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記者の私的飲食疑惑調査も…NHK「利権構造」の問題

NHK職員による経費の私的流用は、氷山の一角ではないか――。そういう疑問を持つのは自然な発想です。26日までの報道によれば、NHKは報道局の30代記者による私的飲食を含む不正な経費請求の疑いに対し、第三者委員会を設けて調査を行う方針を発表したそうです。ただ、NHKという組織の成り立ちを見れば、そうした私的流用が発生し得る余地は十分にあります。NHK自身が利権組織だからです。

自由・民主主義のルールから逸脱する人たち

当ウェブサイトではこれまで、いわゆる「自由・民主主義のルールから逸脱した存在」が利権組織と化し、日本を悪くしているのではないか、といった仮説を提唱してきました。

「自由・民主主義のルール」とは、なにか――。

わかりやすくいえば、主権者たる国民から民主的な選挙で選ばれた政治家や政党が政治権力を持ち、また、自由主義的な経済競争に基づき消費者から支持された企業が社会的に大成功するという世の中のことだと考えていただければ良いでしょう。その典型例が、自民党です。

当ウェブサイトでも最近、「自民党が大嫌いだ」、という方も増えているのかもしれませんが、ただ、それと同時に自民党は2012年12月以来、8回の大型国政選挙で連続して第1党として選ばれ続けていることもまた事実です。

その意味で、自民党総裁が日本の首相になるという仕組みは、本来ならば、極めて民主的なものだといえます。

ただ、それと同時に、現在の日本では、自民党以外の組織がやたらと大きな政治権力を握っていることもまた事実です。

つまり、自由・民主主義のルールから逸脱する人たち――、その典型例が、財務省でしょう。

財務省という反日組織を排除するためには…!?

財務省は国の予算を入口(国税庁)と出口(主計局)双方でガッチリと支配してしまっており、たとえ自民党議員といえども、その意向には逆らえない、というくらいに強い権力を持つことがあります。財務官僚は私たち国民から直接選挙で選ばれたわけでもないにも関わらず、です。

もちろん、自民党議員が一致団結し、「消費税の税率を下げる」、「消費税法を廃止する」などの議員立法をすれば、数の上では財務省には勝てるはずですが、現実にはそういうわけにはいきません。国税庁は税務上の調査権という、事実上の捜査権限を持っており、政治家にも睨みを利かせているからです。

だからこそ、私たち有権者が賢い投票行動をとることが何よりも重要です。自民党内の「反日・親財務省派」議員らを落選させ、「親日派」議員をひとりでも多く当選させるか、いっそのこと自民党以外に親日的で政権を担い得る政党を育て上げるかは知りませんが、少しずつでも世の中を良くするには投票しかありません。

結局は腐敗利権構造が問題

ただ、財務省が日本経済を破壊してきた、日本経済にとっての最大の「ガン」であることは間違いないにせよ、日本社会を壊してきた犯人は、財務省「だけ」ではありません。

財務省のみならず、得てして官僚機構は自己増殖し、利権を創設して維持・拡大することを狙うものですが、その過程で情報を担う新聞、テレビといったオールドメディアと結託して行ったのです。

記者クラブなどがその典型例ですが、新聞社やテレビ局には、法的な根拠もないくせに、霞が関の官庁のビルなどに自由に出入りできることも多く、酷いケースになると、官僚らの執務室に勝手に入室して情報を取りに行くこともできるほどです。

これについては、ウェブメディア『SAKISIRU』が8月18日付で配信した記事が参考になるかもしれません。

「経産省の全執務室施錠解除」全く共感されない毎日新聞のスクープ、「ズレている」指摘も/「知る権利」と結びつけに批判

―――2023年08月18日 08:00付 SAKISIRUより

記事によると、安倍政権下の17年2月、当時の世耕弘成経産相が「情報管理を徹底する」との方針で、全執務室を施錠するようになった経産省で、一部を除いて解除されたことを毎日新聞が16日配信の記事で「スクープ」したところ、SNS上では却って毎日新聞に批判が集まったのだそうです。

メディアは国民に選ばれた存在だったのか?

これも考えてみれば異常な話です。

「国民の知る権利」の名のもとに、役所の各執務室に記者らが入りたい放題侵入していて、本来ならば重要な機密情報も含め、情報がダダ洩れ状態となっているからです。しかも、侵入できるのはジャーナリストのすべてではなく、あくまでも記者クラブ所属の記者に限られるのです。

オールドメディアの記者らも、しょせんはそのメディアが実施する入社試験に合格しただけの民間人であり、べつに私たち日本国民から記者として選ばれたわけではありません。

また、新聞業界も、いわゆる「1940年体制」で現在の姿に再編され、個別宅配制度や再販価格維持制度、消費税の軽減税率、日刊新聞法による株式譲渡制限などで経営が守られてきた、一種の「独占業界」のようなものであり、多くのテレビ局は大手新聞社とクロスオーナーシップで結びついています。

