Colabo問題で「続報」があったようです。東京都が同団体のバスカフェ事業の休止を通達したところ、これに抗議するための集会が開催され、その反対派らとの衝突も勃発したのだとか。ただ、東京都はColaboを委託先から外すことで問題の収束を図っているフシがありますが、問題の本質は、「公金の使途」そのものではないでしょうか。
デイリー新潮の記事
例の「Colabo問題」を巡り、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に本日、こんな記事が掲載されていました。
Colabo「バスカフェ休止」の抗議集会で反対派と衝突 「撮影するな!」「お巡りさんがおかしい」と絶叫
―――2023年04月03日付 デイリー新潮より
「Colabo」とは、BONDプロジェクト、ぱっぷす、若草プロジェクトと並ぶ、東京都がこれまで実施してきた『東京都若年被害女性等支援事業』の委託先のひとつです。
記事によると、そのColaboが先月29日、都庁前で抗議集会を開いたというのですが、その内容がなかなかに印象的です。集会自体に反対派が現れ、小競り合いが勃発したほか、集会の様子を撮影していた人にColabo側の関係者が食って掛かるなどの局面も見られた、などと記載されているからです。
デイリー新潮によると、今回のColabo側の集会は、いわゆる「バスカフェ」を東京都側が「休止」と通告したことに抗議するためのものだったのだそうです。記事をもとに、抗議集会に至るまでの経緯を振り返ると、こんな具合です。
そもそもバスカフェとは、「新宿の区役所前に止めたバスを拠点に、声がけして連れてきた10代の少女たちに食料や居場所を提供するColaboの主軸事業」のひとつでした。
ところが、今年1月以降に関しては、そのバスカフェの前に活動日のたびに反対派が妨害に現れ、言い争いが起きるトラブルが発生していたとのことであり、妨害の中心人物だったユーチューバーに対しては、3月14日には裁判所から600メートルの接近禁止命令という仮処分が出る事態に発展。
その一方、これまで場所を提供してきた新宿区側も、「通行人の妨げになっている」として都に対し改善を申し入れ、都は実施方向の変更をColabo側に要請したものの、Colabo側があくまでも区役所前での実施を主張したため、28日にバスカフェの休止を通達した、ということです。
このあたり、デイリー新潮の記事自体、書き方にはずいぶんと気を遣っているようにも見受けられますが、実際にはそのバスカフェの内容自体を巡っても、ネット上ではさまざまな物議を醸しているようです。
生々しいやり取り
ただ、それ以上に気になるのが、Colabo側が抗議活動の間、写真・動画の撮影を「固く禁じる」とする態度をとったことでしょう。
デイリー新潮によると、「自分たちはビデオカメラで相手を撮影」しているのに、何人かが「『写真、動画とも一切の撮影を固く禁じます』と書かれたプラカード」を手に、「怪しい」と踏んだ通行人らに対し、「いまスマホで撮っていましたよね」、「名刺を出してください」などと声をかけて回ったというのです。
これにはさすがにデイリー新潮の記者も黙っていられず、Colabo側に抗議したというのですが、そのやり取りがこんな具合です。
「――何の権限があってこんなことをするんですか?
『前回の集会でColabo側を非難するような動画がたくさん拡散されたからです』
――ここは公道であるし、こちらには取材する自由がある。
『取材は事前に申請があった方のみにお願いしています』」
記事の記載が事実なら、公道で集会を行っているのに「撮影をするな」というColabo側の言い分には、かなりの無理があります。デイリー新潮の記事はその抗議集会における写真も数枚掲載(これについてご興味があれば、記事を直接お読みください)したうえで、こう締めくくります。
「かくして都とも“決裂”したColabo。これからどこへ向かっていくつもりなのか――」。
川松氏の見解
この記事を巡って、東京都の川松真一朗都議はこんなツイートを発信しました。
実際、デイリー新潮の記事では、川松氏のこんな趣旨の発言も取り上げられています。
- たしかにバスカフェ休止の原因となったのは、反Colaboを掲げるYouTuberの嫌がらせが原因
