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配送業者のサービスに不満→日時指定すれば済むのでは

とある妊娠中のYouTuberの方が大型家具を購入したところ、配送業者の方がそれを玄関のなかにまで入れてくれなかったとして、自身のチャンネルで不満を述べたそうですが、これに議論が生じているとのことです。どうも記事に不自然な点もいくつかあるのですが、ただ、「過剰サービス」という意味では、これまでの当ウェブサイトの議論とも整合しているのかもしれません。

過剰サービスvs適正報酬

最近、この手の話題が増えてきたような気がします。

先日の『USJの試みに要注目?過剰サービスの維持は不可能に』や『給食停止騒動に見る「過剰サービスから脱却する日本」』などで相次いで取り上げているのが、「過剰サービスは維持できない」とする話題です。

もともと日本では、「お客様は神様」、「カネを払っている側は偉い」といった、かなり歪んだ発想がありました。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店員さんや、電車、バスの運転手、乗務員、駅員、空港職員、キャビン・アテンダントといった方々に対し、かなり横柄で無礼な態度を取る者の姿を見ることがあります。なかには、正直、「何を勘違いしているのか」と言いたくなる者もいます。

以前の『「お客様は神様」と「デフレマインド」のコンビニ業界』でも紹介した、未成年のアルバイト店員に対し「マイセン(くれ)」とぶっきらぼうに要求した男などは、その典型例でしょう。当たり前ですが、「カネを払っている側が偉い」という発想は、法的にも経済的にも合理性がありません。

妊娠中のYouTuberが配送業者に不満

こうしたなかで紹介しておきたいのが、J-CASTニュースに掲載された、こんな記事です。

「荷物を玄関の中に運んでくれなかった」 妊娠中YouTuber、宅配業者への訴えが話題「そんな心のない人が」「配達員の仕事じゃない」

―――2023年09月14日14時51分付 J-CASTニュースより

記事によると現在妊娠中のYouTuberが13日、自身のチャンネルを更新。新しい家具を購入したところ、「自分と同じ身長くらいのサイズの段ボールが3つ、玄関前に届いた」そうです。

ところが、配達員が玄関前まで運んでくれたものの、玄関前はマンションの共用部であるため、「じつは身ごもっていて1人で運べない」、「せめて(玄関の)なかまで運んでほしい」と依頼したところ、断られたというのです。

結局、この人物は荷物をしばらくドアの外に放置していたらしく、「防災センターの方にも管理人さんにも怒られ、ごめんなさいって謝ることしかできなかった」、「リビングに入ってここに設置してくれって言ってるわけではない」、「せめて中に入れてもらいたかっただけなのに、冷たかった、めっちゃ」と述べたのだとか。

このあたり、文面だけだと事情がよくわからないのですが、「身長と同じくらいのサイズの段ボール」に入っている家具とは、いったい何でしょうか?想像するに、組立が必要なリビング用のサイドボードかなにかでしょうか?

また、マンションの構造によっては共用部が狭く、置き場所がないなどの理由で、配達員が玄関のなかにまで荷物を置いてくれるケースもあるのではないかという気がしてなりません。

時間指定すれば済む話では?

ただ、記事の記載にはこうした不自然さはあるにせよ、正直、玄関先まで配送してくれたのであれば、そこに配送業者の過失はなさそうです。

J-CASTニュースによるとこのYouTuberの方に同情的なコメントもある一方で、「大きな家具だとわかっているなら、事前に運んでくれる人がいる日に日時指定すれば良い話ではないか」、といったコメントもあったのだそうですが、この点についてもそのとおりでしょう。

もちろん、妊娠中であれば、基本的に重い荷物を持つことは厳禁ですが、それでも多くの場合購入した家具は、条件付きで配送の日時指定が可能であるようです(たとえばニトリウェブサイト『お届け日の指定について』等参照)。たとえば夫が在宅している日時に配送してもらうということも可能だったのではないでしょうか。

いずれにせよ、世の中は常に変わり続けており、過剰サービスに関しても同様に、そろそろ持続が不可能であることを、私たちも認識すべきではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (44)

  • 私が宅配業者の社長なら、従業員が部屋の中まで入ることは厳禁します。
    そもそも宅配業者は玄関まで届けるのが仕事です。中まで入って何か壊してしまったり、従業員が出来心で犯罪行為に及んでしまう可能性もあります。
    この奥さんには、自宅には自分一人しかいないというのに、警戒心が無いのでしょうか?
    何か、日本の安全保障やスパイ活動、ネット対策に通じるものを感じます。
    日本が、安全で平和なのは良い事なのですが・・・。

