総務省の「行政文書」を巡り、松本剛明総務相が内容を精査する意向を示していることに関連し、小西洋之氏はどうやら「精査をするな」と要求しているようなのです。非常にわかりやすい反応です。精査されたら困るのは誰なのか、みずからバラしているようなものだからです。
誤解しないでいただきたい:切り取り、論点ずらし、歪曲
昨日の『総務省は安倍総理と高市大臣の通話を盗聴していたのか』でも取り上げた「総務省の怪文書」問題に関し、少し誤解している方も多いようなので、改めて補足説明をしておきましょう。
この問題は小西洋之・参議院議員が6日の予算委員会で高市早苗・経済安保担当相(元総務相)に対し、故・安倍晋三総理大臣と高市氏が放送法の解釈の変更を決めていたとする内容の文書について追及しているもので、総務省は7日、この一連の文書が「公文書」であることを認めました。
また、予算委員会の場で小西氏が「この文書が捏造だったら大臣、議員を辞職するのか」と迫ったところ、高市氏が「結構だ」と応じたことを受け、立憲民主党の関係者などが、「文書は捏造ではなかった」、「高市氏は辞職すべきだ」などとする主張を提起。
これを受けてツイッターなどのSNS上でも、一部のユーザーが「高市(氏)はすぐに辞めるべき」などと大騒ぎしている状況にあります。
こうした一連の流れを見ていて気付くのは、「発言の切り取り」、「論点ずらし」、「事実関係の歪曲」といった、オールドメディアや特定野党が以前から好んで使う手法が、まったく変わっていないという点でしょう。
高市氏の正確な発言を読んでおく必要がある
そもそも論ですが、高市氏の正確な発言を振り返っておくと、高市氏は「該当する文書自体が捏造だったら辞職する」と述べていません。高市氏の当日の「正確な発言」は、次の通りだからです。
「小西委員が入手された文書の信憑性に、私は大いに疑問を持っています。もし私と安倍総理の電話の内容が文書に残っているとしたら、私の電話に盗聴器でもついてるのでしょうか?大臣室に盗聴器がついてたとしても、安倍総理がなにをおっしゃったのかは入らないはず。まったくの捏造文書だと考えております」。
高市氏が述べた「捏造文書」とは、「文書に記載された内容自体が捏造である」、という意味であることは明白でしょう。実際、総務省が7日に発表した全78ページのPDFファイルの資料に目を通していくと、その70ページ目にこんな記述があることが確認できます。
高市大臣と総理の電話会談の結果(平成27年3月9日(月)夕刻)
大臣室・平川参事官から安藤局長に対して以下の連絡。
- 政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)。
- 総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)
- 国会答弁の時期については、総理から、「一連のものが終わってから」とのご発言があったとのこと。
(以上)
要するに、「日時は不明だが、高市大臣が(安倍晋三)総理に対し『政治的公平』に関する件で電話し、総理から『今までの放送法の解釈がおかしい』などの発言があった」、という意味です。
とくに現在の地上波テレビ放送が政治的公平性を守っていないことは事実ですので、安倍総理が「今までの放送法の解釈がおかしい」と発言したのが事実だとしても、何か問題があるようにも思えませんが、論点はそこではありません。
「なぜ、安倍総理と高市大臣の通話内容を、この文書を作成した者が知っているのか」、です。これに関し、該当する文書を「精査」されたら困るのは、果たして誰なのでしょうか。
玉木氏「内容の精査を」
これに関連して国民民主党の玉木雄一郎代表が7日午前の記者会見で、「認めるのが遅かった」などと総務省を批判する一方で、「行政文書が安易に外に流出する事態は問題」、「情報流出が行われた背景も併せてきちんと精査すべき」などと主張したそうです。
放送法めぐる「行政文書」流出が「政治的意図のもと行われたなら問題」 国民・玉木代表持論「背景も精査すべき」
―――2023/03/07 15:32付 Yahoo!ニュースより【J-CASTニュース配信】
この「行政文書流出」という玉木氏の指摘は、そのとおりでしょう。資料を読むと、78枚の文書には、右上に「厳重取扱注意」ないし「取扱厳重注意」との注記があるものも多く含まれているからです。
J-CASTニュースによると、玉木氏はこうした点を念頭に、こんな趣旨の内容を述べたそうです(※引用に当たっては当ウェブサイト側にて要約、補足しています)。
- 外に出すことがルールとして駄目だとされているものが(外部に)渡って、国会議員の手に渡り国会で議論になり、そして後付けでそれを認めていくというようなことになっている
