いま、インターネット上では、「日本の皇族の御尊名が中国で商標登録された」とする、ややゴシップ紙めいた記事が話題になっています。考えてみれば、中国が一時的に経済・軍事面で台頭することができたとしても、中国共産党一党独裁体制が続く限り、中国が世界から尊敬を受けることはあり得ないのではないでしょうか?
日本文化と中国
中国企業、内親王殿下の御尊名を悪用?
佳子内親王殿下の御尊名が中国で商標登録されたとする『NEWSポストセブン』の記事が、インターネット上でちょっとした話題となっています。
「佳子さまのおむつ」を商標登録した中国企業に直撃!(2018.07.03 07:00付 NEWSポストセブンより)
NEWSポストセブンによれば、「中国の特許庁に相当する「国家工商行政管理総局」公式ホームページ」で登録済みの商標のページ上、「佳子公主」という名称が2015年6月11日付で登録されていたことが確認できるのだそうです。
記事によれば、「公主」とは中国語で「プリンセス」という意味であり、また、商標を登録したのは中国福建省泉州市のおむつメーカーだとしています。これについて同社の広報担当者はNEWSポストセブンの取材に対し、こう答えたのだそうです。
「『佳子公主』は確かに弊社が取得した商標です。近く、この商標を付けた子供用の紙おむつを販売予定です。子供は親にとってプリンス、プリンセス。そこで、中国で一番有名なプリンセスである佳子公主の名前をいただいたのです」。
実に無礼な話です。
わが国では皇族の御尊名を商品に冠するということ自体、あまり考えられない話です。もちろん、日本は自由主義国ですので、あり得ない話ではありませんが、まともな日本国民であれば、そんな商品は買わないと思います。
しかし、中国の場合は、「とにかく売れれば良い」というお国柄なのかもしれません。実際、NEWSポストセブンによれば、このメーカーの広報担当者も「日本の皇室を侮辱する意図は全くない」と述べているらしく、これについては
「佳子さまの名前を利用し、“メイド・イン・ジャパン”のような雰囲気を出したいという意図もあるのだろうか。」
と解説をしています。要するに、「日本」を前面に出すことで「高品質」あるいは高級感を演出したい、ということであり、中国人的にはそれほど悪意があるものではなさそうですが、それでも日本国民の1人として、極めて強い違和感を抱かざるを得ない記事です。
「中国で皇室ブーム」
ただ、それと同時にNEWSポストセブンの記事によれば、内親王殿下の御尊名が商標登録された当時は、内親王殿下が「学習院大学から国際基督教大学に転入したばかりで、日本の『佳子さまフィーバー』が中国にも波及していた頃だ」としています。
日本では、女性週刊誌を中心に、ときどき皇室の話題が掲載されることがあります(余談ですが、こうしたゴシップ紙は皇族を芸能人か何かだと勘違いしているのだと思いますが、それでも日本は言論の自由が貫徹している国なので、皇室に対して不敬な記事であっても、取り締まることなどできません)。
しかし、考えてみれば、これらの報道が事実なのだとすれば、中国が文化的には日本に浸食されている証拠だと見ることもできるかもしれません。
考えてみれば、中国では政治的な自由が認められていませんし、人民に親しまれる「国家統合の象徴」のような存在はいません。中国70年の歴史に照らして、「象徴」といえる存在は、せいぜい、天安門広場に飾られている、文化大革命で中華文明を破壊し、人民を大量虐殺した独裁者・毛沢東の遺影くらいでしょうか?
これに対し、日本では天皇陛下をはじめ、皇族は国民からの深い尊敬を集めています。しかも、皇室は実在が証明されているだけでも1600年以上、伝承も含めれば2678年もの悠久の歴史を有しており、これだけ尊い血統は世界を見回しても稀です。
文化は政治を超越する!
先日、当ウェブサイトでは『最新版・2018年5月の観光統計を読む』のなかで、訪日外国人の数が年間3000万人を突破するのはほぼ確実な情勢だ、とする話題を紹介しました。そして、日本に入国する外国人の比率で最も多いのは中国人(26%)です。
もちろん、外国人が日本に入国することで、文化的な摩擦が生じたり、治安が悪化したりする、といった負の側面があることは否定できません。しかし、それと同時に、中国共産党による一党独裁国家である中国と比べ、政治的自由があり、文化的にも成熟した日本が、彼らの目にどう映るかは見物です。
もちろん、中国国内で募集されている中国人向けの団体旅行商品は、免税店で買い物ばかりさせるなど、問題のあるものも多いと聞きます。しかし、これまで外国旅行が厳しく制限されていた中国人が、少しずつ、身近な先進国である日本を訪れることは、実は、日本にとっては悪いことではありません。
中国国内では日本が「第二次世界大戦を主導した憎い敵対国だ」などと教え込まれているようですし、抗日ドラマ、反日ドラマなども多数制作されているそうですが、いわば、これらは中国共産党がでっち上げた、「虚構の日本」です。
しかし、団体旅行であっても、中国人が日本を直接訪れれば、「現実の日本」を知る良いきっかけになります。日本に入国する中国人は、年間800万人程度に達していますが、仮に中国の人口(14億人?)の数パーセントが日本旅行の経験を持てば、それだけで中国共産党一党独裁への反感は高まります。
私自身は中国本土に出掛けたことはありませんが、香港の知り合いなどによれば、日本のドラマ、音楽、さまざまな文化が香港などを経由して中国本土に大量に流入しているらしく、日本が好きでたまらないという中国人も増えているのだとか。
もちろん、中国共産党の反日教育と、現実の日本の文化力がどう均衡しているのか、信頼できる定量的な調査はないので、現段階では断定的なことは申し上げられません。しかし、あくまで一般論として申し上げるなら、文化は政治を超越します。
その意味で、日本に関する肯定的なイメージが広まる分には良いかもしれません。
中国は文化リーダーになれない!
