米議会のウクライナ支援可決の背中を押したのは、岸田文雄首相の今月11日の米上下両院議会合同演説だった可能性があります。岸田首相は「米国は独りではない」「日本は米国とともにある」と呼び掛けました。これがもし米国の背中を押し、これによりウクライナの反転の契機になったのだとすれば、岸田首相は大変に大きな成果をあげたことになります。
岸田首相も是々非々で評価すべき
当ウェブサイトでは常々、「ある政治家を評価するに際しては、あくまでも是々非々で行わねばならない」、と申し上げて来たつもりです。
これは、岸田文雄・現首相についても、まったく同じことが当てはまります。
正直、当ウェブサイトでは岸田首相の対韓外交には繰り返し、失望を表明してきました。日韓諸懸案がまったく解決していないのに、なぜか日韓関係が解決したかのような振る舞いを行い、それどころか日韓通貨スワップ締結やレーダー照射不問など、国益をごみに捨てるかの政策が目に付くからです。
ただ、どんな政治家であっても、あくまで「トータル」で評価しなければならないわけであり、岸田首相も外交、内政をトータルしてみれば、(正直、満点ではないにせよ)「及第点」には十分に達していると考えて良いのではないでしょうか。
一時期、ネット上、あるいは一部メディアは岸田首相を「増税メガネ」と蔑みましたが、現実に岸田首相は、むしろ所得税の減税を行いました(ちなみにこの減税、企業の経理部門に大変な負担を与えているのですが、この点については機会があれば、どこかで一度論点として取り上げたいと思います)。
ただし、少子化対策財源と称し、社会保険料への上乗せが行われるという点については、社保自体が一種の税金のようなものであると考えるならば、それは立派な「増税」でもありますので、岸田首相がまったく増税を行っていないというのは適切な表現ではないかもしれません。
岸田首相の上下両院合同演説
こうしたなかで、メディアがさほど取り上げているフシがない論点のひとつが、米議会での合同演説ではないでしょうか。
岸田文雄首相は今月前半の訪米で、米上下両院合同会議での演説を行いました。その内容は首相官邸ウェブサイトに記載されていますが、これがなかなかに優れたスピーチです。
米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
―――2024/04/11付 首相官邸HPより
文字起こしすると6,000文字程度とかなりの分量ですが、故・安倍晋三総理大臣の2015年の合同演説『希望の同盟』に言及し、こう述べます。
「私は本日、米国の長く、親しい友人として、皆様にお話しさせていただきます」。
「今の私たちは、平和には『理解』以上のものが必要だということを知っています。『覚悟』が必要なのです」。
「自由と民主主義は現在、世界中で脅威にさらされています」。
そのうえで、岸田首相は北朝鮮、中国、ロシアなどの問題に言及し、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序や、平和を守るというコミットメントは、引き続き決定的な課題」などとひとしきり言及したうえで、こう断言したのです。
「ほぼ独力で国際秩序を維持してきた米国。そこで孤独感や疲弊を感じている米国の国民の皆様に、私は語りかけたいのです。そのような希望を一人双肩に背負うことがいかなる重荷であるのか、私は理解しています」。
「皆様、日本は既に、米国と肩を組んで共に立ち上がっています。米国は独りではありません。日本は米国と共にあります」。
米国はウクライナ等支援パッケージを可決
どなたがこの原稿を起草したのかは知りませんが、おそらく、この発言こそが、米国を大きく動かしたのではないでしょうか。
『中国の銀行が「二次的制裁」恐れロシアとの取引中断か』でも触れたとおり、米議会は4月20日の土曜日、イスラエルやウクライナ、台湾などに関連し、外国を支援するためのパッケージを可決しました。
US House passes $95 billion aid package for Ukraine, Israel, Taiwan
―――2024/04/20 14:33付 Voice of Americaより
同じくVOAによると、米下院が土曜日、ウクライナ、イスラエル、台湾に対する総額950億ドル相当の対外支援パッケージを可決した、と報じています。内訳はウクライナが610億ドルで、イスラエル・ガザ関係が260億ドル、インド太平洋地域が80億ドル――、などとなっているそうです。
そして、これにジョー・バイデン米大統領が署名したことで、法律が成立したことに関連し、岸田首相がこれを歓迎する内容を、X(旧ツイッター)にポストしています。
