「韓日はともに老衰していく。ともに手を取り合い、協力していかねばならない」――。最近、この手の「日韓どっちもどっち」論のような記事が増えてきた気がします。とりわけ韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に24日付で掲載された記事は、なかなかに強烈です。ただ、かつての日韓協力が日本の産業にどのような影響を与えたのかについては、ここで思い出しておく必要がありますし、この手の「どっちもどっち論」を巡っては、鈴置高史氏の論考を読み込んでおく必要もあるでしょう。
朝鮮日報のなかなかにぶっ飛んだ記事
日曜日の昼下がり、年に1度の聖なる夜(とある宗教の教祖が生まれたとされる日の前夜祭)を前に、柚子湯に入り、カボチャで体調を整え、願い事の短冊を準備しつつ、イチゴ狩りにいそしんでいる方も多いのではないかと思います。
こうしたなかで、なかなかにぶっ飛んだ記事を発見してしまいました。
日本と並んで歩む方法【東京特派員コラム】
―――2023/12/24 09:05付 朝鮮日報日本語版より
隣国メディア『朝鮮日報』(日本語版)によると、「東京ドームで日本のポップグループ『X JAPAN』と21歳のKポップアイドルが並んで歌った」、「韓国SKグループ会長が東京大学で『韓日が一緒に経済圏を作ろう』と講演した」、といった話題をもとに、「韓日協力」の重要性を強調するものです。
最近、この手の記事が、ずいぶんと増えてきました。
当ウェブサイトではあまり紹介していませんが、某ニューズ・メディアも「少子化は韓日双方の課題」、などとして、まるで日韓が共通の課題を抱えていて、それらの解決のためには日韓両国が協力し合わなければならないかのような論調が目立つのです。
韓国に援助、協力を行ってきた日本の現状
ちなみにこの朝鮮日報の記事でも、1960年代から70年代にかけての、こんな記述が出てきます。
「テレビ局のプロデューサーは、東京に一度赴いては旅館に閉じこもってテレビ番組だけを一晩中研究し、韓国の番組に応用してきた時代だ。日本の歌謡曲のコピーとうわさされた韓国の人気曲の盗作論議は得てして事実だった」。
「『技術であれ歌であれ、はなはだしくは失敗までも全てコピーする』という日本の皮肉を聞くはめになった」。
そうやって韓国に気前よくなんでも教えてきた結果が、そして韓国にホイホイ支援してきた結果が、今日の惨状なのでしょう。以前の『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』でも指摘した、日韓通貨スワップが韓国の為替操作を許し、日本の産業が潰されてきた原因のひとつとなったこともそのひとつです。
最近だと半導体産業はすっかり韓国の方が上位となりましたし、最近だと原子力産業でも韓国の躍進には目を見張るものがあります。政策アナリストの石川和男氏がX(旧ツイッター)に23日付で投稿した次の内容などを読むと、思わず同意してしまいます。
サムスン200億円補助金も「落ちぶれた日本」の象徴?
そういえば、日本政府がサムスン電子の日本拠点に対し、200億円を補助する方針を固めた、などと報じられています。
【速報】政府 サムスン半導体拠点へ200億円支援へ
―――2023/12/21 10:42付 Yahoo!ニュースより【テレ東BIZ】より
これが報じられたのが、例の自称元徴用工判決(『自称元徴用工でまたも日本企業に賠償命令=韓国最高裁』等参照)と同じ日付だったために、日本国内では「なぜ韓国に支援するのか」などの批判が日本政府に相次いでいます。
しかし、もっとも、今回の「200億円補助」については、当ウェブサイトとしてはまったく違う見方をしており、その経済的な本質は、「日本政府が韓国企業に補助金を出して日本に半導体の『後工程』の研究拠点を作ってもらうこと」、といえなくはありません。
もちろん、「200億円で後工程の研究拠点を誘致できるならば安いもの」、などと短絡的に考えているわけではありませんが(※これについては少し議論が複雑であるため、本稿では割愛します)、韓国に半導体開発技術が集積しているという事実は認めなければなりません。
いわば、これも「落ちぶれた日本」の象徴、という見方ができるのです。
「日韓どっちもどっち」論、正しいの?
