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高市氏ら靖国参拝で予想される隣国「コップの水理論」

尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領による自称元徴用工問題の解決策提示後、初の「靖国例大祭」の時期がやってきました。岸田文雄首相が例年通り、供物を捧げたほか、高市早苗・経済安保担当大臣らが靖国参拝に踏み切りましたが、これについて、予想通り、NHKを含めた日本のメディアが大騒ぎし、隣国などでも取り上げられているようです。おそらく今後は「日本の誠意ある対応が必要だ」とする主張が、隣国メディアでさらに拡大していくのではないでしょうか。

靖国参拝を問題視=日本のメディア

靖国神社に首相や閣僚などが参拝するとわが国のメディアが大騒ぎし、近隣諸国(といっても特定の2~3ヵ国)が日本を非難する声明を出す――。

いつのころからか、これが毎年のパターンと化しました。

たとえば、昨日は高市早苗・経済安保担当大臣が靖国神社の春季例大祭に合わせて靖国参拝をしましたが、これに関してNHKなどのメディアがこれを報じています。

これぞメディアのご注進報道、といったところでしょうか。

靖国の在り方には一部保守派からも疑問はあるが…

靖国神社ウェブサイト『靖國神社の由緒』によると、もともとこの神社は明治維新期の戊辰戦争の発生などをうけ、明治天皇が明治2年、東京・九段にご創建された招魂社(しょうこんしゃ)がその起源で、明治12年の社号変更で「靖国神社」となったものです。

ちなみに御祭神は「近代日本の出発点となった明治維新の大事業遂行のために命を落とされた」をはじめ、「日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争」などの対外事変や戦争などで「尊い生命を捧げられた方々の神霊」(246万6千余柱)、だそうです。

もちろん、靖国神社のあり方に疑問を持つのは自由でしょう。

じつは、靖国神社には西郷隆盛や白虎隊などの「賊軍」が合祀されていない、との指摘もありますし、いわゆる「保守派」と呼ばれる人たちの間でも、一部では「賊軍」を除外するような靖国の祭神の祀り方に対する疑問があることは事実でしょう。

靖国神社に会津藩など「賊軍」も合祀を 亀井静香、石原慎太郎両氏が申し入れ

―――2016/10/12 18:04付 産経ニュースより

もっとも、「靖国神社への祀り方」という問題と、「わが国の政治家が日本国内のどこに行くか」に対する外国勢力の干渉という問題は、まったく別です。ましてや「外国に言われた」から「日本の政治家が靖国に行く・行かないを決める」というのも、やはりおかしな話といえるでしょう。

韓国メディアも(やっぱり)注目

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)にも「歳時記」的に掲載されているのが、こんな記事です。

岸田首相、靖国神社に供物奉納…日本議員87人は集団参拝

―――2023.04.21 16:10付 中央日報日本語版より

記事タイトルでも何となくわかりますが、「太平洋戦争のA級戦犯が合祀された東京の靖国神社」(※原文ママ)に、岸田文雄首相が供物を奉納したほか、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー87人も靖国神社を集団参拝した、などとする記事です。

ただ、今年に関しては、自称元徴用工問題に関する、例の「岸田ディール(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)があったばかりです。

「仮定のご質問には答えません」は岸田首相がちゃんと考えていない証拠衝撃的な「岸田ディール」。振り返れば振り返るほど「信じられない内容」と言わざるを得ません。とくに韓国の「ちゃぶ台返し」の可能性については、岸田文雄首相は記者会見で「仮定の質問には答えません」と述べ、シャットアウトしてしまいました。こうした記者団とのやり取りから浮かぶのは、「キシダ・フミオ」という政治家の「実務担当能力のなさ」、「戦略的思考力のなさ」、そして「プライドの高さ」です。不誠実な「キシダ・フミオ」岸田ディールの衝撃:首...
岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ - 新宿会計士の政治経済評論

逆に言えば、岸田首相が自称元徴用工問題を巡り、保守派から韓国に「譲歩した」とみなされるのを防ぐためには、もう一歩踏み込んで、やはり首相自身が靖国参拝してから衆院解散すれば良いのではないでしょうか。 もっとも、その場合、韓国で尹錫悦(イン・シャクエツ)政権がぶっ飛んでしまうかもしれませんが、私たち日本人の知った話ではありません。

