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東京新聞が新年の社説記事を削除

東京新聞が記事を「削除」したそうです。当ウェブサイトでも指摘したとおり、東京新聞の元日の社説では、少なくともネットで「あふれている」とは言い難い用語が「ネット上にあふれている」などと記載されていたのですが、東京新聞はこの社説について、「冒頭部分が誤りだった」と認め、「冒頭部分が誤りである以上、コラムとして成立しなくなる」としたうえで、全文を「削除した」と発表したのです。

本稿は、メモ書きを兼ねた「速報」です。

先日の『ネットで流行っていない用語を批判するのは正しいのか』では、東京新聞の元日の社説で、少なくともXで「あふれている」とは言い難い用語が「ネット上にあふれている」とする言説が掲載された、とする話題を取り上げました。

さすがに流行ってもいない用語を「ネットであふれている」と断言してしまうのはいかがなものかと思います。「中国なにするものぞ」「進め一億火の玉だ」「日本国民よ特攻隊になれ」といった「威勢のいい言葉」が「ネット上にあふれている」とする言説が東京新聞に掲載されたのですが、これについては少なくともXで「あふれている」とは言い難いのが実情です。ただ、それ以上に気になるのは、この話題を主要メディアがほとんど取り上げている形跡がないことです。情報発信の特権を失ったオールドメディア当ウェブサイトではこれまで、...
ネットで流行っていない用語を批判するのは正しいのか - 新宿会計士の政治経済評論

その際に示したのが、次のリンクです。

社説の冒頭には、こんな記述がありました。

『中国なにするものぞ』『進め一億火の玉だ』『日本国民よ特攻隊になれ』。ネット上には、威勢のいい言葉があふれています」。

これについて、著者はXの検索ボックスに次のような文字列を入力して検索し、Xで実際に発信された内容を簡易ファクトチェックすることを試みました。

  • 中国なにするものぞ until:2025-12-31
  • 進め一億火の玉だ until:2025-12-31
  • 日本国民よ特攻隊になれ until:2025-12-31

結果は先日の記事にも記した通り、これらの用語は「ネット上にあふれている」とは言い難く、かつ、辛うじて検索出来たものに関しても、左派的な思想を持っていると思しきアカウントが、保守派(あるいは「ネトウヨ」)的なアカウントを批判する文脈で出て来たものが散見されたのです。

すなわち少なくともXにおいてはほとんどトレンドを形成しておらず、同様に、検索エンジンのグーグルのトレンド検索などで調べてみても、これらの用語の検索履歴はほとんど引っ掛かって来ないこれらの「言葉が(ネット上には)あふれています」、の部分に関しては、そもそも事実とは言い難い、と結論付けるのが妥当です。

そして、この記事に「続報」がありました。

東京新聞はこの社説について、「冒頭部分が誤りだった」と認め、「冒頭部分が誤りである以上、コラムとして成立しなくなる」としたうえで、全文を「削除した」と発表したのです。

はて。

新聞紙にはすでに印刷されてしまっていますが、それをどうやって「削除」するのでしょうか?

まさか、配達した1月1日付の東京新聞を、全家庭を回って1つずつ回収するのでしょうか?それともネット上にアップロードされている記事を削除してお終い、でしょうか?

なんだか個人的には腑に落ちません。東京新聞が記事の誤りを認めた点は仕方がないにせよ、ネットの世界に生息している人間としては、これを「削除する」と宣言したとしても、すでにネット上で全文が出回っているわけですから、ちょっと無理があります。

この点、もちろん、当ウェブサイトも偉そうなことは言えません。過去に盛大な事実誤認や計算誤りをしてしまい、記事を全面撤回したことも何度かあるからです。たとえば次の記事がそれです。

【お詫び:記事を全面撤回します】ザイム真理教「七公三民」の衝撃

―――2023/12/07 05:00付 当ウェブサイトより

【お詫び:記事撤回】「GWの渡航先として韓国が人気」記事を検証してみた

―――2024/07/01 16:30付 当ウェブサイトより

ただし、当ウェブサイトの場合は「記事を撤回します」と宣言しつつも、当ウェブサイトにおける記事に誤りがあったことを証拠として残すため、誤った内容の記事についても「この記事は誤り」と宣言したうえで、そのまま公表を続けています。

