本日の速報です。家計金融資産残高は1880兆円に達しました。
資金循環統計・速報
本日、日本銀行が「資金循環統計」(2017年12月末基準・速報値)を公表しました。
ポイントは、次のとおりです。
- 家計が保有する金融資産は合計1880兆円を超え、史上最大。ただし、内訳は過半が現金・預金(図表1)
- 中央政府の金融負債合計は約1084兆円で、債務の内訳は国債・短期国債が約992兆円。ただし、政府資産を控除した「純債務」は860兆円に留まる(図表2)
- 預金取扱機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農林水産金融機関、ゆうちょ銀行、系統上部団体)の預金総額は1463兆1609億円で史上最多(図表3)
いわば、日本国内でおカネが有り余っている状況が明らかになった格好です。
図表1 家計の金融資産内訳
項目 | 金額(億円) | 構成比 |
---|---|---|
現金・預金 | 9,612,971 | 51.13% |
保険・年金・定型保証 | 5,204,825 | 27.68% |
株式・投信等 | 3,199,752 | 17.02% |
その他 | 785,317 | 4.18% |
金融資産合計(①) | 18,802,865 | 100.00% |
金融負債合計(②) | 3,199,868 | |
純資産(③) | 15,602,997 | ③=①-② |
図表2 中央政府の金融負債内訳
項目 | 金額(億円) | 構成比 |
---|---|---|
国債 | 8,877,909 | 81.87% |
国庫短期証券 | 1,041,829 | 9.61% |
貸出 | 535,935 | 4.94% |
その他 | 388,142 | 3.58% |
金融負債合計(①) | 10,843,815 | 100.00% |
金融資産合計(②) | 2,241,024 | |
うち外貨準備 | 1,424,215 | |
純資産(③) | -8,602,791 | ③=①-② |
図表3 預金取扱機関の資産負債内訳(縦軸:兆円)
(【出所】図表1~3ともに資金循環統計より著者作成)
依然として「カネ余り」が鮮明に
さて、今回の資金循環統計、非常に示唆に富んでいます。なぜなら、家計資産がもうすぐ1900兆円の大台に乗ろうかとする金額に達していて、その分、銀行等の金融機関には運用圧力が高まっているからです。
ちなみに、「国の借金がー」などと叫ぶ人たちが出てくると思うので、一応申し上げておきますが、資金の流れは一国全体で見なければなりません。片や「国の借金が1000兆円」と主張する人が、片や家計資産が2000兆円近くに達している事実を無視しているのも滑稽です。
これについては近日中に、詳細のレポートを公表したいと思いますので、どうかご期待ください。
View Comments (8)
< 夕刊の発信ありがとうございます。
< 凄いですね。家計の金融資産が1880兆円ですか。もうすぐ1900兆円。そのうち預金が半分以上。ものすごく金あまり、ダブついてるんですね。
< また『国の借金が1000兆円!』と言うニセジャーナリストや間違ってエコノミストになったような方が言いそうですね。詳細をまた掲示して下さい。失礼します。
ほぼ2000兆円じゃないか!!
怖すぎるんだけど!?てかその規模の運用圧力とかヤバイな、銀行とか金融機関がリスクが高い投資とかしないか心配なんだけど。しっかしヤバ過ぎでしょ………金額がほぼ天文学的な数値に達してるとか………
負債が多過ぎる中国とは正反対の意味でヤバイ……この金が回って地方の活性化や人口問題解決出来たらいいのにね……
つい最近破たんしたシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを管理・運営する「株式会社スマートデイズ」のシェアハウスのオーナーたちは、ほとんどがスルガ銀行から融資を受けていたそうです。当然融資は焦げ付くでしょうから、ヤバい貸し付けの典型ではないでしょうか。
あー株式日記のブロガーさんもその事取り上げてましたね。
しかし空き地、空き家問題と金余りが複雑に絡み合ってこんな事件起きるなんて時代を象徴してますね……
財務省証券(国債)の残高の広報を重要な方針として学校等の生徒に出前教育に血筋をあげている財務官僚の言分に親たちは待ったをかけましょう!
出前教育してるのか………初耳、何してるんだか………
金はある。足りないのはよい投資先。
これ持ち合わせが多い方は高度成長期〜バブル期世代の高齢者何ですよね。この世代って投資より預金が安全な資産運用であり、高金利でしたから仕方ないですが、、、
結局少子高齢化もそうですが、世代間格差ってのが大きい気がします。特に政府・企業から自己責任と棄てられてた氷河期世代などの団塊世代よりも大きな問題もありますし、、、
お金だけが幸せの度合いではないですが、昭和に比べて日本は幸せを感じにくい国へと移ろいている気がします。