そのオールドメディア業界は記者クラブ制度によって情報独占を許されており、新興のウェブメディアと異なり、官庁などからの情報を独占的に報じることができるという特権を持っているため、これまでも倒産せず、守られてきた格好です。

NHKは国民から選ばれていない組織の筆頭格

つまり、日本のオールドメディア業界は、自由経済競争の結果勝ち残って来た会社ではなく、戦前から連綿と続く「利権」によって守られてきた、むしろ自由経済競争原理を否定するような存在なのです。

その筆頭格が、NHKでしょう。

NHKは自ら「公共放送」だと騙り、法の規定に基づいて私たち日本国民が受信料という名目の事実上の税金を巻き上げているわけですが、そのNHKが「公共放送」に相応しいかどうかを決める権利は、私たち日本国民には与えられていません。

当ウェブサイトでもごく稀に、「NHKは国会で予算が決められているのだから間接的には有権者の信任を得ているようなものだ」、という趣旨の、非常に低レベルな屁理屈をコメントする人もいたようですが、国民が視聴者として、「NHKを視聴せず、NHKにカネを払わない」、という選択をすることができないのが問題なのです。

なぜなら、放送法の規定上、テレビを設置したら自動的にNHKと契約を結部義務が生じてしまうからであり、また、NHKもメディアの一角を占めていて、NHKに対して否定的な主張をする政治家が当選することは難しいとの感じる政治家に対しては、それなりのプレッシャーとなっているのです。

つまり、NHKにとってはどんなにつまらない番組を作ろうが、基本的には絶対に潰れないわけですし、職員1人あたり少なく見積もって1550万円という巨額の人件費が計上されていることからもわかるとおり、NHK職員になれば寝ていても高給がもらえるわけです。

自由経済競争の原則からすれば、もしかしたら真っ先に社会から淘汰され、排除されなければならないかもしれないなかで、NHKという「公共放送」の仕組みを悪用し、「受信料は番組の対価ではなくNHK職員の帰属のような生活を支えるための特殊な負担金」という論理で豪奢な生活を続けられる――。

本当に笑いが止まらない事でしょう。

NHKによる不祥事の数々

ただ、絶対権力は絶対的に腐敗するとの法則通り、熊野古道を破壊したり重要文化遺産を破壊したり尾瀬で無許可の撮影のために勝手に通行止めにしたり、と、NHKもさまざまな不祥事を発生させています。

こうしたなかで問題となりやすいのが、経費でしょう。

たとえばウェブ評論サイト『デイリー新潮』は、NHK職員が日常的にタクシーを私的利用していた疑いを報じたことがありますが(『デイリー新潮の指摘が事実なら、NHKの腐敗は深刻だ』等参照)、これはNHKの財務体質などに照らして、ある意味では当然発生することが予想される問題です。

NHKは毎年巨額の剰余金を計上し、しかも法人税を免除されている組織でもあるからです。

こうしたなかで、26日にはこんな報道がありました。

NHK報道局30代記者、数万円分の私的飲食含む不正経費請求か…第三者委設置へ

―――2023/09/26 18:27付 Yahoo!ニュースより【読売新聞配信】

読売新聞などによると、NHKは26日、報道局の30代の記者が私的飲食を含む不正な経費請求を行っている疑いが強いとして、第三者委員会を設けて調査を行う方針を発表した、などとしています。

正直、今回の話題はまだ「疑い」に過ぎないのだとは思いますが、NHKの体質に照らし、この手の事件が生じても、まったく不思議ではありません。むしろ氷山の一角ではないか、との疑いを一般国民が抱くのは、ある意味では当然のことでしょう。

NHKは極端な話、「法律で受信料収入が保証されている」ため、この世の中からテレビを設置する人が極端に少なくならない限り、絶対に潰れないからです。

もっとも、昨今はこのNHKの利権構造も、大きく変わり始めています。『NHK受信料問題巡り危機感がまったく見えない民放連』でも指摘したとおり、NHKと契約したくないならば、いっそのこと、「テレビ自体を捨てる」という選択肢が生じているからです。

民放連の遠藤龍之介会長は21日の定例会見でNHKの受信料の在り方などについて問われ、「受信料制度の是非についてきょうお話することは控えたい」と述べるにとどまりました。なんとも危機感のない受け答えです。ですが、NHKが持つ受信料利権を巡っては間違いなく曲がり角を迎えています。NHKは民法を道連れにテレビ業界を滅ぼすかもしれないからです。もっとも、ネット課金の議論次第では、NHKが事実上民営化される可能性もありますが…。NHKの乱脈経営問題金持ちNHK当ウェブサイトにて何度も取り上げている問題のひと...
NHK受信料問題巡り危機感がまったく見えない民放連 - 新宿会計士の政治経済評論

NHK崩壊の前にオールドメディア業界はどうなるのか

実際、総務省『情報通信白書』などに記載されている調査でも、若い人ほど、そして時が進むほど、人々のテレビを視聴する時間は減っていくという傾向にあります。すでに10代や20代の若者は、ネット利用時間の3分の1ほどの時間しか、テレビを見ていないのです(※平日の場合)。

