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「新聞業界の部数水増し」を最新データで検証してみた

相変わらず、「新聞の部数」が怪しいです。先日、「一般社団法人日本新聞協会」が2019年10月時点の新聞部数データを公表しているのですが、公表されているデータが非常に曖昧であるという問題点もさることながら、「一般紙」「朝刊単独部数」の減少率がほかの区分と比べて小さすぎるという疑問があるのです。昨年の「桜を見る会」虚報騒動でも見られたとおり、普段、新聞業界は「疑われている側が無実の証拠を出す義務がある」と騙っていますので、新聞業界さんには「押し紙問題は存在しない」ということを、私たち国民が納得するように説明する義務があります。

新聞業界の闇

当ウェブサイトが以前からかなり高い関心を持って調べているテーマのひとつが、新聞の発行部数です。

といっても、各新聞の発行部数について、誰にでも手に入れられる、網羅的・詳細なデータというものは存在しません。

「一般社団法人日本ABC協会」という組織が新聞各紙の部数を集計しているようなのですが(いわゆる『ABC部数』)、このABC部数は誰にでも手に入れられるものではありません。これを閲覧・確認したり、分析したりするためには、ABC協会の会員になる必要があります。

したがって、当ウェブサイトではこの『ABC部数』のヒストリカルデータを使った分析を行うつもりはありません。なぜなら、当ウェブサイトの場合はあくまでも「誰にでも正当な手段で入手できるデータ」を使った分析にこだわっているからです。

世の中のブログサイトなどを閲覧していると、「過去のABC部数の推移」を公表しているケースもあるようですし、それらを使えば詳細な分析をすることもできるのですが、さすがに過去の全データをウェブサイトで公表することを、ABC協会が許諾しているとも思えません。

ただし、新聞社や広告代理店などが部分的に『ABC部数』のデータを公表しているケースはありますし、たとえば『J-CASTニュース』に昨年9月7日付けで掲載された次の記事のように、ABC部数のデータが散発的に紹介されているケースもあります。

毎日新聞はもうすぐ、日経に「追い越される」 部数が示す「朝毎読」の終焉(2019/9/7 07:00付 J-CASTニュースより)

このようなケースだと、掲載されている限りの情報を部分的に引用、紹介することは可能ですので、当ウェブサイトとしても積極的に取り上げていきたいとは思っていますが、それはあくまでも「散発的なデータ」であって「過去データを使った分析」ではありません。

なお、「過去のABC部数の推移」やそれらを用いた分析について知りたい方は、あくまでもご自身の責任において、グーグル検索で

abc部数 -site:jabc.or.jp

のように入力して調べてみても良いと思います(グーグル検索で「-site:XXXX」と入力すると、「XXXX」というサイト以外から検索する、ということが可能です)。

いずれにせよ、「各新聞の発行部数」という、最も基本的なデータですら滅多に手に入らないというのも、新聞業界がいかに閉鎖的であるかという証拠でしょう。

日本新聞協会のデータ

最新版・2019年10月時点の新聞発行部数

こうしたなか、新聞の発行部数について、「誰にでも簡単に入手できるデータ」がひとつだけあります。

それが、「一般社団法人日本新聞協会」が毎年公表している『新聞の発行部数と世帯数の推移』というデータです。

このデータは、毎年10月時点の新聞の発行部数と「種類別」(一般紙とスポーツ紙)、「発行形態別」(セット部数、朝刊単独部数、夕刊単独部数)それぞれの詳細について調べているものです(※ただし、各新聞の部数、都道府県別部数などの詳細データについてはわかりません)。

この日本新聞協会のデータ、非常にざっくりしているのですが、「とりあえず誰にでも入手できる」という意味ではいちばん簡単です。さっそくですが、日本新聞協会が発表する部数をグラフ化したものを紹介しておきましょう(図表1図表2)。

図表1 新聞の発行部数の推移(種類別)

(【出所】(一社)日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成。ただし、グラフ作成の都合上、データが存在しない1999年と2020年を、それぞれ起点、終点としている)

図表2 新聞の発行部数の推移(発行形態別)

(【出所】(一社)日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成。ただし、グラフ作成の都合上、データが存在しない1999年と2020年を、それぞれ起点、終点としている)

要するに、2000年以降の約20年分のデータで見ると、新聞発行部数は右肩下がりで推移している、ということがわかるでしょう。

形態、種類によっては50%以上の減少率も!