岸田首相が背中押したのか
岸田首相が11日に議会演説してからの2週間で法律が成立したこと自体、岸田首相自身の米議会議員らに対し、「米国は一人ではない」と呼びかけたことが、大きな影響を与えた可能性があります。
ウクライナ戦争を巡っては、ごく一部ではこの期に及んで「(ウクライナに不法に攻め込んだ側である)ロシアの方に正義がある」、「ロシアが優勢だ」、などと寝言を述べる人もいらっしゃるようですが、少なくとも米国による支援はウクライナ戦争で再びロシアを押し戻すきっかけになることが期待できそうです。
いずれにせよ、ウクライナ戦争を巡って、まだまだ油断は禁物です。情勢は依然として厳しいからです。
しかし、ウクライナ戦争で不法侵略者であるロシアを敗北に追い込むことは、少なくとも台湾海峡問題などを抱えるわが国にとっても大きな利益であることは間違いありません。
そして、もし今回の米国によるウクライナ支援が岸田首相によって背中を押されたという側面があるならば、岸田首相の「成果」のひとつに付け加えて良いことについてもまた間違いないといえるでしょう。
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確かにこの演説、岸田さんに安倍さんが降りてきてたんじゃないかと思うようなw
実はイタコの才能でもあったとでもいうのだろうか。
この話題はこちらでは初出でしたっけ?
議会演説と晩餐会挨拶は動画で見ましたが、内容は適切でよかったと思います。
岸田氏は総裁選の演説では原稿の乗った演題に向かって力強く訴えていましたが、議会演説では全く違った雰囲気で、終始聴衆に目を向けていました。(プロンプターはありましたが)
>岸田首相が背中押したのか
下院に続き上院でも複数の議員が岸田氏の演説を引用したそうで、タイミングよく適切な発信ができたと思います。
「背中を押した」と言えば押したと思います。「決め手になった」という人もいましたが、さすがにそれはないと思いました。
「米国の指導力は不可欠だ」 岸田首相の演説引用する米議員、上院でも続出
https://www.sankei.com/article/20240424-CGYKTRJ625OBLE7SP7JCCHAODI/
これは、素晴らしい!
これほどの現実的な説得力を持った演説は、稀有な部類に入るのではないでしょうか?
これほどの演説内容を起案・起草できる人が日本にいるということは、日本の底力の健全さと力強さを本当に感じます。
今日このブログで、紹介して下さった会計士様に感謝致します。
岸田首相が演説したのですから、岸田首相の真意であることは間違いありません。
それは、岸田首相は、このような高邁な思想の下に国内外の政を執り行っているということでもあります。
この議会演説が、米国議会を動かし、多数決でウクライナ支援の議決が為されたことは間違いないでしょう。昨年末から膠着状態だったものが、急にしかも多数決で議決されたのは、何があったのだろう?と不思議に思っていました。
会計士様の慧眼に感謝します。このような健全な視点での情報分析は、最早日本では、このサイトでなければ得られないものになっているかもしれません。残念ですが。
毎日の更新に敬服しております。これからも記事を楽しみにしております。
私は、岸田政権の原発再稼働と先般の訪米は評価しますが、トータルでは落第と判断しており、早期の退陣を望んでおります。
私が、岸田不支持に転じた直接の契機は、昨年12月の①日韓為替スワップ締結②レーダー照射事件棚上げですが、それ以外でも
1.防衛増税の迷走、子育て支援の国民負担の小出しなど、財政に対する信念のない、弥縫的な対応
2.自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に対する腰の引けた対応
3.就任時の看板政策「新しい資本主義」なるものの中味が未だ見えないこと(そもそもない)
4.「総理になってやりたい事は?」と聞かれ「人事」と答え、「なぜ首相を目指したのか?」と聞かれ「日本で一番権限の大きい人なので」と答えた識見のなさ
などなど、多くの理由があります。
残念ながら、現時点でポスト岸田がはっきり見えているわけではありませんが、自民党の国会議員20名の推薦を得られる方であれば、「岸田よりはマシ」だろうと考えております。
出来れば今すぐ、遅くとも9月の総裁任期には、退陣してもらいたい。
推薦人を集められるかどうかは別にして、岸田を今すぐ降ろしてでも代わって欲しいと思う人物の名前を出すと説得力が出るんじゃないかな?
