「もしも通貨安で経済が発展するなら、いまごろトルコのGDPは世界一になっていたはず。円高だろうが円安だろうが、良い製品は売れる」。こんな主張が出てきたようです。もちろん、言論は自由ですから何を主張するのも自由ですが、インフレなのに利下げをして通貨が暴落したトルコという特殊事例を持ち出されると困ります。また、通貨高、通貨安という「マクロ」の議論をしているときに、「通貨高だろうが良い製品は売れる」という「ミクロ」の話をされても、議論はかみ合わないのです。
目次
インフレ→利下げで通貨暴落したトルコ
当ウェブサイトは世の中の一部の人からは「怪しげな経済理論を振り回すインチキ系のネトウヨサイト」と見られているようであり、とりわけ某自称経済新聞の「悪い円安」論を時としておちょくって来たので(『円安なら「悪い円安」だが円高なら「悪い円高」=日経』等参照)、「あの界隈」からはずいぶんと嫌われているようです。
いや、べつに嫌っていただく分にはまったく問題ないのですが、個人的には、嫌うなら嫌うで、論理的に整合する主張をしていただきたいと思うのもまた事実です。
こうしたなかで、(あえて実名を挙げることは控えますが)X(旧ツイッター)で1日、こんな趣旨のポストを見かけました(文意を変えない範囲で微妙に表現を変えてあります)。
「通貨安で経済が良くなるというのなら、いまごろトルコのGDPは世界一になっていただろう。日本経済が過去30年間低迷した要因も通貨高ではありません。アップル製品は、ドル高だろうが、ドル安だろうが、売れます。昔のソニーも同じでした」。
トルコという、高インフレ下で利下げをした国を持ち出されても、少々困惑します。
日本とトルコは産業構造も金融構造もまったく異なりますし、外国資本に依存していながらキャピタル・フライトが発生し、通貨防衛を実施したトルコと、潤沢な外貨準備を抱え、自国通貨である日本円自体が国際的なハード・カレンシーであるという日本を、前提条件の違いを無視して単純比較するというのも強烈です。
また、日本経済が過去30年間低迷した要因については、通貨高「だけ」ではない、という点には同意しますが、そもそも通貨高で産業競争力が削がれているという「マクロ」の議論と、「通貨高でも売れている製品がある」という「ミクロ」の議論を混同するのはいかがなものかと思います。
それを言い出せば、任天堂の製品は通貨高でも売れますし、後述する通り、かつてない円高期に産業の「川下」部分は次々と海外移転し、絶滅の危機に瀕してしまいましたが、産業の「川上」部分は日本に残り続けましたし、「川上産業」が残っているからこそ、「川下産業」が復活の余地を残しているのです。
円高と円安のメリット・デメリット
繰り返しで恐縮ですが、当ウェブサイトでこれまでしばしば指摘してきたとおり、為替変動はある国に対し、良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。
それらを踏まえたうえで、円安は「現在の日本経済にとって」、デメリットよりもメリットの方が大きい、というのが、当ウェブサイトにおける暫定的な結論のひとつです。
まずは「いつもの図表」をご確認ください(図表1)。
図表1 円高・円安のメリット・デメリット
©『新宿会計士の政治経済評論』/出所を示したうえでの引用・転載は自由
川上産業が残った日本:川下産業の復活は可能
円安になった場合、真っ先に思いつくのは、輸出競争力の向上です。
「失われた30年」を通じ、日本の製造業・製造拠点は、中国をはじめとする海外にずいぶんと流出してしまいましたし、民主党政権時代の円高に加えて政権の産業に対する無理解の影響もあってか、エルピーダメモリが倒産するなど、半導体産業もずいぶんと衰退してしまいました。
