先月29日、グアムのアンダーセン空軍基地で日米防衛相会談が行われました。安倍総理が辞任することで政治空白が懸念されるなか、このタイミングでの日米防衛相会談では、従来通り、日米が密接に協力し、中国の海洋侵略、北朝鮮の核兵器などを強く牽制するというメッセージが出て来たのは心強いことです。ただ、この防衛相会談の意味は、それだけではありません。「日米韓3ヵ国連携」から韓国が脱落しそうになっているという象徴でもあります。
中国を名指しせず、中国を強く牽制
8月29日に日米防衛相会談が開催され、河野太郎防衛相とマーク・T・エスパー米国防長官が米グアムのアンダーセン空軍基地で会談しました。
日米防衛相会談の概要
令和2年8月29日、14時40分(現地時間)から約120分間、河野防衛大臣とエスパー米国防長官は、米グアム準州アンダーセン空軍基地において会談を行ったところ、概要次のとおり。<<…続きを読む>>
―――2020/08/29付 防衛省HPより
この内容が、大変に興味深いものです。気になった部分をいくつか抜粋しておきましょう。まずは、この部分です。
「両閣僚は、東シナ海情勢・南シナ海問題に関し、力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対するとともに、法の支配、航行の自由の定着等に向けた協力の重要性を確認した。」
「両閣僚は、東シナ海の平和と安定の確保のため、より緊密に協働していくことで一致し、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されること、及び両国は同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを再確認した。」
中国を名指ししていませんが、これは明らかに、中国を念頭に置いていますね。
「力を背景とした一方的な現状変更」とは、武力による侵略のことです。また、「法の支配」「航行の自由」を中国が妨害しているというメッセージがこのタイミングで出て来たことは非常に重要です。
次に、日米による中国封じ込めという動きにも注目の価値がありそうです。
「両閣僚は、自由で開かれたインド太平洋を維持・強化するため、日米が基軸となって、共同訓練や能力構築支援の実施などを通じ、地域内外の多様なパートナーとの協力を強化していくことの重要性を確認した。」
要するに、日米両国を基軸にして、「日米豪3ヵ国連携」、「日米印3ヵ国連携」、「日米英3ヵ国連携」、さらには「日米台3ヵ国連携」などの枠組みに発展していく可能性がある、ということでしょう。
個人的にはさらに踏み込んで、欧州における「北太平洋条約機構(NATO)」を参考にした多国間の安全保障機構の創設を進めてほしいと思う次第です(さすがにそこまでは言及していませんが…)。
北朝鮮に対する核放棄、微妙な認識の違い
さて、両首脳の会談では北朝鮮の核放棄についても触れられているのですが、これについては日米で多少、発表内容に違いがあります。
日本の防衛省の発表は、次のとおりです(下線は引用者による加工)。
「両閣僚は、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイル計画の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向け、引き続き、国連安保理決議の完全な履行を確保することの重要性を確認し、北朝鮮による「瀬取り」対策に関し、引き続き日米が有志国と連携して取り組むことで一致した。」
この「完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄」を一般に英語では “complete, verifiable and irreversible dismantlement” 、つまり「CVID」と呼ぶのですが、この点、米国防総省の報道発表では、次のように触れられています(下線部は引用者による加工)。
“North Korea remains a concern to both nations and both are committed to the “final, fully verified denuclearization of North Korea, to include all [weapons of mass destruction] and ballistic missile programs,” Esper said.”