…、というのは冗談として、おそらく今後数日以内に、例の「コップの水」理論に関する記事・論説が、韓国メディアに掲載されることでしょう。

この「コップの水」理論は、『韓国裁判官「日本は残り半分の水をコップに注ぐべき」』でも紹介した、韓国が「コップの半分の水」にたとえて「日本の誠意ある対応」を要求する、というものです。

韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝、自称元徴用工問題を巡る韓国政府の解決策を巡り、「韓国がコップに半分の水を注いだ」、「残り半分は日本が注ぐべき」とする趣旨の寄稿記事が掲載されています。その内容そのものにも驚きます。なぜなら典型的な「ゼロ対100」理論そのものだからです。ただ、それ以上に驚くのは、この寄稿記事、韓国の現役判事の方が執筆したものである、という事実です。二重の不法行為正直、長年のコリア・ウォッチング経験があると、たいていのことには、あまり驚かなくなるものです。ただ、それ...
韓国裁判官「日本は残り半分の水をコップに注ぐべき」 - 新宿会計士の政治経済評論

「韓国が飲む水をどうして日本が注がなければならないのか」、「どうせ満たすなら福島第一原発のALPS処理水でも注げばよいのに」、といったツッコミについては、この際、脇に置きましょう。

韓国では「尹錫悦大統領が日本に手を差し出したのだから、日本も韓国に誠意ある対応を取らねばならない」といった雰囲気が充満しているようなのですが、首相の靖国への供物提供といった動きは、これに冷や水をぶっかけたことは間違いありません。

その意味では、今後の韓国側の反応には注目する価値はあるのかもしれません(※といっても、だいたい想像がつきますが…)。

新宿会計士:

View Comments (16)

  • 正直、岸田政権に物足りなさを感じてる一部の保守派は「維新」に投票してるよ。
    安倍総理が「保守派」を繋ぎ留めていたような気がするからね。
    やはり、精神的支柱である安倍総理を亡くして「自民党左派」が台頭してきたことは、保守派の動揺を招いているような気がする。
    統一選で自民党がパッとしないのは「保守派」の動揺が主だと思うし、「小西文書」での高市氏への自民党首脳の対応が原因の一つではないかとも思う。
    自民党左派が主導して「LBGT」だの「同性婚」だの左派政策が続くようだと、次期衆院選は「維新」へと流れる気がするね。

    • 間違いないね
      近い将来、野党第一党になるのはIRをしっかり推し進めたり、政策論議ができる維新になるだろう
      団塊世代はじめ日本の高齢者は、立憲や共産を選びまくっているんだから、反省してほしい

  • お互いの論理的基盤が違う。
    韓国は責任無限論。日本は有限論。
    序列的下位で悪認定の日本が何をしても韓国にとって責任が減じることはありません。
    全世界を征服して韓国にプレゼントしようがおとめ座超銀河団全部の支配権を韓国に置こうが無限大の並行世界がワンセットの三千世界の富と美女を韓国が自由自在にできるよう日本がお膳立てして征服しようが

    「そんな対応ではダメだ。日本人はもっと誠意ある対応を」

    これで終わりです(笑)。

  • >これぞメディアのご注進報道、といったところでしょうか。

    NHKの報道内容を見ましたが、“ご注進報道”では無いと受け止めました。

    靖国神社 春の例大祭にあわせて岸田首相が「真榊」を奉納
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044631000.html

    むしろ、こちらでの様に韓国中国の反発を報じる事こそ、「テロリストに名前を与えない」の考え方から「報じないのが正解だ」と置くところかと。

    • 新宿会計士さんが引用したNHKの此方の報道では、中国や韓国の反応や反対意見などは報じていないです。

      高市経済安保相が靖国神社に参拝
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044891000.html

      でも、NHKの此方の報道では『韓国「深い失望と遺憾」論評を発表』及び『中国「断固として反対」日本側に申し入れ』を報じています。

      靖国神社 春の例大祭にあわせて岸田首相が「真榊」を奉納
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044631000.html

      中国や韓国が反応しようとNHKが報じなくなった時が、靖国問題の正常化が成った時なのでしょうね。

      • NHKは靖国神社のことを近隣諸国と絡めて報道するなら、靖国神社に爆弾を仕掛けた韓国人テロリストのことも報道し続ければいいのに。「日本人の反省が足りないから、爆弾テロが起きたのです。」 とでも言って、堂々と韓国人テロリストを擁護する論陣を張ればいい。

  • 国家が国民に約束したことを後世の政権が勝手に反故にするなということです。
    隣りの国じゃないんですから。
    今のあり様では、国民国家のために死んでいった者たちが浮かばれません。

