本日2本目の記事は、普段と少しだけ趣向を変えて、ウェブサイトを運営していると悩まされる「コメント」や「スパム・コメント」の問題について雑感を綴っておきたいと思います。
目次
コメントとウェブ言論
改めまして:批判コメントについての説明
以前から、当ウェブサイトのコメント方針については、ときどき、ウェブサイト上でも説明して来ました。ただ、今週になり、当ウェブサイトに「批判的なコメントを放置していると殺伐とする」、といった趣旨のコメントを頂きました。そこで、本日は改めて、コメントについて、説明しておきたいと思います。
以前から申し上げているとおり、当ウェブサイトでは、いかなるコメントであっても、「記事の内容に沿っている限りは」、完全に自由にコメントして頂けることにしています。このため、極端な話を申し上げれば、当ウェブサイトの主張内容を正面から否定するようなコメントであっても問題ありません。
なぜ批判コメントを削除しないのかといえば、理由は簡単です。私は当ウェブサイトを通じて他人の批判をすることもあるからです。言論空間においては他人の主張を批判する自由が認められているからですが、言い換えれば、私自身が批判されることを甘受しなければならない、ということです。
逆に、「自分には他人を批判する自由はあるが、他人には自分を批判する自由がない」と考える人が、一部の「保守論客」の間にもいるようですが、これはフェアな態度とはいえません。言論空間にいる以上は、自由闊達な議論は自由な言論でしか成り立たないのです。
どの程度までなら許されるか?
ただし、「批判が許されるべきだ」といっても、批判して良いのは主張内容とその主張の背景にあることがらに限定されるべきであり、関係のない事項で攻撃することについては、極めて慎重であるべきでしょう。
もちろん、官僚、政治家、新聞記者、大企業の経営者など、社会的に大きな権力を持つ可能性がある人たちに対しては、その人たちの現在の主張内容だけでなく、その人たちがやってきたことを批判することは許されます。
たとえば、私が朝日新聞の記事を批判するときに、必ず「慰安婦問題を捏造した朝日新聞」という「枕詞」をつける理由は、朝日新聞という媒体に掲載される記事自体が大きな社会的影響力を持ちかねない一方で、朝日新聞がかつて何度も捏造記事を掲載したメディアであるという注意喚起のためにあります。
また、最近では「元外交官」「元経産官僚」「元検察官」などのキャリアを持つ評論家もいますが、「その人物がキャリア経験を前面に押し出すことで主張内容に説得力を持たせようとしている」のであれば、その人物のキャリア経験を含めて批判対象にすることは、ある意味で当然の話です。
しかし、「このYouTuberは高卒のくせに偉そうな主張をしている!」といった批判はいただけません。実際、「高卒だ」と公言している非常に有名な政治系YouTuberに対して、そのような批判を寄せている人物を見たことがあるのですが、これは一種の人格批判です。
中卒だろうが高卒だろうが大卒だろうが、その人の主張内容に説得力があれば良いのであり、逆に、「高卒だからこの人物に政治評論をする資格はない」などと批判すること自体、非常に低レベルであり、むしろ恥ずかしい行為だと思います。
なお、当ウェブサイトの場合は、次のコメントのように、私自身の人格に対する攻撃を行っても結構です。
「私から見ますと、率直に申し上げてあなたはかなり人間的には未熟な方だな、という印象を持っております。上述しましたように、他人に対して極めて厳しくふるまっているあなたの姿と比較すると、偽善的と言っても良いほど異常な人間性を感じさせられます。」(※下線部は引用者による加工)
このコメントにある「異常な人間性」という表現にこそ、むしろ異常さを感じるのは、私だけではないと思います。しかし、月間20万件近いページビューを頂くようになったウェブサイトの運営者であれば、この程度の異常なコメントが発生しても、それはそれで甘受しなければなりません。