少なくとも著者の場合、「これは恥さらしだが間違った内容を公表したのは自分自身なので仕方がない」、などと考える次第です。

このあたりは何が正解と断言し辛いところかもしれませんが…。

新宿会計士:

View Comments (36)

  • ちゃんとした検証もせずに削除とは何とも卑怯ですよね。
    だけれど、ネットの記事を削除したとしても、魚拓を取っていたりしている人もいますから、無駄足掻きといってもいいでしょう。
    やはりオールドメディアの人達は「消したら増える」を理解していないようですね。

  • 配信から通信への移行で変わったこと。

    ①トレンドが捏造(つく)れなくなった。
    ②「無かったこと」には出来なくなった。

  • ま、社説なので事実でなく主観で記事を書いても良いのでしょうけど、著者の脳内世界で溢れているのであろう語句を、現実世界で溢れていると言わんばかりの社説を書くのはマズイと言うか、これが正月の年頭に特別に書く社説ですかと。
    ところで、Google先生によると、「社説(しゃせつ)とは、新聞や雑誌が、その会社(社)の責任において、時事問題(政治・経済・社会など)に対する意見や主張を表明する記事で、「社の顔」とも呼ばれ、通常は匿名で掲載されます。事実を伝える報道とは異なり、特定のテーマについて深く掘り下げ、「どう考えるべきか」という新聞社の方針を示す役割があり、各社で論調が異なります。 」だそうです。
    兎に角、東京新聞が年頭の社としての責任において表明された意見や主張は特別報道部長によるこういうものであったと。

    • 先の説明文でGoogle先生はさらっと書いてますが、「報道とは事実を伝えるもの」なのですね。事実を伝える筈の報道であの様子ですので、事実を伝えるというタガが外れ意見や主張を示す事が主体になる社説は、更に表現の自由が爆発するということなのでしょうねぇ。

    • 一次情報を調査しました。記事は削除されていたのですが、読者照会に対する西田氏のコメントが掲載されていました。
      「ご意見ありがとうございます。ご指摘の記事を書いた西田です。冒頭に例示した言葉は、いずれも私がXで確認したものです。投稿者へのご迷惑を避けるため詳細は控えますが、例えば、「中国なにするものぞ」や「火の玉」は昨秋に投稿されていました。「あふれています」と書いたのは、この文言通りの言葉が多数飛び交っているということではなく、中国への敵意をむき出しにしたり、核武装論に共鳴したりするようなさまざまな言葉がデジタル空間で交わされている様子を表現したつもりでした。また、高市政権誕生後の状況のみを取り上げたわけではなく、戦後60年ごろからの流れを踏まえています。
      ネット上には、こうした勇ましい言葉に対抗する意見も多数見られ、戦争への「熱狂」には至っていないと認識しています。この記事は、そうなる前に歯止めをかけたいという気持ちで書きました。
      なお、この記事は社説ではなく、特報部からの新年のご挨拶です。引き続きよろしくお願いいたします。」
      これを読んで一つだけ追加コメント。
      「この記事は社説ではなく、特報部からの新年のご挨拶です」
      私は社説だと思いましたが、それが読者大多数の感覚に思うのですが。
      社説(=社の責任において、時事問題に対する意見や主張を表明する記事)でないので社の責任は無い、という言い訳ですかねぇ?

