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大震災から9年 旧民主党と大手メディアは反省しない

東日本大震災から9年目の節目となる本日、民主党政権の失敗について考えさせられる記事を、毎日新聞に発見しました。2000年に集団食中毒を発生させた某乳業会社の場合は、現在でも自社のホームページに「食の安全」への取り組みを掲載するなど、信頼回復に躍起になっていますが、旧民主党や民主党への政権交代を煽ったマスメディアの報道などを眺めていると、どうも過去の不祥事に対する反省という視点が見られないのは気になるところです。

最大の災害は民主党政権

早いもので、本日は東日本大震災から9年目の節目です。

日本の観測史上最大のマグニチュード9.0という未曽有の大災害であったという事情もあるものの、当時の民主党政権の素人ぶり(とくに福島第一原発事故を巡る菅直人元首相の対応)などに思いを致すと、本当に情けない思いでいっぱいです。

衆議院議員総選挙で民主党が圧勝したのは2009年8月30日、民主党・鳩山由紀夫政権が発足したのは2009年9月16日のことですが、彼らが掲げたマニフェストの多くは実現されず、それどころか政権公約にない消費増税が実現するという惨状。

個人的には、東日本大震災後の夜間照明自粛ムードの中で真っ暗になってしまった東京の空を見上げ、「あぁ、政権交代からわずか1年半でここまで変わるものなのか」と、ある意味では感心したことを、昨日のことのように思い出します。

もちろん、当ウェブサイトとしても自民党政権のすべてを無条件に肯定するつもりはありませんし、民主党政権のすべてが悪いと腐すつもりもありません。

とくに、国民新党(当時)から入閣していた自見庄三郎・金融担当特命大臣が菅直人政権下の2011年6月21日付で公表した『IFRS 適用に関する検討について』で、インチキ会計基準である国際財務報告基準(IFRS:いふるす)の強制適用を止めたことは、非常に良い判断でした。

しかし、IFRS強制適用のストップなどの例外を除くと、客観的な事実を並べていけば、民主党政権が実施してきたさまな政策については、とうてい褒められたものではありません。

  • 4年間でマニフェストを実行する→ウソでした
  • 埋蔵金を発掘して財源にします→ウソでした
  • 公務員の天下りを許しません→ウソでした
  • 消費税は4年間議論すらしません→ウソでした
  • ガソリン税を廃止します→ウソでした

といった具合に、まさにウソにウソを積み重ねたような惨状で、あえて主観的に採点すれば、100点満点でいう5点が関の山、といったところでしょうか。

大事なのは「反省しているかどうか」

ただ、「政権を担当するのが初めてだった」という点については、割引いて考えてあげる必要はあるでしょう。とくに、東日本大震災のような未曽有の大災害に対し、菅直人元首相以外の人物が首相だったとして、うまく対処できたのかという疑問はあります。

このため、客観的事実関係を無視し、何でもかんでも「鳩山由紀夫(元首相)が悪い」、「菅直人(元首相)が悪い」、「野田佳彦(前首相)が悪い」、と決めつけるのは正しい態度とは言えません。

この点については、いちおう擁護しておく必要はあると思います。

ただし、上記を考慮に入れたとしても、やはり民主党政権でひとつ、どうしても許せないことがあります。

それは、「失敗の原因を自分で総括していないこと」です。

たとえば、2000年夏、某乳業会社の大阪工場で製造された乳飲料によって、近畿地方で大規模な集団食中毒が発生した、という事件がありました。その2年後には、この会社の子会社が「牛肉偽装事件」を発生させたことで、結局、同社は事実上の解体に追い込まれました。

ただ、同社はその後、全農や農林中央金庫などがバックアップする形で企業再編と経営再建に踏み切り、現在は新たなブランドを立ち上げて乳製品の供給を続けているほか、同社ウェブサイトでこの食中毒事件や偽装事件を掲載するなど、自社の失敗を記録しているのです。

もちろん、集団食中毒事件や偽装事件はけっして褒められたものではありませんし、そのような事件を発生させた会社の製品など、もう二度と口にしたくない、という人も多いのではないでしょうか。

ただ、この食品会社が「自社が食中毒を発生させた」という事実を記録し、反省し、もう二度とこのような不祥事を発生させないようにしようとしているということは、メッセージとしては伝わるはずです(※個人的には同社製品を買うつもりはありませんが…)。

