自称元徴用工問題を巡る日本の韓国への譲歩は、依然として困難です。というのも、ニューズ・メディアなどを通じて垣間見える日本国民の韓国に対する世論がそれを許さないからです。ただ、こうした日本の国民世論を形成するうえで、韓国メディアの日本語版の報道記事が、かなり寄与している可能性があるのだとしたら、これはこれで興味深い現象でしょう。
目次
日韓外相会談の先行き
日韓外相会談で「日本の決断」要求も進展なし
週末の日韓外相会談で、自称元徴用工問題を巡って韓国側が日本側に「政治決断」を要求したものの「合意」自体は得られなかったようである、という話題については、『日韓外相会談進展なし:韓国は日本に「政治決断」要求』でも取り上げたとおりです。
ドイツで現地時間18日夜7時過ぎから開催された日韓外相会談に関する報道発表が、19日朝、日韓の外交当局から発表され、一部メディアもこれに続いています。発表文や朴振(ぼく・しん)韓国外交部長官の発言を読む限り、今回の外相会談で林芳正外相が「政治的決断」をしたわけではなさそうです。ただ、もしそうだとしても、それは林外相自身が確固たる立場に基づいてそうしたのか、それともたんに「上司」に決断を丸投げしただけなのかはわかりません。日韓外相会談・日本側の発表はほぼ「コピペ」『自称徴用工問題で宏池会は騙せても... 日韓外相会談進展なし:韓国は日本に「政治決断」要求 - 新宿会計士の政治経済評論 |
これに関連し、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)には、こんな報道がありました。
韓国外相 徴用訴訟巡る対日交渉「最終段階」=近日中に再会談へ
―――2023.02.20 15:38付 聯合ニュース日本語版より
聯合ニュースによると韓国の朴振(ぼく・しん)外交部長官は20日、韓国・仁川(じんせん)国際空港で記者団に対し、「徴用訴訟問題」(※原文ママ)を巡る日韓の交渉が「最終段階にあり」、「日本側に対して合理的な解決策を出すことが必要と伝えた」と明らかにしたのだそうです。
もっとも、朴振氏は「韓国の国益のために韓日間のシャトル外交を復活させる必要があると考える」としつつも、日韓首脳会談に関する「やりとりはなかった」とも述べたのだとか。
そのうえで3月初めにインドで開かれるG20外相会合で再び日韓外相会談が開かれるとの見通しを示したそうですが、これについて聯合ニュースは日韓外相が「徴用問題についてさらに協議を進める見通しだ」としています。
「両国が隔たりを埋めることはできなかった」
聯合ニュースという韓国を代表するニューズ・メディアが基本的な用語を誤って伝えているという点については今に始まった問題ではありません。
ただ、この記事からも明らかな点があるとすれば、少なくとも外相会談では、韓国側が要求した「政治的決断」とやらを日本側が示さず、その結果、日韓間の交渉自体がまったく進まなかったことはどうやら間違いない、という点でしょう。
これについては同じく韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)はさらに直截的に、両国が「隔たりを埋めることはできなかった」と指摘しています。
韓日外相会談…韓国外相「強制動員、日本側の政治的決断が必要」
―――2023-02-20 07:04付 ハンギョレ新聞日本語版より
ハンギョレ新聞は「左派メディア」とされ、伝統的に保守政権に批判的な報道姿勢を取っていることでも知られており、この点については割引く必要はあるかもしれませんが、それでも韓国メディアが素直に「交渉がうまく行っていない」と認めている点については注目に値します。