どれをとっても、瑣末な事柄ですね。
日本にとっての喫緊の課題は、防衛です。これは、ある時に急に整備しようとしても遅いものです。今のウクライナのように。着々とやって行かなきゃならないことです。それを、岸田首相は、先ず手を付けた。
有能な首相が欲しければ、先ず国民が有能にならなければ。その国民とは、あなたです!
希望や願望ではなく軍事科学を見られては?
去年、2000億ドルの援助と300万発の弾丸を提供。
だが満を持した反転攻勢は大失敗でほとんど成果がなかった。
今年、610億ドルを提供して何か変わるのですか?
ドローンやミサイルによる単発的な攻撃はそこそこあるでしょう。
ただそれもロシアの数倍返しを喰らうのがオチです。
「キシダのしゃもじ提供こそウクライナの負けを確定させた」
後世にこう語り継がれることでしょう。
>だが満を持した反転攻勢は大失敗でほとんど成果がなかった。
支援がなければウクライナの多くの土地がロシアに蹂躙されてしまったと思います。
支援があったからこそ今の戦線を維持できたとも言えます。結果は出たわけです。
そもそも、結果が出るか出ないかに関わらず、ウクライナが戦う意思を持つ限り、支援すべきことと思います。
「結果が出ないのだから支援するべきでない」って、会社の人事でも投資案件でもないのだから。
法の支配を維持しようとするのか、蔑ろにすることを是とするかの闘いです。
>「キシダのしゃもじ提供こそウクライナの負けを確定させた」
あなたの理屈では、しゃもじを送っても送らなくても、ウクライナの負けは決まっていたということではないのですか? 矛盾があるようです。
ウクライナ国民は、戦い続ける意思を持っています。
明を前にして、戦わずして属国となったどこかの国とは違うようです。
あなたは、まあ、敵国が我が国を攻撃して来た時、戦力の差があるからと、早々に降参する人なんですね。
そういう気持ちの方は、敵が攻めて来たら、さっさと敵側へ移って頂きたいものです。
朝鮮戦争の時の何処かの国のように、味方の振りして戦いまっせ、と言いながら、いざ攻めて来た敵の数が多いと分かれば、さっさと敵前逃亡されては困りますから。
>さっさと敵側へ移って
敵側に移ったら、碌な装備も無く弾薬持たされて、祖国の戦車に向かって肉弾攻撃させられるでしょうけれど。捕虜じゃないから、条約によって保護される訳ではないし、祖国を簡単に捨てる人間は、どこへ行っても信用されない。
お花畑な左翼のように、戦争を甘く見てはいけない。
日本のウクライナ支援は、ある程度の効果はあると思いますよ。
ロシアもなかなかしぶといですが、ウクライナと延々泥仕合をしてくれるのなら
それはそれで日本にとって利益がある。ウクライナが圧勝してロシアが奪った領土を
全部取り返してくれればより万々歳ですが、まだそこまでは望めないのでしょう。
ところで、「キシダのしゃもじ提供こそウクライナの負けを確定させた」とは
どういう意味でしょう?ウクライナがさっさと降参してロシアの要求を
丸のみしていればウクライナの「勝ち」だったのですか?