しかし、貿易統計上、日本は依然として自動車などの「輸送用機器」の産業が強く、これに加えて「モノを作るためのモノ」――、具体的には半導体製造装置などの資本財、化学製品などの素材・部品などの輸出に大きな強みを持っています。
つまり、最終製品(家電など)を作る産業など、「川下」はすっかり衰退してしまいましたが、部品や設備などを供給する「川上」については健在であり、しかも知的財産権などもガッチリと保持しています。
このあたりは、日本の産業の裾野が広いことの証左でもあります。
そして、いくら円高になろうが、こうした「川上産業」の製品に対する需要がゼロになることはありませんので、いわば、日本は国を挙げて「川下産業」を中国などに移管し、「川上産業」のみを国内に残すという生き残り戦略を取って来た格好です。
そして、「川上産業」が残っていれば、「川下産業」を復活させることは比較的簡単です。日本企業が「川上産業」を海外から呼び戻してくれば済む話だからです。その逆はありません。「川下産業」だけの国は、「川下産業」を支えている外資企業が撤退したら、ペンペン草が生える空間しか残りません。
実際のところ、円高が中国発の価格破壊とあいまって日本経済を痛めつけるという構図が30年続いたため、日本企業としては今すぐに海外の工場を日本に戻すという動きには出ないでしょう。制度的に中国からの工場撤退が難しいことに加え、日本国内も空前の好景気を前に、労働力不足が本格化しているからです。
このため、「輸出競争力の上昇」、「輸入代替効果の発生」といったメリットを現在の日本が完全に受けているかといえば、そこはまた別問題でしょう。
日本の場合は純債権国:莫大な資産効果が生じる
ただ、図表にも示した通り、円安が日本経済にもたらすメリットは、「輸出競争力の向上」だけではありません。
円安による非常に大きな効果のひとつは資産効果にあります。
ある企業が1ドル=75円の時代に海外に7500万円(つまり100万ドル)を投資した場合、1ドル=150円の時代を迎えれば、その100万ドルは倍の1.5億円の価値を生み出しています。
日銀の資金循環統計によると、日本の国を挙げた対外投資は、対外直接投資が283兆4210億円、対外証券投資が762兆8348億円にも達しており、この2項目だけで1000兆円を超えます。
日銀から一括ダウンロードできる最も古い1997年12月末時点のデータに基づけば、対外直接投資は31兆4850億円、対外証券投資は121兆7767億円、合計150兆円あまりに過ぎませんでしたので、対外投資の金額はこの25年で、じつに約6.7倍(!)に増えた計算です。
その一方、円安は日本の対外債務の負担を高めるリスクがあるのですが、これについてはどうでしょうか。
国際決済銀行(BIS)が作成・公表している『国際与信統計』(英語名称である “Consolidated Banking Statistics” を略して「CBS」と呼ぶこともあります)によると、日本の金融機関が外国に貸しているカネ(国際与信)は6月末時点で約4.6兆ドルに達します(最終リスクベース)。
また、この約4.6兆ドルの通貨構成(ドル建て、ユーロ建て、円建て、現地通貨建てなど)については必ずしも明らかではないものの、これまでの動きから推察し、ざっと半額がドル建てであろうと考えられます(ただし、逆にいえば、ドル高になった場合に目減りする分もあるかもしれない、ということでもあります)。
その一方、逆に日本の経済主体が外国の金融機関から借り入れているカネ(国際受信)は、同じく最終リスクベースで約1.2兆ドルであり、(統計の引っ張り方にもよりますが)このうち外貨建ての債務はせいぜい3000~5000億ドル程度であろうと推定されます(※厳密な数値を出すことは困難)。
トルコは日本と金融規模自体がまったく異なる!