もっとも、グラフだけだと少しわかり辛いので、データが存在する2000年と2019年の2つのデータを実数で比較した図表も作成しておきましょう(図表3図表4)。

図表3 新聞の部数の増減(種類別、2000年対2019年)
区分 部数の推移 部数の減少幅・減少率
合計部数 5371万部→3780万部 1591万部(29.62%)の減少
うち、一般紙 4740万部→3487万部 1253万部(26.44%)の減少
うち、スポーツ紙 631万部→293万部 337万部(53.49%)の減少

(【出所】(一社)日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

図表4 新聞の部数の増減(発行形態別、2000年対2019年)
区分 部数の推移 部数の減少幅・減少率
合計部数 5371万部→3780万部 1591万部(29.62%)の減少
セット部数 1819万部→842万部 977万部(53.70%)の減少
朝刊単独部数 3370万部→2854万部 516万部(15.30%)の減少
夕刊単独部数 182万部→84万部 98万部(54.08%)の減少

(【出所】(一社)日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

朝刊単独部数の減少、少なすぎませんか?

図表1~図表4を眺めてみてわかることは、次のとおりです。

  • 新聞の合計部数は2019年において2000年と比べて29.62%弱減少した。また、この20年間で2004年を除けば毎年減少し続けており、2008年頃から減少ペースが加速している
  • 種類別にみると、2000年と比べ、2019年においてスポーツ紙は53.49%減少しているが、一般紙の減少は26.44%に留まっている
  • 発行形態別にみると、2000年と比べ、2019年においてセット部数は53.70%、夕刊単独部数は54.08%減少しているが、朝刊単独部数の減少は15.30%に留まっている

なるほど。

要するに、この20年で新聞の部数は3割弱減少している、ということですね。

ただ、内容を詳細に眺めていくと、種類別にみればスポーツ紙がこの20年で半分以下に激減しており、また、発行形態別にみても、朝夕刊のセット部数、夕刊単独部数がともに半分以下に激減していることが確認できますが、なぜか朝刊単独部数の減少は15%ていどに留まっているのです。

このことをもう少し露骨に示したのが、次の図表5です。

図表5 新聞の発行部数の前年比増減率

(【出所】(一社)日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

これは、データが存在する2000年以降の新聞の発行部数について、種類別(一般紙/スポーツ紙)、発行形態別(セット部数/朝刊単独部数/夕刊単独部数)の前年比増減率を求めてみたものです。

これでみると、種類別でいう「一般紙」、発行形態別でいう「朝刊単独部数」の減少率が、ほかのカテゴリーと比べてあまりにも低いことが確認できます。

つまり、

  • 一般紙の部数減少率はスポーツ紙の部数減少率よりも遥かに小さい(=スポーツ紙の部数減少率は一般紙の部数減少率よりも遥かに大きい)
  • 朝刊単独部数の減少率はセット部数や夕刊単独部数の減少率よりも遥かに小さい(=セット部数や夕刊単独部数の減少率は朝刊単独部数の減少率よりも遥かに大きい)

ということです。

信頼して良いのですか?