軍事科学とは聞き慣れませんが、軍事ニュースを追っていると
・途切れぬ西側主要国の直接(本件のような資金や、弾薬・兵器)及び間接(F-16関連等)支援表明
・ウクライナによるロシア軍艦船の撃沈報告
・同、ロシア空軍の新型機を含む撃墜報告やロシア軍内での同士討ちといった詳報
・ウクライナによる海空におけるドローン戦術の戦果に新機軸の用法
……
と、支援なしにはどころか支援があってもここまでの予想はされなかったという戦果があがっているようです。以前も「西側メディアの情報なんて~」と語られるコメント主様がおられましたが、あの時点からもかなりもっていますね。
私もロシアの勝ちはまず揺らぐまいと当初は考えていましたが。希望願望も何も、今現在ウクライナが存在している以上の"事実"が他にあるでしょうか。
しゃもじもこれまた界隈で大いに盛り上がりましたが、アメリカを退かせず引き止めたなら大したしゃもじです。
でもなぁ…この調子の絶え間ある小出し支援の継続だと結局ジリ貧で頭数多いロシアを利するコトになるんだよなあ
対ロシアで肚括って…無理かぁ
そうですね、色々かなぐり捨てて全力支援にまわってウクライナを助けるを通り越してロシアを潰すまでが容易にかつ正当性をもってできるのであれば最高なのですが。
ただ素人の私見ですが、アメリカからしたらウクライナを勝たせる事そのものが最終目的ではなく、「アメリカは同盟外であっても価値観を共有する国を見捨てる事や、対立国の無法を看過しない」という事を示す事こそが戦略目標であるように思えます。「アメリカが支援したのに敗けた」もインパクトは大きいのですが、「都合次第で端から見捨てる」だけはあってはならない事です。倫理の問題ではなく、同盟と秩序の維持の必要コストという面で。これをやると小国がアメリカから離れるのは必定、最悪主要国との連携も毀損されます。
ウクライナが最終的に敗れても、アメリカはやることをやった、となれば良いわけです。そしてこれは日本も同様。
よって「金をかけて敗けたら全部無意味」とでもいうようなゼロ百理論は不適切と考える次第です。
まー別に「ロシアを潰す」まで往かなくて、「ロシア(プーチン)が負けを認めて引き上げる」まで短期集中でもっていければイイんですが(さすればプーチン政権はもたない)…
どうもアメリカさんは結果的にウクライナが磨り潰されるまででもロシアの対外リソースを引き付けて他に動けない様する!が主眼なのでは? と勘繰ってしまいます…
アメリカは打算的と思って良いでしょうからね。ゼレンシキー大統領も承知の上で振る舞っているのではないかと思います。岸田総理もあるいは。
あとは本件をロシア(プーチン)の"成功体験"にさせない事、ですかね。ロシアが(何を以ってかはさておき)勝ったとしても、「この手は割に合わねぇや」と思わせる必要があるので。
中露あたりはそのハードルが異様に低いため、かなりの流血を強いる必要がありますが。
要点をまとめて返信します。
>支援があったからこそ今の戦線を維持できたとも言えます。結果は出たわけです。
反転攻勢の目標はマリウポリかメリトポリを奪還してアゾフ海に到達してロシア軍を分断するというもの。
だが3つある防御線の1つも突破できずロボチネを得ただけで、結論として反転攻勢は大失敗となった。
西側でこれを真摯に反省、検証しているのを見たことがなく、次の結果も見えている。
>ウクライナ国民は、戦い続ける意思を持っています。
プロパガンダに深く漬かった典型的な例。
ウクライナの一部政治家や軍、官僚の上層部以外にはもう戦意などない。
>ウクライナがさっさと降参してロシアの要求を丸のみしていればウクライナの「勝ち」だったのですか?
22年4月のイスタンブール合意。
これを締結していればウは勝利宣言できた(それほどロが譲歩していた)
>支援なしにはどころか支援があってもここまでの予想はされなかったという戦果があがっているようです。
そりゃ米英NATOの新兵器を投入しているのだから局地的、散発的な成果は出る。
だが大局的にはウはロによってすり潰されていく。
ウクライナ応援団の皆様には「お花畑」を出て「現実」を見ることをお勧めします。
軍事科学ではどうだか存じませんが、日本(と多くの西側諸国)は「勝つ方につく」という戦略をとっていないというだけですよ。
そりゃロシアが戦争には勝つでしょうよ。
典型的なチェリーピッキングな返信ですね。答えやすいところだけを抽出して書きたいことを書く。
あなたの主張は「成果がないから支援をやめるべき」から一歩も変わっていません。
成果があるかないかにかかわらず、支援をする理由があることを述べました。その返信では「支援をやめるべき」という結論にはなりません。
>ウクライナの一部政治家や軍、官僚の上層部以外にはもう戦意などない。
それは何の根拠に基づいてそう判断していますか?