これを、数値でまとめておきましょう。
日本の国際与信・受信の状況(2023年6月末時点、最終リスクベース)
- 対外金銭債権等…4兆6459億ドル
- 対外金銭債務等…1兆1963億ドル
(【出所】The Bank for International Settlements, Consolidated banking statistics データをもとに著者作成)
すなわち、日本の場合は対外純債権国であり、円安が進めば、それらの対外資産を円換算した金額が増えるという傾向が生じます。
ちなみにトルコについて、同じ状況を調べてみると、対外金銭債権は217億ドル(日本の約200分の1)、対外金銭債務は1356億ドルで、金融の規模は日本と比べて圧倒的に小さく、また、外国に貸しているおカネより、外国から借りているおカネの方が多い、という結論が出ます。
トルコの国際与信・受信の状況(2023年6月末時点、最終リスクベース)
- 対外金銭債権等…*217億ドル
- 対外金銭債務等…1356億ドル
(【出所】The Bank for International Settlements, Consolidated banking statistics データをもとに著者作成)
トルコの場合、対外純債務国でもあるため、通貨安は間違いなく経済を痛めつけます。金融大国であり対外純債権国でもある日本と、そもそもの前提条件がまったく異なっているのです。だからこそ、これを単純比較すれば、おかしな結果を招くのは当然のことでしょう。
もちろん、だからといって、すべての投資を今すぐ円換算して日本に持って帰れるという話ではありませんが、それでも企業経営者の心理状態として、投資ポジションで余裕が出てくれば、投資マインドも高まりますし、冒険心も出て来るでしょう。
これまでに投資したことがない国に投資してみようと思うかもしれませんし、あるいは逆に、思い切って日本国内に投資してみようと思うかもしれません。とくに円が安いということは、海外から見て、投資がしやすい環境にある、ということでもあるのです。
昨今は台湾の半導体メーカーTSMCが熊本に巨額の投資を行い半導体工場を作ろうとしていることが話題となっていますが、九州が「シリコンアイランド」となれば、経済や産業、学問・学術などに対する波及効果は、計り知れません。
実際の数値はどうなっている?
いずれにせよ、上記議論より、「現在の日本経済の状況」を前提とすると、「円安は日本経済に対し、悪い影響も与えるかもしれないが、総合的に見れば、良い影響の方が大きい」、という評価が、当ウェブサイトなりに「理論的に得た結論」です。
ちなみに「悪い円安論者」は得てして数字を無視する(か、数字を捻じ曲げてインチキグラフを作る)という傾向がありますが、現実の数字はどうなっているのでしょうか。
結論からいえば、GDP、企業業績、失業率・有効求人倍率など、さまざまな数値が極めて良好なのです。
たとえば名目GDP(2023年4-6月期、季節調整済み)は589.5兆円と過去最大を記録しており(図表2)、直近四半期の成長率を年換算すれば11%というペースで伸びていて、このペースが続けば、早ければ年内にもGDPは史上初の「600兆円台」に乗ります。
図表2 GDPの推移
(【出所】内閣府『国民経済計算(GDP統計)』データをもとに著者作成)
また、『法人企業統計』で見てみると、日本企業の経常利益水準は右肩上がりで伸び続けており、2022年を通じた経常利益(※金融・保険業含む)は史上初の「100兆円台」を記録するなど、利益水準はなかなかに堅調です。
日本企業の経常利益
- 2008年…31兆8788億円
- 2013年…72兆7280億円
- 2018年…95兆2295億円
- 2019年…81兆1910億円
- 2020年…73兆3699億円
- 2021年…96兆4190億円
- 2022年…107兆7229億円
(【出所】政府統計の総合窓口『法人企業統計調査 時系列データ 』)
さらには、完全失業率は完全雇用の水準をさすといわれる3%台を割り込んでいますし、有効求人倍率もほぼ恒常的に1倍を超過している状況が続いています(図表3)。
図表3 完全失業率(反転表示)と有効求人倍率
(【出所】完全失業率は総務省統計局『労働力調査 長期時系列データ』、有効求人倍率は政府統計の総合窓口『一般職業紹介状況(職業安定業務統計)』データをもとに著者作成)
数字を無視する・グラフを歪曲する人たち
果たして、これのどこをどう見たら、「日本経済が破綻しそうになっている」のでしょうか。