反省しない民主党

この食品会社はたった数回の不祥事でここまで社会から糾弾され、そして現在に至るまで不祥事の原因の究明と再発防止を含めた食の安全に取り組み続けていると考えるならば、民主党政権の姿勢については何かと疑問が生じることも事実ではないでしょうか。

民主党は2012年12月16日の総選挙で獲得議席数が57議席と惨敗し、これを含めて6回の大型国政選挙で民主党(あるいはその後継政党である民進党、立憲民主党・国民民主党など)はただの1度も獲得議席数で自民党を上回っていません。

2009年8月の総選挙では308議席を獲得したという事実に照らすならば、獲得議席数が5分の1以下に留まったというのは、それだけ有権者の審判が厳しかったという証拠でしょう。

そして、民主党(やその残党)がなぜ、ただの1度も総選挙で勝てないのかと考えていくと、究極的には「反省しない」姿勢にあるのではないかと思わざるを得ません。

二重国籍者の村田蓮舫(謝蓮舫)参議院議員を筆頭に、「地球6周分のガソリン」や不倫などで知られる山尾志桜里衆議院議員、官僚へのパワハラなどの問題行為で知られる原口一博衆議院議員など、例を挙げていくと旧民主党はまさに(「人材」、ではなく)「人罪の宝庫」と言わざるを得ません。

民主党の反省、もう十分か?

こうしたなか、毎日新聞のウェブ版に昨日、こんな記事を発見しました。

ご意見募集 「民主党の反省」もう十分か、まだ不十分か

2009年に民主党が政権交代を実現してからおよそ10年の歳月が経過した。さらにいえば12年末に第2次安倍内閣が誕生して、民主党政権が幕を下ろしてから7年あまりの歳月が経過したことになる。安倍晋三首相本人は首相の通算在職日数が最長となった。<<…続きを読む>>
―――2020年3月10日付 毎日新聞デジタル日本語版より

毎日新聞の記事が指摘するとおり、安倍晋三総理大臣は2012年12月26日に再び政権を握り、それ以来、過去6回の大型国政選挙と2回の自民党総裁選を制し現在に至るまでの長期政権を維持しています。

安倍総理に対してはさまざまな批判があることは事実ですが(当ウェブサイトも消費増税を巡って安倍政権に批判的なスタンスです)、それでも今まで政権を維持していて、旧民主党が政権を握る兆しすらないというのも、まぎれもなく国民の選択の結果に基づくものです。

毎日新聞は、1月28日付の鉢呂吉雄・元経済産業相に対する『「政権」を知らなかった民主党 1年生のつもりで始める』というインタビュー記事(※有料記事)のリンクを示したうえで、

鉢呂元経産相の寄稿を踏まえて、改めて読者の皆さんは20年代における野党のあり方と、ある意味では内実をよく見聞したはずの民主党政権当時の閣僚経験者による『野党の責任と反省』という自己分析をどのように評価しますか。ご意見をお寄せください。

と締めているのですが、正直、民主党政権関係者が自分たちの失敗についての総括をきちんと行っていないということは、じつは毎日新聞さんがよくご存じなのではないでしょうか。

メディアの責任は?

というのも、民主党政権の責任はメディアの責任でもあるからです。

冷静に考えてみたら、2009年8月の衆議院議員総選挙で、民主党が308議席を獲得した背景には、当時、新聞、テレビを中心とするマスメディアがこぞって「政権交代」を煽っていたという事情があったことは間違いないでしょう。

当ウェブサイトではこれからも何度も何度も繰り返し主張していくつもりですが、そもそも論として、2009年8月の衆議院議員総選挙で、麻生太郎総理が率いる自民党を大敗させた最大の要因は、マスメディアによる偏向報道です。

その証拠として、いままでに何度も紹介してきたのが、「日本経済研究センター」という組織が2009年9月10日付で発表した「経済政策と投票行動に関する調査」というレポートです。

経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターHPより)

この調査によれば、テレビや新聞を信頼して投票した人ほど、2009年8月の衆院選では、比例区で民主党に投票したことが示されています(図表)。

図表 情報源と比例区投票先の関係

(【出所】(社)日本経済研究のレポートのP7を参考に著者作成)

明らかな偏向報道で国民の投票行動を歪め、政権交代を成し遂げたという意味では、この2009年8月の選挙は明らかに日本の民主主義史の汚点ですし、マスメディアはこの2009年の偏向報道を「業界として」反省しなければならないはずです。

しかし、不肖ながら、この2009年の偏向報道問題を正面から取り上げた記事を見た記憶はありません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