押し紙疑惑、不正販売疑惑…

もちろん、上記はあくまでもデータのうえでは

  • 一般紙の部数減少率がスポーツ紙の部数減少率と比べて小さすぎる
  • 朝刊単独部数の減少率がセット部数や夕刊単独部数の減少率と比べて小さすぎる

ということが確認できるだけです。

しかし、正直に申し上げると、(一社)日本新聞協会のデータについては、

  • 一般紙の部数を実態より過大に公表している
  • 朝刊単独部数を実態より過大に公表している

のではないか、という疑念を抱かざるを得ません。

こうしたなか、おもにインターネット上では、「『押し紙』(実際に読者の手元に配られていない新聞)の部数が、各社が公表している新聞部数の3割以上を占めているのではないか」、などと指摘する人が増えて来ましたし、新聞の部数や販売方法を巡る不正についてもときどき目にします。

その典型的な事例が、『ニコニコニュース』に配信された、『弁護士ドットコム』の次の記事でしょう。

産経につづき毎日も「読者の違法勧誘」、「押し紙」だけじゃない新聞のモラル問題(2020/01/02 10:01付 ニコニコニュースより)

あくまでも『弁護士ドットコム』の記事を紹介すると、次のとおりです。

  • 産経新聞が数年単位の長期契約に対し、近畿圏内で過去10年間に上限を超える景品を出していたなどとして、昨年3月、大阪府消費者保護条例に基づき大阪府による産経新聞社と大阪府内の2つの系列販売店に「違法勧誘」を巡る立ち入り検査が実施され、再発防止措置命令が出された
  • しかし、2019年12月、今度は大阪府内の毎日新聞販売店にも同じルールの違反などがあったとして措置命令が出された。問題の販売店は3月に措置命令が出た産経販売店と直線距離で2.7kmほとと近くにあった
  • さらに、この毎日販売店では、読者によっては新聞そのものを値引き販売していたが、こうした行為は独禁法に定める新聞業特殊指定に違反するおそれもある

…。

事件の詳細についてはリンク先の記事で確認していただきたいのですが、これが事実だとしたら、新聞業界において、部数を維持しようとするために、ルールを無視した販売合戦が横行しているという証拠であるように思えてなりません。

そして、『弁護士ドットコム』は「大阪府が新聞経営上の要所として激しい読者獲得競争が繰り広げられている」などと指摘しているのですが、同様の事例が大阪府だけでなく全国各所で発生していないとは言い切れません。

あくまでも「仮に」、ですが…

『弁護士ドットコム』は「新聞社の不正問題にくわしい江上武幸弁護士(福岡)」の次の発言を紹介しています。

『押し紙』の問題と並んで新聞社のモラル崩壊のひどさには驚きを通り越してあきれ果てています。新聞社の経営陣や記者の人たちにも自浄作用を発揮するよう猛省を求めます

この報道が事実だったという前提は付きますが、「新聞社のモラル崩壊が酷い」ということであれば、なかには部数を過大に報告している新聞社がいても不思議ではありません。

というよりも、新聞業界が部数の透明性や適性性を確保していないため、私たち一般国民としては、「新聞の部数はかなり過大に発表されているのではないか」という疑問を抱くのは、むしろ当然のことではないでしょうか。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、あくまでも「仮に」、という議論ですが、先ほどの図表5で示した部数の減少率を用いて、「『朝刊単独部数』の減少率が『セット部数』の減少率と同じだったと仮定したときの一般紙の発行部数の推移」を書き直したら、いったいどうなるでしょうか(図表6)。

図表6 一般紙の発行部数に関する減少率のシミュレーション

(【出所】著者作成)

図表6では、2000年の一般紙の発行部数を起点に、図表5に示した「セット部数の減少率」を当てはめて、「一般紙の部数がセット部数とまったく同じ動きをしていた」と仮定した数値であり、図表中の「(A)-(B)」は、試算してはじき出した部数と「公称部数」との差異です。

図表7 新聞の部数の増減(一般紙、2000年対2019年)
区分 部数の推移 部数の減少幅・減少率
一般紙の公称部数(X) 4740万部→3487万部 1253万部(26.44%)の減少
一般紙の試算部数(Y) 4740万部→2195万部 2545万部(53.70%)の減少
(X)-(Y) 1292万部

