国際通貨基金(IMF)が公表する外貨準備に関する統計を眺めていると、中国と並んでロシアが金地金の保有量を近年大きく増やしていたことがわかりました。ただ、金地金は支払手段としては大変に不便なものでもあります。かといって、ロシアが対外貿易で人民元を使った決済を増やしているという形跡もありません。こうしたなか、BUSINESS INSDERによると、ロシアの存在感低下にともない、むしろ中国がロシアを支援せず、それどころか中央アジアにおける存在感を奪っているというのです。
目次
外貨準備統計
IRFCLとは?
データを読み込んでいると、なかなかに奇妙な「現象」を発見することがあります。
そうしたもののひとつが、世界各国の外貨準備高に関して国際通貨基金(IMF)が集計して発表している統計データベースです。このデータベース、英語の “International Reserves and Foreign Currency Liquidity” を略して「IRFCL」と呼ばれます。
IRFCLのデータ自体はIMFのウェブサイトでダウンロード可能です(といっても、ウェブサイトを開くだけでかなりの時間がかかるうえ、実際のダウンロードするためには会員登録が必要になるなど、少々面倒ですが、とくに費用等はかかりません)。
このデータをもとに、2023年3月末時点における世界の外貨準備高ランキングを作成してみると、図表1のとおり、トップが中国で3兆ドルを超えており続いて日本が2位で1兆ドルを超えていることがわかります。いいのスイスも8940憶ドルと、1兆ドル近い金額です。
図表1 世界の外貨準備高ランキング(2023年3月)
ランク | 国 | 金額 |
1位 | 中国 | 3兆3790億ドル |
2位 | 日本 | 1兆2571億ドル |
3位 | スイス | 8940億ドル |
4位 | ドイツ | 6267億ドル |
5位 | ロシア | 5939億ドル |
6位 | インド | 5784億ドル |
7位 | イタリア | 4775億ドル |
8位 | サウジアラビア(※) | 4526億ドル |
9位 | 香港 | 4308億ドル |
10位 | 韓国 | 4261億ドル |
(【出所】International Monetary Fund, International Reserves and Foreign Currency Liquidity をもとに著者作成。なお、※で示したものは2023年2月時点のもの)
中国、日本、スイスの外貨準備が他国と比べて多い理由は?
中国の外貨準備高が圧倒的に多い理由は、おそらく、中国の通貨当局が自国通貨・人民元の過度な上昇を防ぐために、輸出企業が海外で売り上げた代金(多くの場合は米ドルなどの外貨)を半強制的に中国人民銀行が指定したレートで買い上げてきたからだと考えられます。
また、日本の外貨準備高については、過去、とくに1990年代から2000年代にかけて、円高を抑制するために積極的に円売り・ドル買いの介入を行ったためであり、その多くは米ドルで構成されていると考えられます(なお、過去の介入実績データから、米ドルの平均取得原価は1ドル≒100円前後です)。
さらに、スイスの外貨準備高が膨らんでいるのは、2010年前後、ユーロ圏債務危機の際に、周辺国から資本が流入し、スイスフラン高を抑制するためのユーロ買い・フラン売りに踏み切ったからです(もっとも、スイスは結局フラン売り圧力の耐えられず、2015年には1ユーロ=1.20フランの防衛線を放棄しています)。
つまり、この3ヵ国はそれぞれに特殊事情があり、外貨準備が積み上がってしまっている、というわけです。
余談ですが、日本の財務省は折に触れ、「財政再建」の必要性を説いていますが、理論上、財政再建をするには増税ではなく、この外貨準備を日本銀行に移管すれば良いはずです。