つまり、米国側の発表では、「最終的で完全で検証可能な非核化」(FFVD)となっています。
この「CVID」と「FFVD」の違いについては諸説あるのですが、米国がこのFFVDを使い始めた時期が2018年7月ごろであることから、「CVIDと比べてFFVDの方が表現として緩い」、などとされることもあります。
ただし、北朝鮮の非核化という点においては、日米の視点はまったく一致していると見て良いでしょう。
個人的には、安倍総理が先月、辞任すると発表したことで、日米連携を含めた政治に空白が生じることを非常に恐れていたのですが、この日米防衛相会談を見る限りにおいては、従来の日米連携にまったくブレは生じていないことは明らかでしょう。
まずは、安心して良さそうです(楽観はできませんが)。
米中間に落ちる韓国
さて、この日米防衛相会談と聞くと、先月、『日韓問題の「解決」は米韓同盟消滅でも達成可能なのか』で触れた話題を思い出します。
もともと、この日米防衛相会談は、「日米韓3ヵ国防衛相会談」として開催される予定でした。しかし、韓国側は「コロナ禍」を理由として参加を拒絶し、結局、日米会談に落ち着いた、という経緯があります。
しかし、その一方で中国の外交トップとされる楊潔篪(よう・けつち)中国共産党政治局員が先月21日から1泊2日の日程で韓国・釜山を訪れ、韓国大統領府の徐薫(じょ・くん)国家安保室長と面談した、という出来事もありました。
考えてみれば、不思議な話です。
韓国は米国の同盟国であり、本来、韓国が重視しなければならないのは、中国ではなく米国です。それなのに、その米国が関わる会談には「参加できない」と言って拒絶し、同盟国でもない中国の外交トップを招いて会談するというのは、どう考えても正常な行動ではありません。
米韓同盟がいまや危機的な状況にあるという状況証拠は数多いのですが、こうした証拠がまたひとつ積み重なった格好だ、とも言えます。
そして、米中韓といえば、2017年に発生した「THAAD報復」を思い出します。
これは、2016年7月、当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権が在韓米軍への高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備に合意したことで、中国が韓国に実質的な経済制裁に踏み切ったという事件です。
実際、中国は韓国に対する「旅行制裁」を実施し、2017年なかばから韓国に対する中国人の団体旅行が制限され、訪韓中国人数が激減した、という事件も発生しています(図表)。
図表 韓国を訪問した中国人の推移
(【出所】韓国観光公社資料より著者作成)
韓国にとってはこの「THAAD制裁」が、国を挙げたトラウマのようになっているであろうことは容易に想像が付くところです。
米国防長官がグアムTHAADを視察
以上の経緯を知ったうえで、本稿では韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝配信された、こんな話題も紹介しておきましょう。
韓国国防部長官が抜けた日米国防相会談…エスパー米国防長官、グアムのTHAADにも訪問
マーク・エスパー米国防相がグアムで開かれた河野太郎防衛相との会談期間中に高高度ミサイル防御(THAAD)体系基地を訪問したことが1日、<<…続きを読む>>
―――2020.09.02 08:15付 中央日報日本語版より
なかなか痛快な話題ですね。
中央日報によると、米国防総省は1日、エスパー国防長官が先月29日に訪れたアンダーセン空軍基地で、配備されているTHAADを視察している画像を配信したそうです。
この視察に河野防衛相が帯同したのかどうかはさだかではありませんが、「THAAD」が中韓間のトゲとなっていることを意識したうえでエスパー氏がそのような行動に出たのだとすれば、日米韓3ヵ国連携から脱落しようとしている韓国に対する強いメッセージ、という言い方もできるかもしれません。
ちなみにこの中央日報の記事では、韓国が参加しなかった今回の日米防衛相会談について、「米国は日本と厚い関係を誇示する一方、対北朝鮮・対中国牽制という共通の目標も明確にした」と評していますが、評価はそれだけではありません。
韓国が「海洋勢力」から脱落しかけている、ということでしょう。
韓国にとって最も重要な同盟国であるはずの米国を無碍に扱い、同盟国でもないはずの中国と密接するというのは、明らかに米国を最大限苛立たせる行動であり、また、非常に無責任でもあります。