この点、ハンギョレ新聞の記事は、「来月初めに予定されたG20外相会合や3・1節記念の大統領演説などが交渉の局面転換の景気になり得るとの見通しも示されている」、などとする記述で締められています。
そもそも論として日本政府側が韓国政府のいう「協議」に応じている時点でおかしいのではないか、という疑念も当然にあるでしょう(というよりも当ウェブサイトは2018年10月の自称元徴用工判決以来、一貫してその立場を取っています)。
日本の国民世論が対韓譲歩を許さなくなっている
ただ、百歩譲って韓国政府の立場になって考えてみると、この問題で日本に「譲歩」を促すこと自体、それなりにハードルが高い仕事でもあります。そもそも日本の国民世論がそれを許さないからです(『自称徴用工問題巡る韓国の最大の誤算は日本の国民世論』等参照)。
結局、日韓外相会談では自称元徴用工問題を巡る具体的な合意はなかったようです。冷静に考えたら、宏池会政権にそれをゴリ押しするだけの政治力はありませんが、それだけではありません。韓国政府が外務省や宏池会政権を騙すことはできても、このネット時代において、一般の日本国民まで騙すことはできないからです。韓国に誤算があったとしたら、このあたりの事情を読み誤った点にあるのかもしれません。自称元徴用工問題で具体的な合意なし『日韓外相会談進展なし:韓国は日本に「政治決断」要求』でも取り上げたとおり、週末にドイ... 自称徴用工問題巡る韓国の最大の誤算は日本の国民世論 - 新宿会計士の政治経済評論 |
韓国側の主張は、自称元徴用工判決という明らかに国際法に違反した判決を無効にする措置を講じることなく、「とにかく日本側に非を認めさせること」に全力が注がれています。もしも判決を無効にしないままで問題の「妥結」が図られた場合、遅くとも政権交代後に問題が再燃することはあきらかでしょう。
それに、自称元徴用工問題に関する「財団方式」という構想自体もとうてい受け入れられるものではありません。2015年の日韓慰安婦合意を韓国自身が破ったからです。「この財団方式に応じてくれたらこれっきり問題を蒸し返さない」などと約束したとしても、そんな約束を信頼せよというほうがおかしな話です。
なにより、『徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由』などでも説明したとおり、仮に自称元徴用工問題での賠償金を韓国側が全額負担したとしても、「韓国がいわれのないウソをついて日本企業や日本国民に不当な損害を与えた」という事実は消えません。
慰安婦財団という立派な前例があってだな…本稿は、ちょっとした思考実験です。自称元徴用工問題を韓国企業「だけ」が資金拠出する財団で解決させることは可能なのか――。結論からいえばそれは不可能です。なぜなら自称元徴用工への「補償問題」が片付いたとしても、韓国がありもしない問題を捏造して日本の名誉と尊厳を貶めている問題については、まったく解決しないからです。徴用工財団の顛末「韓国が全額負担する財団なら問題ないのでは?」昨日の『日韓が徴用工「肩代わり案」軸に年内決着目指す=共同』では、自称元徴用工問題を巡... 徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由 - 新宿会計士の政治経済評論 |
韓国の司法システムで解決?それともICJ?
自称元徴用工問題に関しては、韓国の司法システムが生み出した問題ですから、韓国の司法システム内で解決する(つまり被告の日本企業の資産を差し押さえて強制的に売却する)のが最も自然な解決方法でしょう。
