昨日は韓国に対する「ホワイト国除外」のパブコメが締め切られましたが、こうしたなか、数日前から日韓関係の悪化を見透かすように、中国、ロシア、北朝鮮による軍事的暴挙が相次いでいます。ひと昔前であれば、韓国は日本の「友好国」として、韓国が困っているときには「助け舟」が出ていました。しかし、韓国は日本との信頼関係を打ち壊す暴挙を続けており、日本政府がこうした「助け舟」を出すことについては、おそらく日本国民の理解は得られないでしょう。
北朝鮮の瀬戸際外交、再び?
本日も朝鮮半島関連の報道が多数出ていて、捌くのに必死ですが、このうちWTO関連については、先ほどの『現代版「ハーグ密使事件」?WTO直訴事件の当然の顛末』のなかで触れました。
こうしたなか、もう1つ出て来たのが、安全保障体制に対する懸念です。
複数のメディアの報道によれば、韓国軍は今朝、北朝鮮が元山(げんさん)付近から日本海に向け計2発の飛翔体を発射したと発表。また、次の共同通信の記事は、日本政府関係者はこれが「短距離弾道ミサイル」であると確認したと報じています。
北朝鮮、弾道ミサイル2発を発射/日本海に向け、430キロ飛行(2019/7/25 10:39付 共同通信より)
これが事実だとしたら、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは5月9日以来のことです。
これについてはおそらく、北朝鮮特有の瀬戸際外交、つまり「ミサイル発射をしないと約束しておきながら、それをわざと少しだけ破ることで米国の気を引く」というサラミスライス戦術の1つでしょう。そして、米国側も中・長距離ミサイルではない限り、静観するのではないでしょうか。
韓国の半導体産業、大丈夫ですか?
ただ、この記事を見て真っ先に思ったのは、韓国の半導体産業です。
韓国にとって半導体産業とは、ベネズエラにとっての原油産業のように、「国の根幹をなす屋台骨」のようなものです。ところが、半導体の主力生産拠点が、どうも北朝鮮の多連装ロケット砲の射程に入ってしまっているようなのです。
以前も紹介したとおり、韓国観察者・鈴置高史氏が執筆したデイリー新潮の7月23日付『輸出規制に文在寅は打つ手なし、日本を非難するほど半導体は「韓国離れ」の皮肉』には、非常に気になる情報が掲載されています。
同記事の4ページ目によれば、最近、北朝鮮が配備した8連装の300ミリロケット砲の射程が200キロを超えるとされる一方、サムスンの平沢工場、SKハイニックスの清州工場が、いずれも北朝鮮との軍事境界線から200キロの範囲にある、と指摘されています。
北朝鮮からの短距離ミサイル発射という報道が出てくれば、韓国からの半導体供給に対する不信感につながっていく可能性もあります。
この点、現時点において、韓国の通貨・ウォンは対米ドルで1180ウォン前後と小康状態にあり、韓国の株価指数(KOSPI)も前日比下落しているものの「暴落」という水準にはなく、市場は落ち着いているように見受けられます。
しかし、半導体産業関係者にとっては、韓国が政府・メディアを挙げて日本からの「輸出規制・報復」(※)について大騒ぎしている時点で、韓国を半導体の供給先としていることに不安を感じているのではないでしょうか。
(※くどいようですが、経産省が7月1日に打ち出した措置は、「報復」でも「経済制裁」でもありません。単なる輸出管理運用体制の見直しです。)
そして、なにも北朝鮮としては、韓国を「赤化統一」するためには、なにも直接、南侵する必要などありません。「米国がいざという時に韓国を守ってくれないかもしれない」という疑念を、全世界と韓国国民自身に植え付ければ、それだけで良いのです。
韓国社会が弱体化すれば、それだけ赤化統一のチャンスは増えるのです。
「居直り韓国」がロシアを「居直り」と批判
さて、安全保障という点では、今月23日、ロシアの軍用機が竹島の日本領空を侵犯するという事件が発生しましたが、これについて興味深い報道が出て来ました。
「韓国が威嚇飛行」…居直ったロシア(2019-07-25 08:40付 ハンギョレ新聞日本語版より)
『ハンギョレ新聞』(日本語版)によると、ロシア政府は23日に発生した軍用機の「韓国領空侵犯(※)」について公式に否定したうえで、「韓国軍の対応措置がむしろロシア軍用機の安全を脅かした」と反論したのだとか。
(※竹島は日本領なので、正しくは「日本の領空侵犯」)
いわば、ロシア側からの「逆ギレ」のようなものですが、ネタとしてはそれなりに面白い話です。
