これこそ報道の自由に対する圧力では?
小西洋之氏の「サル」「蛮族」発言を巡り、小西氏は土曜日、ツイッターに自身の見解を投稿しました。産経ニュースが前後の文脈を無視して切り取り報道を行ったという趣旨の批判ですが、一連ツイートを確認すると、産経新聞社に対し、この記事の数日前にも記事の訂正圧力をかけていた疑いが生じました。統一地方選のタイミングで浮上したこの問題を、立憲民主党はどう収拾するつもりなのか(あるいは収拾しないのか)などについては、気になる論点のひとつです。
小西文書問題と「サル」「蛮族」発言問題
最近のネット上では、立憲民主党の小西洋之・参議院議員の言動を巡り、話題が途切れることがありません。
とくに小西氏が3月上旬に「総務省の内部文書」(いわゆる「小西文書」)を公表して以降、この文書の内容の正確性などを巡るさまざまな議論がなされたのですが、この「小西文書問題」が一段落した直後に、今度は小西氏が衆院憲法審査会を巡り「サル」「蛮族」などと述べたことで、ネットは再度「炎上」。
しかも、昨日の『産経記者、小西議員から記事訂正「圧力」受けたと証言』でも取り上げたとおり、「小西文書」で「報道の自由」を擁護する立場から動いていたはずの小西氏自身が、報道機関の「報道の自由」に対して「圧力」をかけていたのではないかとする疑惑も浮上しています。
産経新聞の大橋記者は31日、立憲民主党の泉健太代表の記者会見で、小西洋之参議院議員の「サル・蛮族」発言を報じる記事に対し、小西氏自身からLINEで記事の修正要求を受けたと明らかにしました。これが事実なら、「報道に対する圧力」そのものです。果たして立憲民主党はこの問題で何らかの対応を講じるのでしょうか?高市氏の総理としての資質は十分!?最近になって、連日のように立憲民主党の小西洋之参議院議員を巡る話題を目にするようになった気がします。例の「小西文書」事件の影響もあってか、当ウェブサイトを含め、ネ... 産経記者、小西議員から記事訂正「圧力」受けたと証言 - 新宿会計士の政治経済評論 |
しかも、小西氏自身の「釈明」が、却ってネット上で話題になっているのです。実際、『テレ東BIZ』がほぼノーカットで配信した30日付の小西氏の「謝罪会見」でも、動画の54:08以降をご視聴いただくと、小西氏が「逆ギレ」している様子が確認できます。
小西氏が新たな釈明
こうしたなか、さすがに「サル」「蛮族」といった発言がわかりやすすぎたためでしょうか、どうも新聞など大手メディアも小西氏をかばいきれなくなっているフシがあり、実際にいくつかのメディアも「高市氏に放送法圧力を追及した小西氏にブーメラン」などと相次いで報じています。
『女性自身』の次の記事など、その典型例でしょう(記事タイトル中の「追求」は原文のままです)。
「修正しないなら法的措置」産経記者が小西議員の“編集権への介入”を告白…高市氏への“放送法圧力”追求が大ブーメラン
―――2023/03/31 18:27付 女性自身より
すると、小西氏はこの『女性自身』の記事に返信するかたちで1日、自身の見解をツイッターに投稿しました。
小西氏の言い分を原文どおりに転載しておくと、こんな具合です(※ただし、改行設定などについては修正しています)。
メディアが荒れるのは本意でないので事実関係をご説明します。
産経ネット記事は、意図的なオフレコ発言の切り取り(即時に撤回発言している)を疑わざるを得ないもので名誉棄損等の認識を持つものでした。
緊急対応として、せめて、私が話した衆院憲法審の毎週開催を批判する理由で丸ごと抜けていた「昨年の衆院憲法審のオンライン出席の取りまとめは衆参の憲法審に招致した四名の憲法学者全員から議院自律権の濫用、つまり、憲法違反行為と批判されている」という、重大な事実の記載を求めました。
さらに、もう一つの毎週開催への批判の「いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか」になぜか「憲法の基本書」という大切な発言が抜けていたので、その冒頭にこれの追記を求めたものです。
基本書とは大学の教科書等であり、憲法審の発言は一つの論点で複数の学者の基本書を読んで臨むべきものです。
以上のことから、私が産経記者にラインで求めたネット記事の追記修正は、名誉棄損等と認識する記事にせめてその被害を軽減するための緊急対応を求めたものであり、編集権の介入ではありません。
なお、この記者とはこの数日前に別の記事の修正をラインで求め、社として真摯な対応を受けております。
社会通念に照らしてどうなのか?