ところで、先ほどの朝鮮日報の記事に、こんなくだりが出てきます。
「東京大学で出会った大学生は『老衰した日本経済を案じる韓国の崔会長の忠告を肝に銘じたい』と語った。韓国も同じことだ」。
なんだか大変わかりやすい、「日韓どっちもどっち」論です。
答えから先に指摘しておくと、少子化・老衰の影響は、日本よりも韓国の方が、遥かに深刻です。そのヒントとなるのが先日の『少子化切り口に「韓国の上から目線」を指摘=鈴置論考』でも紹介した、韓国観察者の鈴置高史氏がウェブ評論サイト『デイリー新潮』に掲載した論考でしょう。
「韓国消滅」と慌てふためく韓国人…急激に落ちる出生率は“世界ワースト1” 日本への「上から目線」は続くのか
韓国人が「韓国消滅」と慌てる。出生率の異様な低下により、一世代後の人口は現在の35%に急減すると報じられたからだ。「衰退する日本」を見下していた韓国人。彼らがいつまで「上から目線」を続けるのか、韓国観察者の鈴置高史氏は注目する。<<…続きを読む>>
―――2023年12月18日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
韓国における少子化を切り口に、「日本より上か、下か」を異常なまでに気にする韓国の心理状態を解き明かす、大変に優れた論考です。文字数は非常に多いのですが、文章自体が平易であるだけでなく、説得力が豊富で知的好奇心を刺激されるものでもあるため、まだの方はぜひご一読をお勧めします。
鈴置論考では、世の中の記事にありがちな「日韓どっちもどっち論」に陥らず、「韓国観察」という視点が一貫しており、とりわけ韓国ではOECD諸国のなかでも例外的に、出生率が1倍を大きく割り込んでいるという状況を取り上げています。
日本も出生率は2021年実績で1.3とOECD諸国では下から数えた方が早いのですが、中国、韓国などは日本よりもさらに出生率が低いという事実についても見落とすべきではありません。
また、金融・通貨面、産業面などから総合的に見ると、残念ながら現在の日本にとって、「韓日一緒の経済圏」を作るメリットはありません。
いずれにせよ、岸田文雄首相による自称元徴用工問題の「解決」(※解決になっていない)のせいでしょうか、最近、日韓関係が「改善」したかのような前提に立った記事が相次いでいるのですが、それらの記事の前提条件については、私たち読者の側として、きちんと精査した方が良いことは間違いなさそうです。
View Comments (21)
こんな朗読がそら耳したような気がします。
「母さん あの200億円どうしたでしょうね
夏 碓氷から霧積へいくみちで
水原(たにぞこ)へ落としたあの200億円ですよ」
2024年新春公開映画
「おろかものの証明」
「税金の行方」
豪華2本立て。全国映画館および主要オンライン配信会社にて。鑑賞割引きクーポンはネットでゲット。
おいおい
エイプリルフールには早すぎる
タモリの空耳アワーもう終わり
まともな日本人なら・・スルー
日本人へのリトマス紙試験??
自称元徴用工問題を解決しない韓国は、日本に来ないでほしい。
韓国の半導体・メモリは疑わしくて使えない。
理由はいつ壊れるか予測がつかない。
韓国スマホも日本では売れない。
ヒュンダイも売れない。
ホワイト国扱い
応募工判決
通貨スワップ
三星への援助
次は何? 岸田首相は支持率を落とすことにかけて、凄いテクニックを持っていますね。低支持率を気にしているなんてフェイクニュースかな!?
背後にバイデン政権の影がチラついてもマスゴミもパヨクも「米国言いなり止めろ」とは言わなんでしょうね。
その手は桑名の焼きハマグリと苦笑してしまう
騙しテクニックの韓流さんには苦笑します。
しかしなんせ岸田が半島とウッシッシ中なので心配です。
それにしても、江戸時代にも、
周囲の山中に潜む山賊追い剥ぎさんたちは、
江戸の街中や市民にいろんな悪巧みや画策を
仕掛けていたようです。
ただ、韓流さんと違って当時はすぐに
火付け盗賊あらため方に追われ追い払われて
しまってました。
言論の富に自由な日本では
かわら版屋朝日新聞とかが結託し
手引をしているように映る情景には
はてさて いかがなものかと感じます。
200億円の補助金。タダじゃない。
税金払ってもらう。
この投資が功を奏して儲かればその利益に対しても税金払ってもらう。
200億円分の報告義務が生じますので、職場現場の緊張は相当なもののはずです。経産省担当部局が目をちゃーーんと光らせ続けるつもりがあるならですが。
親韓派の文雄ちゃんも来年の3月予算とうしておしまいでしょう。来年540も地方選挙があって
自民党の地方組織がゆるさないでしょう。タカ派的な早苗ちゃんか韓国よりの陽子ちゃんがなるかしれませんが文雄ちゃんよりはましかも。日本以上に少子化に苦しむ韓国と経済的に連携してもあまりメリットなしです。台湾のほうがいい大事。こんなくず国家中国にくれてやればいい。
少子高齢化について、「日韓共通の問題」などとして、「どっちもどっち」に持ち込もうとする人が多い気がします。
最新の出生率は日本が1.26、韓国が0.78でかなりの差があるのに、「下を見ても仕方ない」とか「韓国の方が深刻なのは確かだが、だからと言って日本も楽観視できる状況ではない」とか。
日本の出生率があと0.5増えたら、1.7台後半のアメリカ並になり、もう少子化社会とは言えない。
しかし、それが何十年も達成できないから、日本は困っている。
0.5とは、それ程の差なのに。
米国がキューバに経済協力しますか?って事をよーく考えてほしいものです。
ピークコリア論が出た途端にこれですか。乾いた笑いが出ました
出生率は0.7を切ろうかという凄まじさ、成長率も見下して来た日本と変わらない水準になり、
頭が言っちゃってる様な韓国至上主義者以外なら、客観的に考えてもう韓国の未来は暗いと気付く
その途端にこの擦り寄り発言
日本人の言うwin-win論と、中国韓国人のそれは言葉が同じでも意味は全く違うと、過去が示してます
日韓トンネルとかいう前例があるからなあ(しかもまだ完全には消えていない)。どうせとん挫するから、ほっといてもいい気がするけど、過程で何か投資を引っ張ってネコババするのが目的だったら注意しなくてはならないかも。
こういう構想とかには、動かす日本側にも旨味がある連中がいるのでしょう。なくならんよね。五輪とか、万博とか、IRとかと一緒。