  • 岸田文雄首相は「靖国例大祭」に参拝に踏み切るべきだと思う。周辺国に気をつかう必要は無い。まったく無い。供物を捧げるのは、年老いて歩けなくなってからでも出来る。参拝したからと言って、それで日本の総理大臣はタカ派だ、周辺国に配慮が足りない、靖国には絶対に踏み入ってはならないーーなんて、3つか4つの悪辣・人権ナシ・愚連隊国家が言うなら、今後一切友好的対応はせぬ、と言ってやれ。

    高市早苗・経済安保担当大臣らは靖国参拝に踏み切りましたが、それが政権与党なら当然の行為です。周辺国は「A級戦犯も合祀されている」事を非難するマトにしているが、府中で絞首刑になった方以外にも、国内各地の刑務所や、中国大陸、アジア諸国まで戦後日本から連行され、残酷な方法で処刑されたB、C級戦犯の日本人は大勢います。

    アジア周辺国は、戦勝国のフリをして多くの日本軍人を罰した。その方々も祀られているのが靖国神社だ。日本人の心の拠り所を踏み潰す行為は、断じて許せません。

  •  私は、行こうが行こまいが、隣国からとやかく言われる筋合いでは断じてない、と思いますが、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と仰られた昭和天皇のお気持ちに寄り添いたい、というのが近いかな。
     日本国民をあれほどの塗炭の苦しみに陥らせた指導者たちを、そのために死んでしまった一般国民と同列に論じることは出来ません。「どんな人でも死んでしまえば神様だ」とは思えない気がします。
     加えて、安っぽい拍手を得たいために、「総理になったら靖国に参拝する」と軽々に断言する政治家を信用しておりません。外交問題になるかならぬかは、日本だけの判断で決まるものではないからです。
     総理以外の大臣の方々は、それぞれのお考えに沿って、行動されればよいのではないでしょうか。中国や韓国が何を言おうが、そんなの関係ねえ、です。

  • >これぞメディアのご注進報道、といったところでしょうか。
    韓国とかの意見を合わせて報じてたからおかしなものになったてんだと思うのです♪

    公人が参拝とかすること自体は、淡々と事実関係だけでいいので、ちゃんと報じるべき事実だと思うのです♪

  •  私が常々思っていることのひとつに「この先日本が戦争に巻き込まれることがあったとしても、次こそは天皇を巻き添えにしてはいけない」というものがあります。日本を守るための戦いに散っていった方々を悼むのは当然のことであると考える一方、その人たちを天皇のために命を捧げた聖戦士であるかのごとく称えることには賛同しかねるということです。
     「靖国参拝に反対するなら明治神宮へも行くな」というようなことを言う人もいますが私が明治神宮に感じるものは天皇への純粋な愛や都民の「自分は帝都に住んでいるのだ」という無邪気なプライドであって、どこか政治的な匂い(国家による天皇崇拝の押し付け《天皇の政治利用》)の感じられる靖国とはむしろ正反対です。

     あくまで自論ですから他人に押し付けるつもりはないですが、こんな奴もいるということで。

     >A級戦犯が合祀された
    そもそも「A級戦犯」の意味を理解している人はどれだけいるのだろう。

  • なぜ裁判官はコップに例えたのでしょう。金庫にお金を半分入れたなどの方が適切だと思いますけど。

    普通喉が渇いていたら、コップに水が半分でものみますが韓国人はなぜが待つみたいですね。

    • 韓国はコップに水など注いでいない。コップの内側に水色のセロファンを貼って水が入っているように偽装しただけ。
      相当に喉が渇いていて飲みたくても飲めないから、早く日本が騙されてコップ全量の水を注いでくれるのを今か今かと焦れながら待っているのでは。

    • コップの下半分は注いだ。「誠意をみせろ!」とは、「日本が自ら注げ!」ということ。
      事情に疎い第三国に「日本が認めたのなら、そうなんだね」と思わせたいだけのこと。
      ・・・・・
      上(浄)水の追加なしでは飲めないのです。
      コップに注がれてるのは下水(毒)だから。
      ・・。

  • こちらが注ぐと、そのそばから飲み干して「全然入っていない」と言う。
    そもそも自分は自分専用の別のコップに注いでいる。しかもよくこぼす。
    あと半分注げという言い分が成り立たないし、日本が注ぐコップには穴が空いていて、
    その下ではコップの穴に5千万人が口開けて押し合いへしあいしているという地獄絵図。

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