もちろん、私や他のコメント主様に対する聞くに堪えない罵詈雑言など、同じようなコメントを繰り返し投稿する場合には、途中から排除せざるを得なくなると思いますが、一度や二度であれば、この程度のコメントをいちいち削除するようなことはしません。
グレーなコメント
ただ、その一方で、最近になって、某匿名掲示板に湧くような「釣り師」的なコメントを付す人がいます。わかりやすく言えば、
「日本は韓国の許しを請うために、今すぐ韓日スワップの締結を韓国に懇願しなければならない」
といった具合に、当ウェブサイトの読者様からの批判的なコメントを「釣る」ような、一種の「愉快犯的コメント」です。
こうしたコメントについては、一時期、酷かったのですが、最近は少し落ち着いています。しかし、何か大きなイベントが発生した際には、当ウェブサイトへのアクセスも急増する傾向にあるのですが、そうしたときにこの手のコメントが発生することが多いような気がします。
当ウェブサイトは「読んで下さった方の知的好奇心を刺激する」目的のサイトであり、読者コメントも含めて、読者の皆様に知的格闘を楽しんで頂く、という趣旨です。上述の「明らかに低レベルな釣りコメント」は、こうした趣旨に正面から反しています。
ただ、いろいろ悩んだのですが、現時点の結論は決まっています。それは、
「放置する」
です。
某匿名掲示板でも「釣りコメント」に対しては「スルーを推奨」する、とされているようですが、当ウェブサイトでも、明らかにこの手の「釣りコメント」を見掛けた場合には、スルーして下さるのが正解だと思います(もちろん、反論コメントを寄せて頂いても良いのですが、おそらく「釣り師」は反応を楽しむ愉快犯です)。
スパム・コメントとの戦い
削除するコメント
一方で、「発見次第、削除するコメント」というものもあります。これが、スパム・コメントです。
これは、一見すると当たり障りのない内容でありながら、実際には明らかに記事本文と関係のないコメントです。とくに多いのは英語、フランス語、スペイン語など、外国語のコメントですが、これらのコメントの目的は、リンクを踏ませて広告サイト、ウィルスサイト等に誘導することにあります。
こうしたコメントを放置しておくことは、読者の皆様にとっては危険でもあります。いちおう、当ウェブサイトでは「スパム判定ソフト」を導入していて、これらのスパム・コメントは皆様の目に触れないようにこっそり処理しているのですが、ごく稀に、スパム判定ソフトの目をかいくぐって承認されてしまうコメントもあります。
また、スパム判定ソフトの基準を厳しくすれば、普通のコメントが勝手に「スパム・コメント」と判定されて除外されてしまう、ということも、ときどき発生します。ごく稀に、コメントを入力したのに反映されていない、ということがあるとすれば、「スパム判定されている」という可能性を疑ってください。
ちなみに、この「スパム・コメント」問題については、意外な方法により、激減させることに成功しました。その簡単な方法とは、
「中国、ロシア、ウクライナ、オランダの4ヵ国からのアクセスを遮断すること」
です。これだけで、スパム・コメントの95%は排除できました(これホント!)。
リサ・ニート城や快便アドバイザーとの戦い
ところで、この「スパム・コメント」という問題は、一般のブログにも発生するようです。
私は2010年7月から2016年12月まで、大手ブログサイト「アメーバ・ブログ」でブログを執筆していました。この手の者たちのコメントは、かなり悪質です。というのも、次のように、記事本文と関係あるのかどうか、よくわからないコメントを打ちまくるからです。
季節の変化を感じる今日このごろです。俗にいうリア充というやつでしょうか、羨ましいです。今でも風で飛んでいきそうな私のブログですが、ご覧いただけると幸いです。(「リサ ~ニート城を買う~」からのスパム・コメント)
以前から読ませてもらってます!今日はコメントを残しますね。いろんな人のブログを見ていると、勉強になることがたくさんありますね!多分、私のブログは相当色濃く、私のキャラクターが出ています。。。良かったら見てね(^_^;)(ユーザー名「優香 ~ちょっとここだけの話~」からのスパム・コメント)
