東京新聞は土曜日、国際労働機関(ILO)が「日の丸掲揚、君が代斉唱」を巡り、これに従わない教職員らに対する懲戒処分を巡って日本政府に是正を求める勧告を出す、と報じました。私学ならともかく、公立学校の教職員らに日の丸・君が代を強制するのは当たり前の話であり、仮にこの報道が事実ならば、明らかにILOの行動は自らの使命から大きく逸脱するものであり、不適切行為そのものです(もっとも、報告書の位置付け自体もよくわかりませんし、そもそも報道の正確性にも疑わしい部分があるのですが…)。
なぜ国歌、国旗が尊重できない?
週末の東京新聞に、かなり理解に苦しむ記事が掲載されていました。
「日の丸・君が代」教員らに強制 ILO、政府に是正勧告(2019年3月30日付 東京新聞より)
これは、国際労働機関(ILO)が学校現場での「日の丸掲揚、君が代斉唱」に従わない教職員らに対する懲戒処分を巡り、日本政府に対して是正を求める勧告を出す、というものです。
東京新聞はこの勧告を巡って、「法的拘束力はないものの、揚斉唱に従わない教職員らを処分する教育行政への歯止めが期待される」と述べています。
はて、学校教育の現場で日の丸掲揚、君が代斉唱に従わない教職員らを処分することに、いったい何の問題があるというのでしょうか?
公立学校においては、私たちの税金が投入されています。公務員である教職員らは、究極的には私たち日本国民の税金によって生活をしているわけですから、日本という国に対して忠誠を誓うのは当然のことであり、国歌と国旗を尊重できない者が公立学校の教職員として勤める資格はありません。
もし日の丸と君が代が不満なら、日の丸、君が代と無縁の私立学校に転職すべきでしょう。
(※もっとも、私立学校も多くの場合は私学振興助成法に基づいて国や都道府県からの補助を受け取っていますので、補助金を受け取っている私立学校は、日の丸と君が代をないがしろにする資格などありませんが…。)
ILO勧告の意味不明さ
このILO勧告の意味不明さについては、ほかにもあります。
それは、なぜ「日本に対して」、勧告を行ってきたのでか、という疑問です。
そもそも論として、東京新聞の記事に対してシンプルな疑問があるのですが、どうして米国の小学校で星条旗を掲揚していることについて言及がないのでしょうか?どうして英国でユニオンジャックが、中国で五星紅旗が、欧州連合(EU)でEU旗が掲げられていることについて、何も文句を言わないのでしょうか?
いや、その前に、「公教育の現場において教職員に国歌斉唱と国旗掲揚をしなくても良い」と定めている国が、いったいどれだけあるというのでしょうか?
もちろん、これは私自身が知らないだけであって、そのような国が実際に存在するのかもしれません。もしそうであるならば、それは非常に斬新な視点からの情報ですから、是非、ご存知の方がいれば、教えてほしいとすら思います。
しかし、一般論としていえば、あくまでも公教育の場においては、愛国心の涵養は、多かれ少なかれ、どの国でも行っているのではないかと思います(※ちなみにそれが「反日教育」という歪んだ形で行われ、行き過ぎている国が、お隣の国・韓国でしょう)。
義務は「誰に」課されているのか?
ILO勧告に関する記事を読んで感じた疑問はまだあります。
それは、この東京新聞の記事自体に、「義務は誰に課されているのか」という基本的な視点が欠落している、という点です。
先ほどの東京新聞の記事をよく読んで頂ければわかりますが、ILO(?)が問題視しているのは、あくまでも「教職員の」国歌斉唱義務と国旗掲揚義務であり、「児童・生徒の」国歌斉唱義務と国旗掲揚義務ではありません。
また、「自分は国歌斉唱をしたくない」、「国旗に敬礼したくない」と思っている生徒や保護者も世の中にはいるはずですが、国歌斉唱などに応じなかった生徒や保護者に対して何らかの懲罰が下されたという話題を聞いたことはありません(※これも私が知らないだけかもしれませんが…)。
また、国旗国歌法の規定はあくまでも「国旗は日章旗」「国歌は君が代」と定めているだけの法律であり、それを国民が尊重しなければならない、という義務を課しているものでもありません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
あくまでも私の個人的な意見ですが、日本国民であれば、しかるべき場面で国歌を斉唱すべきですし、国旗を尊重すべきです。ただ、それと同時に、日本社会は思想、信条の自由が貫徹しているため、国が個人に対してこれらを強制することはできません。あくまでも私たち日本国民の自主性に委ねられます。
しかし、繰り返しになりますが、公立学校の教職員の場合は、究極的には、私たち日本国民の税金で養われているわけですから、国歌・国旗を尊重する義務を負っているのは当然過ぎる話です(※国庫補助を受けている私立学校の場合も、同じ議論が成り立ちます)。
ILOは本来、「幅広い労働問題に取り組む国際機関」です。
