武漢コロナ禍の影響で日本経済が大きな停滞を余儀なくされることが確実視されるなか、このさまざまな国難を乗り切るためには、憲法改正だけでなく、消費税法を含めた税の在り方全般を急いで議論していかねばなりません。それなのに、最大野党・立憲民主党は、政権の足を引っ張ることにばかり、汲々としています。こうしたなか、国民民主党が分党し、政策政党に脱却できるかの岐路に立たされていますが、国民民主党議員の動きを見ていると、なかなか興味深いところでもあります。
GDP急落:野党にとっては消費税減税提案のチャンス!
武漢コロナ禍によって経済活動が止まっていた影響もあるのでしょうか、昨日発表されたわが国の2020年第2四半期(4−6月期)GDP統計では、実質ベースで年率換算マイナス27.8%という、惨憺たる結果となりました。
ただ、見方によっては、誤った増税原理主義で国民を苦しめ続けてきた財務省という「増税カルト教団」の在り方を見直す抜本的なチャンスでもあります。こうしたときに、議院内閣制のわが国において、本来、手始めに動くことが期待されているのは、野党です。
野党にとっては現政権の失政を糾弾するとても良いチャンスでもありますし、ここで与党にできない対案を出せば、政権交代も視野に入ってきます。そうなると、与党側も政権を失わないように必死で頑張らざるを得なくなります。
逆に言えば、民主主義の王道とは、国民の意見を代表する与野党の国会議員が国会で健全な議論を戦わせ、国が進むべき方向を決めていくことにあるのですが、残念ながらわが国の現状は、この「王道」からは大きく外れてしまっています。
コロナより桜が大事な反日野党
その最大の原因は、野党にあります。
ことに、最大野党である立憲民主党は、国会において安倍政権を徹底的に批判するしか能がなく、自分たちで対案を示すということはしていません。とくに、安倍政権の最大の失政である2019年10月の消費税・地方消費税の増税についても、かたくなに争点化するのを避けています。
そういえば、立憲民主党を含めた野党の皆さんが、武漢コロナ禍の初期にしきりに国会で問題にしていたのは、コロナではなく「桜を見る会」でした。また、法的根拠もなしに、連日のように「野党合同ヒアリング」と称したパフォーマンス大会に霞が関から役人を呼びつけ、霞が関の業務を停滞させました。
このような野党など、日本にとっては百害あって一利なしです。
また、コロナ禍の最中にも関わらず、安倍晋三総理大臣は国会対応などで忙殺され、休むことを許されず、今年6月には連続148日の執務を余儀なくされました。
首相、148日ぶりの休日 連続執務途絶える
―――2020/6/21 17:00付 日本経済新聞電子版より
148日も連続で仕事をすれば、誰だって疲弊します。
こうしたなか、昨日は時事通信がこんな記事を配信しています。
安倍首相、健康不安説が再燃 病院で検査、政局影響も
―――2020年08月17日22時46分付 時事通信より
もちろん、現時点において、安倍総理がたんに検査を受けただけなのか、それとも本当に健康不安が生じているのかはわかりません。ただ、記事のタイトルだけで、「安倍総理の健康不安説が再燃してほしい」、「政局に影響してほしい」という時事通信の願望がありありと伝わってきますね。
吉と出るか凶と出るか:国民民主党の分党
さて、こうしたなかで、国民民主党の玉木雄一郎代表が「分党」を決断したとする話題については、先週の『「ゴミ分離し立憲民主党に捨てる」ような玉木氏の決断』で取り上げました。
正直、旧民主党系の政治家を眺めていると、「議員でいること」自体が自己目的化しているような気がしてならなかったのですが、最近の玉木雄一郎氏は旧民主党系の政治家にしては珍しく、「消費税の減税」、「憲法議論」などに正面から切り込もうとしています。
当ウェブサイトのうがった見方ですが、そうした玉木氏の姿勢は国民民主党内でも「浮いて」いて、だからこそ、「議員としての生活が一番」という議員は、立憲民主党からの切り崩し工作に陥落しつつあったのではないでしょうか。
もちろん、玉木氏自身、獣医師会の関連団体から寄付金を受け、獣医学部の新設を認めないとする立場から国会質問を行ったという、いわゆる「斡旋収賄」疑惑を抱えている人物であるため、当ウェブサイトとしては同氏を絶賛するつもりはありません。
しかし、憲法も経済も国の根幹であり、これらについて正面から議論しようとする姿勢は、国会議員としては当たり前のものです。
ちなみに当ウェブサイトとしては、「憲法改正」、「消費税減税(または消費税法廃止)」などの考え方を支持していますが、国民的な議論の結果、「憲法改正はしない」、「消費税法は廃止しない」と決まったならば、それについては尊重すべきと考えています。
しかし、現状では、立憲民主党はこの2つの重要な議論から徹底的に逃げ回っており、それどころか政党として一番重要な政策の部分の議論を「後回しにすべき」と公言しているほどです(『「政策は後回し、さっさと合流を」=立憲民主・福山氏』等参照)。
