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国民民主と維新は「国民の利益」のために協同しては?

国民民主党は11日の党大会で、全国に32ある改選一人区で候補を積極擁立する方針を打ち出したそうです。ただ、維新も「手取りを増やす」に乗っかり、維新・国民民主両党が協力して基礎控除引き上げと社保引き下げを同時に実現できるようになれば、結果的に両党にとって「ウィン・ウィン」ではないか、という気がしてなりません。もちろん、この場合、最大の恩恵を受けるのが国民・有権者ですが。

国民民主が支持率で立憲民主を上回ることも増えてきた

先日の『国民民主と立憲民主の支持率「逆転」が継続=主要調査』でも取り上げたとおり、国民民主党がいくつかのメディアの政党支持率調査で、最大野党である立憲民主党と逆転しているようです。

すでにいくつかのメディアが報じている通り、国民民主党の支持率が堅調です。政党支持率だけで見れば、最大野党であるはずの立憲民主党と、完全に逆転が生じてしまっているのです。なぜ同党に対する支持が伸びているのかといえば、やはり、昨今のSNSなどを通じた政策に対する支持の広まり、といった側面があることは否定できません。世論調査で国民民主支持率が立憲民主を上回ることが増えているやはり、非常に大きな「地殻変動」が生じてきたようです。当ウェブサイトでは最近、いくつかのメディアの世論調査を話題に取り上げるこ...
国民民主と立憲民主の支持率「逆転」が継続=主要調査 - 新宿会計士の政治経済評論

改めて指摘しておくならば、今年1月から2月にかけてのいくつかのメディアの調査は、図表のような具合です。

図表 政党支持率調査(2025年1月~2月)
調査主体と調査日 1位 2位 3位
時事通信(1/10~1/13) 自由民主党(17.3%) 国民民主党(6.6%) 立憲民主党(5.1%)
日経・テレ東(1/24~1/26) 自由民主党(33.0%) 国民民主党(14.0%) 立憲民主党(10.0%)
共同通信(1/25~1/26) 自由民主党(29.6%) 国民民主党(14.4%) 立憲民主党(10.7%)
JNN(2/1~2/2) 自由民主党(24.7%) 国民民主党(8.1%) 立憲民主党(6.4%)

(【出所】各社報道等を参考に作成)

SNS層に深く浸透している国民民主党

もちろん、メディアによってはこうした逆転が生じていないケースもありますが(たとえばNHKの直近調査だと、立憲民主党が9.2%に対し国民民主党が6.8%だそうです)、それでもいくつかの調査で両党の逆転が生じはじめていることは間違いありません。

そして、世論調査は(特に最近の傾向だと)若年層など対象年齢層によっては国民民主党の支持率が非常に上昇しているという傾向が認められ、そして、国民民主党の支持層とSNS利用者層はかなりのていど、重なっているものと考えられます。

同党が「手取りを増やす」を旗印に大きく議席を伸ばしていることは間違いないと思いますし、最近だと一部地方選でも同党が公認した候補らが非常に多くの支持を集めて当選するなどの話題も伝えられていることもまた事実です。

全国の一人区でも候補積極擁立か

こうしたなかで、同党が11日に開いた党大会に関する報道で気になるものがありました。

国民民主、参院選1人区積極擁立に強気の転換 「国民民主から出たいすごい数の希望者」

―――2025/2/11 19:36付 産経ニュースより

産経ニュースによると同党は党大会で、全国32の改選一人区に公認候補を積極的に擁立する方針を打ち出したそうです。同党はこれまで比例代表や改選定数2議席以上の複数区を重視してきたものの、ここにきて大きく舵を切った格好です。

これについて同党の代表(役職停止中)の玉木雄一郎・衆議院議員は党大会後、記者団に一人区への候補擁立方針について、こう答えたそうです。

できるだけ立てられるところには立て、国民民主の受け皿をつくっていく」。

正直、現在の同党がSNSユーザーなど一部の年齢層にしか浸透できていないフシがあることを踏まえると、ずいぶんと強気な戦略にも見えますし、とりわけ一人区は地盤が重要であるはずで、地盤のない同党の候補が「落下傘」的に立候補したとして、圧勝できるのかどうかについては疑問でもあります。