しかし、日の丸、君が代といった政治問題にクビを突っ込むようであれば、それはもはや本来の使命から逸脱しているということであり、ILOそのものの存在意義が問われることにもなるでしょう。
もっとも、東京新聞の記事自体、非常にあいまいであり、記事を読んでも事実関係がいまひとつ正確に理解できません。また、同紙が報じた勧告自体、「ILOの公式声明」ではなく、いつもの「国連独立報告者勧告」などの「怪しい報告書」という可能性も、十分にありそうです。
いずれにせよ、このあたりについては、もしも取り上げる価値のある続報があれば、またフォローアップしてみたいと思います。
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コクレンナントカ委員会とか 国際ナントカ機関というのは全くロクなもんが無いね。コクレン安保理とかもロクな集まりじゃないし ユネスコとか IOCとか ナントカ人権委員会とか IWCとか(脱退したからいいけど)・・。採点表つけたら 落第が多いね。思想的偏向度も半端じゃないような気がする。日本政府が頼りにしているらしいICJだって実は怪しいもんだ。(関係ないけど裁判所と言えば極東軍事裁判所なんぞ・・・諸悪の根源だったし)
同世代の大阪府出身者は、君が代が歌えない方々が結構います。
「なんで歌えないの?」
「学校で教えでくれなかったし、歌ったことが無い。」
びっくり!
小学生の時期、左翼知事の時代だったようです。
教育の恐ろしさを実感しました。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
記事が仮に本当ならILOは「仕事らしい仕事をした」と言えるのではないでしょうか。
そもそも皆様が国連と読んでいる連合国という安全保障組織は日独の国力をそぎ、常任理事国のどこかが利益を出せるようにするシステムです。
ILOの今回の記事の勧告は日本の共通意識を下げて、
半島、最終的に中国の領土を広げる為の一歩と考えれば連合国として十分な仕事をしていると考えて問題ないのではないでしょうか。
おそらく害務省や日本在留の半島国民も同様のシステムの一部です。
以上仮説をコメントしましたが、こういったシステムを検証せずに表面的な韓国にどうこう言っても意味がないと思います。
以上です。駄文失礼しました。
私の経験談を一つ。40年以上前に九州の山間部の町にある総合制高校を卒業しましたが、学校の統制がまったくなっておらず、教員は、共産党系の民青と社会党系の分会、それ以外のノンポリと、だいたい3つに分裂。前2者が闘争に明け暮れ、校長も毎週のように要求される団交を嫌って山を下りて県教委へのもとへ行き不在となることがしょっちゅうという状態でした。3年生になってもまだ2年生の教科の授業が行われ、3年生でやるべき分の半分以上が未履修になりました。そうなったのは、私を含め勉強のあまりできない生徒がほとんどということもありましたが、教員の権利主張と闘争のための自習或いは休暇(?)等々と、教育そのものに熱心でなかったことが大きかったと思います。時には”オルグ”なる授業も受けました。同級生が防大を受験したいと相談したら、おまえは憲法違反の軍隊に入り体制側に付くのかと叱られる始末、もっともとても合格はしなかったでしょうが。もちろん日の丸、君が代には否定的でしたが、行事の際に起立しない教員がいたかどうかは覚えていません。彼らは、口で体制批判をしながらそれに連なるとみた進学就職の指導はあまり真剣にやらなかった。その一方で、自らの子息たちは揃って都市部の進学校に学ばせ、医学部に合格しただの言って教員同士で喜んだりしていました。遅まきながら、卒業前になって、こういった彼らの言動の矛盾に気づき、組合活動に熱心な教員ほど信用できないものはないと実感した次第です。
なお、後日談となりますが、こういった学校の在り方は地元で問題となり、組合活動の闘志を排除して学校を正常化しようという運動がなされたと聞いています。その母校は現在、定員割れで存続が心配される状況ですが、総合制(普通科+職業科)を維持しながら、ごく普通の学校として若者を世に送り出しています。
「ああ、国連機関ねぇ、どうせトップは欧州の世間知らずのお貴族さまで、職員は中韓人で固められているんでしょう?」などと思って調べてみたら、現在の事務局長はガイ・ライダー(Guy Ryder)という英国人でした。長年、国際自由労働組合総連盟(ICFTU)(現在は国際労働組合総連合(ITUC))で活動してきた人で、貴族は貴族でも労働貴族ですね。職員の名簿は見つけられませんでした。
https://en.wikipedia.org/wiki/Guy_Ryder
まあ、いつものように国連を利用した国内問題だと思います。自治労あたりの赤い人たちがタレ込んで、ILOが真に受けて陳情書に書いてある原稿を棒読みではないでしょうか?