玉木氏がそんな「数合わせ政党」から距離を置くという決断を下したこと自体、個人的には評価してよいと思う次第です。
さっそく人罪が出てきた
こうしたなか、数日前にはこんな記事も出ていました。
佐賀県連、新党に合流 国民民主
―――2020年08月16日15時45分付 時事通信より
時事通信によると、原口一博・国民民主党国対委員長が代表を務める国民民主党佐賀県連は16日、立憲民主党と作る新党への合流を「全会一致で」決めたのだそうです。じつにわかりやすいですね。
原口一博氏といえば、昨年12月には官僚への「粛清」発言が産経系メディア『夕刊フジ』に報じられたという人物でもあります(詳細はzakzakの2019/12/22付『「僕らが政権なら…真っ先に役所から去ってもらう」国民・原口国対委員長、官僚への“粛清”発言で炎上!』参照)。
原口に代表される「人罪」が国民民主党から出ていくならば、それだけでも国民民主党側が浄化されるでしょう。
【参考】「人罪」とは…
「じんざい」と発音するが「人材」とは似て非なる用語。韓国に出掛けて頭を下げてきた某国の元首相などがその典型例(※写真と本文は関係ありません)。
その一方で、福井県ではこんな動きもありました。
国民民主の分党撤回を福井県連が要望/繰り返される分裂に「地方組織成り立たない」
―――2020年8月18日 午前7時20分付 福井新聞より
これは、同党の福井県連の代表を務める斉木武志衆院議員が17日、玉木代表に対し、「分党の撤回」を求める要望を提出した、というものです。
記事にはその容貌理由について、ゴチャゴチャとさまざまなことが書かれていますが、おそらくホンネは斉木氏の次の発言でしょう。
「いま力を分散してどうするのか。全員一つの固まりになって、力を発揮すべきだ。まずは分党を撤回してほしい」。
斉木氏に申し上げたいのですが、国会議員とは「私たち日本国民のために尽くすべき存在」であり、政治家としての理念をまったく異にする人たちが、選挙目当て・政党交付金目当てで無理やり同じ政党を作るというのは、あきらかに本末転倒です。
そして、この「全員ひとつの固まりになって」、という行動の失敗事例こそが、旧民主党であり、旧民進党だったのではないでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、理念もなく、政策もない「ゴミ議員」が立憲民主党にすべて吸収され、国民民主党は一時的に弱体化しつつも、筋肉質な提案型野党に変わっていくならば、国民民主党の分党騒動についても期待をもって眺めることができます。
これが日本の政治シーンを良い方向に変えていくきっかけになってほしいという気がしてなりません(ただし、しょせんは旧民主党系の政党なので、あまり多くを期待しようとは思いませんが…)。
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独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(なにしろ、国会議員と違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
(国民民主党だけとは限りませんが)国会議員は法律を制定するのが仕事です。そして、(日本だけではないかもしれませんが)所詮、人間は総論では賛成しても、(自分と直接に関係する)各論では反対します。そして、誰も反対する人がいない法律を制定することは不可能です。(また、追い風の時は賛成しますが、逆風になった途端に反対に回る人も多いです)
そのことを覚悟して、国会議員には仕事をして欲しいものです。
駄文にて失礼しました。
組織は巨大化すると共に腐敗し、崩壊すると言われているニダ(本当か?)。
組織の目的より、組織の維持が目的に、変わるかららしいニダ。
日本を分裂させる目的の組織が、破綻して分散し、また凝集しようとしているニダ。
「穢れ」とも言うニダ。
景気を上げろ 塩撒いておくれ
ソーレソレソレ お祭りだ~ (何の?)
龍さま
音楽が頭の中で周りっぱなしになったら、替え歌中毒に、要注意ニダ。
熱中症の合併症に、良くあるらしいニダ。
更新ありがとうございます。
国民民主党の玉木氏と「議員で居たいグループ」は、元に戻れないでしょう。今、立憲民主党の(大した組織力は無いが)力を借りてでも、当選したい原口一博ら人罪組は玉木氏の基、同じ鞘に収まらないと思う。
別段、私も玉木氏が100%立派な政治家とは思って無いです。思い出すのはやはり獣医師会からの献金ですね。でも、ここで人罪組と袂を分かつなら、多少は評価しますよ。
消費税減税と撤廃、改憲法案審議。この二つを与党と話してトントントンと進めて欲しいなぁ〜!
よく言われる言葉に「サルは木から落ちてもサルだが、議員は選挙で落ちたらただのヒト、あるいはそれ以下である」というものがあります。この言葉自体はその通りなので、議員諸氏、特にまだ地盤の固まってない当選回数の浅い議員が次の選挙のことがとても心配になるというのは分らんでもありません。
しかし、彼らは議員としてどうしたいのでしょう、何がしたいのでしょう?