具体的には現行の外為法などを改正し、外貨準備を日銀の管轄に移したうえで、政府が日銀に保有している預金口座にその円換算額を振り込ませれば、この「国の借金」とやらについては直ちに150~180兆円ほど圧縮することが可能です。増税の前にまずはそれをやらせるべきでしょう。
外貨準備から見たロシアの現状
ロシアの外貨準備の通貨別構成割合
余談はさておき、外貨準備高の世界ランキングの5位に入っているのが、ロシアです。
いちおう、IMFの公式統計上、ロシアの2023年3月時点における外貨準備高は5938億7900万ドルで、内訳は「外貨」が4178億5900万ドル、金地金が1470億1100万ドルなどとなっているのですが、このうちの「外貨」の内訳については昨年2月以降、表示されなくなっています。
その理由はおそらく、日米欧各国がロシアの外貨準備を凍結したからでしょう。
ロシア中央銀行がロシア下院向けに作成したレポート【※ロシア語】の112ページ目の記載によれば、ウクライナ侵攻直前の2022年1月1日におけるロシアの外貨準備は、ユーロが33.9%、金地金が21.5%、米ドルが10.9%、人民元が17.1%、英ポンドが6.2%――、などとなっています(図表2)。
図表2 ロシアの外貨準備の内訳
内訳 | 2021年1月1日 | 2022年1月1日 |
米ドル | 21.2% | 10.9% |
ユーロ | 29.2% | 33.9% |
人民元 | 12.8% | 17.1% |
英ポンド | 6.3% | 6.2% |
その他通貨 | 7.2% | 10.4% |
金地金 | 23.3% | 21.5% |
合計 | 100.0% | 100.0% |
(【出所】ロシア中央銀行がロシア下院向けに作成したレポート【※ロシア語】の112ページ目を参考に著者作成)
ロシアの外貨準備は3800億ドルほど凍結された模様
ロシアは21年1月時点と比べ、ドル建ての外貨準備の割合を減らし、その分、ユーロや人民元などの保有割合を増やしていたのですが、ただ、ここで誤算があったとしたら、ロシアが保有していた外貨準備の凍結に、米国だけでなく、欧州中央銀行(ECB)やスイス、英国、日本、シンガポールなども参加したことです。
図表2のもととなったロシア中銀の内訳データと、IMF・IRFCLの2021年12月末時点の「ロシアが保有している金地金のドル換算額」データを組み合わせると、図表3のとおり、凍結された金額は少なくとも3800億ドルに達するという計算です。
図表3 ロシアの外貨準備高の通貨別構成内訳(2021年12月末時点、想像図)
内訳 | 金額 | 2022年1月 |
米ドル | 674.6億ドル | 10.9% |
ユーロ | 2098.2億ドル | 33.9% |
人民元 | 1058.4億ドル | 17.1% |
英ポンド | 383.7億ドル | 6.2% |
日本円 | 365.2億ドル | 5.9% |
加ドル | 198.1億ドル | 3.2% |
豪ドル | 61.9億ドル | 1.0% |
星ドル | 18.6億ドル | 0.3% |
金地金 | 1330.7億ドル | 21.5% |
合計 | 6189.3億ドル | 100.0% |
※うち、西側諸国通貨 | 3800.2億ドル | 61.4% |
(【出所】ロシア中銀データおよびIMFデータをもとに著者作成。ただし、合計額は「6189.3億ドル」となっているが、IMFのデータ上、2021年12月末の外貨準備合計額は6306.27億ドルであり、一致しない)
つまり、石油・天然ガスなどの資源輸出で儲けたはずの外貨準備のうち、ざっと6割が凍結されてしまった計算です(なお、個人的に、この金額はそのまま没収され、ウラジミル・プーチン容疑者が国際刑事裁判所=ICJに拘束されるのとだいたい同じタイミングでウクライナなどに配分されるべきだと考えています)。