  • 過剰サービスだろうか。妊娠している旨中まではこんでくれといっている。余計な事をして、何かの損害リスクの免責を承諾してもらうか、別途料金を請求し領収書を発行すればよいのではないか。最近は作業がマニュアル化していて、親切ではないな、、、と思うことが少なくない。一日中作業してくれっていうんじゃない。せめて中までとも言っている。オレなら相手が妊娠中とわかるなら、リスクを説明し承諾書にサインを貰い中までには運ぶ。元肉屋だった。肉の生食は禁止されている。でも食べたがる客はいる。でも売るとは言えない。聞いてしまったからだ。できるだけ新鮮なものを用意し、伝票には加熱用と記し、サインをもらって販売はした。断ったこともある。今でもなんかあったらと無茶苦茶だったなと思う。 人がいるときに指定すればと書いてはいるが、そこまで気の回る顧客はいるものだろうか。小包ならともかく、大きい家具ではある。家の中まで運んでくれるとはおもうんじゃないだろうか。注文を受けた時に配送は玄関までと説明したのだろうか。相手は女性で妊娠中なのだ。電話ではわからなくても実際にあえばわかるし説明してるし懇願もしてる。配送業者に瑕疵はないとしているが、どのような注文をしたのかわからないが、ネットでカタログ注文なのか、直接注文なのか、電話注文なのかでかわってくる。

    • 原文をよんだ。コメントの殆どは妊婦の顧客の間違いというか準備不足を指摘するものが多かった。確かにテレビやベッド、クーラーなどは据付け料金は別途請求されたもんな。しかし、初めの説明はどうだったのだろうか。おれには双方説明と確認が不足していたとはおもう。

    • 私も運びますね。産まない女性と差別化していかないと。子供を産む女性は宝です。

    • 家具屋直請けの専属配送業者と単なる宅配屋でも対応違うンでね?
      宅配屋だったら"承諾書"なんざ無かろうし
      まーナニゴトにも「ちょっとくらい」系の要求発信元はけっこー"ちょっと"では済まなかった様な遠い記憶が…

  • 家具を買うときに、組立とか設置もお願いできるサービスがあると思うけど、そういうのを使おうと思わなかったのかな?

  • なんか、このYouTuberさん、今後こういう事やりそうな気が……

    ①コメント欄を閉鎖する
    ②「”心無いコメント”で傷つきました」とアピール
    ③「”誹謗中傷”には法的対処を”検討”します」で締める

    こういう賛否両論の騒ぎが起きた時、こういうパターンになりがちなイメージです。

  •  私も、たろうちゃん様と同意見です。まして美人だったら、えへへへ。
    おもてなしクリステル。ゴメンナサイ。m(_ _)m

  • 私は有名人なんだから忖度しろって事?
    ただ傲慢なだけって感じがしてならんのですがw

    • そんな事書いてないのにそうであるかのように書くのは叩いてスッキリしたいだけですね
      典型的なストローマン

      • そもそも生食が禁止になったのは「焼肉えびす」の食中毒が原因だった。賞味期限を遥かに越えた肉を格安ユッケで提供し多数の被害者を出した。確か前日だかの「深いいはなし」で紹介されて客足が向いたのだと記憶している。オレの店では牛刺身は屠殺して2日以内。鳥は解体後当日しか出さなかった。衛生管理を無視した業者(卸元と焼肉の販売業者)キチンと実際を把握することなくテレビで流すマスゴミ。いまでも鹿児島あたりでは昔ながらの伝統とかで販売されているが、その九州から仕入れた冷凍の刺身は許可されなかった。➖25°までこおらせる冷蔵庫があるのにだ。牛や鳥の生食で死ぬより魚の刺身でなくなるほうが多いのはあまりしられていない。運が悪いことにオレの得意先がその業者から仕入れていた。見せてもらった。冷凍で日付が一年前で肉は紫に変色していた。警視庁から問い合わせがきた。冗談じゃない。うちは一ヶ月前に居酒屋さんには搬入したけどいつも新しい肉しか納品しないむね理解してもらった。すぐ取引は停止した。焼肉屋にいっても刺身系はメニューから消え、馬刺しが代わりに登場した。家具の搬入が肉の話をコメントしてしまった。申し訳ない。

  • 通販であれば「玄関ドアの内置き希望」と事前に書き添えればいいのかと。
    それならば、「配送者側も承知で請け負ったのだろう」と言えなくもない。

    ってか、きちんと家具屋さんで購入すれば組立設置までやってくれるよね。
    彼女は後出しじゃんけんで勝ち認定されなくても怒ってはいけないのです。

  •  いい加減 無料サービスを要求するのはやめてほしい
     
    >「防災センターの方にも管理人さんにも怒られ、ごめんなさいって謝ることしかできなかった」
     って 防災センターの方・管理人さんに玄関への搬入を依頼できなかった時点で配達員を批難するしかくなし

  •  普段から配送業者の方と親しくしていれば、個人裁量で融通も効くかもしれませんが。それにしてもダメ元だし、会社次第で規則違反の可能性もあるでしょう(招き入れられた従業員側こそが犯罪被害に遭う可能性だってありますし、商品破損、家屋汚損、リスクばかり)。
     何らの悪意が無くとも、赤の他人に善意を期待して期待が外れたでは理が無いと思います。

     それよりもこれ、いつぞやの車椅子の鉄道利用者が駅員のサポートを強要して話題になった件と、何ら変わらない気がするのですが如何でしょう。

    ・車椅子利用者→妊婦
    ・ブロガー(党員?)→youtuber
    ・事前の連絡なし
    ・わざわざメディアで公表して同情を誘う
     等々。

     私はどちらのケースでも利用者側に非がある上に、やり口が卑怯に思えます。個人的には路上等での他人へのサポートはむしろ積極的に行いますが、上記状況では手を出"せ"ないかな。

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