個人的に日本は観光立国を目指すべきではないと考えていますが、ただ、外国人観光客に対しては、それぞれできる範囲で親切にしてあげればよいのではないかと思います。こうしたなか、Xではコンビニ店員が外国人旅行者に対して不親切だったことを咎める内容がポストされていたようですが、これについてどう考えるべきでしょうか。
日本が観光立国を目指すべきではない理由
日本は観光立国を目指すべきか――。
答えは明白で、「NO」です。
その理由はいくつかあるのですが、第一義的に、現在の日本はべつに観光立国などを目指さなくても、すでに製造大国であり、金融大国であることにあります。
とりわけ先日の『円安の影響?我が国の第一次所得収支が過去最大に膨張』でも指摘したとおり、外国からの利配収入などを意味する「第一次所得収支」の黒字については34兆5574億円と過去最大水準に達していますが、これも金融業と製造業を中心に、海外投資が巨額の富を生んでいるという証拠です。
すべてがそうだとはいいませんが、「観光立国」は得てして、製造業か海外投資のいずれかが弱い国である、という傾向があります。たとえば欧州の場合、「観光大国」とされるギリシャは、国民は観光業以外には出稼ぎと農業で生計を立てている、などと指摘されることもあります。
もちろん、日本が欧米人などの目から見て、観光地として魅力があるのであれば、そして「結果として」日本に多くの観光客が訪れるのであれば、それはそれで悪い話ではありません。ただ、それはあくまでも「結果論」であるべきであり、わざわざ日本政府が音頭を取ってまでインバウンド観光を推進すべきものではありません。
そして、当たり前ですが、日本国民の生活が最優先であり、たとえば日本人が外国人観光客のために親切心で道案内をしてあげるのは悪い話ではありませんが、それはあくまでも「できる範囲で」やるべきものでもあります。
Xにポストされた、とあるエピソード
こうしたなかで、Xを眺めていて気づいたのが、こんな趣旨のエピソードです(ポスト内容は微妙に変えてあります)。
- コンビニで旅行客らしき外国人が店員に向かって鮭おにぎりを手にとり、 “Is this raw or cooked?” と尋ねたが、店員は固まっていた
- そこで親切心から店員に、「シャケが生なのか調理済みなのかと聞いてるようです」と伝えたところ、店員は私に向かって日本語で「調理済みです」と答えた
- 店員は「調理済みです」と私に向かって答えるのではなく、旅行客に向かって “Cooked” と伝えれば良かったのではないか
…。
これに関しては、いろいろと考えさせられます。
英語は事実上の世界の共通語であり、私たち日本人だって、海外旅行で外国に出かけ、その国の言葉がわからなければ、英語で尋ねようとするでしょう。外国人観光客が私たち日本人に英語で話しかけて来るのは、ある意味では当然のことでもあります。
ただ、それと同時に、英語で話しかけられたら必ず英語で答えなければならない、というものでもありません。
もちろん、親切心で英語で受け答えができるのであれば、そうすべきでしょうが、残念ながらここは日本であり、公用語は日本語です。コンビニの店員さんが日本語しか使えないのだとしても、それは決して責められる話ではありませんし、むしろ日本国内の会話が日本語であるのは当然の話でしょう。
できる範囲で親切にしてあげれば良いのでは?