ここにきて、ILO勧告って、半島国家の工作くさい。こういう姑息なことに限っては、あの人達は能力を発揮しますから。
>その前に、「公教育の現場において教職員に国歌斉唱と国旗掲揚をしなくても良い」と定めている国が、いったいどれだけあるというのでしょうか?
これを、勧告をしたというILOにお返ししませんか?(東京新聞の報道が正しければですよ)あなたのお国では、いかがですか?と。
それにつけても、日教組、なんとかなりませんかね。ああいう思想団体(思想はうすっぺらだけど)に、子供の教育を任せるなんて、オ〇ムに教育をまかせるみたいなものじゃないですか?
まぁ、先生たちは、あの団体に半ば強制加入みたいで、必ずしも、日教組の運動に共感する人ばかりじゃないみたいですが。
おかげて、私たちの世代の日本史の授業は愚にもつかない徳川幕府の歴史で潰され、激動の近代史はすっ飛ばされました。(明治維新、第一次世界大戦、第二次世界大戦は自主学習です)
でも、日教組の先生にとって、日本の近代史のどこが問題なのか、今一つ、納得できません。
日教組が教職員を強制加入させているとは考えにくい数字があります。
日教組の組織率、過去最低の22・6% 42年連続低下
https://www.sankei.com/life/news/190301/lif1903010045-n1.html
実際、私の子供が通っていた公立中学校では、日教組加入の教員はほとんどいませんでした。
徐々にではありますが、衰退している組織であることは喜ばしいと思います。
阿野煮鱒様 ごきげんよう。
>実際、私の子供が通っていた公立中学校では、日教組加入の教員はほとんどいませんでした。
グットニュースです。素敵です!あれ?じゃあ、日本共産党の活動資金はどこから?という陰謀論に入り込みそう。新元号発表の良き日に、それは控えます。
此の記事読んで、ILOが馬鹿なのか、処分を受けた教職員が病気なのか、東京新聞がゴミなのか「日本人」が判定出来れば宜しいのでは無いでしょうか。
私は、先生も親側が選べる方向に成る事が良いと思いますがね。
毎々の執筆、ありがとうございます。
>、「公教育の現場において教職員に国歌斉唱と国旗掲揚をしなくても良い」と定めている国が、いったいどれだけあるというのでしょうか?
いや、すでに新宿会計士様の御理解の通り、そんな国・地域はありません。
確かタイ王国に至っては、1日2回朝夕に公共の場所を含めてスピーカーから国歌が流れ、
その間は「その時の姿勢のまま」静止する事が義務付けられています。
(静止しないと、不敬罪で逮捕されます。)
普通、国歌や国旗はその国の方々のプライドも含まれていますので、
基本的に国歌斉唱と敬うというのは当たり前かと思います。
(余談ですが、国旗にプライドが乗っかっているがために、国家間の憎悪に対する
民衆のストレス発散・意思表示として、国旗の焼き討ち事件等があるのだと思っています。
日本では国旗を焼くというのは、あまり見ませんが。←日本では器物損壊/放火犯としても成立するかもしれないですね。)
失礼いたしました。
君が代を歌わない教師の問題ですね。
あんまり深く考えた事のなかったんですが、いい機会なんで、真面目に考えてみました。
ただ、一つ念のためにいっておきます。
私は共産党が大嫌いです。
だから、もし私の主張が、共産党や立憲民主と一緒になっても、決して私を共産党かぶれだとは思わないでください。
証拠に、共産党の悪口をちょっと言ってから始めますね。
「共産党はオウムみたいなもんだ、くたばれ!」
はい、それでは、まず、今までの私の立ち位置からはじめますと、実は私は、大昔から、教師というものが大嫌いでして、彼奴らが、君が代斉唱や日の丸掲揚、に反抗して座ってる姿を見ると「なにセンコー風情が偉そうに座ってんだ、大した思想もないくせに、カッコつけて座ってんじゃねーよ、ちゃんと仕事しろよ、大人だろボケが、上司の命令には従うのが大人だろ、ボケが、嫌ならさっさとガッコう辞めろ、教師も辞めろ、ボケ!」と思っていました。
ただ、だからといって、私も君が代を歌うのが大嫌いでした。
歌の意味はわからなかったのですが、まず強制されるのが嫌だったんで、君が代も嫌いだったのです。
そこで、ちょっと大人になって、社会人になって、変な会社で、社訓、なんてのを毎朝斉唱させられるようになって、ようやく世の中の決まり事がわかってきました。
人に強制させられるのは嫌だったのですが、それも仕事だ、お金のためだ、と諦めてました。
大人になるってのは、長いものには巻かれること、そういうことだと理解したからです。
しかし、今さらながら思うのですが、そんな会社は、結局つぶれました。
ろくなものじゃなかったわけです。
そうなんです、精神的な訓示というものは、強制させるものじゃないんですね。
社訓っていえば、電通鬼十則が有名です。
電通は、いろいろありましたが、勝ち組企業ですので、どこの企業も真似したもんです。
しかしながら、今はどうでしょう。
もう、本家の電通ですら、鬼十則を毎朝唱和させるなんてバカなことやってないようです。
国歌斉唱と社訓唱和を一緒にするな!