この場合、日本政府は堂々と対抗措置を講じることができます。韓国銀行が日銀に預けているであろう円建ての外貨準備資産を日本政府が凍結・没収し、被害者である日本企業に対して代位弁済すれば済む話だからです(その際、日本企業に生じた実損害を広めに認定することも必要です)。
韓国側では自称元徴用工である原告側が賠償金をゲットできてハッピー、日本側では被害者である日本企業が損害額を回収できてハッピーです。韓国政府・韓国銀行は外貨準備を返してほしければ、対抗措置を講じるなり、国際司法裁判所(ICJ)に訴えるなりすれば良いのです。
あるいは韓国政府が日本と「交渉する」というのならば、日本政府が2019年5月20日に申し入れた、日韓請求権協定に基づく国際仲裁手続を再開すると宣言しても良いかもしれません(日本政府が応じるかどうかは不明ですが)。
もし日本政府が応じた場合、第三国(現実的にはドイツや米国あたりでしょうか?)の視点も交えて2018年の違法判決問題自体を議論することができますし、もしその国際仲裁の結果、大法院判決を取り消す勧告が出た場合、韓国政府としても国民世論を納得させる口実を手に入れることができます。
韓国は「国際仲裁」という「外圧」を利用して、一気に「法治国家」に変貌を遂げることができるかもしれませんし、そうなれば、国際社会からの信頼も一気に高まる…かもしれません。国際仲裁手続に応じることは、むしろ韓国のためにも良い話なのですが…。
いずれにせよ、韓国メディアからは「裁判結果を強制執行する」、「国際仲裁手続で大法院判決自体を無効化する」といった議論がまったく出てこない時点で、こうした解決策を期待するには無理があるという点については承知しておく必要があるのかもしれません。
韓国メディアの貢献
J社とK社、100年の確執
ちなみに自称元徴用工判決の問題点について、「理解できない」という人は、日本には少ないと思います。
しかし、当ウェブサイトを韓国人の皆さまが読んでくださっている可能性もないわけではないため、敢えて指摘しておくならば、「隣り合うJ社とK社の問題」と読み替えていただいても良いかもしれません。
J家とK家は長年、隣り合っていて、100年以上前には事業が傾いたK社を救済するかたちでJ社がK社を合併したものの、70年前に再びK社がJ社から独立した、という前提でも置きましょう。K社はことあるごとに、J社に対し「お前たちが昔、酷いことをした」などと言い続けてきたのです。
自称元徴用工判決問題は、ついには2018年、「K社の経営会議に基づいてJ社はK社に1000万円を支払わなければならないことが決まった」と通告してきたようなものだ、などと考えればわかりやすいでしょう。
もちろん、「K社の経営会議」にJ家が従わなければならない理由はありませんし、何ならJ社としては「K社から1000万円を不当に強請られています」と警察に告発し、弁護士を通じて「そんなカネを払う義理はない」と通告しても良い話です。
また、K社は昨年5月に社長が代わって以降、「両社の関係を正常化する」などと称し、「2018年のK社の経営会議」に基づく1000万円の請求権を「500万円に減額することにした」、「これでJ社は納得して関係を正常化しよう」などと言ってきたならば、それこそまともな人は、「ふざけるな」という反応を示すでしょう。
そもそもゼロ対100理論に乗っかっている時点で間違っている
というよりも、そもそも論として、日本外交が「ゼロ対100理論」に乗っかっている時点で、大きな間違いです。
中国、ロシア、北朝鮮と並んで韓国が大好きなのが、当ウェブサイトで「ゼロ対100理論」と称する詭弁です。この「ゼロ対100」理論とは、自分たちの側に100%の過失がある場合であっても、ウソ、捏造、屁理屈などを駆使し、何とか相手側に責任をなすりつけようとする態度のことをさします。
※ゼロ対100理論とは?
