷した時期と重なっているのです。

同様に、半導体等製造装置については、2018年6月ごろから急ブレーキがかかっていることが確認できますが、時期的に考えて日本の「輸出『規制』」とは無関係であることは明白です。しかも、今年2月以降は半導体等製造装置の対韓輸出高がプラスに転じているほどです。

要するに、「脱日本」などと言いながら、半導体製造装置の世界では「脱日本」からほど遠いというのが、現在の韓国の姿なのでしょう。

なぜ元素の対韓輸出高が減っているのか

もっとも、中間素材のなかでも、日本の「輸出『規制』」以降、対韓輸出高が減少したものがあります。それが、「元素及び化合物」です(図表6-6)。

図表6-6 元素及び化合物の対韓輸出高

これでみると、たしかに「輸出『規制』」以降に日本の対韓輸出高が減っていることが確認できます。

しかし、これは「輸出『規制』にともなうノージャパン運動」の成果と見るよりはむしろ、日本の輸出管理適正化措置が効いたことで、フッ化水素などの一部品目の対韓輸出が減少した、という可能性の方が高いように思えます。

ことに、フッ化水素(HS番号2811-11.000)の対韓輸出高については、輸出管理適正化措置以降、たしかに急落しています。

このことは、日本の対韓輸出管理適正化措置以前、韓国が「(旧)ホワイト国」としての地位を悪用し、日本から輸入した元素・化合物のたぐいを外国に密輸出していた、などとするという疑いに、一定の信憑性を付与するものなのかもしれませんね。

数字で読むことの重要性

本稿では、日韓関係を例に挙げて、「日本の輸出規制で日本の対韓輸出に急ブレーキがかかった」とする韓国メディアの俗説がいかに数字を無視した議論であるかという点を紹介した次第ですが、数字を見ることの重要性は、それだけにとどまりません。

というのも、某メディアなどが「日本と中国(日本と韓国)は切っても切れない関係」、などとしきりに主張している点については、「数字」という手段を使って、その妥当性を検証することができてしまうからです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

現時点では詳細を明らかにすることはできませんが、当ウェブサイトでは「ある目的」があって、日本と中韓との関係について、あらためて数字でチェックする作業を始めたいと思います。さしあたっていくつかの統計データをもとに、詳しく議論していく、という形式で進めていくつもりです(おそらく掲載は不定期ですが…)。

どうかご期待ください。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • 更新ありがとうございます。
    輸出需要による増減はあるものの、日本から韓国への生産設備の輸出に大きな変化はなく、韓国の産業の奥行きが昔から広がっていないと判断する材料になります。
    霊的に生まれ変わらない限り、この状況は変わらないでしょう。

  • 政府が蓋をしているアレをこじ開けてしまう可能性がありませんか?笑

    素晴らしい記事ですが・・

  • 韓国のフッ化水素の総使用量のデータってどっかで手に入らないんですかね

  • おはようございます。
    下朝鮮なんて小物より、宗主国への対応に注力したいですね。
    習近平総書記は未だに「中国13(14?)億人の市場」と言い続けていますが、別の中国要人からは「中国人の大多数は貧しい」みたいな発言も聞こえてきます。
    中国の実市場規模なんて大したことはないと数字で示していただければ、騙されてきた日本の経営者も目を覚ますでしょう。
    (ファーウェイ等の電子部品需要はそれなりに大きいことは承知しております)

    • イーシャさま
      まずは人的交流を現状維持するのが、一番重要だと思います。
      日本の神社仏閣での、毀損も聞かなくなりました。
      日本の方が、泥棒しやすいという人間や売春婦が、入ってこないようにしないといけません。

      • だんな 様
        入国制限後、犯罪発生数がどう変化したか興味があるところです。
        一方、最近では家畜の盗難など日本人によるとは思えない犯罪が発生しています。これについては、個人的に中華系犯罪組織を疑っているのですが。

        • 農場の内部状況について知っている者の関与が疑われます。

          話は変わりますが、農業分野の「技能実習生」は中国人も多いのですがベトナム人も多いようです。

          特に上記2つの話題に関連性はないですよ。関連があるとしたら大変なことです。

    • イーシャ様
      >習近平総書記は未だに「中国13(14?)億人の市場」と言い続けていますが・・・

      確かに中国の総人口こそ13億人超ですが、イーシャ様の仰る通り13億人すべてを市場として見做すことはできず、「仮に総人口13億人の1割が市場と見做せるのであれば、日本と同等の人口ではないか」という論調をよく耳にします。

