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    Categories: 金融

ユーロの例で考える「BRICS共通通貨」の非現実性

BRICS共通通貨に関し、『フォーリン・ポリシー(FP)』に「ドルの覇権を揺るがす」などとする主張が、今年4月に出ていました。端的にいえば、共通通貨に必要な要件も何も踏まえず、現実を見ていない論考と言わざるを得ません。共通通貨の「先輩」であるユーロについて、改めて振り返ってみると、そのことは明らかでしょう。

BRICSとは?

共通点がなさすぎるBRICS

BRICS――敢えて声に出して読むと「ぶりっくす」、でしょうか?――とは、「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ」の5ヵ国の略だそうです。

これについては先日の『共通点がなさすぎる「BRICS」が「拡大」を検討か』でも紹介したとおり、もともとはゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が提唱した、「将来有望な4ヵ国」としての「BRIC」ないしは「BRICs」が起源です。

しかし、このグループに南アフリカが加わり、最後の「s」が大文字の「S」になって現在に至る、ということですが、この5ヵ国、本当に共通点がほとんどありません。

たとえば、数値的なところでいえば、5ヵ国のうち「BRIC」4ヵ国は、面積だけでいえば広大ですが、「S」の面積は世界24位であり、決して狭くはないにせよ、「広大」とは言い難い水準です。また、人口でいえば「IC」が14億人を超えていますが、「S」は1億人未満です(図表1)。

図表1 BRICSの人口と面積
人口(2022年) 面積(2021年)
ブラジル 2億1530万人(7位) 851万㎢(5位)
ロシア 1億4470万人(9位) 1710万㎢(1位)
インド 14億1720万人(2位) 329万㎢(7位)
中国 14億2590万人(1位) 960万㎢(4位)
南アフリカ 5990百万人(24位) 122万㎢(24位)
合計と世界シェア 32億6300万人(40.91%) 3972万㎢(29.14%)

(【出所】総務省統計局『世界の統計2023』第2章データをもとに著者作成。なお、面積には海外領土等を含まない)

経済発展段階もバラバラ

また、GDPの規模やその国の1人あたりGDPなどを計算してみると、中国とロシアが1人あたりで見て1万ドルを超えているものの、ブラジルと南アフリカは1万ドル未満であり、インドに至っては2000ドル弱と、経済発展段階もバラバラであることがわかります(図表2)。

図表2 BRICSの経済規模
GDP(2020年) 1人あたりGDP
ブラジル 1兆4447億ドル(12位) 6,776ドル
ロシア 1兆4835億ドル(11位) 10,189ドル
インド 2兆6647億ドル(6位) 1,908ドル
中国 14兆7228億ドル(2位) 10,333ドル
南アフリカ 3021億ドル(41位) 5,138ドル
合計/世界シェア/平均 20兆6179億ドル(24.16%) 6,366ドル

(【出所】総務省統計局『世界の統計2023』第2章・第3章データをもとに著者作成)

地理的、民族的、言語的、宗教的な共通点もない

さらに、地理的・民族的・言語的・宗教的にも、共通点はほとんどありません。

中国
  • 地理…東アジア
  • 言語…北京語(マンダリン)、広東語、上海語など。香港では英語も通用
  • 民族…漢民族(91%)、ほかに少数民族が55
  • 宗教…公式には仏教、道教、イスラム教、カトリック、プロテスタントの5つ
インド
  • 地理…南アジア
  • 言語…ヒンディー語、ベンガル語、タミル語、ウルドゥ語など。一部では英語も通用
  • 民族…インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等
  • 宗教…ヒンドゥ教、イスラム教、キリスト教、シーク教、仏教など
ロシア
  • 地理…ユーラシア大陸北部
  • 言語…公用語はロシア語
  • 民族…ロシア民族を中心にタタール、ユダヤ、ウクライナ民族など
  • 宗教…ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教など
ブラジル
  • 地理…南アメリカ大陸
  • 言語…ポルトガル語
  • 民族…欧州系、アフリカ系、東洋系、混血など
  • 宗教…カトリック、プロテスタントなど
南アフリカ
  • 地理…アフリカ大陸
  • 言語…アフリカーンス語、バンツー諸語のほか、一部では英語も通用
  • 民族…黒人、白人、混血、アジア系など
  • 宗教…キリスト教、ヒンドゥ教、イスラム教等

(【出所】外務省ウェブサイトなどを中心に著者調べ)

つまり、地理的にも言語的にも、あるいは民族的にも宗教的にも、ほぼ共通点はありません。

また、中国とロシアは「反・欧米日」という共通点はあるかもしれませんが、ほかは西側諸国と「敵対している」という状況ではなく、たとえばインドは日本、米国、豪州とともに「クアッド」を構成しているほか、南アフリカは英連邦(コモンウェルス)に参加しているほどです。

その意味では、本当にこれらの国の共通点、ほとんど見当たらないというのが実情でしょう。

ユーロ圏の共通点

ユーロの事例を振り返っておくと…?