ロシアは金地金の保有量をジリジリ増やしていた
もっとも、逆に言えば、ロシアにとっては「凍結されていない」のが人民元建ての外貨準備資産であり、図表3ではその金額は1058.4億ドルです。また、2021年12月末時点で1330.7億ドル分金地金についても同様に、ロシア当局は「凍結されていない」と主張しているようです。
ここで、ロシアの外貨準備の内訳に占める金地金の重量(トロイオンス)を確認してみると、ロシアは外貨準備に占める金地金を少しずつ増やしていたことが判明します(図表4)。
図表4 ロシアの外貨準備(金地金・重量)
(【出所】IMF)
ロシアがなぜ、外貨準備のうちの金の重量を増やしていたのかについて、その正確な意図はわかりませんが、やはり個人的には、ロシアが何となく戦争で西側諸国から制裁を喰らうことのリスクを意識してきたという証拠にも見えてしまうのです。
金地金(重量)はあまり動かないのが通常
この点、一般論としては、外貨準備のうちの金の重は、あまり大きく動きません。
たとえば日本の場合、2021年3月に金を購入しているようですが(図表5)、それでもそれ以外の時点では金地金の重量はほとんど動いていません。英国、米国、スイスなどについても、ここ15年程度、金地金の重量はほぼ動いていません(※グラフは割愛します)。
図表5 日本の外貨準備(金地金・重量)
(【出所】IMF)
ところが、中国に関していえば、少しずつ金の購入量を増やしているようです(図表6)。これも何かの布石なのでしょうか?気になるところです。
図表6 中国の外貨準備(金地金・重量)
(【出所】IMF)
金地金は支払・決済手段としては不適格
もっとも、これもあくまでも一般論ですが、金地金は外貨準備の主要構成項目ではあるものの、実務的に見て、支払・決済手段として、あまり適格なものではありません。
その大きな理由は、物理的に「重量」があるからです。
【参考】金塊と見せかけて実際にはUSBメモリ
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク)
現代の金融取引においては、決済のペーパーレス化が進んでおり、とくに機関投資家などの大口の資金は、たいていの場合、中央銀行などのネットワーク上での決済が行われます。
たとえばある銀行が1億円分の国債を証券会社から購入するときは、物理的に1万円札1万枚の札束を証券会社の店頭に持ち込むわけでも、物理的に1億円の国債証券を受け取るわけではありません。日銀ネット上で、資金・国債の電子的な振替(DVP決済)が行われるのです。
ちなみに現金・現物決済の場合、1億円だと1万円札が1万枚で済みますが、1兆円だと1万円札が1億枚(!)必要です。また、国債証券の券面は通常1億円ですが、額面1兆円分の国債を購入する場合、1億円の券面を1万枚用意する必要があります。
それだけ大量の現金や債券証券を物理的に運搬し、数を数えるなどしてやり取りするのは非現実的ですし、非効率です。しかし、中央銀行のクリアリングだと、お互いのオフィスに居ながらにして資金・証券のやり取りが可能ですし、取引金額が1億円だろうが、1兆円だろうが、1京円だろうが、「手間」はまったく同じです。
国際的に「ハード・カレンシー」と呼ばれる通貨は、たいていの場合、世界中のどこにいても電子決済が可能であり、また、国境を越えて、資金を自由に動かすことも可能です。というのも、資金移動はたんなる電子的な帳簿上の付け替えで済みますので、現金(札束)を飛行機で運ぶなどの必要もないからです。
(なお、北朝鮮ウォンのように、電子決済の仕組みそのものが存在しない通貨もありますが、ここで議論しているのはあくまでも高度な金融インフラが整った国際的なハード・カレンシーの話ですのでご注意ください。)
金地金を物理的にやり取り?非現実的!