少なくとも、この調査とは話が一致しませんね。
ウクライナ世論調査「領土諦めてもよい」19%、昨年5月からほぼ倍増…厭戦ムード少しずつ拡大か
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231226-OYT1T50094/
>イスタンブール合意
>これを締結していればウは勝利宣言できた(それほどロが譲歩していた)
ロシアが何を譲歩するって言ってましたっけ?具体的に伺いたいです。
交渉の具体的な内容は公開されていなかったし、基本的に互いの条件が折り合えなかったけども交渉だけは続けていたと記憶しています。ブチャの虐殺が明らかとなり決裂しました。
上の世論調査を援用すれば、新たな領土割譲を含んだ和平で国民が「勝利」と認めるとは思えませんけどね。
>ウクライナ応援団の皆様には「お花畑」を出て「現実」を見ることをお勧め
これ、「ウクライナは勝てない!」と言っている人達によくある
言い回しなんですよね。「自分はお前より正しくて賢い!」と大声で
叫ぶのは逆効果になるので、改めるのを「おすすめ」します。
22年4月のイスタンブールでの話し合いにしても、ウクライナ側が
納得できる条件でなかったのならそれは「勝ち」とは言えないのでは?
ロシア側が譲歩したと言うソースはどこにも出てこなかったのですが。
>成果があるかないかにかかわらず、支援をする理由があることを述べました。
軍事科学を見るにロシアが完全に優勢。
支援をすればするほどウ兵が死傷していき領土が奪われていく。
クリミア奪還など不可能なのだから早めに降伏すべきでしょう。
>それは何の根拠に基づいてそう判断していますか?
戦意ある兵士はもうすべて戦場で亡くなっている
ウ人の強制徴兵、国外脱出、ロへの降伏の動画がたくさん出回っている。
一般の多くのウ人がロのスリーパーに協力。
外国人宿舎、兵器保管所、ドローン展示場などの座標軸の密告からの攻撃が頻発。
これらを総合するにウ人に戦意などほとんどない。
現政権が高圧的にそれを封じ込めているだけ。
調査の例としてよりによって読売新聞を出すのですか?
普段から「オールドメディアガ~」とやってる連中に限ってその報道を鵜吞みにしてウクライナ応援団と化しているのは滑稽な限りです。
>ロシアが何を譲歩するって言ってましたっけ?具体的に伺いたいです。
・ウがNATO加盟を放棄して中立となる
・ウの安全保障は関係国が担保
・ロシアは侵攻前まで軍を撤退させる
・クリミア半島の帰属については15年間の協議で解決
ドンバスはおろかクリミアまで話し合いで解決しようとした。
去年のロシアアフリカ会談でプーチンはこの書類を公開しました。
そしてウも合意していてサイン寸前だったが英国ジョンソンのキーウ訪問でぶち壊しとなった。
そこからゼレは「クリミア奪還」「1インチも領土を譲らない」と主張しだしました。
これで唯一の平和的解決がご破算となったのです。
後はウ兵とウ領土が失われ続けるだけです。
ウクライナ応援団の皆様は願望、希望、感情が勝りすぎています。
中立の目を持って俯瞰して見ていくことが肝要です。
結局、何が仰りたいので?
ゼレンスキー大統領だけが、戦争継続したいみたいなこと言いますが、露にしてもプーチンだけがやりたいだけなんでしょう。両国国民も世界も迷惑なだけです。
平和に暮らしている他国に、ある日突然勝手に攻め込んで、そこに何の正当性があるのかな?しかも、クリミアを奪った前科がある。そんな国へ簡単に譲歩すれば、更にエスカレートする。
露に寝返る国民は以前からいるしロシア系国民もいる。
そんなことと、一つの「国家の意志」を混同してはならない。
ウクライナは、未だ戦うと言っている。そして、ウクライナは、自由主義陣営であろうとしている。だから、支援する。というだけのことです。
無法にも他国を侵略することは許されないという、自由主義世界の意思を示す為に戦い続け支援し続けているのですよ。
まあ、あなたは、あなたの家に無法者がある日突然住み着いたら、自分の家を、どうぞどうぞ、と明け渡す人なんですね。
それとも、警察に言って追っ払ってくれと頼みますか?あなたには、力が足りないのだから、当然そうしますよね。
この警察に当たるのが、米国NATOなんですがね。そして、隣の家も防備を固めたし、あなたの家族を一時的に保護して住まわせてくれるかもしれない。
しかし、こんな時、警察も来ず、隣近所の家も玄関をピシャと閉めて、あなたが助けを求めて頼みに行ったとして、あなたを少しでも助けたら、今度はウチが何されるか分からないから、ウチには一切近づくな、と更に雨戸まで、あなたの目の前でピシャと閉められたらどうですか?