この記事を見て真っ先に思い出したのは、昨年12月20日、韓国海軍駆逐艦が日本の海自P1哨戒機に対し、火器管制レーダーを照射した事件で、韓国政府側が大々的に、「むしろ日本が低空威嚇飛行をしてきた」と「逆ギレ」してきたことです。
実際、これがロシアによる「居直り」なのか、韓国が本当にロシアに脅威を与えたのかは議論しません。
それよりも重要なことは、もし昨年のレーダー照射事件が発生していなければ、もしかしたら日本政府が韓国政府の味方になってくれていたかもしれないのに、韓国自身が自分でその可能性を潰した、という事実でしょう。
おそらく、ロシア・韓国両政府間で今後、この問題が外交トラブルになったとしても、日本政府は絶対に助け舟を出さないはずです(というか、助け舟を出したら私自身も日本国民の1人として激怒します)。
その意味では、韓国のウソツキ体質はロシアや中国に付け込まれるという意味で、「天に吐いた唾」のようなものだと考えても良いのかもしれません。
やっぱり日本に擦り寄ってくる!
ただ、韓国側からは、「日米韓の安保協力が重要だ」、とする、まことに手前勝手な社説が出て来ています。掲載されているのは韓国メディア『中央日報』(日本語版)です。
【社説】強制徴用紛争でも韓日米の安保協力は揺さぶられてはいけない(2019年07月25日08時20分付 中央日報日本語版より)
この社説、いろいろツッコミどころが多すぎて困るのですが、順を追って紹介しましょう。
中央日報は中露両国軍機による韓国防空識別圏侵入と、ロシア機の「領空侵犯」について、「ジョン・ボルトン米大統領補佐官の訪韓当日に挑発が行われた」ことが、「強制徴用判決で深刻なひびが入った韓日の隙をさらに広げるための作戦ではないのか」と述べています。
この点、ロシアの意図は定かではありませんが、日韓関係が悪化している間隙を突いている可能性は十分にあるといえるでしょう。
ただ、中央日報は「北朝鮮、中国、ロシアなどの動きが警戒される」としておきながら、
「反面、これに対抗して強く結束するべき韓日米3角安保協力は強制徴用葛藤などでひびが入る音が聞こえる。北朝鮮の脅威が高まり、軍事的協力の水位を高めてもまだ不安な時だ。それなのに、やっと締結した韓日間軍事情報包括保護協定(GSOMIA)まで破ろうという声が青瓦台(チョンワデ、大統領府)に続き与党からも出ているという。嘆かわしい状況だ。」
と述べます。
くどいようですが、レーダー照射事件や自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題や上皇陛下侮辱事件などで、日本からの信頼を破壊したのは韓国の側です。自分で日韓関係の信頼の基盤を破壊しておきながら、「日米韓3ヵ国協力体制にヒビが入っている」とは、あまりにも身勝手な言い分でしょう。
これについて中央日報は
「これまでは韓日間でいくら騒々しく歴史問題が扱われても経済交流が打撃を受けたことはなかった」
と指摘するのですが、日韓間で歴史問題が騒がれても経済交流が打撃を受けてこなかったのは、日本が「大人の対応」に終始していたからです。しかし、7月18日、韓国が日韓請求権協定に定めた仲裁手続に応じる義務を履行しなかったことで、こうした日韓関係は終わりを告げました。
中央日報はこうした自国の不法行為の一切合財を棚に上げたうえで、
「韓日間の安保協力だけでなく、国民を守る最後の砦である韓米同盟まで弱まっている。いくら隣国との葛藤が激しくなっても生存と安保の土台まで崩すようなことだけは阻止しなくてはならない。」
とのたまうのですが、まことに申し訳ないのですが、この下りに共感できる余地は皆無です。
むしろ日本政府に対してもっとも期待されているのは、韓国が今後、いかなるトラブルに直面しようが、日本はそうしたトラブルには絶対に巻き込まれないよう、うまく立ち位置を維持することではないでしょうか。
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身から出た錆び、因果応報。
ですね。
こちらのコメント主様がおっしゃておられたように、火遊びが大好きな韓国の皆さん。
火の始末は自分でしましょうね。できないのであれば、自国内で完全燃焼して下さい。
>韓国が今後、いかなるトラブルに直面しようが、日本はそうしたトラブルには絶対に巻き込まれないよう、うまく立ち位置を維持することではないでしょうか。
これを、おばさん語に翻訳すると、「日本は、韓国を見殺しにして、眼を背けよ。」となります。大賛成いたします。本当に私たち国民にも、そのような覚悟が必要となっております。