ただ、韓国が国家の意思として、日米を中心とする海洋同盟から脱落するというのであれば、それはそれで仕方がないのかもしれませんね。
View Comments (46)
アメリカが韓国の送電網、ダム、病院などに仕掛けたマルウェアを作動させて軽く停電させてあげたら韓国も気づいて会議に出席してくれますかね。どうでしょう。
早く脱落して旗幟鮮明になった方が良いと思いますが、どうでしょうか。 いつまでもフラフラしていられると無駄な労力が掛かります。
日本も変な人や政党が政権に着かないようにしないといけませんね。
Naga様
ふらふら奔放に動いている韓国に少し嫉妬しただけです。
中国なら趣味も兼ねて即座に折檻するところアメリカはしませんね。
マイケルグリーンがぎりぎりのところで抑え込んでいるのかもしれません。
もう二文字、箕子鮮明でおながいします。
中供に対してのNATO的対応は必須ですが、アジアの思考回路は何事も広く包む白黒ファジーなので、価値観共有は厄介と思います。
それ以前に、スパイ防止法・安保法関連など、内政整備が必要です。
老い先短いですが、日本の近未来に憂慮せざるを得ません。
どっかの諺で、馬を水場に連れて行くことはできても水を飲ませんことはできない、とあります。
仮に、首に縄をつけて防衛相会談に引きずって連れてきても、韓国が日米との防衛協力を事実上拒否している以上、得られるものは何もないでしょう。せいぜい恫喝して言質を取るくらい。実際に協力するかは別。水は飲ませられないわけです。
どうにも使い物にならない馬だとなれば、無駄に飼葉を喰わせとくよりは、殺処分を検討すべきですねえ。大したことはないといえど、海空軍は無力化させないと。陸?足を縛って38度線に並べとけばいいんじゃないですか?ついでにご自慢のK2も燃料を抜いて並べとけばよろしい。燃料が入ってても動かない?えー、まさかー、動きはするでしょ。
現在の韓国は、レッドチームの準メンバー化しつつつあり、中国には、宗主国でもあり、さらに接近していくことでしょう。
目指している核武装、民族の核を持つことによって、独立性は保ちつつ(必ずしも中国の言うことを聴くわけではない)、憎き仇敵である日本を威嚇、貶める行動を加速するものと思われます。(核戦力に必要な原潜の保有など、もはや野心を隠さなくなっています。)
我が国の周辺は厄介な国ばかりですが、米国や台湾などの自由と民主主義の価値を共有する国・地域との関係を強固にして、対峙していくほかはないと思います。
なんか、海洋勢力から離脱するだ、最重要な同盟関係だとかいう話は、全然ピンと来ませんね。何言ってんの、と言った感じです。
既に米韓同盟は、形骸化しており、お互いに相手が離婚を言い出す事を、待っている様な状況でしょう。
韓国は「米中のどちらも選択しない外交」を、有言実行しているんだと思います。
今のところ、韓国は何も失っていませんので、予定通りでしょう。
そのうち米韓同盟は、「韓国に米軍基地が有る」だけになるんじゃないかな。
だんな様
米韓同盟の形骸化がさらに進めば「ソウルを射程範囲に捉えたTHIRDの配備」だけになってしまうのかもですね。
国都を守るためのものなのか”国都の牽制”のための配備なのかは定かではなくとも・・。
楽韓さんで紹介されていた中央日報の以下の記事によれば、
https://japanese.joins.com/JArticle/269761
韓国政府は国連軍司令部の解体除去に躍起になっているのだとか。韓国政府にとっては、在韓米軍とともに国連軍司令部がよほど目障りで仕方ないようです。
アメリカとしては、対北用のカードという意味があるので、暫くは在韓米軍を維持するつもりでしょうが、そろそろ限界が近づいているようにも見えます。
いよいよ自由民主主義(と自称している)韓国の終焉も近いのかもしれません。
更新ありがとうございます。
このタイミングでの日米防衛相会談は、他国に与えるインパクトはバッチリですね。日本は安倍総理が辞意を表明しても、何系統も安全索はあると。
河野防衛大臣とエスパー米国防長官は、「東シナ海の平和と安定の確保のため」「日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されること、日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」!中国はどう反応するか?(笑)。
当初、日米韓の話だったのに、日米間になった(笑)。韓国は中国の外交トップ楊潔篪政治局員とは釜山で大統領府の徐薫氏と面談したクセに、グアムにはコロナで来れない(行きたくない)とは、ふてぇヤローだ!
