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    Categories: 金融

日経平均の下げ幅は1日で4千円を超えて過去最大に!

日経平均は過去最大の下げ幅を記録し、先週末比4,451円28銭安い31,458円42銭で取引を終えました。「悪い円安」論者たち―――とりわけ、「円安を是正するために、日銀は利上げしろ」などと煽って来た人たち―――が、円高・株安局面でダンマリを決め込んでいるように見えるのは、気のせいでしょうか?本当に不思議だと思う次第です。

株式市場というものは、上がったり下がったりするものです。

ただ、たとえば日経平均株価が1日で数千円も動くような事態は、かつてさほど多くありませんでした。

ところが、本日・2024年8月5日(月)の株価は、少なくとも1983年以降で見て、過去最悪の下げ幅を記録しました。

日経平均株価の先週金曜日の終値は35,909円70銭でしたが、引けにかけて下落が激しくなったフシがあり、結局は先週末比4,451円28銭安い31,458円42銭で取引を終えました。前日比4,000円を超える下げは、少なくとも著者自身が知る限り、史上初です(図表1)。

図表1 日経平均株価・下落幅ランキング
営業日 株価の変動 下げ幅
1位:2024/08/05 (月) 35,909円70銭→31,458円42銭 4,451円28銭
2位:1987/10/20 (火) 25,746円56銭→21,910円08銭 3,836円48銭
3位:2024/08/02 (金) 38,126円33銭→35,909円70銭 2,216円63銭
4位:1990/04/02 (月) 29,980円45銭→28,002円07銭 1,978円38銭
5位:1990/02/26 (月) 34,890円97銭→33,321円87銭 1,569円10銭
6位:1990/08/23 (木) 25,210円91銭→23,737円63銭 1,473円28銭
7位:2000/04/17 (月) 20,434円68銭→19,008円64銭 1,426円04銭
8位:1991/08/19 (月) 22,814円37銭→21,456円76銭 1,357円61銭
9位:1990/03/19 (月) 32,616円44銭→31,263円24銭 1,353円20銭
10位:2016/06/24 (金) 16,238円35銭→14,952円02銭 1,286円33銭

(【出所】WSJダウンロードデータをもとに作成)

日経平均株価が3万2千円の大台を割り込むのは2023年11月2日以来約9ヵ月ぶりのことでもあり、先月11日に記録した過去最高値42,224円02銭と比べると、10,765円60銭安い水準にまで下落した格好です(図表2)。

図表2 日経平均株価の推移

(【出所】WSJダウンロードデータをもとに作成)

これについては、株価下落を誰か(たとえば植田日銀)のせいにするのは簡単です。

ただ、先般より当ウェブサイトにて報告してきたとおり、とりわけここ数ヵ月の株価の上昇はやや急速であり、個人的には今回の株安について、植田日銀の利上げは単なるきっかけのひとつに過ぎず、「円安バブル」の「調整」を余儀なくされた、という側面が強そうにも思えます。

いずれにせよ、株価は上がることもあれば下がることもある、ということであります。

また、植田日銀の肩を持つつもりはありませんが、日銀の金融政策はデフレや雇用情勢をもとに決定されているはずであり、株価や為替については対象外で、こうした点からも、日銀の利上げが正しかったのかどうかについては、正直、現時点で判断するには尚早です。

ところで、「悪い円安」論者たち―――とりわけ、「円安を是正するために、日銀は利上げしろ」などと煽って来た人たち―――が、円高・株安局面でダンマリを決め込んでいるように見えるのは、気のせいでしょうか?

本当に不思議だと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (21)

  • たかが25ベーシス・ポイントで何が変わるか、、、アラ⁉︎4,451円も株価下がりましたネ〜。で、ダンマリのメディアさん、言うことあるでしょ?(^.^)vさ、早よッ。

  • 本日の下げはインパクト大ですね。
    含み益が7桁単位で吹っ飛びました・・・

  • こんにちは。

    こういうことを言うと「また、大学教授の発言?」と言われそうですが、
    以前プライムニュースで真田教授が世界でお金が溢れているから、「ミニバブルを起こして潰す、またミニバブルを起こして潰すといった具合に縮小していく」と言ってましたがそんな感じがします。

    また、鈴置氏も「破裂しないバブルはない」と言ってるので「ついにこの時が来たか」と私は妙に冷静でいます。

  • 高値42000円からの調整はせいぜい36000円程度で今日の4000円安は別の理由があるのではないか。
    日銀の利上げ、円高(今日一時141円台に入った)、アメリカ経済の不況期入りの可能性。
    上場企業の本年度の想定レートの平均が145円近辺というからもう割り込んでいる。
    第1四半期の業績がそろそろ出そろうが、こんなにドル円レートが変動すると通期の見通しが弱気になり、それがまた株安を誘うことになりはしないか。
    日本の株の上げ基調に一気に冷や水を浴びせたのは利上げと円高だろう。