しかし、金地金の場合だと、決済手段としてみれば、使い勝手が非常に悪いことは間違いありません。
いちおう、金地金にも保護預かり(いわゆる Gold Custody Service)というものは存在しますが、金取引に手を染めるようになると、それは「現金決済ができない状態」、すなわち米国などから金融制裁を受けているということを意味するため、通常は現物決済を要求されます。
したがって、ロシアが金地金を貿易代金の決済に使おうとするならば、中央銀行の金庫から取り出し、厳重な警備・警戒のもとで国際空港に金塊を運び、相手国に航空機などで持ち込むという、大変に非効率な手段によらざるを得ないでしょう。
端的に申し上げて、重量的にも実務的にも、非現実的です。
【参考】純金ペンダント
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク。なお、万が一お買い求めをご検討の方は、くれぐれも自己責任にてお取り扱いください。)
このように考えていくと、ロシアが「保有している」(と主張している)金塊は、正直、支払い手段としてはあまり意味がありません。敢えて考えられるとしたら、金塊を「友好国(?)」である中国の中央銀行である中国人民銀行に物理的に持ち込み、外貨紙幣などに両替してもらうくらいでしょうか。
国際的な人民元決済はほとんど増えていない
ちなみにロシアは人民元建ての外貨準備を、2021年12月末時点で少なくとも1000億ドル分以上は保有しているはずであり、これに加えて『【総論】中国・人民元スワップ一覧(22年8月時点)』でも紹介したとおり、中国と1500億元(ドル換算で200~300億ドル程度)の通貨スワップを持っています。
これに加え、ロシアの主力銀行がSWIFTNetから排除されてしまっているという状況を踏まえると、ロシアは貿易決済において人民元を使用せざるを得ないのではないか、との推定も働きます。
ただ、非常に不思議なことに、『英ポンドに肉薄:送金シェア急伸の日本円「真の実力」』などでも指摘したとおり、国際送金の世界において、ウクライナ戦争以降に人民元決済の割合が顕著に増えたという事実は確認できません。むしろ人民元決済の割合は横ばいが続いています。
ウクライナ戦争勃発直後には、「ロシアが外貨準備における金地金や人民元の割合を増やし、また、人民元を決済通貨としても使用するようになるに違いない」、といった予想を立てる人もいましたが、現状ではそうなっていないというのも興味深いところです。
中国「火事場泥棒」
中国がロシアの存在感低下の間隙を埋めている
というよりもむしろ、中露経済の一体化はさほど進んでおらず、むしろロシアの中央アジアなどに対する影響力が「崩壊」するなかで、その間隙(かんげき)を埋めるかのように中国(とトルコ)が影響力を拡大している、といった指摘も出て来ています。
ニューズサイト『yahoo!finance』に転載された “BUSINESS INSIDER” の記事が、それです。
The ‘implosion of Russia as a great power’ has opened the door for China to capitalize on Moscow’s weakening economy
―――2023/05/10 10:41 GMT+9付 yahoo!financeより【BUSINESS INSDER配信】
BUSINESS INSDER は “Geopolitical Intelligence Services” (GIS)のレポートを引用するかたちで、ウクライナ侵攻以来、「世界の大国」としてのロシアの地位が悪化し、経済が弱体化するなかで、この機会を中国が利用していると指摘しています。
すなわち、開戦以来、中国はロシアの資源を安く手に入れるという恩恵を受けつつ、ロシアに対しては見返りをほとんど与えていない、というのです。ほんの一例を挙げると、こんな具合です。
「たとえばロシアは『一帯一路』構想からの利益を期待していたが、中国からの直接投資はほとんどなかった。さらに、モスクワとカザンを結ぶ高速鉄道の建設に中国が協力するという約束も、実現しなかった」。
これに加え、中国がロシア抜きで「中国・中央アジアサミット」を開催しようとしているなど、「大国ロシアの崩壊」が中央アジアに大きな影響を及ぼしている、というのです。これは、これまでの「ロシアが安全保障を提供し、中国が投資・ビジネスを行う」という「暗黙の役割分担」が崩壊していることを示唆します。
BUSINESS INSDERによると、GISのレポートではロシアの縮小にともない、2022年末には中国の対中央アジア投資が前年比40%増加したほか、トルコもロシアの存在感の低下に伴い、中央アジアで「より大きな役割を担うことになる」、などとしています。
このレポートの記載は、統計データから見えてくる、中露関係が予想ほどは深まっていないという仮説とも整合します。