そんなに怖いか?また中国に気兼ねしたな。もっとも海洋同盟国からは既に外れてんのッ。自らセーフティーロープを切る下朝鮮。米韓同盟は危機的から断裂へ。オメ!
サムスン電子の副会長が起訴されましたが、一方でサムスンの技術が中国に流出に関するニュースもありました。まぁ彼らが文句言う筋合いは無いかと思いますけど。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00013
著者はK国ITジャーナリストでバックナンバーを読むとゲンナリしますが、まぁ参考にはなります。
チェコの上院議長が台湾を公式訪問して立法院で演説し、「台湾の人々を支持する」と表明しました。李登輝元台湾総統は、草葉の陰でさぞかし喜んでおられると思います。
これに対し、中国の王毅外相は「重い代償を支払わせる」と対抗措置を示唆しましたが、フランスやドイツが「欧州連合(EU)加盟国への脅しは認められない。チェコとの結束を表明する」と牽制しました。
新型コロナの世界的蔓延を契機に、中国の「戦狼外交」に対する世界各国の対応が大きく変化していると思います。
文在寅大統領は、2018年11月にチェコを訪問しましたが、訪問前日、韓国外交部の公式英文ツイッターは訪問国名を「チェコスロバキア」と誤表記しました。本当に失礼な話です。
中国も韓国も(加えて北朝鮮も)、「礼儀をわきまえない」という点では似た者同士で、相性が良いのかも知れませんね。
まずは全く関係のないお話からスタートさせて頂きます。
先日、私がこのコメント欄でご紹介した韓国の気象予報の話です。
その時点では韓国の気象庁(?)の予測では台風9号はいったん朝鮮半島へ上陸はするが、その後コースを東に取り日本海に抜けるというものでしたが、本日になってとうとう日米と同じコース予測へと変更となりました。これを受けて韓国国内がどうなっているのか迄は存じません。私が指摘したように、韓国では自国の気象予測をあまり信じない人も多いようですから、日米の予測に従い、半島を北進する子とを考慮して準備している人達も多かったかもしれません。しかし中には自国の台風予報を信じ、あまり備えをしてこなかった人も中にはいるのではないでしょうか。
台風は今夜釜山に上陸し、明日の未明頃38度線を越え北朝鮮国内に進入すると思われます。本日急にコース変更の発表が行われたことで、今頃は食糧や水、懐中電灯などを買いに走っている人もいるかもしれません。気象予報は生活に直結します。ましてや、台風予報は人々の生死に関わる情報です。それがこんな直前のタイミングで悪い方向への修正されるというのは、韓国の気象予報ならではの杜撰さといえましょう。
韓国は基本的に、正確な現状認識もできず、それが故に正しい対策や準備もできず、結果的に悲惨な結果を招くという、長年に亘る失敗の歴史を有する国家です。
思えば朝鮮戦争も、第二次世界大戦終了後着々と準備を重ねていた北朝鮮に較べ、李承晩政権は国内の左派勢力撲滅(済州島4.3事件や保導連盟事件等)に躍起となっており、国境線を守る意思すら薄かったようです。その結果1950年6月25日、突如として38度線を越境してきた北朝鮮軍によって、一事は釜山にまで追い詰められてしまうこととなったのです。
幸いその後参戦したアメリカ軍を始めとする国連軍によって北朝鮮軍(正確には中共軍やロシア軍の混成軍隊)押し返し、ご存じの通り1953年に休戦協定が結ばれました。これと似た話は枚挙に暇がないのでこれぐらいにしますが、事ほどさように韓国は自立できていない国家といえます。
今の大学には、私の若い頃と違って政策学部という学部があるところが多いそうです。政策学部とは、「状況を的確に把握しそこにある問題を見つけ出す力、即ち高い問題発見能力と、それを解決するアプローチを探る能力」を鍛える学部だと、とある大学の説明にありました。私は韓国に致命的欠けているものはまさにこれであると考えています。
