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韓国の「対日飽和攻撃」を完全無効化する防衛省の衝撃発表

先ほどの『「公開議論」の重要性 「威嚇飛行動画」は公表されるのか?』で予想したとおり、韓国政府・国防部が公開した「日本の哨戒機が低空威嚇飛行した証拠」は、やはり「証拠にならない代物」でした。ただ、こんな低レベルな写真であっても、公表された以上は、「日本の哨戒機が低空威嚇飛行したこと」が「事実」として全世界に喧伝されないようにするために、日本としても何らかの対抗措置を取らねばなりません。ところが、韓国政府の低レベルな写真の公表のタイミングに合わせて、日本の防衛省はとんでもない衝撃的な写真を公表しました。「相手の土俵に乗らない」。これこそ韓国に対する正しい対処法です。

証拠にならない「証拠」写真

韓国政府・国防部が「日本の哨戒機が低空威嚇飛行した証拠」とやらを公表したそうです。

ただ、先ほどの『「公開議論」の重要性 「威嚇飛行動画」は公表されるのか?』で「公表されたとしても日本が低空威嚇飛行をした証拠になるとは思えない」と予想したとおりの結果になりました。

韓国政府が公表した写真は、複数の韓国メディアに掲載されています(たとえば次の『聯合ニュース』(日本語版)や『中央日報』(日本語版)の記事参照。なお、私の探し方が悪いのでしょうか、韓国政府・国防部のホームページ上、それらしきものを発見することはできませんでした)。

写真については直接、リンク先の記事でご確認ください。

感想をヒトコトだけ申し上げておきますと、「これは酷い」に尽きます。というのも、いずれの写真も、海面はおろか、艦船から哨戒機までの距離を目視できるようなもの(たとえば船影など)はほとんど写り込んでおらず、これだと、客観的に高度や距離が確認できる代物ではないからです。

これをもとに「機械はウソをつかない」などとドヤ顔で言われても、正直、苦笑しか出て来ません。

形を変えた飽和攻撃

ただ、ここで1つ、困ったことがあります。

それは、韓国側がこの「証拠」にすらならない代物をベースに、「日本が脅威となる威嚇飛行を行った」と言い張った場合、それが国際社会では「韓国がこういうことを言っている」とばかりに注目されるきっかけにもなりかねません。

もちろん、自衛隊側は飛行記録を持っている可能性もありますし、韓国側の主張が国際社会で注目されないようにするためには、その都度、莫大なコストを掛けて反論することが必要なのだとしたら、実に割が合わない労力です。

おそらく残念ながら、世界中の人は忙しいので、「韓国が日本の自衛隊機による威嚇飛行の被害を受けたと主張していて、その証拠写真も出してきた」という事実だけを聞くと、いつの間にか、「証拠もあるのならやっぱり日本が威嚇飛行をした証拠だ」とされかねない危険性もあるのです。

つまり、韓国政府・国防部は、今回、クズのような写真を生産してばら撒くことで、「日本が威嚇飛行を行った」とばかりに国際社会で日本を攻撃し始めたのです。いわば、これは韓国側からの「宣戦布告を伴わない飽和攻撃」のようなものだといえるかもしれません。

このように考えていくと、私は韓国政府側の狙いが、日本の防衛省を自分たちの土俵に引きずり込むことで、日本の防衛省を疲弊させ、あわせて日本の哨戒・監視活動を妨害することにあるのではないかと疑ってしまうのです。

自衛隊補給艦が「瀬取り現場」を撮影

ただ、ここで1つ、日本側が韓国のペースに巻き込まれないようにするためには、韓国側の報道発表をうまく塗り替えるようなネタを出して来ればよい、という話でもあります。

防衛省は本日、こんな話題を発表しました。

北朝鮮船籍タンカー「AN SAN 1号」と船籍不明の小型船舶による洋上での物資の積替えの疑い(2019/01/24付 防衛省HPより)

リンク先を見ると、北朝鮮船籍のタンカーAN SAN1号(※昨年3月に国連安保理北朝鮮制裁委員会から資産凍結・入港禁止の対象に指定された船舶)と国籍不明の小型船舶が並び、なにやらホースで繋がれているのが確認できます。

防衛省が公表した写真

(【出所】防衛省HP

撮影したのは海自補給艦「おうみ」で、現場の写真は1月18日午後3時以降に撮影されたものが数枚公表されています。

つまり、韓国側が「威嚇飛行」だのなんだのとわけのわからないことをわめいている間に、自衛隊はちゃんと仕事をしていて、この海域で北朝鮮に対する「瀬取り」が頻繁に行われているという事実を全世界に向けて公表しているのです(※リンク先記事には英語版もあります)。