そして、たたでさえ共通点がないBRICSが「共通通貨創設を目指している」、などとする話題については、当ウェブサイトではすでに『BRICS共通通貨はG7に対抗できっこない「空論」』でも取り上げているとおりですが、端的に言って「ほぼ不可能」と言わざるを得ません。

「中国、ロシアなどが『BRICS』を軸にG7に対抗するのではないか」。「脱・米ドルを目指してBRICS共通通貨創設を目指すのではないか」。少なくとも金融評論家という立場からは、先進国的な通貨制度をまともに運用したこともない国がいくつ集まったとしても、国際決済の使用に耐え得る共通通貨を作り出すことはできないと考えます。つまり、BRICS共通通貨はG7に対抗しようにも対抗できっこない「机上の空論」に過ぎないのです。共通点なきG20通貨通貨面で見て共通点がなさすぎる「G20」当ウェブサイトでしばし...
BRICS共通通貨はG7に対抗できっこない「空論」 - 新宿会計士の政治経済評論

これについて、もう少し深掘りしておきましょう。そもそも「共通通貨」とは何かについて考えておく必要があります。

当ウェブサイトの定義で恐縮ですが、「共通通貨」とは「2以上の異なる主権国家が共通して使用する通貨」のことであり、前提として共通の中央銀行と共通の財政規律の存在が必要です。また、共通通貨の創設(通貨統合)に先立ち、通常、市場の統合がなされます。

共通通貨の典型例は、欧州連合(EU)に加盟する27ヵ国のうち、20ヵ国(後述)が通貨として採用するユーロです。このユーロについてはモナコ、サンマリノ、バチカン、アンドラという「ミニ国家」(図表3)も、事実上、通貨として採用しています。

図表3 欧州の小国
人口・面積 備考
バチカン 615人/0.44㎢ ローマ市内にある世界最小の国
モナコ 38,350人/2.02㎢ 周囲をフランスに囲まれた小国
サンマリノ 33,614人/61.2㎢ 周囲をイタリアに囲まれた小国
アンドラ 79,535人/468㎢ フランスとスペインの間の小国

(【出所】外務省データなど)

EUとユーロ圏、シェンゲン圏の違い

ただし、EU加盟国であっても、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデンの7ヵ国は、ユーロを採用していません(※このうちブルガリアは2024年のユーロ導入に向けて準備を進めていますが、残り6ヵ国についてはユーロ導入のめどはたっていません)。

また、ユーロ圏とは別に、欧州では「シェンゲン協定」により、パスポートなしでの移動の自由が保障されており、この協定にはEU非加盟国であるスイスやノルウェー、アイスランドも参加しています(※ただしEU加盟国でありながらシェンゲン協定に参加していない国もあります)。

ユーロ圏(20ヵ国)
  • オーストリア、ベルギー、クロアチア、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン
ユーロ圏以外のEU加盟国(7ヵ国)
  • ブルガリア、チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン
シェンゲン協定加盟国(27ヵ国)
  • EU加盟国…ブルガリア、キプロス、アイルランドを除く24ヵ国
  • EU非加盟国…アイスランド、スイス、ノルウェーの3ヵ国

(【出所】駐日欧州連合代表部ウェブサイト『多彩なデザインのユーロコインで知るEUの横顔』、在日フィンランド大使館『シェンゲン査証(ビザ)とは』、JETROビジネス短信『クロアチア、2023年1月からのユーロ導入が正式決定、シェンゲン協定にも参加の見通し』を参考に著者作成)

つまり、ユーロ圏の場合、たんに「同じ通貨を使っている」というだけの話ではなく、その前提として「EU」という共通の価値を保有する事実上の主権国家の枠組みを超えた連合体を創設し、そのなかで共通市場を創設して物理的な国境を撤廃し、そのうえで「通貨統合」を行ったのです。