目の前の状況を常に自己の願望に沿ったフィルターでしか認識できず、問題解決には自己の都合に合わせるように相手に要求するだけ、こうした韓国の非常識な態度では、外交も内政も上手くいくはずがありません。
今回の日米韓防衛相会議を韓国がさぼったのも、米中をめぐる動き、そして北朝鮮問題等から目を逸らしたいあるいは逃げたいという、現在の文政権が抱えている根本的な欺瞞がなせる行為といえます。自分が逃げ回っているうちに誰かが問題解決してくれる筈、という大甘な期待(これはもはや妄想ともいえるレベルですが)があるとしか思えない態度です。
やはりこの国は、かつてローマ法王が仰ったように、一度「霊的に生まれ変わる」必要があるのかもしれません。(笑)
ご主旨には全面的に賛同いたします。といいつつ前回同様、枝葉末節に噛みつく無礼をお許しください。
実際に政策学部を設置しているのは、同志社大学と龍谷大学の二つです。いずれも京都が本拠地の私学で、前者はキリスト教系でかなり赤く、正論の執筆陣だった村田前学長は、安保法制に賛意を示したことを理由に学内で批判され落選しました。後者は仏教系で、一応は中立を装っていますが、戸塚悦・朗龍谷大学 安重根東洋平和研究センター客員研究員などを飼っていて油断なりません。
日本のキリスト教系団体の多くは反日リベラルの隠れ蓑ですし、仏教界は政治的にはアンポンタンです。
私の実家は曹洞宗の檀家です。曹洞宗の本部では、「併合期間中に日本の仏教を押しつけて申し訳なかった」と考えているという住職の話を聞きました。
あのね、仏教って世界宗教でしょ? 他国に布教して申し訳ないなら、仏教もキリスト教もイスラム教も、首吊って○ねよ!
宗教系の大学が設置する政策学部に、私は何の期待も抱きません。
そんなわけで私は、東京大学を筆頭に、霞ヶ関や永田町に人材を輩出する大学が政策学部を設置し、それなりの実績を生み出すまで、冷たい視線で傍観します。
> 他国に布教して申し訳ないなら
訂正します。当時の半島は日本国でしたから、自国民に布教して何が申し訳ないのか、です。布教しない方が差別でしょう。
阿野煮鱒 様
返信ありがとうございます。
早速の反論ありがとうございます。(笑)
先ず明らかな事実誤認をご指摘しておきます。現在政策という名のつく学部がある大学ですが、私の知る範囲でも、千葉大学・横浜市立大学・慶応大学・中央大学・関西学院大学・愛知大学等があります。日本には数百の大学があるそうですから、もしお時間がおありならご自身でお調べになられては如何でしょう。京都に限定すれば、阿野煮鱒様の仰ったとおりの2大学の他、京都府立大学や立命館大学等もあります。
それらを踏まえた上で更に反論いたします。
私の二男が卒業した学部も政策学部であり、またキリスト系の大学でした。しかし、そこでは仰るような宗教色の強い教育はなされていなかったようです。全てを知るわけではありませんが、少なくとも彼の選んだゼミはそのような色合いのものではなかったと思います。因みに彼の卒論は日本の原子力政策についての考察でしたが、彼はそれを肯定的に考えた上で論文をまとめておりました。
村田前学長について言及されていますが、今でも日本の大学の教員なんてかなりの数がリベラル系で占められていますよ。それは宗教系とか非宗教系とかにはまったく関係なくです。ですから同志社大学が宗教系だから、村田前学長が学長選挙で落とされたのではなく、リベラル系の教職員が多かったというだけの話です。宗教云々はまったく無縁の話です。その辺りはくれぐれも誤解なきようお願いします。
少々色眼鏡が過ぎるではないかと思います。
まぁ宗教系大学の政策学部に何も期待されないのは、阿野煮鱒様のご自由ですからそれに何も申しませんが。
以上です。
事実誤認とのご指摘ありがとうございます。情勢をアップデートできていなかったようで、不明をお詫びします。
ご紹介いただいた大学のウェブサイトを調べ、状況を確認しました。
千葉大学 / 学大院社会科学研究院 / 政治学・政策学コース