- しかし、そもそもColaboに批判が集まるようになったのは会計不正疑惑が浮上したからであり、領収書を出さないなど、都民や国民のみなさんが納得できない会計報告を行ってきたColabo側にも責任の一端はある
- 都がバスカフェの代替案を考えるように打診したのに一切答えず、一方的な正義を振りかざすだけでは混乱は収まらない
…。
そのうえで、川松氏は「(Colabo側が)事業を継続させたいならば冷静になってもらわないと困ります」と指摘するのですが、このあたりも、まさに正論でしょう。不正会計疑惑に答えず、都の委託を受けているにも関わらず、都に対して抗議するというのも、どう考えても筋違いです。
また、あくまでもこのデイリー新潮の記事が事実ならば、という前提がつきますが、やはり公道上で抗議集会を行っておきながら、通行人に対してその「撮影を禁止する」と要求するというのも、なんだかよくわかりません。基本的に私人が公道上での撮影を規制することはできないからです。
暇空氏は「Colabo外し」を報告するが…
こうしたなかで、「暇空茜」氏が興味深いツイートを発信しています。
暇空氏は都庁に電話し、『若年被害女性等支援事業』の担当者が「総とっかえ」になり、令和5年度の補助事業化については採択団体も含めて未定である、などとしたうえで、「Colaboが外された」と述べています。
このあたり、あくまでも個人的な感想を申し上げるなら、Colabo側が自己の寄付金などで活動を続けるのは自由でしょうし、また、反対者がColaboの活動に疑問を持つのは自由ですが、だからといって暴力的で悪質な妨害活動を行うべきではありません。
ただ、それと同時に、やはり、公金の使途の透明性などに問題があるというのも困りものです。
というよりも、『東京都副知事交代に川松都議「突然の人事に都庁騒然」』などでも述べたとおり、「Colabo問題」は「Colabo」という団体だけの問題ではなく、背後には東京都を含めた地方自治体、さらには厚生労働省などにおける広範囲な法令・規則違反の問題という疑いもあるでしょう。
川松都議によると「突然の退任」だそうです。東京都副知事で財務担当でもある武市敬氏が3月で退任すると報じられています。また、東京都が発表した3月末の退職者名簿では、財務局長も退職すると記載があります。川松都議は先週のツイートで、東京都副知事の交代に「都庁内は騒然」、と述べています。ただ、現時点でColabo問題とこの人事を関連付けるには、まだ材料が不足しているように思えます。東京都副知事が交代東京都の武市敬・副知事が退任するようです。東京都、中村政策企画局長を副知事に起用へ―――2023/3/23 18:59付 産経... 東京都副知事交代に川松都議「突然の人事に都庁騒然」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
こうした点を踏まえると、今回の問題は、「Colaboの不正会計疑惑」ではなく、公金の使途そのものを抜本的に見直すうえで、大変重要な試金石といえるのかもしれません。
View Comments (13)
本件と関係ない案件で恐れ入ります。
デイリー新潮に鈴置さんの新しい論考が載っていました。
なので、そっちのほうを読んでました。。。
はは。
これまでさんざん
「市民(?)」活動と称しての
所詮はもっとくれくれ主張に過ぎない
赤いお旗の政党さんの
利権とかした手法と主張の技巧なのですが
今や日本海をはさんで
西の伊美香・東の仁藤夢乃と
並び称される反日活動家オバハンの
colaboさんなのに
こんなアピールしてるのは
悪あがきにしか見えませんなあ(笑)
少数そんなこんなの人たちの
声高に喚く正義とやらは
日本を支える多数派国民良識層の前に
いつまでもトリッキーに
通用すると思っているのが不思議で
まずはまじめに生きろとの周囲のアドバイスを
聞くべきなのにと、そんな憐れな姿と映ります。
相変わらずこの件に関しては「自称」市民オンブズの皆さんは沈黙を守ったままですね。
何故でしょうね(棒)?
SJW系の紅衛兵に冷静さとか筋の通った言動とかを求めるのは酷でしょう。
自身を正義の体現者みたいに捉える其の本質はテロリズムに通じるものですし。
そうか!テロリズムか!