敢えてこのポスト主の言い分に従い、コンビニ店員さんの「至らなかった点」を挙げるならば、親切心で通訳を買って出てくれた「私」に対して答えたことかもしれません。この場合、正解はコンビニ店員さんが旅行者に対し、「調理済みです」と「日本語で」答えれば良かったのではないでしょうか。
いずれにせよ私たち日本人は、外国人旅行者に対して意地悪をする(ウソを教えるなど)はいただけませんが、そうでなければ特に問題はないと思います。あくまでも「可能な範囲で」親切にしてあげればよく、相手に合わせて無理をして英語や中国語などで応対する必要はないでしょう。
(もっとも、中国語を習っている日本人が多いとも思えませんが…)。
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記事に全面的に賛成です。
取り上げられたエピソードについても
店員に落ち度も悪意もまったくなく、
その外国人も不愉快に思うはずなどありません。
Youtubeに外国人観光客へのインタビューが
多くUPされていますが、たとえ言葉は通じなくても
日本人の誠実な姿勢はしっかり伝わっていると感じます。
むしろ、
世界から多くの外国の方が日本を訪れたい中で
そのバランスを欠いてまで多い1位の国の
おでん文字が表示で優遇されすぎているのは
問題で増やすべきではなく他の国並に減少させるべき
と感じています。
もちろん、
ほかの国と違って日本を実際訪問してみても
その特性から嘘捏造での反日姿勢を
改めない人が多いことが知られてはいるのですが
少ないとは言え中には自国のありように気付いて
態度を改めるまともな人はあの国にもいるのですから、
やはり、相応の『親切』を提供してあげるべきです。
安く来れて過度に多すぎる弊害は、一律の入国税で
バランスを取るべきだと考えます。
コメ主は意識高い系の人なんだろうが、そもそも「raw」を聞き取れる日本人が少ないと思う。
そのYoutuberの動画見てみましたが
どうも、たかが喋れるぐらいで
『英語できるかっこいいオレ!』
的にイキっている程度の人(?)
のような印象をうけました。
「ぁあ?」と言われても怒らないで…90億人大移動 春節で来日する中国人との付き合い方 他人を気にせず“感覚重視”
https://news.yahoo.co.jp/articles/733365f2fa3d04f452dd4045ef2c907a3958c794?page=1
こちらの記事なんてものすごくふざけていますよ。
中国人観光客の言動に日本人が配慮しろ、が趣旨ですからね。
日本のメディアなら、そのような振る舞いが日本人にどの様に受け止められ忌避されてしまうのかを中国人観光客相手に強い調子で伝えるのが本来の役目だろ!と思ってしまいます。
もっと言えば、↓の様な対応が必要ではないでしょうか?
https://twitter.com/Formosanhistory/status/1757668653708013979
ぐり 様
yahooの記事の方は自分で言っていますよ。
>貧富の格差は生活水準の違いに繋がり、教育環境の格差は礼節の有無をより顕著にし・・
朱に交われば赤くなるの典型でしょう。= ”中共に長くいると礼節を失う”
こんな記事相手にしないのが一番。
ちょこっと調べると、東京の英会話学校の先生って時給3000円とかみたいですね、
それで、コンビニ店員って元々マルチタスクな仕事ですけど、英会話能力を求めるなら最低でも時給3000円からで、求められるマルチタスク能力を考えると5000円でも妥当じゃないですかね?
日本って?日本人って?日本社会って?本当コスト意識無いですよね笑
↑
こういう人種にネガティヴマウント取る人って何考えてんだろうな?中国人よりタチ悪いというか性格悪いよね。
ジムロジャーズの記事読んでるのかと思った笑
?
我々だって海外で店員に日本語で訪ねたら怪訝な顔をされるだろうし現地語で話しかけられます。
そんなこと当たり前だから辞書や翻訳機を持っていきます。
でも日本国内では海外の常識が通用しないようです。
店員さんのどこが問題なのでしょうか?
外国人の方もいろいろで、心が荒んでいる私なんかは、どこぞの仏像を返さない連中には特に親切にしたいとはサラサラ思いませんけれども。この投稿者の方が店員さんに代わって伝えてあげれば良いだけの話しではないでしょうか?本当に不親切なのはどちらでしょう?と思います。
外国人がやってはいけないことをやった時は、日本語で大声で怒鳴ればよい。
電光掲示板も英語と日本語だけでよい。
ここは日本だ。何も外国人に遠慮することはない。(と思う)
火星人が地球に観光に来るようになったら、太陽系標準語だとか言われて火星語での対応を強要されるんですかね。その時英語話者が「地球に来たなら英語で言え!」とか言ったら嗤いますけど。で火星語を話せる人がしゃしゃり出てきて「店員が火星語で返せば良いではないか」とか言い出すのか。
さておき(投稿が実話として)英語話者の旅行客がオニギリの中身が生魚かを問うというのは、Sushiが随分と世界に浸透しイメージが強いという事ですかね。出身国では生魚を米でくるむなどありえず本来なら発想すらしないでしょうし。
この X ポスト主は高校を卒業していないのかな?
