米国で金融サービス会社がニューヨークを見捨て、サンベルトと呼ばれる、温暖で税金も物価も安い地域に本拠を移しつつある、とする話題が出てきました。同じ現象、果たして日本でも生じるのでしょうか。コロナ禍を契機にリモートワークが一気に進展したかに見えますが、日本の場合、地方に移転したとしても、税額は正直あまり変わりません。そうなると、東京から移転するならば、やはり近場なのかもしれません。
東京は便利で面白い街
東京というのはたしかに便利な街で、鉄道網(近郊鉄道や地下鉄など)が高度に発達しているほか、バス、タクシーなどの代替的な交通手段も多く、都心部だとフル電動自転車や電動キックボードなどを見かけることも増えるなど、大変面白い街でもあります。
【参考】フル電動自転車の例
【参考】電動キックボードの例
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク)
ただ、都内に暮らすには、最近だと住宅費の高騰が激しく、いくつかのウェブサイトで調べると、都内某所のマンション価格は10年間でだいたい1.5倍~1.8倍に値上がりしています。
こうしたなかで、個人的にいつか議論してやろうと思っていたのが、「企業が東京を捨てて地方に行くことはあるのか」、という論点です。
リモートワークで便利になった!
コロナ禍のためでしょうか、もしかしたら当ウェブサイトの愛読者の皆さまのなかでも、リモートワークに切り替わった方や、ウェブ会議などを多用しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このリモートワーク、大変に便利です。なにせ、オフィスに居ながらにして、遠隔地の人と勉強会を実施することもできるからです。
代表的なソフトウェアとしてはZoomやWebex、Teamsなどがあり、iPhoneやmacOSのユーザーの方であれば、FaceTimeなども便利です(※最近だとWindowsやAndroidからもFaceTimeに接続できると聞いたことがありますが、この点については未確認です)。
ちなみに公認会計士は、「継続的専門能力開発」と呼ばれる制度(「CPD」と略されます)により、年間一定時間以上の学習を行うことが義務付けられているのですが、大変うれしいことに、最近だと会場での研修をリモートで同時配信してくれるケースが増えています。
つまり、わざわざ研修会の会場に足を運ばなくても、オフィスや自宅に居ながらにして、さまざまな研修を受講することができるのです。
これに加えていくつかの研修では、チャット機能ないし質問機能などを使用し、講師に対し、リアルタイムに質問を送ることもできます(※不特定多数の会計士が参加する研修では、せっかく質問を送っても見向きもされないケースも多いのですが…)。
このように考えていくと、じつはもう、東京にオフィスを構える必要などなくなりつつあるのかもしれません。
その気になれば、顧客との面談もすべて電話やウェブで済ませることができる(かもしれない)からです。
少々込み入った連絡ならばメールを使えば済みますし、少し仲良くなれば、iPhoneのメッセージ機能やLINE、ワッツアップなどを使って、自在に連絡を取り合うこともできます(ただし日本の場合、ビジネス上iPhoneなどを使っているシーンは「お互いが経営者」などのケースに限られるようですが…)。
つまり、今までだと「東京に人が集まっているから、だからオフィスを東京に構えている」という事例が多かったのではないかと思われるのですが(※とくに金融機能がその典型でしょう)、ここまでウェブ回線が充実してくると、正直、わざわざ東京に居なくても良いのではないか、と考える人がいても不思議ではないのです。
米国で金融企業がニューヨークから流出!
こんな問題意識を持っていたところ、ウェブ評論サイト『Forbes JAPAN』が配信した、こんな記事を発見しました。
ウォール街を捨てる金融企業、NYから流出する資産は1兆ドル
―――2023/08/29 10:30付 Yahoo!ニュースより【Forbes JAPAN配信】
Forbesによると、米国では現在、金融機関・金融サービス企業が大都会・ニューヨークを離れ、「サンベルト」と呼ばれる地域に移転しつつあるというのです。ちなみに「サンベルト」とはフロリダ州やテキサス州などのことだそうです。
Forbesはまた、ブルームバーグがまとめた17,000社のデータをもとに、総額9930億ドルの資産を運用する金融機関158社がフロリダ、ノースカロライナ、テネシー、テキサスなどに拠点を設けたうえ、積極的に人材を雇用している、としています。
ではなぜ、そんな現象が生じているのか――。
その大きな理由が、物価と税制です。
たとえばテキサス州やフロリダ州は温暖な気候に恵まれているほか、州所得税がなく、また、企業向けの優遇措置も受けられることもあるようです。このため、サンベルトには石油、ガスといった従来型の産業、観光業、定年退職後の引退生活の場ではなく、企業が本拠地を構える場に変わりつつある、というのです。
Forbesによると、これらの金融会社は「テクノロジーの進化により、取引所の立会場に物理的に縛られることはなくなった」としつつ、サンベルトは不動産、人件費、税金が「ニューヨーク市内と比べて格段に安い」など企業にとっても利点が多いと指摘。
さらに、雇用される側にとっても人口が密集しておらず、気候が温暖で物価も安く、個人に州所得税がかからないというメリットもあります。
こうした現象が、そのまま日本でも生じるものかどうか――。
日米で事情は違う
残念ながら、その答えは「NO」でしょう。