自分たちの側に100%の過失がある場合でも、屁理屈を駆使し、過失割合を「50対50」、あるいは「ゼロ対100」だと言い募るなど、まるで相手側にも落ち度があるかのように持っていく態度のこと。『「ゼロ対100」が大手メディアに掲載される時代に!』等参照。
自称元慰安婦問題は、日韓歴史問題のなかでも、韓国にとっては「最も成功した謝罪利権」であることは間違いありません。なにせ、もともと存在しなかった問題を捏造し、それにより日本をひれ伏させ、延々謝罪させることに成功したのですから、気持ち良くてたまらなかったのではないでしょうか。こうしたなか、「ゼロ対100」という、どこかの怪しげな自称会計士が唱えている用語が、新聞に掲載されたようです。単なる偶然でしょうか?それとも…。ゼロ対100理論おもに無法国家が好む「ゼロ対100」理論当ウェブサイトではこれまでしばしば... 「ゼロ対100」が大手メディアに掲載される時代に! - 新宿会計士の政治経済評論 |
この「ゼロ対100」理論に基づく得失表を作成してみるとわかりますが、相手の土俵に乗っかると、絶対に「勝つ」ことはできません。日本側が最大限勝ったとしても、韓国側の不法行為をゼロにすることができるだけの話だからです(図表1)。
図表1 ゼロ対100理論における得失表
ケース | 韓国の得失 | 日本の得失 |
---|---|---|
100%、韓国が勝った場合 | 100の利得 | 100の損失 |
日韓が引き分けた場合 | 50の利得 | 50の損失 |
100%、日本が勝った場合 | ゼロ | ゼロ |
(【出所】著者作成)
したがって、この「ゼロ対100ゲーム」には、絶対に乗っかってはなりません。
それどころかむしろ、韓国に対して不法行為のコストを利息付きで負担させることを考えなければなりません。つまり、日本が100%以上の勝利をおさめ、韓国にいくばくかの損害を与えなければならないのです(いわゆるコスト負担理論、図表2)。
図表2 コスト負担理論における得失表
ケース | 韓国の得失 | 日本の得失 |
---|---|---|
100%、韓国が勝った場合 | 100の利得 | 100の損失 |
日韓が引き分けた場合 | 50の利得 | 50の損失 |
100%、日本が勝った場合 | ゼロ | ゼロ |
1億%、日本が勝った場合 | 100万の損失 | 100万の利得 |
(【出所】著者作成)
当ウェブサイトでは『「自民党が韓国に金融制裁検討」:外為法改正の実現を』などを含め、かなり以前から「外為法改正などにより経済制裁の発動要件を大きく緩和すること」を提唱しているのですが、「口ばかり達者な髭の隊長」様を含め、是非とも自民党議員の皆さまにはこれをご検討いただきたいと思います。
竹島問題を巡って、自民党内では「韓国に苦痛を与える対策」として、金融、投資、貿易など広範囲な制裁を検討し、来夏ごろまでに具体策を取りまとめるのだそうです。ただ、ことばだけ威勢が良くても困ります。現実の外為法などには、経済制裁に関する規定が十分にあるとはいえないからです。国会議員ならば、威勢の良いことばだけでなく、「具体的な法律改正」にまで言及していただきたいと思います。もし国会議員の方がいらっしゃれば、ぜひ、本稿を読んでいただきたく存じます。竹島問題を国際化するのは良いが…韓国警察庁長による竹... 「自民党が韓国に金融制裁検討」:外為法改正の実現を - 新宿会計士の政治経済評論 |
韓国紙主筆のコラム記事
さて、こうしたなかで、「日韓関係が好転しないのは日韓の相互理解が不足しているからだ」、「日韓双方の市民が交流すれば、日本の対韓感情も好転するに違いない」、などとする言説を、ごく稀に見かけることがあります。
しかし、著者自身の長年のコリア・ウォッチング履歴に基づけば、これはむしろ因果関係が逆でしょう。
少し手厳しいことを申し上げておくならば、おもにインターネットを通じて見えてくる日本国民の厳しい対韓世論の形成には、韓国メディアの日本語版の記事も少なくない貢献をしています。そのことがよくわかるのが、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に20日付で掲載された、「中央日報主筆」による次のコラムでしょう。
【コラム】タイミングがやってきた韓日関係正常化
―――2023.02.20 11:10付 中央日報日本語版より
内容自体、かなり強烈です。韓国のことをよく知らない人が次の一文を読むと、のけぞってしまうのではないでしょうか。
「いま韓国が自力で成就する外交はただひとつ。日本との関係復元だ。韓国のワールドカップベスト16進出より彼らの準々決勝失敗に安心するほど憎らしいその国となぜうまくやっていかねばならないのか、なぜいまなのかの共感が優先だろう」。
「日本がサッカーの試合で負けたら安心する」ほど日本のことを「憎んでいる」のに、その日本との「関係復元」が必要だ、という論理展開には、ただひたすら驚くばかりです。
また、ロシアによるウクライナ侵略、中国による台湾への武力行使の懸念が高まるなか、「日本の最優先はいまは安全保障だ」と指摘するのですが(※この指摘自体は正しいと思います)、この「主筆」氏は次のように言い放ちます。
「その前の中国・ロシア大陸の最前方に韓国がある。日本に最も完ぺきな同盟の対象はどこだろうか」。
「日本にとって韓国こそが完璧な同盟相手だ」、とでも言いたいのでしょうか?