例の乳業会社が消費者からの信頼を回復するために、食の安全に取り組むとともに、過去の自社の不祥事についてホームページに明記し、しっかり記憶に留めているのに対し、野党やマスメディアのホームページを見ても、

  • 旧民主党系の政党…2009年9月~2012年12月の民主党政権の総括と反省
  • 大手マスメディア…2009年8月までの政権交代を煽る偏向報道

についての反省に関するページは設けられている形跡がありません(それどころか旧民主党系の政党は党名ロンダリングを繰り返しているほどです)。

乳業会社がそれでも消費者からの信頼を回復し切れないでいることを考えれば、反省しない業界、会社、政党に待っているのは、衰退と滅亡ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (27)

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     日本マスゴミ村や野党にとっては、反省をすれば先輩や同僚の責任問題
    になるから、反省など出来ないのではないでしょうか。

     駄文にて失礼いたしました。

  • 付け加えるならば、財務省も消費税の導入・増税について反省も総括もしていませんね

  • 私も毎日に意見書きましたが、新宿会計士さん取り上げましたね。
    民主党の反省、もう十分か?
    なーに寝言を、言っとる。
    印象操作によって、民主党に政権を取らせた工作員が、また印象操作を行なっているという事です。
    民主党が、ネームロンダリングして、責任回避しているのは知っているが、反省している話しは、政権を失ってしまった事以外、聞いた事はありません。
    認知バイアスが抜けない人いがは、民主党に反省も学習も無い事は、良く分かったでしょう。

  • 民主党政権のあいだ、与党もマスコミもしきりに自民党を「責任野党」と呼び、震災をはじめとする諸問題の解決にあたるよう迫っていました。」自分たちは権力だけ握りしめ、仕事は自民党にさせれば良いという虫の良い考えです。

    これが彼等のあるべき姿であり、そうではなくなっている現状は是正されなければなりません。なぜなら自分たちは絶対の正義であり無謬の存在だからです。どこかの国の序列的世界観と同じです。反省など、するしない、できるできない以前に、脳裏に浮かぶことすらありません。

    • 自民党が野党時代は自分らがさかんに使っていた「責任野党」という用語。
      安倍政権になって暫く経ち、(意趣返しというわけでもないでしょうが)安倍政権側がこの用語を使い出すと、「『責任野党』とは不思議な言葉である。安倍晋三首相が昨年から盛んに口にし、今や与野党もメディアも注釈なしに使っている」などと言い出す毎日新聞。
      その卑劣さが togetter で晒されております。
      https://togetter.com/li/908465
      毎日新聞はどこまでも反省のないゴミです。

      • お疲れ様です。

        昨今の報道姿勢ですっかり麻痺していましたが
        マスコミさん、昔は野党もちゃんと批判していたんですねー(棒)

        骨の髄まで反自民だとそりゃ報道が歪みますよね

  • マスゴミは、反省なんてしてはいけません。民主党も反省など必要ありません。
    彼ら、反社会勢力は、反社会勢力らしく、文句言って、揚げ足取りして、政権批判していればいいのですよ。
    その方が、反社会勢力らしくてわかりやすい。

    仮に、反省して善い人、善い集団のイメージでも醸し出されたひには、よほど危険です。
    反社会勢力は、反社会勢力らしく。
    謝蓮舫は、毎度眉間にシワを寄せて陰湿な言いがかりをキーキー言ってこそ謝蓮舫。
    これがもし、櫻井よしこ女史のように上品かつ冷静な会話をされたら、善い人だと勘違いされてしまう。
    悪人は悪人らしく、反社は反社らしく、敵は敵らしく、味方は味方らしく、この方が騙されにくいのです。

    日本人は、「卑怯者」が嫌いです。
    悪い奴でも、卑怯で悪い奴が一番嫌いです。筋の通った悪い奴は、時に人気があったりします。
    善人のフリして、8割〜9割の解説は非常にわかりやすく的を得てるのに、1割〜2割の解説で情報操作して国民を騙す、池上彰などが最も卑怯者の悪人だと思います。頭の良い確信犯の卑怯者は、最も悪いヤツです。
    もし、池上彰が悪人だと気がついていない人は、完全に騙されている人ですw

    その点、南朝鮮の文罪炎大統領は、わかりやすくて素晴らしい!