その内、無法者の言う事には何でも従わされるは、家族は、無法者の家に連れて行かれて、奴隷にされるかもしれませんよ。
まあ、戦う意志のない軟弱者は、黙っていればいいんじゃないですか?
自分が弱虫だから、その弱さを取り繕う為に、他人の戦う意志にとやかく口出しするもんじゃない!
そして、その軟弱さを覆い隠すために、戦争の科学、なんて言葉を作り出してきて、さも、自分の軟弱さ・弱さに合理性があるように見せかける。こんなことするくらいなら、黙っていればいいだけじゃないかな。
そもそも、戦争の科学って何?
そんな科学あったかな?
あなたのは、算数の引き算だけでしょう?
前の返信の冒頭を再度繰り返すしかないですね。
あなたが「成果がないから支援すべきでない」と主張し説得のために呼びかけたところからこのツリーは始まりました。
それに対して「成果の有無にかかわらず」支援を行う必要性やメリットを私や他の多くの方も指摘しました。が、あなたの主張はそれへの反論はなく、「成果がないから支援すべきでない」の補強でしかありません。説得される理由がないんです。
以上です。
というとつまんないので。(自分の復習も兼ねて)
>>ウクライナの一部政治家や軍、官僚の上層部以外にはもう戦意などない。
に対して私は「根拠」を求めました。
誰が見ても事実が確認できるもの、例えば引用リンクです。例えば私は反例のひとつの根拠として世論調査のリンクを貼りました。それに対するあなたの回答は、
>戦意ある兵士はもうすべて戦場で亡くなっている
>ウ人の強制徴兵、国外脱出、ロへの降伏の動画がたくさん出回っている。
仮にあなたが見たと「主張する」その映像が実在したとしても、事例の一つの可能性を示唆するだけであって「戦意ある兵士はもう「すべて」戦場で亡くなっている」ことを示す根拠にはなりません。それはあなたの類推、想像、脳内補完でしかない。あなたの言葉を借りれば「鵜呑み」にしすぎです。
この場合は映像みたってあまり意味がないんで必要ないですけど、根拠として示すなら「映像を見た」と「主張」するのではなく、誰からもその事実が確認できるよう少なくともそのリンクくらいは貼らないと説得は難しいでしょうね。こちらは信憑性の確認すらできない。ロシアもウクライナも第三者も捏造映像バンバン流してる中ですしね。
前に示した世論調査の結果があり、総動員がかかっている現状、高い士気をもった兵士が一人もいないなんて仮定は無理があります。
後ろ三行に対しても同じです。
>一般の多くのウ人がロのスリーパーに協力。
>外国人宿舎、兵器保管所、ドローン展示場などの座標軸の密告からの攻撃が頻発。
>これらを総合するにウ人に戦意などほとんどない。
とっても「科学的」な推論で痺れます。反応は上と同じです。省略します。
>調査の例としてよりによって読売新聞を出すのですか?
>普段から「オールドメディアガ~」とやってる連中に限ってその報道を鵜吞みにしてウクライナ応援団と化しているのは滑稽な限りです。
世論調査を実施したのは「キーウ国際社会学研究所」であって読売新聞ではありません。
オールドメディアの批判はしても、全ての情報が誤っているわけではありません。「オールドメディアだから全部ダメ」という思考停止ではなく、情報一つ一つ自分の頭で信憑性を確認することを心がけています。
「誰が発信したか」ではなく「何を発信したか」が大事です。でないと欧米の発信する情報は全てダメ、ロシア発信の情報こそ信頼できる、なんて結論にもなりかねない。
どちらの情報も玉石混淆なんですよ。それをそれぞれ判断するのは自分の脳味噌しかないんです。
だからこそ他人を説得するには、その考えに至った根拠や論理を文字で示すことが大事なんです。
>>ロシアが何を譲歩するって言ってましたっけ?具体的に伺いたいです。
>・ウがNATO加盟を放棄して中立となる
>・ウの安全保障は関係国が担保
>・ロシアは侵攻前まで軍を撤退させる
>・クリミア半島の帰属については15年間の協議で解決
>去年のロシアアフリカ会談でプーチンはこの書類を公開しました。
「ロシアは侵攻前まで軍を撤退させる」これ、私の記憶ではそんなの知りません。その情報が示されていたソースをお願いします。
正確な文言が確認できませんが、交渉当事者のロシアが、後日第三者の前で「こう言ったんだけどウクライナがねー」というウソをつくのは簡単なので(バレても何のペナルティもない)、それが本当だったと裏付ける第三者の分析や証拠でもなければ、信じるに足りないと思います。それこそ、「鵜呑み」にすべき情報ではないでしょう。