さらには、米国が日韓「両国の和解を最も望む」、などと主張。バラク・オバマ政権時代に米国が「いがみあう韓日関係を情熱的に仲裁」し、日韓慰安婦合意を導いた、などと述べていますが、このくだりにも大いなる違和感を覚える人は多いでしょう。
韓国が一方的に日本を嫌っているだけのことであり、べつに日韓が「いがみあっている」わけではないからです。
もっとも、この「主筆」氏は、現在の米国が「半導体同盟」に参加しない韓国に対する不信感を募らせているという点にも、少なくともジョー・バイデン政権が日本に対し、日韓関係「改善」圧力を加えていないという点にも言及していないのは、この「コラム」に議論としての公正さが不十分な証拠でしょう。
「韓国が先に焦る必要はない」
ただ、それ以上に驚くのは、この「主筆」氏の、こんな主張です。
「核心は強制徴用賠償の解決策だ。<中略>謝罪性基金出資には否定的な日本の自民党に対する政務的対話チャンネルも稼動しなければならない。韓国が先に焦る必要はない。いまは韓日両国が互いに何を助けられるのか、長くて大きく見なければならない時間だ」。
「四方が未曾有の脅威だ。怨恨・理念、国内政治的得失より未来に向かった『必要』が同盟の最優先基準だ。両国ともその残りには選択肢を少し広げよう」。
あれでしょうか。
「韓国は全力で日本に非を認めさせる努力をしなければならない」、とでも言いたいのでしょうか?
先ほどの「ゼロ対100理論」ではありませんが、韓国メディアから「両国ともに~努力すべきだ」、といった表現が出て来るときは、たいていの場合、韓国側に100%の非があることを、韓国メディア自身が認めているという間接的な証拠です。
「韓国が先に焦る必要はない」という表現から思わず「韓国の焦り」が垣間見えるのも興味深い点ですが、それ以上に驚くのは、この文章が中央日報という韓国社会を代表する大メディアの「主筆」というお立場にある方の手によって執筆されたという点です。
「日本に非を認めさせる努力をしなければならない」ということが、韓国社会のコンセンサスになっていることは間違いなく、その意味では、日韓諸懸案を韓国が納得するようなかたちに落とし込むためには「日本が韓国に譲歩する」以外の選択肢はなさそうです。
冷静沈着な読者コメントの数々
もっとも、中央日報の良いところは、読者コメント欄を設けている点でしょう。
記事を読んだ日本人読者の反応をリアルタイムで知ることができるほか、『Yahoo!ニュース』に転載された記事には、より多くの日本人読者のコメントが付されています。
これらのコメントのなかで、高評価が付いているものを読むと、どれも一様に韓国に対して批判的です(個人的な印象ですが、最近の中央日報の読者コメントは感情的に韓国を罵るものが目に付きますが、ヤフコメに関しては冷静沈着に韓国側の主張の問題点を淡々と指摘するものが多い気がします)。
たとえば、こんな趣旨のコメントです。
「『何か約束をしても、都合が悪くなれば約束を反故にすることができ、しかも約束した相手はこれを理解するべき』、などという独特かつ特異な価値観を押し付けられるいわれはない」
「『解決策』以前に、日本が問題にしているのは日韓請求権協定違反の不当判決」
「現在韓国政府が提示している『肩代わり案』や『現金化』などについては、いずれも日本が妥協してまで合意するものではない。韓国政府は条件を追加し得る立場にはない。筋を通すなら『現金化』でも良いのでは?」。
「韓国が先に焦る必要はないというのなら、のんびりやってもらってよい。性急に決めてもひっくり返るのは目に見えているので、じっくり原告の説得を。何なら次の政権まで引っ張れば良いのでは?」。
どれも抑制が効いた筆致ながら、簡潔明瞭に韓国の問題点を丁寧に指摘したものばかりです。