実際、EU加盟国(たとえばドイツなど)に入国し、そこからフランスやイタリア、スペインなど欧州の数ヵ国を旅行したとしても、パスポートに入出国のスタンプはおされませんし、たとえばドイツでレンタカーを借りて、そこからスイス、オーストリア、チェコ、ポーランドなどをドライブして回るというのも自由です。

ユーロ圏内を旅行する場合だと、途中で国境をまたいだとしても、いちいち両替する必要もありませんし、頭の中で為替換算をするという負担もありません。あたかも同じ国であるかのごとく、自由に旅行を楽しむことができますし、域内での投資も自由です。

(※ただし、アイルランドはEU圏かつユーロ圏ではありますが、シェンゲン協定には参加していないため、EUからアイルランドに入国する場合には、改めて入国審査が必要です。アイルランドはEU非加盟国である英国と国境管理が共通化しているためでしょうか?)

自由・民主主義国、そして文化的な共通点

いずれにせよ、多少の例外はありますが、欧州の場合は基本的に市場が共通しており、共通の中央銀行である欧州中央銀行(ECB)を有し、したがって金融政策は共通であり、多くの国は陸続きであって、さまざまな制度もEU司令により共通化されています。

なにより、ユーロを採用する前提であるEU加盟要件は、自由・民主主義の政治体制を採用していることです。このため、日本の近隣にある、中国、ロシア、北朝鮮など4ヵ国のような無法国家が、EUに参加できる可能性は極めて低いのが実情です。

言い換えれば、同じ通貨を使うということは、それだけ加盟国間に信頼関係が必要だ、ということでもあるのでしょう。

そして、これらの信頼関係が生じる源泉のひとつは、欧州各国が自由・民主主義国であること、共通の経済政策を採用していること、ひとりあたりGDPの水準も似ているなどの政治・経済面以外にも、「何らかの共通点」を持っている、という点にあるのだと思います。

たとえば、ユーロ圏の3大国であるドイツ、フランス、イタリアに関していえば、(宗派は多少異なるとはいえ)もともとはすべて「ギリシャ・ローマ」という共通の「祖先」(?)を有し、キリスト教に基づく価値観をはぐくんできたという共通点があります。

また、言語的に見れば、欧州はラテン語から派生した諸語(イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語など、いわゆる「ロマンス語」)、ゲルマン語から派生した諸語(ドイツ語、オランダ語、英語など)西スラブ系の諸語(ポーランド語、チェコ語、スロバキア語など)のように、お互いに似ている言語も多いです。

コラム:「日本の英語教育は間違っている」!(※フィクションです)

日本では小学校から英語教育が始まっている。昭和生まれの日本人は中学校、高校、大学と最長10年間英語を学んでいるはずだが、英語が話せないことで有名だ。文法中心の偏った教育がその原因だ。これに対し、ドイツの英語教育は会話が中心であり、そしてドイツ人はじつによく英語を操ることでも知られる。日本人と比べてドイツ人は英語にとても堪能だ。日本も文法中心主義を脱し、ドイツのような会話中心の英語教育に切り替えるべきだ。

―――旧宿会計士『インチキ論説・ショートバージョン』より

(※どうでも良い余談ですが、「日本では英語教育を施しても英語が話せるようにならない」、「だから日本の英語教育は間違っている」、などと主張する人もいますが、そもそも「日本語と英語で言語構造がまったく異なっている」という事実を無視した暴論といえるでしょう。)

それでもユーロ危機は発生する

つまり、ユーロ圏に参加している国は、地理的にも文化的にも近く、また、ひとりあたりのGDPを含めた経済規模や公的債務GDP水準なども、ある程度の水準に収斂していて、法令などについてもある程度は共通していることが必要です。

こうした厳しい要件を満たし、ユーロを採用したとしても、PIIGS債務危機やギリシャ債務危機、キプロス銀行危機のように、ユーロ圏内ではときどき、金融危機や債務危機が発生します。

これは結局のところ、通貨統合・金融政策統合を先行させ、財政統合をおざなりにしたことから必然的に生じるものですが(著者私見)、逆にいえば、ユーロ圏ですらこのようなトラブルが生じるのだ、という意味でもあるのです。

