ついに恐れていたものが実現したのでしょうか。これからは「スシロー」ではなく「デジロー」と呼ばれるのかもしれません。当ウェブサイトでは継続的に議論してきた「回転しない回転寿司」問題を解決する可能性があるのが、デジタル回転寿司です。回転寿司業界ではつい先日も、「ビッくらポン!®」を巡り、ひと皿プラス10円で当選確率が上昇する「ビッくらポン!プラス」が登場したばかりですが、本当に話題に事欠かない業界です。
回転しない回転寿司問題
回転寿司といえば、世の中の多くのキッズや一部のアダルツからは大人気のエンタメ兼エネルギー源として知られています。色とりどりの寿司ネタが流れて来るのを見るのが好きだという人も多いでしょう。
最近だと回転寿司屋に入ると、寿司だけでなく、枝豆などのつまみに加え、パフェやビール、さらにはポテトフライや唐揚げ、プリン、果てはラーメンやうどんに至るまで、液体、個体などさまざまな形態の物品が回転しているとの報告もあります。
ところが、当ウェブサイトではしばしば報告してきたとおり、最近、この「回転寿司」業界に、異変が生じています。
『時代の流れ?哲学的にも難しい回転ずしの「非回転化」』などでも取り上げたとおり、一部チェーン店では最近話題の「スシペロテロ」対策に加え、人手不足対策や食品ロス対策を兼ねて、「回転しない回転寿司」状態に陥りつつある、というのです。
省力化を極限に?
すでにいくつかの店舗では「回転寿司」といいながら「フルオーダー制」が取られているケースも多く、とある店舗の場合、入店する前にスマホアプリで予約をエントリーし、入店時にチェックイン機で予約番号を入力し、席が空いたら再びチェックイン機にQRコードをかざして案内された座席に着く、といった流れが主流です。
また、フルオーダー制であるため、席のタッチパネルで注文をすれば、注文した品が直接、自席までベルトコンベヤで届きます。食べ終わって「お会計ボタン」を押したら料金が勝手に表示され、入店時に受け取ったQRコードをそのままレジに持って行ってセルフ決済すればOKです。
なるほど、極限まで省力化が図られている、というわけですね。
一部のファミリー・レストランでは最近、ネコ型配膳ロボットが縦横無尽に走り回っていると聞きますが、たしかに飲食店では接客・配膳係の店員さんを確保するのが大変であり、こうしたベルトコンベヤ式、あるいはロボット式の配膳システムは、なかなかに合理的です。
スシローではなくデジロー?バーチャル回転寿司
ただ、こうしたなかで、さらに衝撃的な報道発表を発見しました。
回転ずし大手チェーンの「株式会社あきんどスシロー」(資本金1億円)は27日、「回転ずし」と「デジタル」を融合した「デジロー」構想を発表したのです。
GO!スシロー40周年「一緒に行こか、回転寿司の一歩先へ。」
―――2023/09/27付 あきんどスシローHPより
リンク先の報道発表を読むと、こうあります。
「回転レーン×デジタルビジョン 回転すしの醍醐味であるレーンを見ながら新たなおすしに巡り合える楽しさ、選べる楽しさをデジタルで再現。」
ポイントは次の通りです。
- 2人同時にタッチ可能
- クイズやゲームなどのエンタメ要素を搭載
- 今まで知らなかったネタに出会えるナビモード
ちなみに実施店舗は23年9月27日時点において、東京のスシロー新宿西口店、大阪のスシロー江坂店であり、このほかにも10月にオープン予定のスシロー天白焼山店でも導入される予定だとしています。
やっと「回る寿司」が出て来た格好です(ただし回るのはバーチャルの世界ですが…)。
ただ、やはり気になるのは、「ゲームなどのエンタメ要素」のくだりにある、「だっこずしゲーム」でしょう。ただでさえ食が細いお子様をお持ちの親御さんにとっては、子供たちが「だっこずしゲーム」に夢中になってしまうと、食事がさらに進まなくなってしまうというリスクを抱えています。
このあたりについては、親御さんの判断においてゲームモードをオフにするなどの細かい設定ができないものかが気になるところです。
くら寿司では「プラス10円で当選確率上昇」!
ちなみに回転寿司業界といえば、ほかにも、あのくら寿司が名物「ビッくらポン!®」を巡り、対象皿の価格を10円上乗せすることと引き換えに、3回に1回必ず当たるという触れ込みで射幸心を高めた「ビッくらポン!プラス」を導入して、回転寿司業界とカジノ業界の話題をかっさらったばかりです。
くら寿司の代名詞「ビッくらポン!®」が3回に1回必ず当たる 「ビッくらポン!プラス」が新登場~9月29日(金)全国導入完了~
―――2023/09/25付 くら寿司株式会社HPより
いずれにせよ、回転寿司業界を巡っては、今後も当面、目が離せない展開が続きそうです。
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ハイテクで出来ることは、ハイテクに委ねるのは当然の流れです。
スシローは良く考えました。今までのように、メニューのページをめくりながら注文するのは何かの作業をしているようで一苦労感がありました。
席毎に分岐レーンがあれば、他人が注文したものを横取りしたり触ったりのイタズラも防げます。
新しいメニューを見つけることも楽になりちょっとワクワク感がありそうです。
これ、もし実用新案が認められていたら、他のスシ屋は、別のものを考えなければならなくなりそうで、ちょっと大変かもしれないです。
醤油さしペロペロ事件の余波かな。バーチャルであればイタズラは防げるし回らない分自分専用の注文感も強くなる。すでに小さな寿司屋では注文受けてからレーンに乗せている会社もある。タネを豪華にし高価格で勝負している。イメージが安いからスシローとかくら寿司やはま寿司に行くけど1700円くらいならふつうの寿司屋でもいい店は十分ある。だけどあがりのおかわりや味噌汁のおかわりが頼みずらいんだよなぁ。あの一家どうなったかな。金髪少年一生後悔するだろうな。
災い転じて福となす。
商魂逞しい業界ですね。
ホタテの業界は国に助けてもらう事になったようです。
国の支援に依存している業界も見習って欲しいですね。