正直、新聞・テレビなどの大手オールドメディア関係者がネット上で「炎上」するのは最近の日本の様式美のようなものになりつつありますが、こうしたやり取りを見るにつれ、極めて知的レベルが高い日本人読者を騙すことがいかに難しいかがわかります。
もちろん、「宏池会政権」が韓国に対し、無用な譲歩をするというリスクは依然として消えていませんが(とくに外務省などは日本の譲歩を実現させるべく暗躍しているようです)、それでも市井の日本人の厳しい対韓世論が軟化するとは考え辛い点です。
その対韓世論に対し、他ならぬ韓国メディア自身が、定期的に油を注いでいるからです。
その意味では、「日本国民が相手国のことを正確に理解するようになった結果、ゼロ対100理論に基づく対韓譲歩が困難になりつつある状況」は、このインターネット時代ならではの現象といえるのではないかと思う次第です。
読者の皆さまへのお願い
ついでに重要なお願いを申し上げておきます。
最近、当ウェブサイトの読者コメント欄では、特定民族全体に対する過度に侮辱的な表現や、「民族浄化」を示唆するようなコメントが再び目立ち始めました。圧倒的多数のコメントは冷静かつ抑制的ですが、ごく一部のコメント主の暴走は許容できません。
当ウェブサイトでは2年ほど前から、問題のあるコメント、サイトの品性を貶めるコメントについては警告なしに削除する措置を講じていますが、あまりにも問題コメントが相次ぐ場合は、そのハンドルネームでのコメントを自動的に排除する措置を講じます。
もし「問題となるコメント」の基準がわからない方は、ヤフコメの本稿で引用した部分などもご参照いただけると幸いです。
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以下、オールドメディアが自分で自分の首をしめる例ですが、最近の「集団自決」発言。
あれ?と思って少し調べてみたら、「年寄りは死ね」ではなく、70、80代にもなって重要ポストにしがみつき若者の成長の芽を摘むような社会に将来はない、世代交代が必要との趣旨のようですね。私見ですが、ニカイとかニカイとかニカイとかフクダパパとかコウノパパとか。
案の定、あちら系マスコミが「年寄りは死ね」絶賛非難キャンペーン中ですが、読者コメントで多数の支持を得ているのは、>>>政治家や重要な役職は本人の年齢と能力次第では引退して世代交代をするのが当たり前の風潮を作るべきと論じられてるので「高齢者の集団自決」の切り取りだけでなく発言の本質を含めたらもう少し同意を得られる議論になりそう>>>との意見。
大昔、新聞・雑誌記者やテレビ業界に就職したあちら系一筋の偏った人たちよりも、自らの技能・知識を磨かないとオマンマの食い上げになる我々一般人の方がまともな事を言うのはごく当然なのかもしれません。
>当ウェブサイトを韓国人の皆さまが読んでくださっている可能性もないわけではないため
そういったマトモな方々は海外で生活して
おられるようですね。その他大勢の韓国人は
英語や日本語などの海外の記事を翻訳する
こともなく、NAVERで情報収集するらしいです。
事実だとしたならば、理解のさせようがない
ので「対抗措置を講じる決断」でよいかと。
確認したいのですけど、慰安婦報道などの朝日新聞の報道が韓国世論を刺激したように、韓国メディアの報道が、日本国民の感情をイラつか出ている、ということでしょうか。(朝日新聞も韓国メディアもともに、事実より社内の願望なのでしょうか)
韓国は「日本からの謝罪と賠償金を取り立て、正義を世間に知らしめる」事に懸命です。あれやこれや策を弄して日本を0対100から100対0に持って行けるはず、と踏んでいるのでしょう。でも、もはやそのでっち上げ=二重の嘘つき騙しは、通用しない。ま、通じるのは宏池会と外務省ぐらいでしょう。