ノラネコへの無責任な餌付けレベルの安易な人間性で、あの国の難民を受け入れてはいけません。
ドイツのメルケル首相の安易な判断で、EU全体が瓦解しようとしていることを思い出していただきたいです。
> ノラネコへの無責任な餌付け
御意。これをやってしまう日本人の何と多いことか。
> ドイツのメルケル首相の安易な判断
こちらはですね、川口マーン恵美先生によれば、メルケル個人の判断ではなく、安易でもなく、ドイツ国民が戦後に描いた道徳性回復戦略の延長にあるものだそうです。もちろん反対派もいる中でメルケルが強引に進めた政策ではありますが。
ナチス・ドイツの悪徳を何としても払拭し、世界に冠たる道徳性を獲得したいという思いは、戦後のドイツ国民に共有されており、着々とそれを達成してきた訳です。「ドイツは歴史を反省したが、日本はしていない」という常套句は韓国人だけではなく、ドイツ人も言いますし、中国人も言います。リベラルなマスコミを通じで「世界の共通認識にすらなっています。そういう理想主義的道徳性追求のなれの果てが移民の大量受け入れというわけです。
中国式国名からして「徳国」ですからね。特定アジアとの相性がいい国だと思いますよ。なんで日本人がドイツに片思いするのか、私にはわかりません。
ネコの餌やりと比較すると、日本の道徳性追求は自己満足のため、ドイツのそれは対外アピールのための戦略です。とても適いそうにありませんね。
阿野煮鱒様へ
これだけは言わせてください。
ドイツも日本と同じなのです。
ドイツも戦後、『非ナチ化』という名の公職追放を受けました。
ドイツの要職から、すべてのドイツ人が排除され、表向きドイツ人を名乗る『なんちゃってドイツ人』が、ドイツ人でございますという顔をして戦後のドイツを操ってきております。
ドイツの知識人らしき者たちが、リベラルの原理原則に突っ走るように見えるのは、ここが原因でしょう。
この『なんちゃってドイツ人』を追跡して、戦後に東欧諸国からドイツに引き揚げて来た『ドイツ帰還兵士』を遡ると、ポーランド、ギリシア、ルーマニア、ブルガリアといった国々が浮上してきます。
何故、これらの国々が現在のドイツに対して、第二次世界大戦の謝罪と賠償を求めて来ているのかの理由が伝わって来ますよね…
>>日本は、韓国を見殺しにして、眼を背けよ。
「日本は、韓国を見殺しにして」までは、同意しますが、
目を背けては、国民が愚かな選択をした国の末路を、
世界の歴史として、記憶に刻むことは出来ません。
直視した上で、国益最優先で行動するべきでしょう。
心配性のおばさん様
「日本は見殺しにして目をそむけよ」ですか?🐧
なんとか「日本は朝鮮を見殺しにして、酒肴となし宴会を始めよ」にならないですか?🐧
なんとか、なんとか、お願い致します。🐧
>>酒肴となし宴会を始めよ
私よりひどいww
> ジョン・ボルトン米大統領補佐官の訪韓当日に挑発が行われた
私にはロシアの動きが唐突に感じましたが、言われてみれば狙い澄ましたタイミングですね。中国と共同訓練というのも凄いメッセージです。やっぱりロシアのセンスは凄いと思いました。私のボンクラ具合も再認識しました。
軍を外交の手駒として使える国は羨ましいです。
阿野煮鱒様 ストーカーみたいですね(笑)。
>やっぱりロシアのセンスは凄いと思いました。
やはり、ロシアは腐っても鯛(笑)。軍をもっているから、というのではなく。その軍を完璧に制御しているからです。そういう意味では、今回行動を共にしているとはいえ、中国はとても、その域ではありません。
半島国家は問題外ですね。日本はそれを他山の石として、せめて、せめて、イギリスレベルにはなりたいですね。
まずは、9条か・・。国会発議が先ですが、今回話題となったパブリックコメントを使って、国民意識を高め、同時に意欲を確認するというのはいかがですかしら。
我々は生まれつきオモロイ。
文大統領とその国民の皆様にもこのまま才能を発揮し続けてもらいたいものです。
なんの意図があったにせよ、ロシアは相変わらずすごいですよね。
すごいには色々な思いを込めてますけど。
羨ましくはないです。
やはり練度、士気、行動も頼もしい我が国自衛隊が誇らしいです。
ボルトン補佐官の韓国訪問の目的は,分担金の増額と
ホルムズ海峡へ増派要請。日韓問題は以前と一緒
特に関与せず。
新検事総長の任命。文大統領はやめた後の刑事訴追を
逃れるための布石か。
打ち上げ花火。下(ソウル)から見るか、横(日本)から見るか?
