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    Categories: 外交

鈴置氏、半導体チャンネルで「4つのNO」などを解説

「サムスン電子の韓国撤退」はあるのか?

韓国観察者の鈴置高史氏が出演する動画の第二弾が、昨日、公表されたようです。今回も、「米国がサムスン電子を米国企業にしてしまおうとするかもしれない」、などとする、やや過激な(?)発言も飛び出してくるなど、10分少々の動画でありながら、内容は非常に濃厚です。

先日の『鈴置氏が動画で半導体産業巡る「米中股裂き状態」説明』では、YouTubeの『チップワンストップチャンネル』というチャンネルがアップロードした、鈴置高史氏と大山聡氏の対談動画を紹介しました。

韓国観察者の鈴置高史氏が『チップワンストップチャンネル』というチャンネルに出演し、韓国の半導体産業が米中間で「股裂き状態」にあると説明しました。該当する動画は全4回のシリーズものの第1回目だそうですが、興味深い限りです。そして、最近の韓国が「日米側」に戻ってきたと見るのは尚早である、とするのが鈴置氏のメッセージです。コリア・ウォッチャーの視点の偏り日韓関係について考えるとき、一般の私たち日本人の多くは、どうしても「日本人の常識」に当てはめて物事を判断してしまいますし、日本が韓国を含めた朝鮮半...
鈴置氏が動画で半導体産業巡る「米中股裂き状態」説明 - 新宿会計士の政治経済評論

動画は全4回シリーズで、先日アップロードされていたのはその第1回、「韓国メーカの中国工場はいずれ止まる」というものでしたが、その続きが26日に公開されていたようです。

今回も動画の時間自体は10分弱と短いのですが、内容は極めて濃厚です。

第2回目は「4つのNOで中国が韓国を恫喝」、というタイトルが付されています。

この「4つのNO」とは、鈴置氏が以前、6月2日付でデイリー新潮に寄稿した『中国が尹錫悦をムチ打ち始めた 米中半導体戦争で繰り出した「4つのNO」』でも取り上げられた、次の4項目のことです。

  • ①(台湾問題など)中国の「核心利益」介入時には協力せず
  • ②韓国の親米・親日一辺倒外交が続くときは協力せず
  • ③中韓関係の緊張が続くときは高官交流(習近平訪韓?)なし
  • ④悪化した情勢下で韓国の北朝鮮への主導権行使は認めず

要するに、韓国はいくらでも、中国リスクによって動く、というわけです。「日韓関係は改善された」、「韓国が日米陣営の側に戻って来た」、などとする、一部メディアが唱えている主張に対し、鈴置氏が一貫して懐疑姿勢を示してきたのも、こうした「4つのNO」ともかかわっています。

ただ、今回の対談相手は半導体専門家である大山氏です。

当然、話も興味深い方向に転がっていきます。

たとえば半導体2社は中国リスクを巡って、実際には嵐が過ぎ去るのを待たざるを得ない状況にあるのですが、これに関し大山氏はNAND型フラッシュメモリでYMTC、DRAMでCXMTといった具合に、中国国内で新たな半導体企業が成長し始めていると指摘します。

これに関して鈴置氏は、中国は「どんな手を使っても」半導体で米国に勝とうとするし、米国も「どんな手を使っても」中国に半導体で支配されないようにしようとする、と述べていますが、これに関連して出て来るのが2022年のジョー・バイデン米大統領の訪韓です。

じつは、バイデン氏は韓国を訪問したときに、真っ先にサムスン電子の半導体工場を訪れていたという事実を指摘したうえで、鈴置氏はこんな「ウルトラC」の可能性を述べます。

サムスン電子を米国の会社にしちゃおう」。

そのサムスン、すでに株主構成的には、米国の機関投資家が半数前後を支配している状況です。バイデン大統領がサムスンの経営者の肩に手をまわし、「うちに来ちゃえば良いじゃないか」、などとささやいていても不思議ではありません。

「サムスン電子の韓国撤退」というのも、なかなかに印象深いパワーワードです。

なお、この動画は毎週水曜日に公表されているようですので、次回の『#3 強がっても韓国は中国には逆らえない』は8月2日、『#4 結局、韓国は西側から孤立する』は8月9日ごろの公開でしょうか。