横浜市立大学 / 国際総合科学部 / 地域政策コース
慶應義塾大学 / 総合政策学部
中央大学 / 総合政策学部
関西学院大学 / 総合政策学部
愛知大学 / 地域政策学部
以上の内、
> 「状況を的確に把握しそこにある問題を見つけ出す力、即ち高い問題発見能力と、それを解決するアプローチを探る能力」
に当てはまるのは、千葉大学、慶應義塾大学、ぎりぎりで中央大学総合政策学部政策科学科、だと思います。負け惜しみでみっともないですが、千葉大学のそれは、大学院で学部じゃなくてコースだ、とか言っておきますが、その設立の趣旨は素晴らしいですね。
> 具体的には、将来、民間企業、官公庁、国際機関、NPO/NGOで働くこと、議員として活動すること、あるいは国内外の大学院へ進学することなどを想定して人材育成を行います。
有能な人材が輩出され、日本に貢献してくれることを期待します。
他は、
横浜市立大学:
> 事業創造論A、比較社会システム論、地球環境政策論、地方自治論、都市の経済と政策、グローバル地理学、
都市財政論、地域社会論など
関西学院大学:
> 総合政策学部は、地球規模で進む環境問題、収束しない途上国問題、地価高騰などの都市問題といった、既存の学問だけでは対応できない問題を解決するため、1995年4月に生まれました。
愛知大学:
> 地域政策を考える上で、地元企業の海外進出や外国人の移住など、世界の視点を欠かすことはできません。(中略)食農環境、公共政策、地域産業、地域文化、まちづくり、健康・スポーツという6つの専門分野に分かれて理論と実践の両面から研究を行います。
横浜市立大学と愛知大学のそれらは、ローカル色が強く、「高い問題発見能力と、それを解決するアプローチ」から逸れるものではありませんが、市議会議員・県議会議員の養成どまりに見えます。関西学院のそれは、課題設定そのものが何だかなあと感じます。
ご子息のご学績は、おめでとうございます。
> 仰るような宗教色の強い教育
宗教系の大学が宗教的刷り込みを行っていると申し上げたのではなく、母体となる宗教団体の政治観が怪しいと申し上げました。それが私の偏見であることは否定いたしません。
ともあれ、私の知見を広げてくださったことに感謝いたします。正直に申し上げて、まだ政策学の果たす役割に半信半疑ですが、日本人の問題発見・解決能力を高めてくれるものと期待いたします。
阿野煮鱒 様
返信ありがとうございます。
大学の政策学部をここで云々するのは私の本意ではありません。
その学問的アプローチの方法論が、今の(過去に於いても)韓国には致命的に欠けていると思われましたので、一例としてあげた次第です。
また私の二男の学績なぞたいしたおのではありません。あれは原子力推進側にたっての考察が認められる程度には、キリスト教系の大学にも自由があったということを申し上げたかっただけのことですから。現に無事に単位を取得することが適い卒業できたのだから、ガチガチの左寄りというわけでもなかったようです。
PS
卒論の採点結果は現在に至るまで、二男からは全く知らされておりません。(笑)
以上です。
愛知県東部在住様へ
もとより本論に前面同意した上で、枝葉末節に異を唱えました。
ご主旨には微塵も異論はありません。
阿野煮鱒様
愛知県東部在住様
横から失礼します。政策学部または総合政策学部は大体が1990年代以後に私大で生まれた学部ですね。政策学部と名乗るのは同志社大学、龍谷大学だけですが総合政策学部は関西学院大学、慶應義塾大学。また他にも○○政策学部とか政策学科に至ると数十校あるようです。
何を学んでいるか?は私は疑問ですし、知らないです。でも関東は分かりませんが、関西圏の私大なら、文系では法、経済、経営(商)、その他の順にデキの良い子が集まるでしょう。
政策学部とか心理学部とかグローバルコミュニケーション学部とかは、私的には微妙ですね(笑)。いわゆる私大でも2万人以上集める(学部生・院生)メジャー大学は、新学部をたくさん作って、経営的努力をしました。