まあ430kmだと韓国向け製品ですなあ。
北朝鮮ブタ野郎はゆめみる韓国ムンジェインの夢を見ない
南が何を思おうと、北は我が道を行く、ですかね?
>「韓日間の安保協力だけでなく、国民を守る最後の砦である韓米同盟まで弱まっている。いくら隣国との葛藤が激しくなっても生存と安保の土台まで崩すようなことだけは阻止しなくてはならない。」
今さら、こんな泣き言を言っている場合か?
日本から見れば、「知ったことか!」の一言でお終いです。
残念ですが、これ以上に温かい言葉が見当たりません。
SouthKoreaが、日本の友好国だって?
おととい来るように📆
ボルトンさんは当然仲介などしませんでしたが、それどころか、最初に野党のナ・ギョンウォン院内代表とあったとか。
カイカイより
http://blog.livedoor.jp/kaikaihanno/archives/55623464.html
理系初老様へ
そうですか…
ボルトンはファン・ギョアンとは会わず、ナ・ギョンウォンと会いましたか…
アメリカが本気でファン・ギョアンの名声を高めたいのならば、彼を会談相手として有無も言わさず指名していたでしょう。
ファン・ギョアンの外交能力は非常に高いのですから、ボルトンがファン・ギョアンを避ける理由がない。
にも関わらず、ナ・ギョンウォンでお茶を濁してきた。
ということは、アメリカはファン・ギョアンを切り、自由韓国党を切り、韓国保守派を切った、ということを意味すると自分は考えます。
アメリカも次に保守政権が返り咲くことはなく、保守政権の命脈は尽きたことを悟っていると愚考します。
北の金さんが打ち上げた2本目の花火について、現防衛大臣が”国連決議違反の可能性がある”と言いましたが、菅官房長官は”詳細を調査中”とのコメント。
岩屋の最後っ屁?なのでしょうか。。。
自衛隊の現場からは官邸&防衛大臣に同じ報告が上がったと思いますが、官邸と打ち合わせなくKY発言をボンクラ(失礼)が発表した気がいたします。
24日午後から安倍総理は山梨で夏休みとの事ですが、内閣改造人事の真っ最中だと思います。
早々にボンクラを排除しないと大変なことになると心配しています。
そもそもイスカンダルのコピーを弾道ミサイルとして認めないような米国のオオボケがあっての混乱ですから、まあ岩屋大臣だけを責めるのは気の毒ですけどね。
レス、有難うございます。
>そもそもイスカンダルのコピーを弾道ミサイルとして認めないような米国の
ですが、米国が今北を取り込もうと画策中の中、鼬の(岩屋の)最後っ屁をかましたのではと思っています。
ナポレオンの格言、ボンクラな身内が一番怖い!の典型だと思います。
更新、ありがとうございます。
北の花火は
“ロケットマン”絶賛上映中!
って所でしょうか?
エースの投入虚しく、WTOでは問題にされず。
賑やかなのは、韓国内な反日活動だけの様です。
当事者として解決能力が無いので、騒ぐだけ騒いで周りを巻き込もうとする戦術に巻き込まれ無い様にだけ注意が必要だと思うのです。