さて、冷静に考えてみましょう。あなたは現在、天国にいるとします。そして、神様から、「あなたは次のどこかの国の一般国民として生まれることができる。どこの国に生まれたいか?」と聞かれました。あなたなら、何と答えますか?
- アメリカ合衆国に生まれたい。
- 日本に生まれたい。
- ヨーロッパに生まれたい。
- 中国に生まれたい。
- パレスチナに生まれたい。
- 北朝鮮に生まれたい。
全世界の人に同じ質問をぶつければ、「アメリカ合衆国に生まれたい!」「日本に生まれたい!」「ヨーロッパに生まれたい!」と答える人は多いでしょうが、積極的に「中国に生まれたい!」、「パレスチナに生まれたい!」、「北朝鮮に生まれたい!」などと答える人が多いとは思えません。
もちろん、中国が好きな日本人なども皆無ではありませんが、あくまでも一般的に見ると、中国より日本を選ぶ人が多いはずです。私なども、今この瞬間、人生を終えて、神様から「どこか好きな国に生まれ変わらせてやる」といわれれば、迷わず日本を選びます。間違っても中国を選んだりしません。
日本、米国、欧州には自由がありますし、民主主義があります。これに対し、中国、北朝鮮、あるいはイスラム圏の一部の国々では、政治的自由が極端に制限されていて、国によっては危険な独裁政権から人権弾圧を受けることもありますし、テロの脅威に直面しているケースもあるからです。
実は、こうしたパワーこそが、文化力、ソフト・パワーと呼ばれるものです。日本には表現の自由と民主主義があり、また、いきなり政治犯として逮捕される心配もありません。中国には表現の自由も民主主義もありませんし、いきなり政治犯として逮捕されるおそれもあります。
どちらの国が良いかは、一目瞭然でしょう。
そして、中国が中国共産党一党独裁体制を続ける限り、中国が世界の文化リーダーになるチャンスは、おそらく永遠に巡って来ないでしょう。私は自信を持ってそう断言したいと思います。
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後半の転生ネタは、「火病の鳥」を思い出させますな。
>中国、北朝鮮、あるいはイスラム圏の一部の国々では、政治的自由が極端に制限されていて
この列挙で韓国を抜くのは高度な皮肉です。
韓国こそ、民主主義とは、器だけではどうしようもないことの実証・・・・。
訪日中国人旅行客を通じて中国国内の反日が減少するとのお考えには違和感があります。 中国政府も韓国政府もその統治に正統性を欠いているから、日本を敵視することで正統性を作り出しているのだと思われます。 これらの国々の社会全体に充満している反日の空気を、一般民衆が否定するのは困難でしょう。 日本のことを肯定的に論じると反革命や反民族と決めつけられる恐れがあります。 明治、大正期にも多くの中国人留学生が日本に来ましたが、帰国後に中国国内の空気に抗して日本について冷静な発言をしたのは周作人らごく少数で、無きに等しいものでした。 大半の留学生たちは沈黙よりも、時流におもねって反日排日を煽りました。 空気に敏感な赤色ファシズム国家の民衆に知日広報を期待するのは、民主化運動を期待するのと同じくらいに無理なことだと思います。 東シナ海や南シナ海での中国の軍事活動を見れば、中国政府は日本への侵略を進めており、中国民衆の反日は今後ますます激化する可能性が強いと私は感じています。 レコードチャイナの記事はありふれた宣伝戦の一部に過ぎず、現実とは乖離しています。
>訪日中国人旅行客を通じて中国国内の反日が減少するとのお考えには違和感があります。
いやふつうの感性を持った中国人が、反日プロパガンダをまともに受け止めるというのもあり得ない話だと思いますよ。
あちらで反日を真面目にやってるのは、「憤青」(こちらで言うところのネトウヨ)くらいなもので、反日暴動が起きたときも、単に反日無罪だから、お祭り気分で盛り上がっただけという分析もあります。
ただ、知日広報は無駄というのは同感です。というか、現状でも黙ってても嫌と言うほどやってくるのにそんなものにお金を費やしてどうするという話です。
中国の反日は、韓国の「本能」とは違って、ただの政治的ツールでしかないので、そのツールの有用性・有効性が無くなるまで無くならないですよね。
ですから、カウンターとして無視する・真っ向対抗(トランプがやってるくらいの経済的攻撃)が妥当で、「北風と太陽」の太陽政策は最も悪手です。