NHKも利権にまみれ、やがては腐敗のあまり、自壊していく運命にあるのかもしれません。

もっとも、そこに至る前に、NHK以外のオールドメディア(とくに新聞社)の経営難が相次ぎ、オールドメディア業界全体が情報配信でインターネットに敗北するようになる可能性も高そうですが…。

新宿会計士:

View Comments (9)

  • いつものとおり,本文には頷くばかりですが,後半に書かれたNHK30代職員の話は,ここに出す例としては少し違うかなと思います。

    直前に出ているLinkで示された3例などは,NHKだからこそ問題ととらえられても仕方がないものと思いますが,30代職員の話はあくまで「NHKに勤める1個人のモラルの問題」であって,どこの自治体・会社・団体でも起こりうるし起こっている平凡な事例だと思います。
    これをもってして,NHKは堕落している,とするのは違和感があります。

  • 一個人の不正は、組織のなかで蔓延する。いや、そういう土壌だから起きた不正かもしれない。本人は仕事の延長と捉えたか、感覚の麻痺におかされていたか。いづれにせよ過去には某アナウンサーが後部座席からタクシー運転手を酒に酔ったか足蹴にして謹慎し、シレッとブラウン管のなかにもどった件もある。おれは貧乏な障害者だ。半額とはいえNHKには受信料は払いたくない。いや、はらえない。N党には期待したんだがなぁ。残念である。

  • 疑問なのですが、なぜ官僚機構はそれほどの力を持つのでしょうか。
    また、選挙によって変わるのは政治家であり、官僚は変化しません。そのため、投票行為によって官僚機構がどのように変化しうるのか、理由も含めて知りたいと思いました。

    • >なぜ官僚機構はそれほどの力を持つのでしょうか。

      予算執行権と許認可権を持っているからです。
      役所の予算(支出)や許認可に関係なければ怖くも何ともありませんが、関係が有れば微妙な線でのさじ加減か紙一重の競争をしている民間会社には大きな殺生与奪件に見えてしまうのです。

      なので官僚は予算を握りたい増やしたいという動機が芽生えるのです。

      >投票行為によって官僚機構がどのように変化しうるのか

      民主主義社会では国民から(投票で)選ばれた政治家(首長、議員)によって政府(国家、地方)は運営され官僚・役人はその手足です。

      従って、予算編成・配分もその為の増税もその責任は政治家が責任を負うべき話です。

      しかし、ボンクラ政治屋では、その手足の動きをコントロールできないだけでなく無能な大臣はその操り人形と化すことが多い。
      なので、そうならない、官僚・役人の暴走を制御できる真面な政治家を選ぼうという事です。

      • タイポ修正
        誤:微妙な線でのさじ加減 か 紙一重
        正:微妙な線でのさじ加減 が 紙一重

        失礼しました。

        • つまり官僚に好かれていた方が、多少、周囲より劣っていたとしても予算を得られる、それゆえに官僚周りが官僚を持ち上げている、そんな認識を得ました。

          また、政治家は本来私たちが手足を自分の意思で動かせる様に官僚を手足として動かせるはずですが、ボンクラでは主客逆転してしまう故に、手足を手足として動かせる人を選ぼうということだと認識しました。
          安倍元総理は官僚を手足として動かせる側の人だったはずですが財務省に苦しめられたのは、本来頭のはずの議員の中に官僚にコントロールされた人が多かったからなのかなと思いました。

          引っかかっていたことが解消できてよかったです。ありがとうございます。

  • >NHKは毎年巨額の剰余金を計上し、しかも法人税を免除されている組織でもあるからです

    NHKの連結損益計算書を見ると「法人税住民税及び事業税」という項目があり22年度35億円計上されていますが。

    彼らは収益事業をおこなっているのであってそれに対して無税はあり得ない。

    • 当ウェブサイトではこれまでに何度も説明しきたとおり、連結財務諸表上、法人税等が計上されている理由は、株式会社等の営利法人を連結子会社化しているからです。

      法人税支払額は連結上、相殺されません。営利法人である株式会社を連結子会社化している以上、連結ベースで法人税等が生じるのは当然です。このことはNHK本体が非課税法人であることと全く矛盾しません。

      念のため。

  • いつも思うのは日本の報道(メデア)の中で資金力が最大(飛び抜けてしかも安定して)なのがNHK。
    なのに民間メデアは問題にしない。
    問題を指摘出来ないくらいNHKがモンスターになってしまったのか?
    議員様も指摘どころか尻尾を振ってNHK様と会食三昧(NHK理事経費が大きい)
    当然総務省役員とも会食しますよね。
    会食などはどうでも良いが報道の偏りが怖い。
    見えない資金がNHKから民間に流れていやしないのか。
    以前放送設備を民間と兼用でNHKが設置する。
    とか記事にあった。