という怒りの声が聞こえてきます。
理屈はわかります。
しかし、私は「仕事だから公務員は国家斉唱をすべきだ」と思ってましたので、仕事にプラスにならないものを強制させるべきではないのでは?
と思っているのです。
日の丸掲揚も国歌斉唱も、国家への尊厳であって、政府への忠誠ではないはずです。
愛国心は強制されてするものではないですし、政府への忠誠を強制するのも、会社への忠誠を毎朝社訓で洗脳した会社が平成の世になって軒並み伸び悩んだのを見ると、間違いのような気がします。
今世界株式で経済を引っ張る時価総額上位企業を見てみると、①マイクロソフト、②アップル、③アマゾン、④アルファベット、⑤バークスアーハザウェイ、⑥アリババ、⑦フェイスブック、⑧テンセント・・・
忠誠心とは正反対にあるような会社ばかりです。
電通が負け組企業だとは思いませんし、ずいぶん改善もされてるようですが、もっと社風を変えなければ、いずれ負け組になるでしょう。
今の日本の大企業で、いまだに電通鬼十則みたいな事をやってる会社は、もうさすがにないでしょうが、もしあれば、きっと業績悪いでしょうね(笑)
ここで、話を国家斉唱を強制するか?に戻しますが、国家斉唱というのは自発的にやらないと、愛国心は育たないでしょうね。
強制すれば一時的にはいいでしょうが、長い目で見ればいずれその国の衰退をもたらすでしょう。
1980年代の日本の大企業がそうであったように。
ちょっと前の米NFLで起きた有名な事件があります。
NFLのサンフランシスコ・フォーティーナイナーズとグリーンベイ・パッカーズ(ウィスコンシン州グリーンベイ)の試合に際し、フォーティーナイナーズのQB、コリン・キャパニック選手(30)が、試合前に行われた国歌斉唱の際、起立することを拒否し、ずっとベンチに座ってた問題です。
この行動は反トランプ陣営の政治材料に使われたところもあるのでしょうが、大反響を引き起こしました。
同調者が続出したのです。
そして、ビックリするのは、結局、この選手はクビにはなったのですが、NFL規則として、あらたに、歌いたくない選手はベンチに座っていてもいい、という規則に落ち着いたところです。
ボストン・ペトリオッツというチームまであるNFLが、まさかこんなことになるなんて、昔なら考えられないことでしょう。
私は、アメフト(NFL)は愛国心の塊だと思っていました。
あのアメフト界が妥協するなんて、アメリカはどうなってしまったんでしょう。
いろいろ法律を調べてみたところ、なんと、ミズーリ州とかでは州法で、生徒と教師に国歌斉唱も宣誓も強制してはいけないこと、が定められていました。
さすが、アメリカだというべきでしょうね、ちゃんと変えるべき所は変革しているのです。
ここまで個人の意思を尊重する国はそうはありません。
日本も見習うべきだとは思いませんか?
しかしながら、なにかにつけて、国連安保理の北朝鮮経済制裁を持ち出しているこのブログで、国連機関をなじる言動は、ちょっと違和感を覚えますね。
共産党、立憲民主が嫌いだからといって、主張を全部正反対にすればいいというものではありません。
結論として、私は、最近は、歌いたくない人に、国家斉唱をしなくてもいいだろう、という意見に傾きつつあります。
カニ太郎さんへ
米国人は、国歌をキチンと覚えていません
米国人には、アメイジング・グレイスを
豪州人は、ワルチング・マチルダ
を国歌だと思ってる人がケッコウな割合で居ます
米国で、星条旗を歌わなくて多分大丈夫です
でも、アメイジング・グレイスに不敬を示したら
殴られるか、撃たれます
神出鬼没の鞍馬天狗様
>でも、アメイジング・グレイスに不敬を示したら、殴られるか、撃たれます
大爆笑です。涙が止まらない。どうしてくれます?
「赤いくせにカニはアカが嫌い」 メモメモ
匿名さんへ
甲殻類の、甲羅のアスタキサンチンは
タンパク質が結合した状態では青灰色です
加熱によりタンパク質分子が変性して
遊離することで赤くなります
生では、赤く有りません
「カニは隠れアカ」 メモメモ
また、国連から来ました詐欺か?
まあ、ILOも国際機関なのに、特定の国による別の特定の国への内政干渉指令か!