小西氏がいう「『産経ネット』(※『産経ニュース』の意味でしょうか?)の記事」は、おそらく、小西氏の「サル」「蛮族」発言に関する第一報のことでしょう。また、「LINEを送った相手」とは、おそらくは産経の大橋記者だと思われます。
小西氏はこの産経の記事が「意図的なオフレコ発言の切り取り」であり、「名誉棄損等の認識を持つもの」と位置付けたうえで、産経に対する要求が「重大な事実の記載」と「発言の追記」であり、これは編集権への介入ではない、との認識を示したのです。
こうした認識が一般社会通念に照らして妥当と言えるのか――。
正直、もし同じことを自民党議員がやっていたとしたら、新聞、テレビを含めたマスメディアは、その議員のことを舌鋒鋭く追及するのではないでしょうか。
「発言の切り取り」、「印象操作」は、自民党議員に対しては頻繁に行われています。故・安倍晋三総理大臣らに対する「もりかけ」「さくら」「統一教会」(MKST)追及など、「意図的なオフレコ発言の切り取り」のオンパレードのようなものでしょう。
また、そもそも産経ニュースが小西氏の要求通り、この「前後の発言」をあわせて報じたと仮定して、それでなにか問題が解決するというものではありません。「サル」だの、「蛮族」だのといった発言のインパクトが、あまりにも強すぎるからです。
朝日新聞も「小西氏が放送局を威圧」と報じる
小西氏の一連ツイートに含まれる問題は、それだけではありません。小西氏は数日前にも「別の記事の修正」を「この記者」にLINEで要求し、「社としての真摯な対応を受けている」と述べました。これはむしろ、小西氏が産経新聞社に対し頻繁に圧力をかけていたということを意味するのではないでしょうか?
ちなみに最近だと、ついに朝日新聞も、小西氏が「放送局を威圧した」などと報じました。
立憲、小西議員を更迭 憲法審巡り不適切発言、放送局を威圧
―――2023年4月1日 5時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
小西氏はこの記事に対しても、「自身の発言の切り取り報道」などの問題が「ごっちゃになっている」などと述べて批判しているようです。
いずれにせよ、正直、小西氏の「サル」「蛮族」発言そのものもさることながら、「小西文書」事件のときと比較すると、自分は「自民党が報道の自由に圧力をかけていた」などと追及するわりに、自身が報道の自由に圧力をかけているのではないか、といった疑念を抱かざるを得ません。
なにより、小西氏を含めた一部野党議員について感じるのは、その危機管理意識の低さです。小西氏自身が報じられた直後の時点で、「サル、蛮族発言はオフレコのつもりでしたが、言い過ぎました。発言を撤回し、謝罪します」と述べておけば、ここまで大騒ぎにならなかったのではないでしょうか?
いずれにせよ、統一地方選直前というタイミングで朝日新聞や毎日新聞も含めた多くのメディアを巻き込んでしまった以上、立憲民主党がこの問題をどう収拾するのか(あるいは収拾しないのか)などについては、引き続き、観察するに値する論点のひとつといえるでしょう。
View Comments (27)
サルというワードをどういう意味で使ってるのかなぁ
愚か者という意味なのだろうか
本日の朝日新聞の社説は、「高市早苗大臣の資質の疑念」という高市早苗大臣批判が80%でした。しかし、小西文書の信頼性がないと(朝日新聞も)認めざるをえなくなった場合、この社説との整合性をどうつけるのでしょうか。
蛇足ですが、社説の残り20%は小西議員への苦言でした。さすがに書いておかないと、不味いと思ったのでしょうか。
泉「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」
サル・蛮族といったワードが一番ふさわしいのは小西だと思うが。
小西が発する誰かを貶める言葉の全てが、悉く自らへのブーメランになっているのは最高に面白い。
それとも麻布食品の件から衆目を逸らすためにわざとやってるのだろうか?