私の当時の記憶では下のリンクにあるの通り「キエフと北部から手を引くかも」程度だったと記憶しています(結局そこはウは実力で取り返しましたが)。ドンバスや南部の新占領地からの撤退はプーチンの「宣戦布告」の文言との整合もとれない。仮にロシアが交渉で「撤退する」と述べたとしても、それが実行される担保までが合意の条件に入らなければアテになりません。
それがすんなり履行されると考えるのは、あなたの言葉を借りればまさに「お花畑」です。楽観的に過ぎます。地域を実効支配している側は圧倒的に有利で、約束を守るかどうかもその胸先三寸であるのは、歴史の証明するところです。
ロシアとしては予想外に伸びきった兵站を立て直すための時間稼ぎだったんじゃないのと言う指摘が返って頷けます。合意はしても約束は守らず、体制を立て直したロシアが屁理屈をつけて再侵攻する可能性も排除できない。合意って、そんな簡単じゃないですよ。
参考:
Experts react: After Russia-Ukraine talks in Istanbul, is an end to war imminent?
https://www.atlanticcouncil.org/blogs/turkeysource/experts-react-after-russia-ukraine-talks-in-istanbul-is-an-end-to-war-imminent/
Ukraine-Russia talks stir optimism, but West urges caution
https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/03/29/ukraine-russia-turkey-negotiations/
私はもうスリーパーがスリープしていないのを見て諦めました。
>そんなにリンク、ソース、エビデンスが必要ですかね?
私も諦めました。
>それに対して「成果の有無にかかわらず」支援を行う必要性やメリットを私や他の多くの方も指摘しました。
支援をしたところで多少の戦果などは見られるでしょうが、結局はウ兵とウ領土が失われていくだけです。
どうせクリミア奪還などはできないのだから早めに降伏すべきです。
今回もそうですが欧米の支援を前提にした戦争継続ほど危ういものはありません。
NATO加盟などできずに、いずれ損切りされて見捨てられるのがオチでしょう。
>誰からもその事実が確認できるよう少なくともそのリンクくらいは貼らないと説得は難しいでしょうね。
そんなにリンク、ソース、エビデンスが必要ですかね?
ロ、ウ双方のテレグラムから出てくる情報を総合して精査する。
これだけでウには去年反転攻勢前の戦意など存在しないのは明らかですが。
>世論調査を実施したのは「キーウ国際社会学研究所」であって読売新聞ではありません。
それこそがプロパガンダそのものであるとお分かりになりませんか?
この戦争では米英発のプロパガンダが世界中に発信されました。
日本ではそれをそのままTV、新聞で大本営発表として垂れ流しています。
私が見るにウクライナ応援団の皆様はそれをそのまま鵜呑みにしていますね。
その様子が滑稽だと申したまでですよ。
>「ロシアは侵攻前まで軍を撤退させる」これ、私の記憶ではそんなの知りません。その情報が示されていたソースをお願いします。
前言撤回ですがこれはさすがにソースが必要ですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff53de37e631d2baba99327193dfc1573090ac84?page=1
>ロシア、ウクライナ両国は(1)ロシア軍が侵攻前の地点まで撤兵
とあります。
全文を読めば明らかですが、やはり米英が合意を潰したというのは事実でしょう。
>合意はしても約束は守らず、体制を立て直したロシアが屁理屈をつけて再侵攻する可能性も排除できない。
それを保証するのがウ関係国による安全保障の担保です。
例えば米英+中印によるウの安全保障。
ロの再侵攻を止めるには西側だけでなく中印による再保障が必要となるでしょう。
最近の日本政府の動きを見ていると、想像以上に戦争の足音が近づいているように感じられて不気味です。戦闘機の輸出や今回のアメリカでの演説など、10年前なら想像できなかったこと、不可能と思われていたことが易々と実現されている。岸田首相は自分の行為の重大性が分かってやっているのか疑問すら感じる。