いや、もちろん、「円安のせいで日本経済が不調になっている」と主張なさるのは自由ですし、そうした「悪い円安」論者の方は、「円安になっていなければGDPはもっと増えていたかもしれない・企業利益はもっと増えていたかもしれない・失業率はもっと下がっていたかもしれない」、などと唱えるかもしれません。
が、そのように唱えるのならば、「円安が日本経済を傷つけている」ということを、数字で示していただきたいと思うのです。
もちろん、本稿冒頭で引用した主張のように、「魅力ある製品がなければ競争力は生まれない」という指摘はそのとおりでしょうし、「良い製品は円高だろうが円安だろうが売れる」のも事実でしょう。
しかし、円高、円安が経済全体(マクロ)にどのような影響を与えるかという議論をしているなかで、いきなり個別製品という「ミクロ」の話をされても、議論が混乱するだけです。
現に為替相場操縦で日本との輸出競争に勝ち、経済発展させてきた某国が、昨今の円安の影響で輸出に大打撃を被り、経済成長にもストップがかかっている、という事例もあるわけです(『円安が韓国の輸出を直撃=韓国紙』等参照)。
いずれにせよ、「悪い円安論」を唱える人は、得てして「前提条件を無視して極端な事例を出す」、「マクロの話にミクロの特殊事例を持ち込む」、「グラフを歪める」などの印象操作をする傾向があるのですが、「悪い円安論」をきちんとした数値で説明している事例は見たことがありません。
結局、理論でも数字でも実証できないからこそ、こうしたインチキがはびこる、ということなのかもしれませんが…。
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円安加速いったいなぜ? 家計の負担いくら増える? 年収別に試算
2023年11月1日 19時36分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231101/k10014243841000.html
>このため仮に1ドル=150円の円安水準が今後も続いた場合、今年度の残り5か月間でトヨタの営業利益はおよそ1800億円押し上げられる計算となるほか、ホンダもおよそ1000億円、日産もおよそ900億円、それぞれ営業利益が押し上げられる計算となります。
自動車業界にとってはプラスですが、…
>日本製鉄の森高弘副社長は1日、決算発表の記者会見で「これ以上、円安が進んでいくことは望んでいない。原料をほぼ100%輸入に依存しており、円安は輸入に大きくマイナスになるためで、日本全体としても貿易のバランス上、それほどよい方向に効かないだろうと思っている。むしろマイナスの場合も多いのではないかと思っている」と述べました。
日本製鉄みたいな原料がほぼ100%輸入に頼ってるところは厳しいそうですが、どの程度営業利益が引き下がるのやら。
円安による利益が社会全体に還元・分配されないと円安は“悪い円安”と認識される訳で、社会全体への還元や分配が日本政府の仕事となるんでしょうね。
「悪い円安論」の一つとして今朝のbloombergでは次のものがありました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-01/S3GCGRT1UM0W01
ペソ、リラと円を同一視するのは流石に無理筋な気もします。日本の経常収支が黒で対外債権が大きいのを知ったうえでアルゼンチンのように真逆の国と比較してもなぁという感じがしています。
私も今の円安自体は過剰と思ってますが、流石にこの論は微妙と思います。別に円高でも海外移転して事実上の資本流出はしてましたし。
結局、為替とは対外依存度の問題だ。一国内だけで国民生活が成り立っていれば、為替ということは必要ないだろう。鎖国をしていた、江戸時代には為替という概念があったのだろうか?やはり、為替という事がよく分かっていなかったようで、江戸時代末期には、不利な為替レートで、随分と銀を流出させられてしまったらしい。
それは兎も角、為替の変動が問題になるのは、その国の対外依存の中身による。
日本のように、食糧・エネルギーのような生活基礎物資の対外依存度が高いものについては、円安は不利だが、一方、輸出=稼ぐ方では有利になる。すると、有利になった輸出で稼いで収入を増やして、高くなったものの購買力を高めれば良いという事になる。
このような影響関係は、この論稿で一覧表になっている。
経済専門新聞を自認するならば、こんな影響関係を冷静に分析して、日本は国家として、どんな産業構造が相応しいか?などを論じて欲しいものだ。
円高が悪い、円安が悪い、どっちになっても、悪い悪いとばかり騒いでいるのでは、自分達は高尚な経済誌だと嘯いているかもしれないが、やっている中身は、大変だ!大変だ!と騒ぐことで世の中をアジッて稼ぐ事しか出来ないゴシップ新聞雑誌と同じではないのか?