(【出所】著者作成)

基本的な指標でウソをつく業界は滅びる

つまり、仮に一般紙の部数の落ち込みがセット部数と同じだったと仮定すれば、現在の一般紙の部数は2000年と比べて1253万部減少の3487万部ではなく、2545万部減少の2195万部に過ぎない、という計算です。

ということは、現在の一般紙の発行部数は1292万部という過大計上であり、これは3487万部という公称発行部数のおよそ37%に相当しますが、「新聞の3割前後は押し紙である」という告発とも整合していると言わざるを得ません。

もちろん、図表6、図表7は、あくまでも「仮に、一般紙の発行部数の減少率がセット部数の減少率と同じだったら」という前提を置いて試算したデータに過ぎず、この前提が正しいという保証はありません。

ただ、2000年と比べてセット部数が50%以上減少しているのに、一般紙は26%しか減っておらず、朝刊単独部数に至っては15%しか減っていない、といわれても、説得力に欠けます。

あくまでも当ウェブサイトとしての所見ですが、スポーツ紙や夕刊単独部数、セット部数については、もともと全体に占めるシェアが低いために、比較的正確な数値を報告している一方、朝刊単独部数については「押し紙」などによって部数の水増しが続いている、と考えた方が自然ではないでしょうか。

こうしたなか、新聞業界さんは、昨年も「桜を見る会」などの虚報で大騒ぎなさっていました。

自分たちが他人の疑惑を追及するときには「疑われた側が潔白である証拠を示せ」と大騒ぎするわけですから、部数でウソをついていないという自信があるのならば、いますぐ「この部数は正しい」という証拠を、私たち一般国民が納得できるように提示する責任があるのではないでしょうか。

新聞・テレビの隠蔽体質

さて、「人々からどのくらい支持されているのか」という指標がわかり辛いという意味では、新聞業界と事情がそっくりなのが地上波テレビ業界です。というのも、昨年末の『低俗な地上波テレビ番組と高レベルなユーチューブ動画』でも少しだけ触れましたが、「視聴率」という代物が、きわめて怪しいのです。

日テレ広告ガイド』というウェブサイトによれば、テレビ放送の視聴率の調査はビデオリサーチという会社が独占していて、関東地区、関西地区、名古屋地区、北部九州地区、その他の地区によって調査方法が異なっており、

  • 「ピープルメータ(PM)という機械を使って世帯/個人のリアルタイム/タイムシフトの視聴率を同時に調査する」(関東・関西・名古屋地区)
  • 「PMでリアルタイムの個人と世帯の視聴率を同時に調査する」(北部九州地区)
  • 「オンラインメータという機会を使って世帯視聴率を調査し、日記式アンケートで個人視聴率を調査する」(上記以外の地区)

という区分だそうです。

しかも、調査自体も「視聴開始時と視聴終了時に視聴者がボタン入力する」などのきわめてアナログ的な手法で計測されていて、あくまでも限られたサンプル調査に過ぎず、正直、視聴率自体を信頼して良いのかどうかという疑問は残るでしょう。

そういえば、いつも示しているとおり、わが国の全国紙、全国ネット局は、民放5局が同一資本であるなど、非常に限られた集団によって独占されています(図表8)。

図表8 「日本マスコミ村」の8つの企業集団による情報独占
グループ テレビ局 新聞・通信社
読売グループ 日本テレビ(東)、よみうりテレビ(阪)、中京テレビ(名) 読売新聞社
朝日グループ テレビ朝日(東)、朝日放送(阪)、名古屋テレビ(名) 朝日新聞社
フジサンケイグループ フジテレビ(東)、関西テレビ(阪)、東海テレビ(名) 産経新聞社
毎日グループ TBS(東)、毎日放送(阪)、CBC(名) 毎日新聞社
日経グループ テレビ東京(東)、テレビ大阪(阪)、テレビ愛知(名) 日本経済新聞社
NHKグループ NHK
共同通信社 (※全国の地方紙などに記事を配信)
時事通信社