中国による「火事場泥棒」に備えるべき
いや、言い方は悪いのですが、中国の中央アジアにおける存在感の上昇は、一種の「火事場泥棒」のようなものでしょうか。要するに、ウクライナ戦争が長引くほどにロシアの経済の縮小も続き、その間隙を埋めるようにして中国が存在感を高めている、という格好だからです。
私たち日本人にとって、ウクライナ戦争は決して他人事ではありません。国際法を破って外国に軍事侵略するというロシアの試みが成功した場合は、同じことが台湾海峡や朝鮮半島でも起こり得るからです。
とくに台湾海峡については、ここが中国の支配下に入ると、日本にとっては「命綱」を握られることにもつながりかねません。また、半島有事に際しては、大量の難民の発生にも警戒が必要です。
いずれにせよ、日本はGDPの規模では中国に大きく水をあけられたとはいえ、依然として金融大国ではあり続けています。
『世界最大債権国・日本の「アジアとのつながり」の薄さ』でも指摘したとおり、日本は世界最大の債権国ではありますが、邦銀の投融資先は米国、欧州、ケイマン諸島などが中心で、アジア諸国(とりわけ中央アジア諸国)にはほとんど投融資が行われていません。
四半期恒例のCBSの最新データ紹介です。CBSとは国際決済銀行(BIS)が四半期に一度公表する『国際与信統計』のことですが、これによると、2022年12月末時点においても日本が世界最大の債権国でした。ただ、アジア諸国(とりわけ香港、中国、台湾、韓国)に関しては、日本は最大の貸し手ではありません。これらの国に対する最大の貸し手は英国や米国などであり、日本はこれらの国に対する金融では「蚊帳の外」のようなものです。BIS統計国際決済銀行、あるいは英語表記の “the Bank for International Settlements” を略し... 世界最大債権国・日本の「アジアとのつながりの薄さ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)も、金融という視点からは、中国の「一帯一路金融」を牽制するという役割があるはずであり、こうした観点からの議論がさらに深まることを期待したいと思うしだいです。
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中央アジアにはレアメタルを始め鉱物資源が多くあると聞きます。中国はこれを狙っているのかもしれませんね。
また、スリランカの債権国会合に最大債権国であるはずの中国はオブザーバー参加ということですから債権放棄にも後ろ向きなんでしょう。
まだまだあちこちに債務の罠作戦を仕掛けて勢力拡大を目指したいのですかね。
日本政府は去る12月に中央アジア5か国外相を東京に招いて会議を開いています。たいへん有意義な活動と思います。アメリカの C5+1 構想とも整合します。
「中央アジア 外相 会議」とググって知ったのですが、2004年に川口外相(当時)が中央アジア訪問しています。そのときの声明文によればカザフスタン外相はトカエフ氏、彼は今は大統領です。ロシアによるウクライナ侵攻直前に発生した不可解なカザフスタン国内騒乱を経て、ロシア脱出人口受け入れ、中貨の流入、物価上昇などカザフスタン(及び周辺諸国)動向からは目が離せない気がします。
この記事を読んで思い出した事は、やはり隣の国は要注意、が外交の基本だという事ですね。ロシアと中国はずっと領土問題で対立して来たが、プ氏が大統領になってからロシアの譲歩で解決しました。解決の経緯では、中国の方が強気だったようです。両方とも覇権国家なのに、ロシアの方が中国への警戒心を無くしたようです。
ロシアにとって、警戒すべきは、米国欧州よりも、背後の広大な国境線を持つ中国の方だったのかもしれません。
隣国は潜在的な敵。特に地続きならいつ攻め込まれるかわからない。
中国はロシア、ウクライナがこの戦争で消耗してくれることを願ってるはず。
両国がヘトヘトに疲れたころ何かを得るために出てくる。
よくわかんないですが、ハードカレンシー貯蓄以外だと金しかないということなんでしょうかね。西側を信用しちゃいないのだけど、とはいっても金くらいしかないし、なんて。
とはいいつつ、西側の信用システムで儲けて政権維持するという矛盾。ヘタ打ったもんです。
ウクライナ侵攻以降もあまり増やしていないみたいです。
ソースがちょっとアレですが。
ロシア中銀の金準備高、昨年2月から31.1トン増加
https://nrifd.fdma.go.jp/research/seika/kagakubusshitsu/sekiyutank_kasai/index.html
ロシア産金業者協会は政府に対して、積極的な購入で業界を支援するよう訴えたものの、ロシア中銀は、金の公的保有積み増しの必要性はないとの認識を示しておりました。
昔からの疑問ですが、何故、金は価値があるのか?