- 内容の是非はこれからきちんと精査する(ことが必要)
- 政治的意図を持ってこういうリークが行われ我々が<中略>見えないもう一つの意図に振り回されている可能性もある
- 民主主義のプロセスに関して、こういったリークを通じて何かをやろうとすることが、ある政治的意図のもとに行われたとしたら、それは問題
- 中身の是非を精査すると同時に、こういったリークや情報流出が行われたその背景も合わせて、きちんと精査すべき
玉木氏のこの発言自体はまったくの正論でしょう。
差し当たって、仮に安倍総理と高市氏の通話内容が事実だったとして、この文書を作った者が、なぜそれを知っているのか、それが事実でなかった場合はなぜそんな捏造をしたのか、そして誰がどういう意図をもって小西洋之氏に文書を渡したのか。
きちんと精査する必要があります。
小西氏「精査するのはおかしい」
ところが、これに対して小西氏はこの文書を精査するとした松本剛明総務大臣の方針に対し、公然と異を唱えているようです。小西氏がツイッターに投稿した内容によれば、小西氏は次のように述べました。
「総務省のエース官僚らが作成し、最高幹部で共有(使用)されたいた行政文書の正確性を総務大臣が精査するというのがおかしい。当時の総務省が礒崎氏らに強要されて違法行為を行ってしまったことを胡麻化すため、高市大臣の辞職を防ぐための『精査』でしかない。要するに国会の審議妨害です」。
これに関連し、日刊スポーツの記事によれば、こうしたツイートは松本剛明総務相が該当する文書について内容を精査する意向を示していることに反発したものだとしています。
高市氏は「辞職すべきだ」立民・小西洋之氏、放送法めぐる「行政文書」確認受け進退を迫る
―――2023/03/07 13:25付 Yahoo!ニュースより【※日刊スポーツ配信】
非常にわかりやすい話ですね。
だいいち、官僚は選挙で選ばれた者ではありません。その官僚が気に食わない政治家について勝手にあることないこと捏造して「行政文書」を作り、それを公表したらその政治家が辞めなければならないということがまかり通るのだとしたら、それこそ民主主義の否定です。
いずれにせよ、小西氏も他人に進退を賭けて文書を突き付けたのですから、この文書に記載されている内容が捏造ではないということを全力で証明していただきたいと思いますし、証明できなかったときには然るべき身の処し方をなさっていただきたいと思う次第です。
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全面的に新宿会計士さんのおっしゃる通りです。
その上で1点申し上げるなら
正直、冒頭の誤解の部分については、森友学園の件で故安倍元首相が
あれだけ辞職の条件をズラされる騒動に発展したんだから
同じ目に遭わないようにネットを最大限利用して
自分が何を捏造だと主張しているのかを報道が加熱する前から
予め何度もアピールするべきだったとは思いました。
もっとネットの使い方を覚えて隙を少なくしてくれないと
フォローしなきゃいけない部分が増えるばかりでしんどいです。
まあ「日時不明」にしておかないと作成者の都合が悪いのでしょうね。
安倍首相か高市大臣にアリバイがあると困るからです。
まずは作成者を特定することです。
小西議員は、作成者が総務省のエース官僚とよくご存じのようですしね。
今頃、張本人は事の重大さに気づいて、真っ青になっていることでしょう。
本当に「エース官僚」ならこんな文書をかぼ天経由で国会に出させたらどういった展開、及び結末になるか、ということも容易に想像できるはずだし、できないといけないはずなんですけどねw
少なくとも「高市の首を見事討ち取りました!第三部、完ッ!」では済まないことくらい官僚ではない一般国民でも簡単にわかること。
リーガルハラスメント会見で暇空氏を黙らせることができると高を括っていたセブンナイツよりも甘い、と言わざるを得ない。
かぼ天が言う処の「エース官僚」がどんな人物かなんて推して知るべし、ですが。
書類はチーム小西が造りましたとか?、
…新手のコントですかね?(笑)
行政文書は公文書ではないと存じます
また、捏造は故意に行われるものなので、勘違い等による事実との相違があったからといって捏造とはなりません
行政文書の間違い=捏造ではないので、捏造という重い言葉を使った以上、高市氏が辞職を免れるには「故意」を立証する責任があります
そして、それは故意の立証はほぼ不可能なので、論理的には残念ながら辞職すべきでしょう
またまた岸田氏にとっては都合が良いことが起きました、さてはて余程の強運の持ち主なのかそれとも…
何を言ってるのかよくわかりません。
ハンネを「jackie」ではなく「jerk」に変えた方がいいんじゃないかな?