(【出所】著者作成。なお、グループ名は便宜上、著者が名づけたもの)

NHK、共同通信、時事通信を除くと、残り5つのグループはいずれも全国紙と全国ネット局を同一資本が支配しています。だからこそ、新聞社は部数をごまかし、テレビ局は視聴率をごまかそうとするのかもしれませんね。

新宿会計士:

View Comments (21)

  • 20100115 民主党政権
    新聞・テレビの猛反発は必至…原口総務相「クロスオーナーシップ=新聞社の放送支配禁止」表明
    「言論が一色になることはジャーナリズムの世界ではあってはならない」

  • 部数ごまかしで一番影響を受けるのは、たぶんチラシを入れる小売店等だろう。部数をごまかせてもチラシによる影響をごまかすことはできない。チラシを新聞配達に入れる経費とそれによる売り上げ増による増収はふつうのお店ならチェックはしていると思う。費用以上の効果がなければチラシを入れなくなる。何部配達してますとウソをついてもチラシを入れる小売店等はごまかせないよ。

    • 非国民様
      最近は、各スーパーのホームページでチラシのチェックも出来ます。🐧
      私が、鯨の特売をチェックしている位だから、世の中の奥さん方もチェックしているでしょう。🐧
      もう、新聞のチラシなんかほとんど必要ありません。🐧
      新聞・テレビは、これから更に廃れるでしょう。🐧

      • 普段は東京にいて、休暇に地方に行きます。そこでは地方紙をとっていますが、チラシはなるほど少なくなりました。正月の新聞は薄くなり、チラシもずいぶん減りました。地方紙の存在意義は亡くなられた方が近くにいないかチェックするぐらいになりました。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     もしかしたらですが、日本マスゴミ村では、村の『和』を守ることが最
    優先で、「それを乱す事実には価値がない」のかもしれません。だから新
    聞の部数は新聞社正社員の給与に影響なければ、どうでもよいのかもしれ
    ません。また、「新聞には日本に発行部数以上の影響力がある」と、言い
    出すかもしれません。
     確かに、こんなことを続けていれば『報道業界』としては滅ぶかもしれ
    ませんが、彼らにしてみれば、自身の定年(または自身の寿命)まで逃げ
    切れるかどうかが、重要なのでしょう。

     駄文にて失礼しました。

  • 図表4の数字を見て思ったのですが、一般紙の朝刊単独部数の減少が緩やかなのはセット部数の減数分のうち約半数が朝刊単独の購読者に留まったからではないのでしょうか?

    もちろん広告収入対策としての押し紙は存在するのでしょうが、プロ野球離れで求心力の小さくなったスポーツ紙の減部率とは一括りにはできないと思います。

    *一般紙の朝刊部数は折り込みチラシの存在によって維持されてる側面も大きいんですよね。きっと。

    • 駅プラットフォームにおけるスポーツ紙の販売数はスポーツ紙売り上げ全体にどれくらい重要な比率なのか当方は興味があります。かつで通勤電車内における「娯楽時間」の過ごし方のひとつとして、一般新聞紙のみならず、少年もしくは青年漫画誌、文芸月刊誌、一般時事雑誌、そしてスポーツ紙は大きなウェイトを現実に占めていました。文字に飢えていた時代に、することがほかにない退屈をうまくマーケットにできていました。スポーツ紙は過激でキャッチーな大見出しを競い合ったもの。今もその伝統は脈々と続いています。その購買マーケット、すなわち通勤電車娯楽時間はほとんどすべては今やスマホに取って代われている。売り上げはまるごと携帯電話業界に吸い取られているはず。すると新聞社経営に唯一残された安定マーケットとは朝夕自宅自宅という簡単には置き換え不能な「伝統的仕掛け」だけです。そして人口は減少して行く。新聞紙面が誇る情報整理技術に基づく見通しのよさも、紙面という限定面積の取り合いである以上、読んで欲しい記事に重点的に文字数や文字の大きさを割り当てるという「情報販売戦略」の「物理世界投射」過ぎない。それに物足りさなを感じる人口はますます増えていく一方なのではないでしょうか。おそらくNHKも新聞も、老齢人口がどちらにもまるで興味を示さなくなるほどにオトナになった段階で存在意義と存続可能性を問われるのでしょう。