      • 当該記事について編集部内で校閲は行われていたはずで、それが素通しで印刷され配達までされてしまったということは、「東京新聞の意思」と受け取られても仕方がないことでしょう。
        無責任に自分の意見を開陳して恥じないところ、さすが望月衣塑子氏が所属しているだけのことはありますね。

    • 言い訳ばっかりで何に謝罪してるんだか、って感想です。
      案の定、ネットは炎上継続。
      ダメージコントロールになってないですよね。一体何がしたかったのやら。

      あの界隈の人々は「謝ったら死ぬ病」を自覚するところからやらないと、と思います。

      別ネタですが、立憲の野田氏の年頭挨拶の「自虐ネタ」に対して、枝のんからマジレスに始まって立憲内ゲバ化の様相ですが、あれも「謝ったら死ぬ病」の一症状だと思います。
      シャレが通じない人達。
      余裕がないというか、みっともないというか。

  • テレ朝では玉川が
    「欲しがりません勝つまでは」
    って言ってたらしい

    左翼から軍靴の音が聴こえる

    • 毎度、ばかばかしいお話を。
      テレ朝:「欲しがりません。SNSに勝つまでは」
      まさか。

  • 批判精神は新聞記者の発明品でも専有物でもありません。
    自分が書けば論説、人が話せば誹謗中傷。新聞社にとって読者というものは、牧場の馬や牛舎の牛、鶏舎の鶏に過ぎない存在であってきた。今や、馬や牛や鶏がそれぞれ口を利いて、新聞社に意見するようになったのです。段ボール箱に上って独善演説会をやってきた新聞記者は、馬や牛や鶏は黙っていて欲しい、カネだけ払い続けて欲しいと願っているでしょう。
    もう元には戻りません。時事報道にカネは払ってもらえない時代になってしまっていることに気が付かないのは報道産業だけです。

  • 街角記事における誤報ならまだしも、年始におけるその社の顧客や同業者に発する顔とでもいうべき場所において、捏造とも言える記事を掲載しておきながら、お詫びして削除ですと?
    記者会見も開かんのか…。

    • 白紙さま
      >記者会見も開かんのか…。
      フジテレビ問題の前例に倣って、記者会見を開くべきでしょう。

  • 毎度、ばかばかしいお話を。
    ○○記者(適当な人物名をいれてください):「東京新聞が削除したのに、いつまでも騒ぐネットはけしからん」
    蛇足ですが、本日の朝日新聞に、この件が小さくのってました。もちろん、他紙の話ですが、同じ新聞業界の不祥事ですので、大きく取り上げないと(朝日新聞も)ネットで批判されるのではないでしょうか。
    それにしても、発行部数が落ちてきている朝日新聞としては、毛色が同じ東京新聞を叩いて、その読者を奪おうと考えないのでしょうか。(毛色が違う新聞を叩いても、読者は奪えません)

    • 東京新聞が本日の紙面で、この件を、どう報道したのかは分かりませんが、朝日新聞が慰安婦報道の誤報を認めた次の日の朝日新聞一面が、吉永小百合のインタビュー記事であったことを思い出しました。
      蛇足ですが、東京新聞は自社の特別報道部長を守るのでしょうか。

      • そもそも論ですが、どの新聞も新年の社説は、気合と力を入れて書くものでは、ないでしょうか。

  • 毎度、ばかばかしいお話を。
    新聞業界:「もし東京新聞新聞が、コラムを削除するために、すでに配った元旦の新聞を(リコールで)回収するなら、それが前例になって、他の新聞社が困る」
    まさか。

    • 毎度、ばかばかしいお話を。
      立憲:「国民の記憶をコントロールして、東京新聞の不祥事の痕跡を消します」
      つながったな。
      蛇足ですが、(与野党問わず)政党は、この件についてコメントを出さないのでしょうか。

    • 「毎度、ばかばかしいお話を。」
      って、どういう意味ですか?
      ちょっと、しつこいって思ったので

      • ここまで酷いのが、現実だと思いたくないので、笑い話として現実逃避してます。(内部告発や音声流出でもない限り、エビデンスも足りませんし)

  • 昨年、静岡で飲酒運転して物損事故を起こしたにも拘らず4日間出頭しなかった記者の氏名と処分が未だに公表されていないのは何故なんでしょうね?普通の企業なら即公表して、同様の事案がないか徹底的に社内を精査した上で再発防止策を発表するものですが。

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