      1978年12月、三度復権した鄧小平が従来の「皆が平等に貧しい」従来の計画経済から脱却し、「白猫・黒猫論」を掲げて「改革・開放路線」へと劇的な方針転換を図り、それが現代中国の発展を支えていることは周知の事実です。

      しかし、その経済発展と生活水準の向上を達成したその裏側で、深刻な弊害(社会問題)が年々悪化の一途をたどっています。それが「貧富の差」であり、現代中国は米国と同様(それ以上?)の格差社会であることもまた事実です。これは中国独特の「都市戸籍」と「農村戸籍」という制度が主な原因の一つであり、都市部と農村部では教育レベルにおいても深刻な格差が存在しています。

      そして、現代中国の建国当時(1950年代)は「文盲率が総人口の1/4」を占めていたそうで、識字率向上(生活レベルの向上には教育レベルの向上が不可欠)のため、1956年から推進された「簡体字」が中国大陸
      では正式な字体として採用されています。

      今日の中国における識字率がどれぐらい向上したのかについての具体的な情報を持ち得ていませんが、中国の伝統的な出産・育児観として、「伝宗接代」(家系を継ぐ)、「重男軽女」(男. 尊女卑)等があり、2015年を以て廃止された俗にいう「一人っ子政策」がもたらした「闇」の部分として、農村部で一人目に「女の子」が生まれると、両親は敢えてその子の「出産届」を提出せず「黒孩子(戸籍を持たない子供)」とし、二人目に「男の子」が生まれると、その子がその両親の「一人っ子」として「出産届」を提出するということが横行しました。この結果、特に農村部に「黒孩子」が多く、「黒孩子」は戸籍がない(その子は実際に生きているが、この世に存在していないことになっている)ため、義務教育も受けられず、社会保障による保護も得られず、結果として農村部の女性が極めて「文盲率が高い」状態が放置されていました。

      私たちが聞いたことも無いような中国内陸部の陸の孤島のような小さな農村では、いまでも電気も家電もなく、農耕の主役は牛や馬、子供と言えどもほそぼそと食つなぐための農業の重要な担い手である・・・という目を背けたくなる「現実」が至る所に存在している。
      これが日本のマスメディアがほとんど取り上げることのない、現代中国のありのままの姿だと私は認識しています(中国内陸部で大地震が発生し、現地の悲惨な被害状況に関する報道を見る限り、今でもこの「現実」が存在していることを再認識させられます)。

      「黒孩子」は今でも中国の総人口にカウントされていないはずですが、中国の最高権力者である習近平氏が文盲率が高く「赤貧洗うがごとし」の数億人?にものぼる農村部の人口を含めて「13億人の市場!」と言っているのは、さすが白髪三千丈の本家本元ですねぇ。

      長文失礼いたしました。
      このコメントはあくまで私の個人的な見解であり、全ての根拠を示すことはできないことを予めご了承ください。

      • 大体において中国政府が出してくる統計数値はまるで当てにならないのですが、
        > 現代中国の建国当時(1950年代)は「文盲率が総人口の1/4」を占めていた
        この数値は非常に疑わしいです。そもそも75%もの識字率があるならば、わざわざ簡体字を導入する理由がありません。正直なところ、人民中国成立前の中国の社会状況に鑑みれば、数字を逆にした識字率25%ですら怪しいと思います。
        というのも、
        > 今日の中国における識字率がどれぐらい向上したのか
        数年前に中国社会科学院(だったと思う)が行った調査によれば、現在でも普通話(北京語)を解するのは、総人口の50%に満たないそうです。中華人民共和国成立以降、中国政府は全国で普通話教育を推進してきたはずなのですが、それでもこの程度の成果しか上げられていません。まして人民中国成立前の混乱した状況で、十分な識字教育が普及していたとは、非常に考えにくいものがあります。

        ただし、ここで注意が必要なのは、「普通話普及率50%未満」が「識字率50%未満」を表しているわけではないということです。普通話はできないけれども、現地語でならば読み書きできるという人はけして少なくないと思われます。その証拠に、中国のテレビでは、ニュースだろうとドラマだろうと、必ず字幕(ほとんどの場合普通話。稀に広東語)が付きますが、これは普通話は理解できないけど、漢字は読める人が結構いるということを前提としています。