例えば、先日、このサイトの論稿にあった、円安になって韓国の輸出は打撃を受けている、それは、対円でウォン高になって、価格だけが商品力であった日本模倣?製品の競争力がいとも簡単に無くなったからだと韓国紙が書いている、と。韓国紙の方が経済新聞らしく見えてくる。
日本経済新聞、社名を変えて欲しい。経済新聞たる名前に相応しい記事が書けないのならば、この社名で記事を世界に発信されたら、日本はその程度の情勢分析力しかない国だと軽んじられかねないから。
細かい点ですが、江戸時代末期に流出したのは金です。
日本では金の算出が比較的多かったため国内では金銀が1:5、それに対し世界では1:15と、大幅なレート差があったため、金が流出して代わりに銀が流入しました。
重箱の隅をつつくようなことで恐縮です。
ご意見には同感です。
いずれ川上で稼いだお金が川下に流れてくれば景気が良くなるはず。
いずれ円高に転換してしまうと思うので、それまでに何としても川下までお金を循環させてほしいと願ってます。
金でした。
幕末の為替レート交渉が詳しく書かれた記事がありました。
https://serai.jp/hobby/1046540
ハリスに恫喝されて、レートが決められたようです。悪徳商人ハリスは、これで莫大な金額を稼いだようです。
かなり昔に、先輩から日経が売れると日本経済は悪くなると冗談交じりに言ってたなあ。
これからさらに景気が良くなると、日経が売れなくなるかもね。
NISA、一億総投資家時代に日本にある経済新聞社、電子版含め読者増やしたい儲けたい
ネットでの評判は気になるでしょ。朝日新聞と変わらない(捏造)認識が定着するのか!!
社名がマイナスのイメージなら変えなくていいかも。
ネットは何度も何度も事実が繰り返し残りますから。
(日本にある経済新聞社、中国進出を煽った罪の謝罪でケジメをつけてね・・・)
そもそも論ですが、前提をいじれば、どんな結論でも導き出すことができるのではないでしょうか。
経済論に関してはこのブログは非常に優秀だと思ってる。きちんとグラフや表、数字を用いて理論的に説明しているから。また、この記事でも言及されてる通り何かを比較する時のスコープも考慮に入れている。
それに円安のまま対策打たずにいるとダメであり、減税で還元する必要があるという提案までしてる。
Xで見かける円安に関する否定的な意見はだいたいその人の感想か範囲の狭い話だったりで、それを無理やり日本全体の話に落とし込んだら経済苦しいとなるだろうね。さらにそこからの提案となると的外れになるよ。
メディアは「こ~んなに酷い」「こ~んなにすごい」を伝えている。
「こ~んなに」が見つからないとサンゴを傷つけたり、グラフの目盛をいじったりして「こ~んなに」を作り出している。
>「円安が日本経済を傷つけている」
これは円安で「傷ついている業界もある」で「円安で笑いが止まらない」業界もあるだろう。
後者の方は伝えない。
「日本で900円で食べられるしまほっけ定食がニューヨークでは40ドル、5500円だ」日本はこ~んなに貧しいと言って嘆いて見せる。(加藤出)
ニューヨークでしまほっけ定食を食べる日本人がどれだけいるのか。
しかもこれよく考えてみれば900円=40ドル。しまほっけ定食に限ればすごい円高。
サウジアラビアではガソリン1リットル30円。日本に来たら1リットル190円。
サウジは(日本と比べて)なんて貧しいんだと言っているのと同じじゃん。
今
ブログ中で『日本企業が「川上産業」を海外から呼び戻してくれば済む話だからです。』
とありますが、川下産業ではないですか?
長期的には「緩やかな円高が望ましい」と考えます。360円の固定相場から、変動相場に移り254円、経常収支の黒字拡大に伴い177円、そして1995年4月の79円、それからは日本経済の低迷とともに、徐々に円安傾向となり、今は150円です。国力の増減を表してると思いませんか?因みに米国大統領は為替を聞かれたときは「緩やかなドル高が望ましい」と答えるのが決まりだそうです。
ただ短期的には、円安の方が、日本経済のメリットは大きいでしょう。ただそれは、金利もそうですが、一時的なカンフル剤とはなりえても、根源的な解決策にはなりえないものです。
第一には少子化対策、第二には成長産業の育成、第三には高齢者優遇(私は早晩その範疇に入ると思われるので残念ですが)をやめて若者・働き手世代への重点配分を図るべき、でしょう。
ドリンク剤を飲んで元気が出てもいっときのこと、筋トレをしっかりやって体力をつけないと、いずれツケを払う羽目になります。
なんか予算委員会質疑に下世話系週刊誌ネタをブッこんできて法案審議にならない…がカブって見えてきたス
悪い円安論者は全体を見ずに自分から見える範囲だけを見て、地球は球などあり得ない。平面だと言っているようなもの。