>また、捏造は故意に行われるものなので、勘違い等による事実との相違があったからといって捏造とはなりません
「精査」すれば明らかになりますねw
(新宿会計士注:このコメントは削除しました。元コメントを確認する場合は下記をご参照ください。)
「jackie」様
匿名コメントとハンドルネームコメントの使い分けは許容していません。1回目は単なる誤謬として看過しますが、続くようであればしかるべき措置を講じます。
なお、貴殿の元コメントは削除していますが、削除したコメントについては次の通り、転載しておきます。
高市氏の発言を全文読んだ?
読んでそれなら読解力足りないんじゃない?
高市氏に捏造だと挙証する責任があるのではなく、高市氏を辞任に追い込みたいならかぼ天側に文書の内容が正しいかどうか挙証する責任がある。
高市氏はそんな通話はしていなければ総理と話してもいないと証言した。
それ以上は悪魔の証明。
そちら側の方々はモリカケから何も学ばないようですねぇ。
この文書の登場人物(安倍さんを除く)、この文書を書いた奴に聞き取り調査を行い精査するだけで充分。
日時不明とかいうものは何の証拠にもならん。通話の内容を知ってた奴がなぜその日時だけ綺麗に抜け落ちているのか是非伺ってみたいね。
エース官僚()ならそこを落とすなんて有り得ないことだから。あと他人を陥れようとしておいて勘違いとかこれも有り得ないから。
上手く使えば有能な駒になる高市氏ひとり御せぬような人間には総理大臣は務まらないと思うけどね。ただでさえ他に無能な閣僚を抱えているんだから。
悪魔の証明に自ら踏み込んだのは高市氏ですから仕方ありませんね
「jackie」様
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ついうっかりハンドルネームを入れ忘れるということは十分にあり得るため、このルールは厳密に適用されるものではありませんが、明らかに「特定の意見を複数の人が支持している」かのように偽装する目的でハンドルネームを使い分ける行為については許可しません。
今後はご注意ください。
通りすがり氏より、ハンドルネームを揶揄されましたので、とりあえずの措置として利用を控えております
このような行為への注意などなく、一方的な注意喚起は遺憾でした
匿名さん
>>通りすがり氏より、
>>ハンドルネームを揶揄されましたので、
>>とりあえずの措置として ????
まあったく筋の通る言い訳にすら
なってませんなあ(笑)
まあ、少数のそんなこんなの人たちの間では
それで常道かもしれませんが、
それをさらに
>>このような行為への注意などなく、
>>一方的な注意喚起は遺憾でした ??
とのいいようには呆れます。
同じ遺憾(?)でも、
どんな人が言っているかで
「遺憾」の意味と対応してあげる必要性は
こんなに違うものなのだとは感じます。
>2023/03/08 18:02 18:02
>通りすがり氏より、ハンドルネームを揶揄されましたので、とりあえずの措置として利用を控えております
>このような行為への注意などなく、一方的な注意喚起は遺憾でした
横槍ですが。
新宿会計士さんはコメントルールを訪問者の目に留まる箇所に置いて管理運用されている方なので、逆ギレせずに素直に「見落としてすみませんでした」って書くのが良いと考えます。
言葉遣いやPN/匿名コメントでのやり取り慣れしていないところから考えると、年配の方ですかね?