それにしたって結局は自らの墓穴を更に掘り進めているだけではあるが。
最終的に小西の失脚という事になっても、党内では誰も骨すら拾わないだろうね。
これまで不祥事で離党を余儀なくされた数多の構成員と同じように。
小西への擁護を表明しているのはグーグルアース原口だけのようですし。
小西さん、とっても面白いひとですね。好きやわ。
普通、課長補佐ごときが肩書ひきらかして偉そうに言うか?。偉そうに言いいたいなら、せめて局長か参事官くらいには成っとけよな。と、私は言いたい。課長さんにさえ成れへんかったんやろ?一般会社なら、失礼ですが1階級昇進のペイペイですよ。いや、やっぱり好きやわ。こんな人。
小西さんのダメさ加減は否定しようもありませんが、役所の役職については誤解があるようです。
官庁の役職は一般の会社のそれよりもかなり低い呼称を使います。
課長補佐といえば、一般の会社では大した権限もないですが、官庁では多くのことは実質的に自分で決めれる役職で、放送政策課課長補佐ともなればメディアの首根っこを抑えてる要の役職だったのだろうと想像できます。
私の計算か正しければ、彼は32歳で課長補佐になっているので、入省が通常より3年遅くて(彼は別大学に2年いき、さらに一留しているようです)それであれば、出世のトップコースではあったのでしょう。
(その割に、現役の総務省の役人から冷ややかに見られているのは寂しいものがありますが)
「(総務省)元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だと思うが。。」
このツイートは2023日本語バカツイ大賞の最終選考までの残留が確定しただろう
エクストリーム謝罪2023にも堂々とエントリーし、謝罪会見で全く真面目に謝罪しない芸で大幅に加点した やらかしとリアクションも派手で優勝候補筆頭と見て間違いない
ニュージャパン火災翌日の横井英樹さえ、記者の皆さま早朝からお疲れ様、申し訳ございません。ホテルも一部が燃えただけなのでと一応詫びようとしていたのに!
2014年を制した「カエルの幼虫」には及ばないかもしれないが、また違った方向でのインパクトは絶大だ
無関係な記事中できちんと紹介されたトウキョウオオサンショウウオを無視して放射能による突然変異を提唱し、高校で生物を履修していなかったとか幼虫の人間とか失言を繰り返したこの大ネタと同様に、長く嘲笑とともに記憶されるパワーワードが生まれた
賢者は難解なものを平易に説明し、愚者は簡単なものをさも難解なように説明する、というのは本当ですね。問題点は噛み合わないわ、責任転嫁と隙きあらばの自慢に塗れていて、常時フェイントしかないので全く頭に入ってきません。
一般企業でこんなのが居てミスをしてこんな言い訳をしていたら、途中で上司にブン殴られそうです。顧客への弁解には絶対に行かせられないな……絶対に状況悪化。
一般企業へは行かず官僚に、そして大きな責任を持つ役職になる前に野党議員に転身、選挙環境も勝ちやすい(敗けても良い)位置で3期。考えたら、職選びは驚くほど最高最適なものを選んでいますね。最適以外の場所では生存も危うそうですが。
小西議員は釈明と恫喝の区別が付かないみたいですね(冷笑)。
>小西氏自身が報じられた直後の時点で、「サル、蛮族発言はオフレコのつもりでしたが、言い過ぎました。発言を撤回し、謝罪します」と述べておけば、ここまで大騒ぎにならなかったのではないでしょうか?
間違いがあれば殊勝な態度で素直に認めて謝罪することが、属する組織や自分自身の被害を最小とした経験は、私のサラリーマン生活の中で何度もしました。
少なくとも世の多くのサラリーマン諸氏はそう理解しているのではないかと想像します。(別にサラリーマンで無くてもそう考える人は多い気がしますが)
サラリーマンは人口の多くを占めますので、それがわからない彼は浮世離れしていると言えると思います。
彼は私と同年代なのですが、上の動画を見て「顔つきがとても若い」と思いました。ヘタすると30代くらいに見えます。小川淳也氏にも同じものを感じます。
彼らは万年野党の長い議員人生の中でどんな経験を積んできたんでしょうね。
万年野党の議員経歴が長い人物に対して、あらぬ偏見を持ってしまいそうです。
まあ人生初(?)のこの危機の局面を、自分の成長に生かしてもらいたいもんです。(棒)
私も時々気が向いたら注視してます。お酒飲みながら。
私も思いました。小西さん、見た目が若いですよね。今回の釈明?が幼稚なこととも結びついて何か考えさせられますね。
長年野党にいて、本当の苦労を知らないとこうなるんでしょうか。
直球返信ありがとうございます。(笑)
所作、仕草、反応するポイント、言葉選び等々、年相応さを感じないんです。
「週に1回の議論についていけないくらい自分は頭が悪い」という自白のようにも見えますね。だって、週一回の議論をしている人が大勢いるのだから。なんだかなあ…
真面目に頭使うやつは馬鹿だとでも思っているんでしょう。
頭脳労働を出来ない小西は一刻も早く永田メールリスペクトRTAをするべきだと思いますがね。
味方にすら迷惑をかけるあたり自分の世界でしか視点を持てない知性に欠ける存在でしょう。