さて、以上の議論より、ひとりあたりGDPの規模も経済発展段階も、地理的条件も社会制度も異なる国が、共通通貨を創設することができるとも思えませんし、よしんば通貨創設に漕ぎつけたとしても、それをまともに運営していくことができることもないでしょう。

FPに掲載された記事の謎

ただ、「共通通貨は通貨統合である」、という点については、金融・経済の専門家にとってはなかば常識であるはずなのですが、それ以外の人にとっては、どうも常識ではないようです。そして、たいていの場合は「脱ドル化」という用語とセットで議論されるようです。

『フォーリン・ポリシー(FP)』に4月に掲載されたこんな記事は、その典型例といえるかもしれません。

A BRICS Currency Could Shake the Dollar’s Dominance

―――2023/04/24付 Foreign Policyより

副題に出て来る “de-dollarization” は、「非ドル化」とでも訳すべきでしょうか。

FPの記事が取り上げているのは、BRICS共通通貨です。最初の段落で、ブラジルのルラ・ダ・シルバ大統領の「なぜすべての国が貿易をドルでやらなければならないのか」といった発言にあるとおり、BRICS共通通貨は「脱ドル化」とセットだ、ということです。

ただ、FPの記事もダラダラ長く、「BRICS共通通貨実現には多くの課題を解決する必要はある」としつつも、「この通貨は実際にドルの覇権を奪う、あるいは少なくとも揺るがす可能性を秘めている」、などと述べます。

残念ながら、金融評論家の視点からは、「それはあり得ない」、が答えでしょう。

まず、共通通貨の開発は、前提条件として、単一市場の創設を伴いますが、それだけではありません。

その通貨が共通決済通貨として受け入れられるためには、そもそも決済基盤が必要ですし、その運用商品についても多様性が必要です(たとえば株式、債券、デリバティブ、ファンド、証券化商品、REIT、CATボンドなど)。

現在、そもそも論として人民元、インドルピー、ブラジルレアル、ロシアルーブル、南アフリカランドは、いずれも世界の主要通貨とはいえません。というよりも、中国は同じ「国内」である香港やマカオとの通貨統合すらできていません。

現在のBRICSサミットにあわせて、いくつか「BRICS共通通貨」について触れられている記事がほかにもあったのですが、正直、それらの多くは共通通貨のそもそもの前提条件すら議論しておらず、あまり読む価値はないように思えてなりません。

いずれにせよ、BRICS共通通貨がドルの覇権を脅かす可能性は、今この文章を読んでいるあなたの頭上に隕石が降ってくる可能性と、同じようなものだといえるのではないでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • ユーロ圏と違い地域がばらばらすぎる。政治的イデオロギーの違い、ロシアは戦争中、中国とインドは衝突を繰り返す。ブラジルは大統領の思想が反映されコロナは野放しで南アフリカだって、発展の余地があるとはいえ、一般的には後進国のイメージだな。インドはいまだカースト制度がのこりガンジス川には死体がながれていく。もっとも死者を流すのは、貧困層らしいが。だけど一番は広範囲にわたる地域の広範さ。貧困層の多さじゃなかろか。個人的には共通通貨はむずかしと考える。

  • サムライアベンジャー(「匿名」というHNを使うのは在日の通名行為とおなじ) says:

    馬鹿ですかね。ここまで産業構造も経済の構造も違うと「金融のトリレンマ」に苦しむこと確実。こういうグループレベルで共通通貨が効果を発揮すればみんなやってます。ユーロも苦しんでるんじゃないですかね、「トリレンマ」があるから上手くいってないでしょう、いや永久に上手くいかないというか。

    いまさら「BRICs」なんて話題が出てくるなんて。

  • BRICSを拡大。共通通貨の導入。是非やってくれ。どんな惨状になるかみてみたい。
    デフォルト常習国のアルゼンチンやすでに破綻しているベネズエラも加盟したがっているらしい。蜘蛛の糸にすがる亡者の群れといった風景か?