こういった場では年齢とか肩書ではなく、確たる根拠を元に論理的合理的な考察かどうかが説得力の有無になるので、知らなかったのであれば押さえておくのがオススメです。
本人「高市氏は辞任すべきだ、」
分身「そうだそうだ」
分身2「そうだそうだ」
うーんこれもまた斬新なコントですね(笑)
、おのれ伊賀者か?(笑)。
数量政策学者高橋洋一氏によれば、この文書は全体的には今文書の邸を為してるらしいのですが
、部分的にはおかしな箇所があるらしいですね。
まず、「厳重取扱注意」と「取扱厳重注意」。前者の表現は役所的にはあまり使われないそうです。役人(特に国家公務員)には一種独特の言語感覚があるそうでして、一般の国民にはよく分からないのですが、公文書になじまない言語には独特の勘が働くのでしょうね。
それと「日時不明」という記述。これもやはり普通はあり得ない用語のようですね。少なくとも公文書に日時不明等という意味不明な表現が使われている時点で、この部分は相当怪しい記述であろうということぐらいは役人経験の内私にも理解できます。このあたり役人経験のある小西某は、全く奇異に感じなかったんでしょうか。もはや役人としての言語感覚も失ってしまったんでしょうか、この輩。
まぁ何はともあれ、これらの文書の、一体どこの何が問題なのかを突き詰める方が重要であろうという、新宿会計士様のご指摘は至極ごもっともな話であろうと思われます。
このような怪文書を以て、一大臣の政治生命を潰すことができると判断した小西某とか云う政治屋の言語感覚及び政治感覚の方が、むしろ問題ではなかろうかと懸念(?)しております。
今朝のNHKニュースでは、『文書が捏造』と『文書の内容が捏造』の違いを分かりにくくして報道していました。
事実の切り取り方で読み手の勘違いを誘う報じ方に感じます。
今の世の中、色々落とし穴がありますね。
なんやかんやと屁理屈をこねて、小西議員が辞職しないほうに、1ドン。
日本人が(主語が大きいというなら私が)、「美徳」と考える、出処進退の潔さの欠片もない。彼を当選させている選挙区の方々の見識を疑ってしまう。
高市氏に辞任を迫ったのだから辞任させたいのでしょうに、なぜ精査することに反発するのでしょうか。
精査して正しさが証明されればご希望どおりの結果を得られますよと。
また強要されて違法行為を行ったとまで言っていますが(具体的に何が違法なのか私にはわかりませんが)、国会議員が違法行為を知りつつ見逃す気なのでしょか。
言動に意味を見出すのが難しいのが小西洋之という政治家の特徴ですが、今回もまた単にひっかき回してるだけだなと呆れられて終わりですね。
ま、千葉県の有権者に熱烈に支えられているのでこれからも国会議員で居続けるのでしょうから、今後も折りに触れこのような騒ぎを起こし続けるのでしょう。
>精査されたら困るのは誰なのか、みずからバラしているようなものだからです。
「痕跡を踏み隠してもやらかしの”足跡”は消えない!」とだけ申し添えたいですね。
行政文書は、行政機関の職員(官僚)が職務遂行上において、作成、取得し、組織内で共有化され、適正に保管・保存された文書をいうが、その正確性については行政文書だからという理由だけで正確性が担保されているわけではない。小西議員が取得した文書は、高橋洋一氏が指摘しているとおり、旧郵政出身の(トップが桜井パパ)の間で回付されており、事務次官や大臣秘書室が含まれていない。当然、当時の高市総務大臣が目にするはずがない。それを、8年経過後、当該文書を野党議員に流出させ、参議院予算委員会で、高市氏に辞任を迫ること自体理解し難い。文書の起案から稟議(回付)、保管・保存に至るまでの各プロセスを調査・検証しなければ、事実であるか否かの判断などできるはずがない。また、安倍元総理と高市大臣の通話内容をどうして知りえたのかも大いに疑問が残る。小西氏は政局に利用したかったのであろうが、モリカケ・サクラの時と同様に大事な国会審議の場で時間だけを浪費させているように思えてならない。重要なG20会議をすっぽかす林外務大臣、国会の場で大騒ぎする小西議員をみるにつけ、あまりにもレベルの低さに驚愕している。やはり、無駄な国会議員の定数を大幅に削減しなくてはならない。
「最高幹部で共有(使用)されたいた」とか書いて気づかないようなので、小西は投稿前の自分の文章の精査が足りんようです。
(゚Д゚)<タイタイター
そのくせ「胡麻化す」とか一般用法をいちいち避けて語源(諸説あり)の方をわざわざ使うこの溢れ出て隠せない虚栄心よ。わざわざ"馬鹿"ではなく"莫迦"を用いる人にはバカが多いなぁと偏見を持っております。
莫迦、はその昔に新井素子がよく使っていて、
怒ってないけど呆れた
くらいのニュアンスでの使い分け。
そういうお年頃のSFファンなら、さして違和感ないと思いますけどね。
素ちゃんこと新井素子、懐かしい、
日本初の女性SF作家さんですね、
あの小松左京さんが自らメガホンをとったSF映画、
さよならジュピターのあまりのアレな出来にコメントに困り、
爆発するステーションで、
落ちてくるホースが可愛いと
よく解らない感想を述べたのは
ある意味新鮮でした。