      • ちらっとネット情報をさらっただけなのですが、意外にもスポーツ紙の宅配割合は60~70%をキープしてるみたいですね。

        現在の即売部数に占める駅の割合は25%程度のようです。
        店頭での即売部数については週末需要(競輪競馬?)が大きい印象です。

        私は、「紙媒体は受動的な部分こそが持ち味」だと思っています。社会・政治・経済・文化・スポーツ・・。多様な考え方、多様な事象が求める情報のついで読みできるところに機能としての存在意義を感じます。

        もちろん、ついで読みしたいだけの魅力的な記事である必要かあるんですけどね。

        スマホで求める検索情報ばかり見ていると、偏った思考しかできない人間になってしまわないかと心配にることがあるんですよね。
        *****

        紙媒体のメディアは、近づく損益分岐点が社会的な存在意義を決めてくれるのではないのでしょうか?
        残る存続期間が10年なのか20年なのか(消滅する前提?)を決めるのは「社是の在り方次第」なのだと思います。

        過激でキャッチーな見出しはその通りですね。ある時スポニチとディリーが全く同じ見出し同じ写真同じ構成で思わず笑ってしまったことがあります。(紙名の多様化は求めてません・・。よくあるんでしょうか?

  • >「誰にでも正当な手段で入手できるデータ」を使った分析にこだわっている

    とても重要で、本来当然であるべきで、貴ウェブサイトを閲覧する最大の理由です。
    既存メディアで軽んじられている部分だと思います。彼らはゆがんだ主張・結論が先にあって後付け理論を組み立てるので曲解や切り抜きなどでああなるのでしょうが。

    BLOGOSの望月イソコ記者の記事は新年早々笑わせてもらいましたよ。いまだに安倍外交は失敗だートウモロコシ買わされたー失敗作で不要のF-35買わされたーと苦笑しか出ない結論ありきの内容を並べていました。素人でも全部反論できてしまう主観の質の低さ。
    TVの新年番組などよりよっぽど笑えるのでご覧になるのも一興かと思います。時間は無駄ですが。

    オールドメディアはここを見習ってほしいものです。

  • 祖父以来の惰性で、朝日新聞の朝夕刊をセットで配達してもらっています。
    契約は1セットですから、普通、配達は1部が投函されます。ところが、このところ夕刊2部が郵便受けに入っていることがあります。先月、12月に3,4回。今年にはいり昨日から夕刊の配達が再開されましたが、昨日も2部の朝日新聞夕刊が投函されていました。
    2部が重なっているのではなく、1部+1部の形で2回投函された形で郵便受けに入っています。

    これまでは、配達担当者が変わってのうっかりミスかと考えていました。本日の評論記事を拝読して、巧妙な押し紙対策かもしれないという解釈が頭に浮かんできました。もちろん、単に1個人が数回経験したことなので、何とも言えません。他にも、このような「複数投函」を経験した方がいらっしゃればと考えてコメントします。

    現在は、配達担当者がうっかりさんだろうと推測しています(念のため)