昔、中学か高校の英語の授業で習ったような。
”When in Rome, do as the Romans do.”
其れとも今の教育では端折っている?
労働集約的な観光産業だけになってはいけないです。しかし、人に見られて評価されると言う緊張感を持つ事があってこそモノづくりの質も上がると言うものです。
最近の日本人は円安で海外にも出かけられなくなって、国内でもコスパばかりを気にする様になってます。これでは新しいモノは作り出せません。
私は日本に中流がいなくなっている事を憂いています。衣食住が満たされて、少しばかりの贅沢ができる人がいて、文化や産業も発展するのだと思います。
今は中流が減っているので、日本をみる外国人の目はとても大事です。カネやモノだけ見ていてはいけません。人口が減っている日本では高付加価値を作りだす力がいります。それはカネでもモノでもなくコトが大事です。
>労働集約的な観光産業だけになってはいけない
労働集約的でない観光産業とは、どんな観光産業ですか?言葉だけを弄んではいけないですな。
労働集約的だない観光産業とはどんな様相のものか具体的に説明してくださいな。
>人に見られて評価されると言う緊張感を持つ事があってこそモノづくりの質も上がると言うものです
人に読まれるコメントに、こんなピンぼけな内容を書く方は、どんな緊張感のあるお仕事をされているのでしょうか?あなたの仕事の出来には、関係者皆さんが大満足されているのですね?試しに、コンビニで働いて見られたら如何ですか?
>これでは新しいモノは作り出せません。
日本は、毎年新しいものを作り出しています。あなたは、どんな新しいものを作り出しているのですか?
>私は日本に中流がいなくなっている事を憂いています。
中流層がいなくなったのは、日本だけではありません。デジタル社会になって中流層の仕事がITに置き換えられたので、世界中で中流層はいなくなっていますよ。それが、アメリカでトランプ氏が優勢な理由です。トランプ氏の支持者は、白人で嘗て中流層だった人が多いのです。トランプ氏がアメリカファーストなんて言っているから、そうなれば、自分達が復権できると勘違いしているのですが、中流層の没落は、ITのセイだから、誰が大統領になっても彼らの復権はありません。こんな時代の流れも読めないから、没落するのですが、自分達にはそれが分からないので、トランプ氏のアジテーションに乗せられてしまうのです。
>人口が減っている日本では高付加価値を作りだす力がいります。それはカネでもモノでもなくコトが大事です。
何を言っているのかさっぱり分かりません。兎に角、具体的に書いてください。
人的サービスに頼った業態を労働集約的と言ってます。製造業とかは自動化で生産性をあげられますが、顧客に直接対応するサービス業は自動化する事が難しい業態です。
ディズニーランドの様な大手は設備投資をして人件費を削減したりできます。プロのアーティストは高価格チケットでも集客できます。しかし、売りがないサービス業は売上をあげるため割引販売せざるおえないので生産性が下がります。
中流がいなくなっているのは日本だけの問題ではないです。米国は昔から格差が大きかったし、中国だって格差が大きいままです。それが現実ですが、だからと言ってそれが良いと言う訳でもないでしょう。
しかし、ITで中流がいなくなるってロジックがわからないなぁ。
管理や企画や経理などの、いわゆる知的単純業務、あるレベルの知能の高さが求められるが、その実、単純な業務や作業。こういう職種の人達は、一応知能労働として高給を貰っていたが、これは、コンピュータソフトやシステムが代替し易い業務だったんですね。
米国では、2000年前後のITブームで、このようなシステムが職場に普及して、いわゆる(単純)知的労働者の仕事を奪って行ったので、彼らの仕事は無くなりました。
日本は、バブルの後始末の失われた30年と言われる時代に、全ての職種の給料が下がりました。バブルが始まる前は、一億総中流と言われるくらいに、給料が上がっていたのに。例えば、東京都の平均給与所得が600万円だったのが、今は、多分480万円くらいではないか?