たまたま来たのでお邪魔します♪やっぱり他の人のブログはいろいろ面白いですヽ(´▽`)/お互い記事更新頑張りましょうね!!ヽ(*´∀`)ノ(ユーザー名「ゆり@女子大生」からのスパム・コメント)
魂のレベルアップを目指すブログ書いていますゆるです(〃∇〃)検索でヒットしたので来てみました(*^o^*)/~人の視点って色々違うので、様々なブログに出会うことって楽しいですよね♪(^人^)次回も来たいです~(「快便アドバイザー」からのスパム・コメント)
「リサ・ニート城を買う」というユーザー名も壮絶ですね。読み方は、「りさ・にーと・しろをかう」、でしょうか、それとも「りさ・にーとじょうをかう」、でしょうか?また、「快便アドバイザー」というユーザー名もインパクトだけは十分です。
今になって調べてみると、「リサ・ニート城を買う」は根絶されているようですが、「快便アドバイザー」はまだブログを持っているようです(ただし、どうせ大したことは書いていませんから、読む価値はありません)。
「アメーバブログ」や「はてなブログ」、「楽天ブログ」などでは、メールアドレスさえあれば、だれでも気軽にブログを始めることができます。しかし、こうした気軽さを悪用して、詐欺目的の個人や業者などがダミー・ブログを開設し、botなどでスパム・コメントを打ちまくっているのではないかと思います。
これらのスパム・コメントの目的は、「自分のブログサイトにアクセスさせてメルマガの購読登録を名目に個人アドレスを収拾する」、「自分のウェブサイトに張り付けた広告をクリックさせて儲ける」、などの手口などがあるようですが、関わるだけ無駄です。
非常に幸いなことに、今のところ、当ウェブサイトにはこれらのスパム・コメントは発生していません。しかし、仮に再び「快便アドバイザー」や「リサニート城」などからコメントが打ち込まれれば、それはそれでネタとしてあげつらってやるのが良いかもしれません。
スパム・コメントはコメントに非ず!
ところで、この手のスパム・コメントは、最近、ずいぶんと手が込んできました。たとえば、ウェブサイトを閲覧しただけでJavaScriptを使った仮想通貨のマイニングが始まるという悪質なものもありますが、これに感染すると、PCの動作が極端に遅くなるという被害が生じます。
スパム・コメントもここまで来ると、もはや「コメント」ではありません。「犯罪」です。スパム・コメントを残すこと自体が犯罪であり、コンピュータ・ウィルスと同様、ウェブ言論の世界の敵です。当ウェブサイトではこれらのスパム・コメントのブロック精度をさらに高めていきたいと思います。
しかし、どうしてもスパム判定ソフトの判定をすり抜け、残ってしまうスパム・コメントがあります。読者の皆様方も、いかにも怪しい英文だけのコメントを見掛けた場合、そのコメントのURLをクリックすることだけは控えてください。
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なお、当ウェブサイトの場合はwordpressで構築していて、グーグルの広告配信システムや追跡システムなどを利用していますが、「読者の皆様のPCを乗っ取って、不正にCPUを利用する」、といった悪質なプログラムは利用していませんので、ご安心ください。
View Comments (2)
オランダからのアクセスに問題ありか。第二次世界大戦のうらみがまだ残っているのかな。
いつも新鮮な投稿、ありがとうございます。
さて、本記事のコメントでなくて恐縮なのですが、
ブログランキングのバナーが消えてるようなのでご報告。
以前は、「↓本文へ」の下辺りにもバナーがあったように思いますが、ここ1週間あたりで消失したかと。
尚、「※本文は以上です。」の下のバナーは表示されております。
私の勘違い、もしくは意図的に変更されていらっしゃるのならあしからず。
ランキングでいつもはトップの会計士さんが、
僅かな期間ですが首位から陥落していたのが耐え難く、書込させていただきました。