  • まずは日刊新聞紙法の改正し
    自由に新聞社の株を売買できる
    ようにする

    規制という既得権益に守られて
    いる奴等は、自分さえ良ければ
    いいので、ひたすら誤魔化しと
    嘘つくことに全力をあげる

    まるで反日という自分勝手な
    既得権益妄想に取りつかれた
    半島の奴等のように

    でもズブズブの関係の政治家には
    法律を変えるのは出来ないでしょう
    歯がゆいけど、このまま徐々に
    消滅していくのを待ちますか

  • 更新ありがとうございます。

    【一般紙が実売2195万部、53%の減少。】無責任な言い方ですが、イイとこ突いている数字と思います。スポーツ紙は公称でさえ今や293万部、50%以上の減少、通勤電車で読んでる人は皆無に近い(笑)。

    野球や競馬の(しかもオールド)ファンでも、読む人は少ないと思う。私も20年以上買った事ナシ。近々廃刊が出てもおかしくないです。

    実売数が二千万部以上減っているなら、最終的に一番困るのは販売店だろう、と言うご意見もあるようですが、確かにその通りですが、簡単には行かない仕組みがあります。この際、ネットチラシ(s×of×o等除く)は考えずにおきます。

    それは、折り込み広告業者に、A社が5万部、このエリアに配布したいと依頼すれば、以前なら購読率の高い3社、例えば地元紙、読売、朝日で80%以上の世帯をカバー出来たとします。5万部も使い切れた。

    今は部数が減った為、その3社プラス毎日、産経にも入れれば良い訳です。或いは配布エリアを拡大し、同グループ販売店を多数使うとか。そうしないと新聞が余ってしまいますからね(笑)。

    朝刊単独だけ販売部数が減らないというのは、操作していると思う。つまり、都市部では朝夕セットが基本、朝刊単独は大手新聞社の編集・印刷工場の遠い地方部や、1県の地方紙でも郡部です。

    人口減の激しい郡部ほど新聞需要も減るし、都市部は従来セットだったのをこの際朝刊だけにする、と言う動きもあるでしょう。

    朝刊単独だけ減りが少ないのは、押し紙、ホテルの無料(無理矢理)配布、ホームセンター等の包装用が疑われますね。しかし、それでも朝刊の公表数の方が多い分は、ズバリ水増し報告と思います。営業に突かれますからねー(笑)。

    • 追伸

      そういえば、仲間うちの年末の忘年会で、噂話程度ですが、「毎日新聞は絶対、公明党を非難する記事は書かない。書けない。書いても他紙の後追いだ。理由は毎日新聞は聖教新聞を印刷させて貰っているからだ」と言う友人が居ました。

      確証は無いですが、本当なら大きな収入源だし、まさか販売部数にも入れている事はないでしょうね(爆笑)。

  • 朝刊のみ販売は、もともと企業やホテルなどの大口顧客に対する販売形体ですから、家庭の購買形体であるセット販売よりも落ち込みが少ないのは納得できます。
    家庭購買がどんどん減少していると考えられます。
    スーパーなどのチラシを入れ込むのはこちらが主ですので、押し紙や部数水増しの強い動機になるのでしょう。

  • 現代社会で情報は衣食住に次ぐぐらいの価値があります。
    しかし、新聞にそこまで価値があるかと言えばないでしょうから、消費税増税で余分な出費を減らそうと考えたら、惰性で新聞を継続していた世帯は止める可能性が結構あると思います。そういった意味で、2020年の部数がどうなるのか、興味津々です。

    余談として、似たような話としてテレビがありますが、本来ならテレビは一時的な出費でしかないので、邪魔にさえならなければ一家に一台程度は置いても構わない値段だろうと思います。たまにしか見なくても、大画面が欲しいときはあるので、家電としてのテレビは高確率で存続すると思ってます。

    もしも今後TV普及率が低下するとしたら、それはNHKのせいじゃないかと思うわけです。テレビが置いてあるだけで定期的に変な人が来ると思ったら、置きたくなくなりますよね。
    民放各社はNHKを放っておくとTVいらないと言い出す世帯が増えるので、民営化に賛成した方がいいんじゃないでしょうか。

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