聞くところによると、東西の私大学生数ベスト20大学で、全国の私大生のかなりの割合(すみません。データを散逸しました)を占めるとか。
となると地方の単科大学や無名校にはヒトが集まらない。だから中国人らを入り易くする、どこの国の大学か?となっています。
同志社大学がキリスト教で「アカい」と仰られてますが、私はあそこはかなり薄いキリスト教系大学だと思います。リベラル(マスコミやリベラル派ではありません)な校風で、良い学校と思います(就職も良いです。笑)。
他のキリスト教系大学に比べると、ほとんど宗教の匂いはしませんよ。創設者が新島襄という日本人のゆえかな。
他大学の創設者は外国人宣教師が多いです。前学長はデキる人なのに、やめさせられましたが、コレは「白い巨塔」、ヘンな輩が煽動して辞めるように仕向けたと思います。
関西でアカいのはまず立命館大学です。学生は洗脳されます。地元関西圏では評価が低く、集まりも悪いのに東日本、東海、九州出身者が多いんです。
イメージ戦略が上手いと思いますが、日本共産党系に牛耳られてますから、知人の子弟には絶対勧めないで下さい(笑)。
それからアカいのは京都大学です。未だにゲバルト風のタテカンや、寮や自治会等、古色蒼然としていますよ。好きな方はどうぞ。
龍谷大学は、所詮仏教系大学ですが、最近は理系も整備してびわ湖に進出してます。(笑)しかし、浄土真宗本願寺派の総元締めだけあって、資金は豊富ですね。知らないうちに、京都駅前の大ホールを買っている。
滋賀県、京都府、福井県、大阪府、兵庫県には真宗本願寺派の名刹がたっくさんあります。いや〜宗教には馴染めません、私。(爆笑)
めがねのおやじ 様
返信ありがとうございます。
何を学んでいるか?は私は疑問ですし、知らないです >
二男の話では政治・法律・経済・行政等を浅く広く学べる学部のようです。ぶっちゃけて言えば専門性は二の次といったところでしょうか。(笑)
たしかに九州や中国四国地方からやってくる学生は多いようですね。二男の学友もそれらの地方から来てた子が多かったようです。逆に愛知以東の学生は極端に少なく、在学中に知り合えた中部地方より東側出身の学生は数えるほどだったと訊いております。
関西でアカいのはまず立命館大学です >
それはどうでしょう?私の知っている範囲ではそういう決めつけに当てはまる例をあまり知りません。二男もサークル活動(京都では各大学共同でやるサークルもけっこうあるそうです)で知り合ったリッツ(ナビスコではありません)でそういう子はいなかったと申しておりました。
私の学生時代(1970年代後半から1980年代前半)でも、そういう活動に熱を上げてる連中は少数派になりつつありました。今の若い子達は更にその傾向が強いと思います。京大の子達とも共にサークルをやってたようですが、特にそういう子達はいなかったようです。まぁ、吉田寮に長年住んでる連中の中には癖の強いのもいるのかもしれませんが、60年代70年代前半のような政治的熱量は、もはやすっかり影を潜めていると思います。
最後に蛇足ですが大学つながりで豆知識を一つ。京都には日本最古の大学があるそうです。種智院大学といいます。なんとあの弘法大師、すなわち空海さんが建学した綜藝種智院を起源としている大学です。天長5年(828年)建学だそうですから、およそ1200年ほどの歴史があるワケです。
いやぁ京都って奥が深いですね。(笑)
以上です。
愛知県東部在住様
レスありがとうございます。
種智院大学!知ってますヨ〜(笑)。70年代卒業の私の頃から2ケタの学生数で「全国最小」「仏教系でも古にフルイ」「何処に校舎(学舎)あんの?お寺の中か」と、何かと話題になってました。ハイ。
愛知県東部在住様へ
皆さん、本当にお詳しい…
『アカい』と一言で言っても、共産主義系統と主体思想系統(北朝鮮系)を明確に区別しなければならないわけで…