  • BRICsはEUに比べると「その他」みたいなバラバラに孤立した諸国。比較的近所にあるロシア、中共、インドでも仲はバラバラ。インドなんて中共に対抗して核兵器を独自開発したぐらいですから死んでも通貨統合なんてムリ。
    あと、インドネシア(対中共)やパキスタン(対インド)がBRICsに対抗するかも知れません。

  • 昨日のプライムは河東哲夫氏と小泉悠氏でした。BRICSについていみじくも言ってましたが、
    「アメリカに従いたくない国の集まり。事務局もないので声明は出しても翌日には各国忘れてる程度のもの。」
    不満を述べ合う床屋談義ってとこでしょうか。

    関係ないんですが、別記事で見かけましたが、不世出時代の小泉氏を表舞台に引っ張り上げるキッカケを作ったのが河東氏だったそうです。

    >「この通貨は実際にドルの覇権を奪う、あるいは少なくとも揺るがす可能性を秘めている」
    「科学的にゼロではない」程度のことですよね。
    まあちょっと関係ないんですが、これがゼロイチ脳の人は「ある」となるようです。
    反ワクの話ではなく、かつての日本の官房副長官の話です。本人がそう話しているのを聞いたこともあります。

    https://twitter.com/MichitoTsuruoka/status/1694125874696819047

    数字による程度問題の理解に難があるのだと思います。

  • >これらの国の共通点、ほとんど見当たらない

    共通点は中国のカネ狙ってる。

    これは植木等の歌「だまって俺についてこい」だね。
    ~ゼニのない奴ぁおれんとこに来い

    その後
    ~おれもないけど心配すんな

  • ユーロも、今日の信頼信任を得るのにかなり時を経たように思います。さらに、ユーロは、通貨だけが共通なのではなく、EUという共同体の歴史が長くあり、その後、ようやく通貨も共通化できたように思います。又、今も、ユーロの価値を損なわないよう、EUとしての通貨政策も緻密にやっています。そして、加盟諸国は、細かい所では不満があっても、全体の方針には従います。又、EUという共同体の方針にも従わなければなりません。つまり、不自由さもあるが、それに従う帰属意識も必要だということです。イギリスはそれが嫌だから脱退しましたが、1国でやって行ける力があるからで、EUへの加盟も渋々という感じでした。
    通貨は、烏合の衆が集まって共通化できるという程そんなに簡単なものではないですね。

  • >これらの国の共通点、ほとんど見当たらない

    もひとつ共通項があるとしたら、半永久的に「中進国の罠」から逃れられない国々。

    日本、オーストラリア、カナダなど、「中進国の罠」なんてどこの世界のはなしといった体で、欧米先進国の列に肩を並べた後発国家はすべて、民主主義の国内政治体制と、貿易管理、国際間資本取引に関する自由主義的運用を採用している国に属します。それなしに国の継続的発展は図れないということでしょう。

    経済が低発展段階にあるときは、外国からの投資を呼び込み、それによって国内経済を活性化させる、それによって得られる利潤はきちんと外資への返済に当て、更なる投資を呼び込むと共に、余剰分は国内への投資に振り向ける。このサイクルを旨く回していけば、やがては経済強国の仲間入りを果たし、債務国から債権国へと移行していけるのですが、誰にでもやれるかと言ったら、そんなに簡単なことじゃない。それが「中進国の罠」の意味だと思います。

    自らの権威の維持に汲々とする、本質的には臆病な指導者が居座っている、あるいはそういう人物をいただかなければ治まらない国では、民主主義、自由主義経済の採用は、まずもって無理。結果、ほとんどの国は経済先進国への飛躍はない。そういうことじゃないでしょうか。

    BRICS共通通貨? 域内二国間の貿易決済に使うのなら、まあやってやれないことはないかも知れません、しかし、国際間のカネの流れの中で、そういう目的で使われる、取引成立の時点で基本的に決済が完了する部分は、ネットとして見ればほんのわずか。国の経済発展に真に必要な投資マネーにBRICS共通通貨なんて、どの国が欲しがるというのでしょう?

  • 頭に隕石は落ちてきていませんが、エアコン吹き出し口から水が落ちてきました。
    それはさておき、概念だけの共通通貨というものの存立可能性は如何でしょうか?例えは悪いかもしれませんがビットコインのように、各国の通貨はそのまま残して国際間の取引にのみ使用される通貨の創設という方法です。
    まあこの場合でも財政規模も市場規模も違いすぎる国が集まるといろいろ為替の変動がややこしそうですが。

    • >エアコン吹き出し口から水が落ちてきました。

      室外機の排水ドレンホース(蛇腹ホース)を確認しましょう。
      詰まっていたり出口が上を向いたりしてる場合が多いです。

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