古いハナシで恐縮ですが、ビデオカメラを回して反対勢力に対する抑止力にしてるというくだりには、まるでオウムみたいだなぁという感慨を抱いていました。
議会が決まったことを(忠実に粛々と)実行することが都庁レベルの優れた公務員(反語)だと見ていましたが、まとめて異動されたってことは経歴に(さほど)
傷がつかない形で都の方針が変わったという意味だと捉えています。
都議たちも次の選挙で「かわいそうな女性たちを支援する条例を通した」みたいな戯言を実績としてチラシに記載することは難しそうですね。
議員にとって上っ面の実績ができ、公務員は決められたことを脳死状態で実施し、テロ性向のある民間団体が公金丸投げを受け、そのお題目をマスコミが絶賛支持する。ドブ浚いや公園遊具のペンキ塗りから生活保護や芸術活動まで、同じようなシステムが組まれて運用されている実態に一石を投じ、、、たってほどではないのでしょうね。
まもなく統一地方選挙かぁ。
「何とかColaboだけを犠牲にして、他の3団体と東京都への疑惑はうやむやにしよう」
こんな意図が見え隠れする流れですね。小西議員の騒動同様、マスコミが
「庇いたいけど庇えない、嫌々だけど報道せざるを得ない」という状況に
近づいている感があります。いやはや、面白い。
Colaboが活動実勢が一番あるから、WBPには触れられたくないというのが本音なのでしょけど、被害担当艦の役割をこなせていませんね。
「わたしは世のため、人のために善いことをしているのだから、どれだけお金をもらっても、どれだけお金を使ってもかまわないんだ。」と言わんばかりの方をしばしば見かけます。
彼らに共通する点は放漫経営なんですが、その割にいっちょまえの報酬をもらっていたりします。
「人」の「為」と書いて「偽」(ニセ)という漢字ができあがりますが、「いやいや、あなたの名利栄達ためにやっているだけでしょ」と突っ込みたくなります。
Colaboの仁藤氏の心中は計り知れませんが、ご自身のやりたいことをやりたい放題やっているだけなのではないでしょうか。
事業を継続したいのなら、悪筋の指南役達とは手を切って、真面目に活動している慈善団体や公認会計士などのプロフェッショナルに教えを乞うた方が良いように思います。
最初にcolaboの話題をネットで見たときに、代表が キモイ と言う言葉を使っているのを変だと思いました。
公金を受けている団体の代表者からこのような言葉が出てくるべきではないと思ったからです。
このような対応をすれば逆に 公金チューチュー と返されても当然です。
これだけのことでcolaboの底が浅くて、悪いことをしていると自覚した反応だと判断しました。
それにしてもこんな低レベルな人を代表に据えたその背後の人たちは活動方法の見直しが必要ですね。
ここ数日やたらとcolabo全面擁護(抗議集団は女性保護を嬉々として攻撃し、不正が無かったと公的に立証されている、など)する記事が立て続けに流され、危惧していましたが。ヤフーニュースなどに転載されコメントが大開放されると、
「都が休止してくれと言ったのは安全措置が不十分な状況であるため、対処するべきはcolabo側」
「嬉々として他社を威圧した事実があるのは仁藤氏の方」
「誰も活動理念には反対しておらず、公金の扱いや運営の杜撰さだろう」
「この記事を書いた方は有名な左翼活動家で、仁藤氏らもなぜか慰安婦に肩入れ」
他盛りだくさんといった事実陳列罪がgood1万(bad300程度)を集めていて、安堵しました。
ちなみにあれですわ、ライターは安田某とか北原某女史とかそのへん。
新宿会計士さまの地元、新宿区役所横とか所謂”トー横“とか都庁前とか、ごく近い話ですね。
日共はColabo問題では早期から(良く調べもせずに)精力的に『しんぶん赤旗』などで薄っぺらい論陣を張って居る様です。志位和夫氏自ら(調べもロクにせずに)説明して見せて、これは党を挙げてColaboに一方的に肩入れすると言う宣言。3/22の集会には二桁の地方議会議員を結集させ、3/29の集会にはしばき隊と思しき乱闘に手慣れた勢力も入れて(議員はこの時は引っ込め)居る。どちらも現場の警官曰く無届集会だそうです。通常の日共のやり方としては(駅前早朝お見送り宣伝ぐらいは別として)普通警察に届け出るぐらいするのだが。
毎度毎度「日本共産党と強いつながりのある仁藤夢乃さん」と昨冬からどれだけ言われ続けて居るか?それが(当面は)不正会計疑惑と言う問題であるのにそこはチェックもしない。仁藤さんに言われるままをそのまま全党に流して居る。そこには主体性が全く感じられません。かと言って従来そんなに強調して若年被害女性等支援事業云々を取り上げて居た形跡も無い。とにかく私の観たところ、日共の全国の党員の圧倒的多数はColabo問題なんて全く知らないと思いますね。そこにネジレがあると思います。
設備導入で補助金を申請したことがあり、導入後も実績報告やらで大変でした。
なのにペラ数枚で税金ドバドバとか。
領収書無しでも税金ドバドバとか。
羨ましくて怒りが湧いています。
役人もサラリーマンなので上司に逆らえないのは分かりますがちょっとは正義かぶれして欲しい
これでは税金を払いたくない。
国の崩壊の一因に公平性が無くなる。が有ると聞きました。
恣意的に国家権力を振る舞えば公平性は無くなります。
なんて言うかこういう弱者救済を掲げる人たちって
うっかり「慈愛に満ちている人格者」っぽく捉えがちですけど
こいつら自分が攻撃されると本性を簡単に晒しますよね。
修行が足りないですね。