議員になる、議員であり続けるということ自体は目的ではないし、目的であってはなりません。議員になるということは、議員として法案策定に関与し実現することこそが目的であって、議員になること自体はそのための手段に過ぎません。手段と目的との転倒は他でもしばしば見られることですが、そのようなことすらも弁えてないのであれば、明らかに国会議員としては失格です。
「いや、思い描いた政策を実現するためにも、とにかくまず選挙に勝たねばならんのだ」と反論を試みるボケもいそうですが、政策のすり合わせもできないような政党に合流しようというだけで、そんな寝言は粉砕されます。全員がそうだとまでは言いませんが、国民民主党から立憲民主党に合流しようとする議員はほぼそんなもんだと決めつけても良さそうです。
ちなみに、立憲民主党の長妻昭氏はインタビューで今回の合流劇は「野合ではない(キリっ)」と断言されたそうですが、政策の整合も取れないような合流劇を野合と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう。氏の日本語能力を疑って然るべきなのか、あるいはただの大嘘付きなのか、さて、どちらが相応しいでしょうね。
龍さま
議員になる、議員であり続けるということ自体は目的ではないし、目的であってはなりません。
>この前提が、彼らと一番価値観の違うところでは、ないかと思います。
元民主党の目的は、「日本を分裂(分断)させる事」だと思います。
共産党と合わせると「日本の国体を解体する事」だと思います。
パヨクが、民主主義のルールを利用して、多数の暴力を振るうために、議席が必要なんだと思います。
野合かどうかは、自分で決めることではなく、国民が判断することだと思います。
紙媒体を主力とする新聞社の影響力は減退する一方であろう、というのはこの場でもよく提示される予測ですが、同様に選挙というものも周回遅れながら変わっていくと思われます。コロナ禍はweb投票ニーズへの追い風となりますし、紙の選挙ポスターを一度も見ないまま投票することもあり得ることです。ドブ板選挙なんてフレーズ自体を聞くことも稀になりました。
タレントがその知名度を武器に当選するように、有名ユーチューバーが立候補するようになる日が来るかもしれません。そして各候補者の発言はログとして残るようになります。他者への無理筋の批判は全て自分に戻ってきますし、主張の迷走っぷり、党の離合集散も白日下に晒されます。もちろん炎上事案も多発することになるでしょう。
さてそうなった時、政治家の皆さんの弁論は、その履歴を含めて批判に耐えられるものでしょうか?野党ももうマスコミの援護は期待できません。同時に与党もかなり危ない方が多いような気がします。酒場のサラリーマンの愚痴じゃないのですから、プロの政治家としての言動をもっと学んでほしいものです。
衆愚政治の危険性は考慮しなくてはなりませんが、双方向通信により直接の有権者意見の徴取が可能となり、間接政治でなくてはならないハードルは低くなっています。つまり小集団の単なる利益代表である意義は低くなるということです。文字通りの「選良」であることが求められます。
言葉の巧みさ・姿の見栄えではなく、主張の論理性・説得力・一貫性が政治家に求められる時代になるよう期待しています。
いつもお世話になっております。
分党した国民民主党は何になるんでしょうね?
自民党のような「よ」党、立憲民主党のような「や」党
維新のような「ゆ」党=与党にも野党にもなれない党、でも中身はやっぱり「や」党系
それとも、それ以外のその他党か?
白を自民党とし、赤を共産党とした場合
自分はピンクだと言っても今迄と同じく赤系の言動してたら、中道何とかじゃなく
赤系まっしぐら党ですよね。 いくら言葉を丁寧に言い繕ってもね!
国民民主の分党はトカゲのしっぽ切りのようなものなのでしょうか?
切り捨てられるのは、患部なのか? 幹部なのか?
勢力的には、どちらが尻尾なのかも定かではないのですが・・。(おカネ的には、出ていく方が尻尾なのだと思います。)
新宿会計士様の仰るように、玉木氏に現状で期待したい点は野党というものの価値を復活させることですね。こんなまともな野党があるんだ!というショックが作れれば、かつての民主党が「安易な政権交代はヤバイ」というトラウマを国民に広く植え付けたのと同じくらい大きなショックになると思います。現状の日本の政治にとっては、改憲に並ぶほど重要とすら思います。
その玉木氏自身にそこまで現状では期待できないのはまぁ…お若いし評価は続けたいところ。政治家は国益に資してナンボなので、加計学園に関する不信感(ほぼ真っ黒)は、有罪にならぬ以上は優秀であれば黙殺しても良いと思いますが(石破氏に全部なすりつければおk)、今のままじゃちょっとなぁ…
10年程後に、あの頃は失礼なことを書き込んだが玉木先生が居て良かった、とか言えてれば良いですが。
なんか本気で石をひっくり返した時のワッと驚く気分になってきました。