米国は各州の権限が強く、税制も州によって異なる部分が大きいそうですが、日本の場合だと所得税や社会保険料などは基本的に全国一律ですし、税制において各自治体が裁量を持つ部分は非常に小さく、たとえば道府県・市町村が「住民税はゼロにします」などと宣言するのは、現実には難しいでしょう。
したがって、東京に拠点を置いていた金融会社が、あるときにいきなり東京を離れ、北海道や沖縄などに移転できるかといえば、やはりそこは微妙です。地方分権の米国と異なり、都道府県が異なった場合に、税金が抜本的に安くなる、というメリットがあまり受けられないからです。
どうせ税制を理由に東京から移転するなら、移転先は香港かシンガポールあたりとなりそうですが、言論の自由や治安その他の事情を考えたら、あまり日本国外に移転するメリットはなさそうです。
それに、やはりリモートワークを長い間経験していると、やはり他人と直接お会いするというニーズも出てきます。込み入った話をするときには、いちおうちゃんとした身なりを整えたうえで、取引先などに出かけて、直接に膝を突き合わせて議論をしたくなるものです。
すなわち、「東京や大阪などの大都市の近郊にオフィスや住居を構える必要がなくなりつつある」というのは事実かもしれませんが、その一方で、ときどきは取引先と直接会って話をしなければならないこともあることを踏まえると、あまりにも都市から離れすぎるのは非現実的です。
その意味では、日本の場合、今後人気が出て来るのは、東京近郊だと温暖な静岡県や千葉県のあたり、近畿圏だと和歌山県や兵庫県南部、といったところなのかもしれません。
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オレのような、病気でたおれ仕事をうしなった者には税金や土地、家屋が安いのは、魅力だ。だけど日本には所得税や住民税がない、、、なんて県は一つもなくて、親の残した家があるだけマシかもしれない。企業も同じで掛かりが少ない方がいいとは思うが、アクセスや社員の生活を考えたら簡単にはいかない。日本は横並びで土地代金は地域によっては違いがあるが、税率は収入や業績によってかわりがある。医療費は均一なんだろうが地方や職種によっては差があるもんな。夢がない。アメリカにはアメリカでさまざまな事情があるんだろうが、会社ごとの移転なんてドライだな。
医療費は均一なんだろうが地方や職種によっては差があるもんな。
間違いで差がないだろうが、、間違えた!
他社の経営者の退任、新任などは手紙で「お知らせ」が送られてくることが多い。
あるときその「お知らせ」を受け取り、3回ぐらい読み返してやっと意味がわかったことがあった。その会社、外資系なのだが、社長職を廃止するというのだ。ただし商法上、代表取締役は必要なので総務部長が代表取締役になるという知らせだった。
「ここまできたか」という感想だった。
外資では現地の社長をGeneral Managerと呼ぶことがある。その下にFinance Manager(経理部長)、HR Manager(人事部長)、Sales Manager(営業部長)Plant Manager(工場長)などがいる。
テクノロジーの発達で本国(アメリカ)のそれぞれの部門が日本の各部長と直接連絡をとり指示をだしていけるようになった。もうGeneral なManager は出番がなくなってしまったのだ。
財務経理分野は昔から本国のCFOの指示を直接受けることが常識だったが、それが他の分野にも浸透してきて社長など「お呼びでない」状態になってしまったのだろう。
これが15年ほど前のこと。
私はもう引退してしまったが今はどうなっているんだろう。こんなことは今常識なのだろうか。
AmazonやGoogleの日本法人は合同会社(LLC)ですね。
零細企業に向いていると言われるような簡素な設立形態でじゅうぶんなのでしょう。
大企業の完全子会社で株式会社というという形態は時代遅れなのかもしれません。
リモートワークが増えて、社員同士、ギスギスして来て、みんな怒りっぽくなったと、大企業の社員がギスギスしながら、ボヤイていました。リモートワークでギスギスした関係を修復する方法なんていうことをコンサルする仕事も出てきたらしいです。やはり、人間は、ノンバーバルなコミュニケーションが大事なんですね。更に、人類に都市が必要なのは、雑多な情報が交錯する中で、インスピレーションが触発され、それが進歩進化に繋がるからでしょう。交易によって交換されるものは、商品ばかりでは無く雑多な何気ない情報もあります。それらは、改まった雰囲気の中では中々出てこないものでしょう。
仰る通りでギスギスしまくりです。普通に出社しても座席は自由で同じ課の人が出社してるかしてないかも分からず、ここ数年外国人の新卒も増え、コンプライアンス遵守が求められ、仕事以外の話は全くできずという感じです。
私の理想は、週休3日で、weekdayは会社で仕事、週末は自分の好きなところで好きなように過ごす、が理想です。
全国各地の鉄道やSAや道の駅、飲食店や旅館ホテルなどwifiが長時間使用できるちょっとした場所があると有難いです。有料でもOKです。仕事が片付きますので。
普段と違った場所で仕事をするのも新鮮です。
都会もいいですが、やはり四季折々味わいがある田舎は癒されます。
どちらの長所も生かせるというのがありがたいですね。
職種に限りはあると思いますが。
顔なんか見なくても仕事はできる。
数年間メールと電話のやり取りだけで何の支障もなく仕事が進んでいたこともあった。
New York から企業が逃げ出している理由の一つに、
California と同じような治安の悪化というのもありそうですね。