朝鮮民主主義人民共和国は冷戦時代において対外的にはマルクス・レーニン主義を謳っていましたから、共産主義系統と誤認されて『アカい』と表現されてもおかしくはありません。
共産主義系統の登竜門は、東京大学、京都大学、慶應義塾大学などなど。
対して、主体思想系統の登竜門は立命館大学ですね…
(日本のカトリック系大学は残念ながら主体思想系統に侵食濃厚です。プロステタント系の大学まで狙われているから、関西学院大学の名前まで上がるのは致し方ありません。)
自分から言わせれば、戦後からの幼稚園(キリスト教系であろうと無かろうと)、公立小学校、公立中学校、公立高校、すべて共産主義系統で『アカい』です。(笑)
愛知県東部在住様
>気象予報は生活に直結します。ましてや、台風予報は人々の生死に関わる情報です。それがこんな直前のタイミングで悪い方向への修正されるというのは、韓国の気象予報ならではの杜撰さといえましょう。
唐突に広島に原爆投下されて直後、時間を置かず鉄道が動いたという記事を読んだことを思い出しました。ずいぶん昔のことであり、ソースを提示することができないのが残念なのですが、日本人の責任感というものは、あのような状況でも機能するのだと、誇らしく思ったことも思い出しました。
このような民度の上の責任感のようなものは、半島人には理解できないと思っております。
話があさってでしたかしら(笑)?でもね、民度の上に文明があり、国家があるのじゃございません?
なすべき仕事への責任感もない民度では、およそ国家の運営などできないと考えますの。
であれば、あるべき姿に戻って、宗主国の統治を受け入れるほうが、あの国は安定するのかもしれません。
あくまでも、あの国の立場に立てばで、ございますよ。
あの国に膨大な物をつぎ込んだ日米としては、取り立てる物は取り立ててからということになります。
心配性のおばさん 様
返信ありがとうございました。
唐突に広島に原爆投下されて直後、時間を置かず鉄道が動いた >
今ググったらこんな記事にたどり着きました。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/hiroshima-koku/exploration/index_20091123.html
本当に凄い話ですね。
私の父祖の世代にこのように凄い人たちがいらっしゃったことを忘れてはならないと思います。是会とも後世に語り継いでいきたいものですね。いい逸話をご紹介頂き、ありがとうございます。
仕事への責任感もない民度では、およそ国家の運営などできないと考えますの >
同意します。それこそ彼の国と我が国を隔てる大きな壁だと考えております。
宗主国の統治を受け入れるほうが、あの国は安定するのかも >
もしそうだとしても、その役割は中国にお願いしたいですね。(笑)
私としてはいつも通り「我は心において亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」でありたいと考えています。
愛知県東部在住様
探し出せましたね。私はどこのフォルダーに入れたのやら分からなくて、へとへとになってコメントをパスしようかと思ったのですよ。コメントして良かった(笑)。
このような市井の人々がその責任感ひとつで、このような感動的な働きをする。彼らにも安否が気になる家族がいたハズですが、公共の職務を優先させた。
物凄い勇気だと思います。中島みゆきの「地上の星」ですよね。どれだけ時間が流れても彼らを忘れてはいけないと思いましたの。ありがとうございました。
心配性のおばさん 様
返信ありがとうございます。
このような市井の人々がその責任感ひとつで、このような感動的な働きをする >
まさしく日本人の有する美徳の最たるものだと信じたいところです。
物凄い勇気だと思います >
自分が同じ境遇にあったとして、同様な行動をとれたのかと問われれば、私は沈黙せざるを得ないかもしれません。
簡単な問題ではなさそうです。
以上です。