  • >植田日銀の利上げは単なるきっかけのひとつに過ぎず

    確かにその通りなのですが、政府日銀の一連の言動の背景に本気で日本経済を立て直そうという姿勢が全く見えてこないのが一番の要因でしょう。結果的に最悪のタイミングでの(余計な)利上げ発言となってしまったことについても完全に植田氏とその関係者の落ち度です。
    少なくとも経済方面に関しては今回の株安ショックが完全に岸田政権への致命の一撃になるものと思います。

    • 決断タイミングの悪さという意味で、昭和6年の金解禁並みの経済ダメージを引き起こすことになりはしないかと心配です。

      • 今回の日銀の決断は 最悪のタイミングで最悪の判断をする某国とおなじ。トランプは「カマラ暴落」とあてこすっている。日本は三悪人(岸田、茂木、植田)と名指しされている。

  •  相場のことは全く分かりませんが、このままの勢いで、ドル円が140円を割り込むと底なしの気がします。知らんけど。
     140円を割り込まなければ、一旦落ち着いて材料待ちになるような気がします。特に何もなければ半戻し145円台ヨコヨコ。
     ただ中東がきな臭いのよねえ。

  • 今回の暴落チャートは過去2回のチャートより急速です。コンピュータ売買のせいかも。相場の方向の反転は先週確信できて,現物は全部売り抜けているので被害はゼロですが,空売りを入れる量を躊躇してしまって,暴落での利益が僅かしか取れませんでした。チャート的には「落ちてくるナイフ」のパターンで,底抜けしているので目先底を読むのは相当難しいです。その後,半値戻しはあるとは思いますが。半値戻しのあとは,長期下落局面かな。

  • マスゴミは、批判できればよいのですから、「日経平均の下げ幅が過去最大になったのは、利上げしたからだ。(前の記事に続く)」と言い出すでしょう。ついでに、「円安是正のために、利上げしろなんて、言ってない(某会計士はけしからん)」とも。

  • https://news.yahoo.co.jp/articles/a2414f1aa53a0f6786f67f25e6aad6f7a421e6a1

    伝説の投資家ウォーレン・バフェット。

    6月末の時点でアップル株の半分を売却。
    現金保有額が過去最高の2769億ドル。

    現在の株価がバブルであり高すぎると判断していたと思われる。
    ITバブル崩壊前、リーマンショック前も同様の動きをしていた。
    今回も底値を見計らって大量に株式の購入をするのだろう。

    これは達人、仙人の域であり余人にマネのできることではない。

  • 株安で慌てふためく経営者がしそうなのは、やはり社員従業員に対する人件費の削減ではないかと。

    立派な設備や機械を入れたところで、動かせる人が居なければただの置き物。

    例えば、セルフレジを導入するなどしている小売業者は、更にセルフレジの導入を拡大しつつ、セルフレジへの投資額を少しでも早く回収する為に総人時を更に削り、社員従業員にはサビ残サビ休出業務持ち帰りの圧力を高め、搾りかすとなった社員従業員は廃棄処分し、その後始末を日本社会に押し付ける事をより一層進める事でしょう。

    • 結果としては、円安の恩恵が庶民に届く前に円安が終わり、円安で苦しめられた庶民が景気後退で更に苦しめられる事になりそうですね。

      最低賃金を支払えない企業の割合が増えて、最低賃金を支払う企業に転職したくても中々転職出来ない状況になりそう。

      例外は、災害からの復興特需が見込める地域?

      株主が社員従業員を使い捨てにして稼いだお金かどうかを気にする事はまずあり得ないから、行政は例えば1部上場企業には在職者の労働環境及び退職者の精神科への通院状況の報告を義務化し、マイナンバー保険証による照合も行い、一定割合以上の社員従業員を使い潰したり、報告の隠蔽などが確認出来た企業には懲罰的な追徴課税を行い、結果として株主が損をしてもそれは株主の管理監督責任であるとして経営陣への損害賠償請求を一切認めないなどの法改正が行われれば、多少はマシになるかもですね。

      • >株主が社員従業員を使い捨てにして稼いだお金かどうかを気にする事はまずあり得ないから、

        《物言う株主》が今年も話題になりましたが、社員従業員の労働環境といっても所詮は管理職の男女比程度。

        日本社会は公害企業の楽園ですね笑

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