自衛隊の仕事はとても頼もしい話だと思う次第です。

相手の土俵に乗らないことが大事

つまり、自衛隊の今回の対応は、韓国政府による「低レベルな飽和攻撃」をかわし、無効化するうえで非常に有効なものです。

思い起こせば、慰安婦問題にせよ徴用工問題にせよ、日本は相手の土俵に乗ってしまったことが大きな敗因だったのではないかと思いますし、河野洋平や佐藤地(さとう・くに)らのような無責任な政治家、役人らが韓国に配慮するあまり、日本の国益を韓国に売り渡してきたと断言して良いでしょう。

しかし、そもそも相手の言い分自体が無理筋であるわけであり、そんなものを相手にしてはなりません。

つまり、韓国側が今回のように、わけのわからない言い掛かりを日本に対してふっかけてきたときには、日本は黙って「韓国が瀬取りに関与していた(かもしれない)」という証拠を公表し、韓国を脅せば良いのです。

「日米韓3ヵ国連携を日本が壊した」と言われないことだけ気を付けていれば、もう日本はこれ以上、韓国に遠慮することはありません。

今後の日本政府の活躍に期待したいと思います。

新宿会計士:

View Comments (21)

  • 日本に威嚇飛行されたって言い出したら北朝鮮に協力してた写真公開されて、最早コントかギャグ漫画の世界なんですけど……取り敢えず韓国の背骨をへし折るような制裁が行われるまで政府の対応を注視していきたいです。
    ここで手を抜いたら何の意味もないのですからね。

  • 更新ありがとうございます。

    海自、よくやった!発表もベストタイミングだ。あのシロウトのピンボケ写真みたいなの見せられて『威嚇飛行だ』『日本は何度も低空飛行やってる』と言われても、オタクのは画像が特定出来ないんよ、下手すぎて(笑)。

    これで南北が何度も懲りずに物資、油を瀬渡ししてたのは、確定。もう隠さなくなったな。北と統一して、二匹とも日干しに会ってくれよ。

  • 私は船籍不明の小型船舶と言った事を評価します。
    韓国と名指ししない限り突っ込みを入れたら怪しいですものね。
    世界には瀬取り行為の監視をしていた哨戒機のイメージが強く広まるのではと思います。

  • こういう不審船って、無人機なり衛星なりで追いかける分けには行かないものでしょうか。
    韓国に逃げるまで追いかけ回してほしい。

  • この瀬取り1/18の写真だそうですね

    どこかの国が1/18に威嚇飛行したと叫んでいた気がしますが…

    客観的には自白してるようにしか見えません

  • このタイミングで出すということは、、、ですね。文在寅さんの処理は朴槿恵さんにやってもらうんでしょうね。

  • 韓国語訳もしても良いと思います。南が逆ギレしたら、北への警告です、とかわせますし。防衛省に進言してみようかな。

  • これが自衛隊哨戒機から撮った画像なら詰みでしたね。

    たぶんそういうのもあるんでしょう。防衛省は決定的なカードを温存してるだけで。
    これでレーダー照射事件に関しては、韓国が何を言おうが「だから日本は監視体制を強化するのである。むしろ韓国主導で監視すべきであるのに反発する理由は何か」と切り返すカードを持った。
    そのカードを切るまでもなく、また反論と称するなにがしかのエラーをするのでしょう。反論したら自白同然なのだけれど。

    何と言うか、日本が当然対抗策を用意している状況で、度重なる威嚇飛行と称する画像を公開するぞするぞと予告してしまったら、こういうことになるとわかっていたはずなのに。
    この件に限らず、慰安婦問題や徴用工問題にしても、これらの問題に対応させることで、日本が北朝鮮と韓国の協力関係を暴くのを妨害しているのではないか。
    韓国政府の本旨はあくまで北朝鮮の援助であり、それを追尾されないように撒いたチャフに過ぎず、そのための投資コストなのだろうと。
    そう考えると、日本政府の最終見解による打ち切りに動揺したのも筋が通ります。

    筆者氏も書いておられるとおり、いちいち粘着してくる相手を正面から取り合う必要はないでしょう。
    今となっては、日本は別に韓国に絡みたいわけではないので、見当はずれな攻撃は受け流しつつ、北朝鮮の核放棄と韓国の国際法違反という要点に絞って堅実な手を打っていけばよい。

    ちょっと別の話かもしれませんが、イギリスとフランスって、歴史的に見て韓国というか朝鮮にとっては歴史的にかなりの恐怖ではないのですかね。

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