        中国の言語事情は、現在でもなお複雑怪奇です。おそらく人民中国成立前はもっと複雑だったでしょう。識字率についても、以前よりは向上したことは間違いないにせよ、どこまでを識字者としてカウントするかなど、どうとでも取れる問題が残っています。
        興味本位で言ってしまうと、それが面白いんですけどね。ただ、中国政府としてはそうも言ってられないでしょう。

  • > 人的交流は「韓国>日本」
    いいことではありませんね。
    この中には、売春婦や、シャインマスカット等の種子泥棒などが多数含まれています。
    > 日本に在留する韓国人は446,364人(うち、特別永住者が281,266人、それ以外が165,098人)
    こちらも、そろそろ本国へお帰りいただきたい。
    少なくとも、自力で一定以上の合法的収入を得る力のない方々は。

  • 更新ありがとうございます。

    朝鮮半島民族は、地球で最も悪意と欺瞞に満ちた国家です。特に日本には反日がトッピングされる。子供が玩具を買って貰う為に、駄々をこねるのとは訳が違う。

    国を挙げて「日本が悪い」「貿易輸出を規制した」と言ってますが、すべて第3国への不正輸出や、北朝鮮への食糧物資、原油などの送り込みをやっている確信的な犯行の為です。

    「ノージャパンで日本の被害の方が大きい」「輸出規制で日本が損をしてる」って、日本は対韓は貿易で黒字であるものの、日本の比率は低く、大勢に影響はない、というのが分からんようです。酒や衣料、自動車などハナからどうでも良いんです。

    それより半導体製造装置や元素及び化合物は何故減ったのかな?(笑)

    • 失礼しました。

      「半導体製造装置は不思議な事に増えている」でした。

    • >半導体製造装置は何故増えたのかな?

      れは関係Korean全員が全員泥棒横流し密輸してきたフッ化水素と同じ、
       支那に密輸してはせっせと不正蓄財!

  • 更新有難うございます。
    製造装置で多いのはおそらくエッチャーではないでしょうか?パターンニングの回数が増えれば露光機1台に対して
    複数台必要になるそうです。縦に積層する際のメモリーホールにも使うようです。エッチャーメーカーさん羨ましいです。アメリカのファーエイへの制裁もサムスンの追い風になりそうですし。

  •  韓国や中国の経済離陸の前に、何があって何が起きたのかを考えてみれば。
     1980年代前半、日本経済は独り勝ちだった。アメリカ兄貴はやっかんで、日米貿易摩擦が起きた。そこで、日本の財界は迂回輸出という戦術にでた。韓国に原材料や製造設備を輸出して、そこでつくった最終製品をアメリカに輸出し、見かけ上の対米輸出額を小さくしたわけだ。1990年代になると、これに中国が加わる。当時は「四匹の竜」という言い方があって、シンガポールや台湾を併せて、称したんだね。

  • NO JAPAN はこれまで以上に盛大に進めていただきたいものです。鉄道車両メーカー「ロテム」や、自動車メーカー「現代」がそれぞれ大いなる決意をもってしてNO JAPANを敢行し、基幹電装部品や基幹駆動系部品の一切において日本製を使用することを止め、中国製に切り替えるならば、宗主国のセカンダリー産業としての韓国経済の未来は常世に保証されることでありましょう。
    そして取引先を失った日本産業は困ることなどはありません。めでたく離韓が達成されたあきつきには、日台産業経済一体化という偉大にして遂行なる大目標のもと、仮称美麗島重工業グループFHIを現地に創出せしめる美しくも麗しい21世紀が実現するのです。

  • 今年中国のロケット打上げが3回失敗していることについて、原因は米国製半導体の供給制限によるものではないかという風説があります。事実だとすれば、これはロケットだけでなくミサイル全般にも波及する大問題です。

    中国は代替供給元として韓国を考えてみてはいかがですか。技術的に可能か、韓国に打診してみれば力強い返答(だけ)は返ってくることでしょう。え、技術的にはもう中国の方が上ですって?いやいや、そんな…あの世界一のサムスンがありますって。既に四面楚歌の現況下です、この際少々強引な手を使っても、これ以上自体は悪くなりません。再属国化、やってみませんか?

    韓国のレッドチーム移籍が明らかになれば、いかに欲ボケした日本企業といえど、取引を絞らざるを得ません。韓国もお題目として唱えていたNoJapanが達成できて嬉しいと思います。

    • タイムテーブル的に今回は無関係でしょう。
      宇宙航空産業の電子機材は保守的な部材を使います。

      小林源文の「レッド サン ライジング」が日本製のLSIで米国兵器が動かなくなるなんてネタをやっていたのが懐かしいです。

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