ただ、それと同時に、立憲民主党や日本維新の会などが現在進めている「予備選」構想には乗っからず、あくまでも政策本位で勝負していくという発想自体は、これまでの既存政党には珍しいパターンではないでしょうか。

正直、著者自身は普段から述べている通り、国民民主党という政党の政策のすべてに無条件に賛同するつもりはありません。同党が掲げる金融所得課税など正気の沙汰とも思えませんし、いわゆる3号被保険者見直しなども、やや拙速というきらいもあるからです。

ただ、大事なことがあるとすれば、民意を聞きながら軌道修正を図るという姿勢であり、それができるかできないかで、これからのSNS時代の明暗が分かれるように思えてなりません。

冷静に考えると、SNSはそれに非常に適したツールでもあります。

双方向性であること、情報発信したら反応に即時性があること、良いポストであればあっという間に拡散することなどがその典型例でしょう。

なぜ他党(たとえば維新)は「手取りを増やす」をマネしないのか

いずれにせよ、「手取りを増やす」は国民民主党が掲げて多くの国民に刺さった提案であることも間違いありませんが、著者自身がさらに「その先に来るもの」を期待するとしたら、それはほかの政党が国民民主党の成功例を見て、それをマネすることだと思います。

今のところ、日本維新の会が「社保引き下げ」などを武器に支持を拡大しようと躍起になっているフシがありますが(そしてこの点は国民民主党を支持率で上回るためのカギとなる可能性が高いです)、ただ、肝心の看板政策が高校無償化という「余計なこと」とセットになってしまっているフシもあります。

実際、同じく産経ニュースが報じた次の記事では、自民党が国民、維新両党を「てんびん」にかけて、令和7年度予算の成立を目指している、などと指摘されています。

自民「長い目で見れば国民民主も大事」 7年度予算成立へ、勢い増す国民と維新をてんびん

―――2025/2/11 18:50付 産経ニュースより

このあたり、「手取りを増やす」を期待している人たちにとって、維新が「高校無償化」を引っ提げて自民と協力し、それにより「手取りを増やす」が事実上のゼロ回答となることになれば、それは決して維新のためにも良いことではない気がします。

やはり、あくまでも個人的な感想を申し上げるなら、維新も「手取りを増やす」に乗っかり、維新・国民民主両党が協力して基礎控除引き上げと社保引き下げを同時に実現できるようになれば、結果的に両党にとって「ウィン・ウィン」ではないか、という気がしてなりません。

もちろん、この場合、最大の恩恵を受けるのが国民・有権者であることは、改めて指摘しておく必要があると思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (9)

  • 毎度、ばかばかしいお話しを。
    日産:「ぽっと出の、ホンダに負けることは許さない」
    共産党:「ぽっと出の、国民民主党に負けることは許さない」
    社民党:「某会計士よ、我々のことを無視するな」
    まあ、人間は感情の生き物ですから。

  •  [国民民主を応援する+石破自民を叩く]youtubeチャンネルが散見されるようになってきました。内容が事実に即しているものは良いのですが……というか、応援に値するならば事実を提示するだけで良いはずなのですが。
     中には、民主党時代のあまりに拙かった玉木氏がトンチンカンな質疑をして嘲笑われていた場面を切り抜いて年収の壁の質疑かと思わせておいて、「自民党は嗤っている場合か、石破は退陣しろ、戦う玉木は素晴らしい!!」という仕向けに走っているものも出てきました。(最近玉木氏を知ったという方々には聖人に映っているのかもしれません。正直、私には民主党時代の玉木氏は小西議員や杉尾議員などと同等に見えていました。)
     国民民主党に、あるいはやっと正しい方向に向かい出した税制に却ってケチをつけかねない行為で小銭稼ぎ。良くても味方撃ち、無能な働き者の味方、といった感じです。また、ついているコメントも完全に乗せられていて「玉木最高」「石破は選挙覚悟しろ」といった盲目的なもので埋まっていて高評価殺到、「これ昔の質疑じゃん」という指摘コメントはほぼ無視という惨状。
     政治の世界は綺麗事では済まないでしょうが、維新ももし乗っかるならばせめて体裁くらいはしっかり整えて欲しいものです。増やした味方からケチがついて、せっかくの政策・国民の利益が水の泡では目も当てられない。
     そして国民民主は政策・国民の利益で支持を得るという成功例になって欲しい反面、ヘタな味方を増やして侵食されぬよう慎重になってほしくもあり、勢いに危惧しております。