    • リャンピさま
      池上さんは、リャンピさんの言う通り。
      嘘をちりばめて来ますよね。

    • > 8割〜9割の解説は非常にわかりやすく的を得てるのに、1割〜2割の解説で情報操作して国民を騙す

      まさにコレです。正直一番タチの悪いのが池上氏のこの手法ですね。巷で頭のよろしくない左巻き芸能人やら自称評論家が怖くないのは、1から10まで馬○な発言をして一般人を騙せないから。10個に1個だけ嘘を交えて話されるとアンテナの高い人じゃないと見抜けません。
      ミサイル弾幕に1発だけ核ミサイルを入れたブライト艦長にシャアも手を焼いてましたし。

  • 今の民主党系野党は金属疲労したアルミのようなものなので、反省しようとなんだろうと、そのままでは使用不能ですよ。問題なのは入れ替えに使えるだけの野党が育たない状況の方です。

    それが何故なのかを考えると、大部分は再使用不能に陥っている野党を応援するマスコミとその支持者にあります。それが吹き溜まりのような世論となってなかなか浄化されないのです。それが無くなれば野党第一党は中身ごと入れ替えることが可能になると思います。

    Web主様にならって、原発の水素爆発が誰のせいだとは言いませんが、現在の新型コロナの対応が民主党政権でなくてよかったと思うことにします。

  • 件の記事(民主党の反省は十分か?)へのコメントでも多々見られるように、民主党は下野に至った総括も、自分たちの何がダメだったかの反省もしていません。もちろん、国民への謝罪も。
    自民党が下野した折、当時の石破茂政調会長は「民主党が勝ったのではない、自民党が負けたのだ。負けるには負けるだけの理由があり、それを真摯に見つめ、国民の声を聴き、反省することなくして自民党の再生はない。」と繰り返し訴え、全国行脚もしていました。先日逝去された野村克也氏を党に招いての勉強会も開催されていました。(「負けに不思議の負けなし」の話を聞いたようです)
    (旧)民主党、特に現職議員は、なまじ自民党政権下でも選挙に勝ってきただけに、負けたのは他の誰かのせいであって自分は支持されている、自分は間違っていない、と自分自身と所属政党を切り離しているようです。

  • 支持率を見るように国民は厳しい判断をしているのに、結局は”増すゴミ”が甘やかすからこんな野党になってしまったと思います。
    日本の不幸は健全な野党のいないこと、10年前の夢をもう一度と、政権転覆のために野党を応援した”増すゴミ”の責任です。
    不祥事に対する自民党議員と同じ批判、ブーメラン発言や生産性のない国会質疑を厳しく批判し、蓮舫、辻本福山、枝野、クイズ王等、好き勝手に蹂躙する輩を放逐すれば一時的には絶滅するが、健全な野党に生まれ変われるはずです。
    トップを引きずる降ろすのではなく、トップを追い越せるように切磋琢磨させれば政治はどんどん良くなる。

  • 更新ありがとうございます。

    某北海道出の乳製品会社の新会社が、立ち直りを見せてます。真摯に「犯罪」を反省し、旧役員、関わりを持つ人を一掃しました。

    しかし、よく百貨店、大手スーパー、生協、中小スーパーグループ等がオリジナルの乳製品を発売してます。ここで一つ、皆さまにご教示させて頂きます(笑)。

    商品のパッケージ裏側には販売者と製造者が明記されてます。製造者は工場番号だけのところもありますが、コレを辿るとメーカー名が分かります。パッケージに工場名を印刷してあるのは、消費者に対して良心的です。

    半面、販売者のみの表記は怪しいです。私は絶対買いません。海外生産かもしれない。海外となると、、、。

    その時、製造者表記をしてないブランドは、某乳製品メーカーの場合があります。「私は絶対嫌だ」という人は、そこもチェックされる事をオススメします。

    ところで会計士さんの論考の最後、毎日新聞は何を言ってるのか?という憤りを感じます。民主党の反省も大事だが、引っ掻き回しているのは安倍長期政権でも、いつもATMじゃないですか。刷るだけ無駄、古物行きのマスコミが今更何をヌカスか!と思います。

  • 東日本大震災で犠牲となられた方々に黙祷を捧げ、御冥福をお祈りします。
    また、被災された方々の心の復興を磐石なものとするためにも、お互いに支え合うことが大事であると思っています。

    復興した被災地の力強さを見よ、と全世界に宣言したい気持ちです。
    いかなる痛手を被ろうとも、このように立ち上がることができるのだと、全世界を勇気づけることができるでしょう。
    被災地こそが未来の命を守るのだ、という気概を見せつけてやりたい気持ちです。

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