やや異例ですが、本日は3本目の記事を配信します。釜山の日本総領事館前に、今度は「強制徴用者像」を立てるのだとか。「呆れて物も言えない」とはこのことをいうのでしょう。
釜山徴用工像設置計画が浮上!
呆れて物も言えない…
釜山の日本総領事館前に「慰安婦」を象徴するニセの少女像が設置されている問題で、日本政府が駐韓大使・駐釜山総領事の一時帰国措置を発動してから、明日で丸2か月が経過します。こうした中、今度は「強制徴用者の銅像」を建てる計画が進んでいるのだとか。
現時点で報じているのは、日本メディアでは産経ニュース、韓国メディアでは朝鮮日報日本語版などです。ただし、朝鮮日報の記事は数日経過すると閲覧できなくなるため、ここでは産経ニュースの報道を紹介しておきましょう。
釜山に今度は「徴用工像」 慰安婦像に続き設置計画(2017.3.8 00:52付 産経ニュースより)
産経ニュースや朝鮮日報などの報道を総合すると、
- 釜山の日本総領事館前に、今度は日本による植民地時代に強制徴用された労働者を象徴する像を設置する計画が浮上している
- 設置を検討しているのは全国民主労働組合総連盟(民主労総)の釜山本部
- 来年5月の設置を目指しており、日本総領事館前のほか徴用工が日本に渡った釜山港に設置する案もある
- 韓国の労組の二大全国組織によると、植民地時代に日本に強制徴用され犠牲になった労働者が少なくとも70万人に上るとしている
- 今回、像を設置する目的は、この事実を広く知らせ、各地の象徴的な場所に犠牲者を記憶し悼むための労働者像を設置することで、日本政府に謝罪と賠償を求めるためだ
ということです。
そのうえで、労組側は
「日本政府に圧力をかけるには日本総領事館前が設置に適している」
と主張しているのだとか。「呆れて物も言えない」とは、こういうことをいうのでしょう。
外交に関するウィーン条約
そもそも、日本の大使館や総領事館は、「外交に関するウィーン条約」に規定する「外国公館」です。この「外交に関するウィーン条約」(正式名称は「外交関係ウィーン条約及び紛争の義務的解決選択議定書」)第22条第2項にどう書かれているか、チェックしてみましょう。
Article22 of Vienna Convention on Diplomatic Relations, 1961
- The premises of the mission shall be inviolable. The agents of the receiving State may not enter them, except with the consent of the head of the mission.
- The receiving State is under a special duty to take all appropriate steps to protect the premises of the mission against any intrusion or damage and to prevent any disturbance of the peace of the mission or impairment of its dignity.
- The premises of the mission, their furnishings and other property thereon and the means of transport of the mission shall be immune from search, requisition, attachment or execution.
外交関係ウィーン条約及び紛争の義務的解決選択議定書 第二十二条
- 使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない。
- 接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害または公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。
- 使節団の公館、公館内にある用具類その他の財産及び使節団の輸送手段は、捜索、徴発、差押え又は強制執行を免除される。
ここでいう「接受国」とは、韓国政府のことです。そして、日本を侮辱する目的でのいかなる銅像が建立されていることも、このウィーン条約第22条第2項に違反しているのです。
菅長官発言「コメントする気にもならない」
韓国側で慰安婦像に続き、徴用工像なる奇怪な構築物の設置が計画されていることを受け、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は本日午前の記者会見で、次のように答えました(動画の13:00~13:24)。
「コメントする気にもならないです」
全く同感です(笑)
一方、午後の記者会見では、日本大使の一時帰国措置が長引いていることについて尋ねられ、とくに北朝鮮のミサイル発射などの影響との関連については、
「(大使がいなくても)日韓の防衛・外務大臣が電話で会談するなど、しっかり連携できている」
と回答。北朝鮮によるミサイル発射が行われたからといって、簡単に大使を韓国に戻すというものではないと、釘を刺した格好となっています。
私はおもわず、「菅さん、GJ(グッジョブ)!」と独り言を述べてしまいました(笑)
明日のコンテンツ
先ほども申しあげましたが、明日のコンテンツは、『続・中国による「小出しの対韓制裁」の意味』です。
中国の韓国に対する「経済制裁」が続いています。ただ、報じられ方が派手な割に、きちんとまとめてみると、中国による韓国への制裁措置は、いずれも小出しでみみっちいという印象があります。では、この制裁をどのように考えるべきなのでしょうか?そこで明日は、「米中両国に翻弄される韓国」という観点から、この制裁が持つ意味合いを考察してみたいと思います。
どうかお楽しみに!