次回予告では鈴置氏のこんな発言も出てきます。

韓国人にとっての中国は、日本人にとっての『地震』」。

地震と戦って勝つわけない」。

韓国とはどういう国なのか、その国民性と絡めて議論するということですので、次回以降も楽しみに待ちたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (12)

  • 本シリーズ「勝手にコンサル」の大山聡氏は元々日経クロステックで同名の連載を持っていて私は愛読者の一人でした。またテクノ大喜利でもしばしば登場して半導体専門家らしい視点で意見を述べられていました。お二人とも日経系列からメディアを移られたのですね。
    今回の内容はお二人に相応しいもの。楽しく見ることができました。ご紹介ありがとうございます。

  • 製造原資を中国工場にかき集め「選択して集”中”!」に邁進するSK。(中国企業化)
    かろうじて中国工場を「損切りできなくもなさそうな」サムスン電子。(米国企業化)

    韓国を待ち受ける未来図はセミの抜け殻の如くですね。
    かつての半導体王国も、いつかは”半胴体王国”か・・。

    • >韓国を待ち受ける未来図はセミの抜け殻の如くですね

      半導体(semiconductor)だけに、製造工場で「蝉混濁だ!」なんてこともあったりしてw

      日本でも毎年夏のこの時期は、半藤一利氏の歴史観を振りかざす「半藤隊」が暴れる時期でもありますね。「日本のいちばん長い日」とか「ノモンハンの夏」とか…

      • >製造工場で「蝉混濁だ!」

        「彼らなら無きにしも非ず」と言えてしまうのが、なんともはやなんですよね。

        >日本でも毎年夏のこの時期は、

        私にしてみれば、風物詩的な夏の喧騒?も、山を越えればあっけなく終わるもの。
        「積み上がる、蝉ファイナル(骸?)が、夢の跡・・。」ってな感じなんですけどね。

        *お付き合いいただきありがとうございました。

  • 普段から電子業界世界動向に注意を払っている向きにあっては1回目は露払い的要素がありました。2回目はパワーワード=ササる言葉が多かったと思います。編集で退屈時間部分がカットされている。
    通しで聞いて15分程度の動画が隙間時間視聴にぴったりくると考えます。TV 放送のながら視聴などに「時間を浪費」する時代ではありません。ほんの数分間で読みつくしてしまう文章記事もまったくものたりない。Youtube アルゴリズム(とても面白い仕掛けです)が関連動画を次々と提示してくれる。飽きさせないとはこのことです。TV 局は敗北を認めて早々に廃業するタイミングです。作り込まれたからくりの差、どう逆立ちしたって勝てるわけがない。事実稼げない。べらべらしゃべり続けて欲しいひとたちはそうゆう風に作られたインターネット LIVE チャネルを聴いておればいい話です。

  • >>韓国人にとっての中国は、日本人にとっての『地震』「地震と戦って勝つわけない」。

    この部分に関しては、まったくちがうと思います。日本では耐震性能を上げたり、インフラの整備をしたりして過去に比べてはるかに地震に対して強い国になっています。

    自然相手ですから、完全に勝つことはできないにしても昔なら震度5で大被害でしたが、現在では震度5程度ではほぼ被害は出ません。

    地震と戦って勝つわけがない、、といえるのは逆に韓国だと思います。人災と思われる事故が起きても、同じことが起きないような対策を全くせずに、何回でも同じ人災を起こしています。

    • 東日本大震災は未曾有の大災害でした。しかし、日本の建築技術や日本人のモラルの高さにも驚かされました。
      この仙台空港の映像。驚嘆しました。
      https://www.saibouken.or.jp/archives/6845
      これが日本で設計施工されたものでなかったら。冷静な対応ができる日本人でなかったら。どうなっていたでしょうか?

      •  リジットかフローティングか。基礎なんかうたずに車のように
        フローティングさせれば良いのでは?

  • アメリカも韓国の身勝手っぷりにはうんざりしているでしょうからね。

    「いっそ国営企業をアメリカの支配下にして、今まで以上に事実上の植民地にすれば良いのでは?
    表面的な支配だけは韓国人にやらせれば、民主主義の体裁は保てるだろう」

    こんな発想が出てきても不思議ではないでしょう。
    とはいえ、韓国が「事実上の植民地にする価値」があるかどうかはまた別問題ですが……

  • サムスンを米国企業・・・そんな無意味な事しますかね?

    アメリカが問題視するのは
    中国に最先端技術を投資する企業であって
    企業の国籍ではありません