皆、価値があると思う、いや、価値があることにしているから、としか言いようがないですね。
さて、ではどうやって実際に交換するのか?
実際には、国際的な金の仲買業者の建物の地下に、各国の金庫があって、売買取引毎に各国の金庫間を、その業者の職員が移動させているのだということを聞いたことがあります。
この話を聞いた時に、これは単なる相場取引のことであって、有事の際に役に立つのかと言えば、役には立たないなと思いましたね。
実物の移動が難しいし、今回のような場合は、その業者の金庫が敵対側にあれば、まず間違いなく封鎖されるから、使うことは出来ないはずです。
そこで、本稿に記載のように、自国で持つことにすれば、買い付け毎に自国に運び込まなければばならないし、有事の時の支払いにしようとすれば、例えば武器の購入をしようとして金での決済をして、支払いのために金を移動しようとすれば、そこを狙われるかもしれないです。
いずれにせよ、ハンドリングの難しい物ですから、決済手段にはなりにくいのでは?
金は、ドラマや映画にあるように、どこかへ逃亡するときに、手元の袋の中に金の小粒をいれて逃亡資金にするとすれば、多分どこへ行っても交換手段としての役割は果たすかもしれない、というイメージはあります。
実際の資産保管の目的とすれば、どんなことがあっても、通貨のように最終的に紙屑になることが無いという意味合いしかないように思います。
価値としては、完全に無となることがないという安心感。しかし、現実の取引の決済においては融通性が低いということ。
結局、資産の形成と保持には目的に応じたポートフォリオが必要である、ということでしょう。
ロシアのように、敵が多く味方の少ない国では、自国通貨の信頼性はもちろん高くない、外貨はいつ使えなくなるか分からない、とすれば、金の保有に一縷の望みを掛けた、ポートフォリオ(と言えるレベルかも分からないが)を組むしかないのではないのでは、と思います。
中国が、米ドルを大量に保有するのは、自国の軍事力に自信があるからでしょう。
自己レスです。
上記の事を書いていて改めて分かった事は、孤立無縁国は戦争が出来ないという事ですね。
ロシアは、そこまで考えて侵攻を始めたのか?
多分考えていたでしょう。
ウクライナを1か月で制圧するつもりだったのだから、何の問題もないと。
私もおなじです。たとえば金塊にお湯をかけると、たちまち米俵千俵に化ける・・なんかだと分かるのですがそうではない。そう考えると濃縮ウランなんかのほうが価値がありそう。つまり、金が価値があるのは希少価値だけなような気がします。因みに、人類が有史以来Getできた(=掘り当てた)金は、100mプール2杯分くらいしかないらしい。それだけ希少価値があるというのはわかるが、別に無ければ困るものでもない。まあ、ゴーンみたいなのが個人単位で逃亡するレベルだと、それなりに貨幣としての価値はありそうだけど、国家単位で売りさばくとなると、装飾品でしか価値のないものが、すぐに売れますかね。おそらくあせって売ろうとするほど、思いっきり足元を見られて、かなりのディスカウントになりそう。
金、プラチナなんかは工業的な元素として価値があります。
(今の相場は為替的なものでしょうが)
装飾としてしか価値がなく、出荷数制限で値段操作されているのはダイヤ等かと。
(工業的には合成ダイヤで代替可能 & 相場操作なくしたら、暴落します)
ロシアは数日でキーウを陥落させるつもりで侵攻開始したという見方が大勢のようです。
長期戦になるとわかっていたら侵攻しなかったと思います。
戦争が長期化の様相を見せた頃に侵攻を提案したFSBの幹部が拘束されました。
金は「皆が欲しがるから」価値(価格)がついていると思います。腐食しにくい特性も後押ししていると思います。人類との歴史上の付き合いも長いですしね。
流動性は低いので使い勝手は悪いと思います。
それが剥落すればさらりーまんさまのおっしゃる通り、工業的価値に行き着くと思います。
自国で過剰産出した金地金の在庫(売れ残り?)を外貨準備高として計上してたりとか・・?