さて、ナニをこの期に及んで韓国は慌てているのか?日本は何も協議や会談をやりたくない。そのまま勝手に韓国高裁の裁決に基づいて、日本企業資産を強奪すれば良い。そしたら半日もせずに日本から立ち上がれないほどの制裁を受けるだろう。国内の事は国内でやっとけ。日本は関知しない。
爽やかな朝、記事を読み進めた後の一発目のコメント(理系初老様でなくその前にあった抹消されたもの)の下劣さにげんなりしていました。
個人的感性の問題なので、当該コメント自体に意見はありません。
ただ、記事に示す基準の運用例ということなら賛意を示したいと思います。
自称元徴用工が訴訟を起こした時点で日鉄だったか重工だったか忘れたが「支払ってもいい」ようなことを言って、政府(たぶん外務省)から65年の合意で解決している問題なので支払ってはいけないと言われたと記憶している。
その後差し押さえ、判決、現金化騒動。
この経緯を見ていると日本政府は65年合意は動かさないと思う。
ただしそのあと2つの派に分かれる。
「すこしは妥協してもいいんじゃない?」派と「絶対妥協してはいけない」派だ。
私は「絶対妥協してはいけない」派だ。65年合意も、慰安婦問題も日本の譲歩。これが今回の問題を生んでいる。
どこかで韓国(人)を指して「一歩下がると二歩出てくる人」という表現を読んだことがある。
非学の身では「主筆」氏とやらが何を言わんとするするか、ほぼ理解不能で全く心に響きませんでしたが、なんとなく先に焦った方が負けということかしらんと解読いたしました。
日本にはこの機会を逃すまいと、状況判断が残念で焦って勇み足な勢力があるのが気がかりですが、客観視にみて日本の側にこそいそいで解決する必要性がありませんのでのんびりすればいいのでは。
会計士様のお言葉ではありますが、ボクはいつも、結局、「だって〇〇人だもの、しょうがないや。」との結論になってしまうんです。
韓国とは、無理に(原則を譲ってまで)仲良くする必要はない、というのが、現在の日本ではかなりの多数派になってきていますよね(もちろん朝毎東やサンモニのような少数派もまだ残ってはいる)。
上記原則は固守したうえでの対韓基本方針は、かなり幅があって①対北朝鮮もあるから、隣国でもあるし、可能な限り協力しようという考え②安保面についてのみは協力し、その他は段階的縮小という考え③信用ならない相手だから、韓国抜きの体制を早く整えるべきという考え、まあ様々でしょう。
ネットの書き込みでは上記③が多いように見受けられますが、新聞の論調・TVのコメンテーターの発言等からすると、国民レベルではまだ上記①が相対的多数かな、と見ています。
自称”徴用工”問題の解決は、まだ完全には見通せませんが、①韓国企業の寄付に基づく韓国財団による第三者弁済(求償権放棄は明言せず)②日本の官房長官による過去の談話継承声明③(時間を置いて形式を整えた上での)韓国のホワイト国復帰あたりで、落着しそうかな、と予測しております。
それでいいのか、と問われると、私は「反対」に1票を投じます。韓国民が国際法違反を認識しないような決着は、中長期的には悪影響を及ぼす、と考えております。まあでも内閣が倒れるほどのインパクトはないだろうな。
韓国メディアは、普通の韓国人がお金を払って読むメディアです。
当然その内容は、主人公は韓国人、正義は韓国側になります。
そうでなければ売れません。
仮に悪の組織ショッカーが新聞を発行すれば 仮面ライダーを叩く記事であふれて当然なのです。
つまり韓国メディアの主筆が噴飯記事を書いているという事は
「韓国人は日本にとってショッカー」と、証明しているようなもんです。