ひとついえることは、今回の演説により、日本の第二次世界大戦の敗戦後が終わった。日本は大国として世界秩序の一翼を担う責務を負い、血を流すこともありうる時代へと突入した。そんな重大な変化が起きているに係わらず、世論の穏やかなことにも驚かされる。日本人、日本社会って、現実的な人が多いという査証なのでしょう。
一国平和主義は通用しない時代。普通の国として自らの進路を決める覚悟が求められる時、理想論ときれい事を流布することで生き延びてきた左翼、マスゴミは淘汰される。改憲もすぐに実現するかもしれない。憲法改正なしでの解釈の拡大による北朝鮮、中国への攻撃というのもあり得る。歯止めをキチンと決めるためにも、改憲した方が良いと思うが、左翼マスゴミはそのような柔軟性はないだろう。唯々反対で淘汰されて終わり。
ウクライナ支援の一部は借款で,ウクライナが返済不能な場合,日本がその一部を肩代わりする,という密約があったという噂も。そこまで考えると,岸田首相は米国のウクライナ支援を後押ししたでしょう。武器支援をしていないので,その程度の貢献は必用だとは思いますが。ついでに,日本の貿易収支が黒字転換してるのに円安が進んで,トランプさんが怒ってますね。経常収支は大幅黒字になりそう。
岸田さんは,財務省にとって使いやすい人なので,財務省のバックアップも強力なのでしょう。
一部でなく「かなり」かも知れませんね。
その代わりの議会での演説ということも考えられます。
しかし、防衛を他国に依存してしまっている国としてはしょうがないところでもあります。(防衛費用の問題だけでなく専守防衛とか、自国の防衛なのに米国主体で防衛するような面)
その金額でロシアの戦力を減衰させることと、その金額を自衛隊の強化に使って元気なロシアと向き合うの、どちらがいいと思いますか?
その「密約」ってキシダガー評論家の思い込みであって裏付けってまだないんですよね。
ロシアとサシで殴りあって勝ちに持ち込める金額には遥か程遠く、かつロシア相手に極東で戦術的勝利をいくら重ねても『勝てない』ので、対ロシアの同盟構築拡大強化に資する対外援助に廻す方が実効的かとおもひマス
日露戦争時の大英帝国の如く
安倍晋三氏がご存命であれば、「最早米国に自由民主主義国家陣営の盟主たる気概も資格も無し!日本が盟主とならん!」ってやっても良い気がするんですけどね。
何というか、米国って神輿になるには俗物過ぎるんですよね。
その点、日本は歴史と伝統のお陰で神輿にし易く。
あなたのヘンテコな妄想に、安倍晋三さんを引っ張り出すな!
アメリカ下院、ウクライナ軍事支援案を圧倒多数で可決 近く上院でも可決の見通し
https://www.bbc.com/japanese/articles/c6pyx23wxqdo
「この日の予算案可決を受けて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、『アメリカ下院と両党、とりわけマイク・ジョンソン下院議長が、歴史を正しい道に沿って進ませようと判断したことに、感謝する』とソーシャルメディアに書いた」
岸田首相の演説の影響もあったのかもしれませんが、同じ共和党の議員から裏切者と非難される中、ウクライナ支援の必要性を訴えたジョンソン下院議長による根回しの賜物、との報道が目立ちますね。
5月6月中にもロシア軍が攻勢を強める可能性があり、4月中に緊急予算を通して支援を再開しないと今年中のウクライナ敗戦もあり得ると、CIA等から繰り返し説得を受けたことでジョンソン下院議長はウクライナ支援の必要性を認識し、共和党議員に予算案賛成に回るよう精力的に働きかけていたようです。
こうした報道を見る限り、米のウクライナ支援再開に果たした岸田首相の演説の役割は、そこまで大きくないように思えますし、岸田政権に対する自分の評価には正直影響しませんね。
安倍演説は「頑張るんで応援してください」感があってスガスガしく感じたけど、岸田演説は「アニキィ~ 頼んますよ~」感が漂ってて媚媚でちょっと恥ずかしかった。それにアメリカにインド太平洋でリーダーシップをとらせると、民主主義を押し付け始めるのでうまくいかないと思う。
インド太平洋地域の国は、アメリカの民主主義押し売りに対する警戒心が大強いので、日本に対する期待が大きいと思います。
インドネシアが課題ですが。