  • 一人区は地盤が重要は、成程、仰る通りだと思います。
    ですが、私個人においては地盤などは最早論外で、考慮する余地すらありません。
    当選することが仕事となっている自民党議員は懲り懲りです。お断り。立憲も然り。

    過剰な期待を抱くのは厳禁である。これも納得できます。

    しかしながら、自民公明が主張する国家財政破綻の危機にある、若しくは、国の借金、
    或は、立憲の党首が主張する将来からの搾取、これらはいずれも、これら増税政党が国家財政破綻、国の借金、未来からの搾取を招いた訳であります。歴史は嘘をつかない。
    いずれの政党も国民経済の弱体化に拍車をかけはするものの、富国強兵などは眼中にない。

    税収が減ったならば増税、少子化だから増税、老人が増えたから増税、消費が冷え込んだから増税、ガソリンの使用が増えているから増税、国民経済が委縮しているから増税・・・
    増税目的の賃上げ要求。増税政党は同時に笊政党でもありますから、このままではこの国の没落は恐らく現実になるものと考えています。

    長い目でみれば? 放漫以外の何物でもないですね。

    • 政治家の方々は、財政危機だ少子化だと危機感を煽って、さらなる負担を国民に強いるつもりの様です。
      この方たちには、この状態を招いたのは自分たちでは無いのかという疑問は持たないのでしょうかね?
      本当に幸せで間抜けな方々です。

      • まー地方選挙国政選挙の投票率などを鑑みれば“そーいったポンコツ政治家たちにハンドリングを続けさせてきた”有権者の責任なので、マゴウコトナク我々の自業自得なんやけど

  • 国民民主には前原アレルギーがあるんじゃないでしょうかね?私も個人的にはこの男、政治家としてまったく信用できまへん。吉村さんも共同代表?なんかにしちゃって下手打ちましたね。と、私は思いますね。元から維新にいらっしゃる政治家では国政政党の代表は務まらんのでしょうか?敢えて新参者のこの男を代表にしないといけない程に維新は人材不足?そんなこと無いやろと思いますけれども。立憲民主を叩き潰すとおっしゃった馬場さん、今思うととても良かったな。

    • まー「ジオンに兵無し」ならぬ「維新にヒト無し」ですわ
      衆院選惨敗をウケて“飲み食い政治”批判で元自民党系地方議員上がりの馬場氏(このヒトもまだまだやったが)を引き摺り降ろしたモノノ、結局「他党議員間とのパイプや他党議員間での知名度」で新参外様の前原氏を持ってきたあたり、相も変わらず『国政政党として』の貧弱さがアカラサマっす
      大阪では『大阪自民』のポンコツ極まりに助けられとるけどそないイツマデもバフも続かんし

  • 維新は支離滅裂になってしまっていると感じますね。

    これまで維新が要求したり提案したりして来た大半の政策は
    小さな政府を是とする新自由主義的な代物なのに
    大学無償化なんて税金の無駄以外の何物でもない膨大な数のFラン大学を
    少子化による淘汰から回避させて存続維持させるだけの大学無償化策は
    全く逆向きで税金を無駄に浪費するバラマキ以外の何物でもありません。