韓国メディアの報道によると、自称元徴用工訴訟を巡って「公示送達手続」が取られたそうです。珍しく一審で却下された訴えの控訴審を巡り、訴えられるという被害に遭っている日本企業が無対応を貫いていたところ、韓国の高裁が先月31日に日本企業に対し公示送達の手続を命じたのだそうです。
公示送達:一審却下理由がなかなか強烈
自称元徴用工問題を巡って、ちょっとした動きがあったようです。
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)によると、今度は三菱重工業に加え、住石マテリアルズなど日本企業7社を相手取った損害賠償訴訟で、ソウル高裁が先月31日に公示送達を命じたことが12日、法曹関係者の話で判明したそうです。
韓国高裁 徴用訴訟で日本企業に公示送達=5月に初公判
―――2023.02.12 10:07付 聯合ニュース日本語版より
記事によると、この訴訟は2015年に(自称)「被害者」やその遺族合計84人が日本企業17社を相手に起こしたもので、一審では21年6月に原告の訴えを却下。これを不服として一部の原告が控訴していたものの、日本企業が無対応を貫いていた結果、裁判が空転していたものだそうです。
ちなみにその一審の却下理由がまた強烈です。
「韓国の国民が日本や日本国民に対して持つ個人請求権は韓日請求権協定によって消滅、放棄されたとはいえないが、訴訟で行使することは制限される」。
韓国国民が日本政府や日本企業、日本国民などに持つ請求権は、日韓請求権協定によって「韓国政府に」移転したということを、どうしてこの判決文では正確に説明していないのでしょうか。
自称元徴用工自体が韓国のウソ
しかも聯合ニュースによると、この一審判決でさえ、「徴用被害者(※原文ママ)の訴訟を起こす権利と日本企業の賠償責任を認めた韓国大法院(最高裁)の判例に真っ向から反するもの」として、韓国国内で「物議を醸した」のだそうです。
なんだか理解に苦しみます。
当ウェブサイトで何百回となく説明してきたとおり、自称元徴用工判決自体が日韓請求権協定に反する結果を発生させているという問題点もさることながら、そもそも自称元徴用工訴訟の中核を占める「日帝による強制徴用」自体が、韓国のウソだからです。
したがって、これらの訴訟が仮に最終審で却下されたとしても、自称元徴用工らが日本企業に対し、「強制徴用」というありもしない罪をなすりつけて名誉を棄損した罪は残ります。
(※余談ですが、自称元徴用工問題の本当の「解決」には、韓国が国を挙げて日本企業、日本国民の名誉と尊厳を傷つけたことを含めて落とし前をつけることが含まれていなければならないのは、こうした理由に基づくものです。)
本当の敵は外務省
ちなみに記事タイトルにある「公示送達」は「送達する内容を裁判所の掲示板や官報に掲載することで内容が伝わったとみなす手続」であり、「公示送達手続が取られてから2ヵ月後に効力が発生」するのだそうであり、聯合ニュースは同高裁が第1回口頭弁論期日を5月11日に指定した、などとしています。
結局のところ、自称元徴用工問題はその「諸悪の根源」である2018年10月、11月の大法院(※最高裁に相当)の判決を現時点においても韓国が無効にしていないがために、日本企業に二次被害、三次被害をもたらし続けているのでしょう。
また、問題となる訴訟は、これだけではありません。聯合ニュースによると「徴用賠償訴訟」(※原文ママ)は、大法院で賠償判決が確定したのは計3件ですが、係争中のものが67件あります。
日本国内では最近、外務省を中心に、自称元徴用工問題を巡っては韓国政府が提示する「基金方式による解決策」を容認する意見もあるようですが、当たり前ですがこんな代物、日本国民にとっても、日本企業にとっても、到底容認できるものではありません。
その意味では、本当の「敵」は、韓国ではなく外務省なのかもしれませんね。
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韓国大法院判決は「大日本帝国による朝鮮併合は違法・無効」という前提の上に成り立っています。
つまり、仮に朝鮮半島出身労働者が応募工で労働に対する対価を当時受け取っていたとしても、違法な植民地支配に基づく労働である以上、労働者が「精神的苦痛」を受けていたのは明白であり、この「精神的苦痛」に対する慰謝料は、日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決した」請求権には含まれていないから、日韓請求権協定締結後にも請求することができるという論理です。
したがって、日本政府がこの判決を認めるような「譲歩=誠実な呼応」をしてしまえば、「朝鮮併合は違法・無効」を日本政府が認める結果になることは、東大法学部出身のエリート官僚なら判っている筈で、そのような譲歩をすることは無いと信じたいところです。
その代わりの「譲歩=誠実な呼応」として外務省が考えているのが「対韓輸出管理強化措置」の撤回だと思います。
しかし、実際に日本政府がそのような動きを見せれば、間髪を入れずバイデン大統領から岸田首相に対し次のような電話がある筈です。
「Hey! Humio What are you thinking!」(ハーイ 文雄 お前は何を考えているんだ!)
>「朝鮮併合は違法・無効」を日本政府が認める結果
即ち新たなイチャモンの扉が開かれるのですね。
併合時代に起きた出来事は全て植民地支配による日帝強占による犯罪となるのでしょうね。
> 日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決した」請求権には含まれていないから
ここが意味不明なんですよね。朝鮮併合が無効なら大韓帝国が存続していることになり、韓国という国そのものの存在が危うくなりますからw
日韓請求権協定を無効にしてちゃぶ台ひっくり返すのは良いが、まず国を認められるところからやり直しだし、日本が残した莫大な資産やインフラの請求もやり直しなんだが?と。北朝鮮も当然いっちょかみして来ますよね。うちが正当な大韓帝国の末だと。
まったくTwitterでは勇ましい佐藤正久は、韓国に痛みを与える対抗措置を検討するWTを立ち上げて1年以上経過しているのに、去年の夏にはやると言っていた中間報告もスルー。それを棚に上げて他人のことは批判する。自民党保守派って、本物と似非が混じっている気がします。頼りになりません。
保守ヅラして味方を背後から撃つ石破みたいなのをどう思います?
最悪ですよねー。直接安倍首相や管首相に言うのではなく、マスゴミに喧伝して世論を乱そうとする。
そんな輩にはなりたくないものですネ
匿名さま
私は佐藤正久は、岸田自民党による媚韓・親中政策により保守派支持層にたまったガスを抜く、ガス抜き部隊の隊長だと考えています。だから、ツイッターやテレビで勇ましいことばかり並べるが、一切、自分自身は動こうとしない。要は目立って自分の議席を維持することが目的だから、岸田・佐藤正久はwin-winの関係だと思います。耳障りの良いことに騙されるのは、民主党で懲りたはずなのに、この佐藤正久を応援する人が多いことに驚いています。
キシダは騙せた!と見切り、お代わり第1グループが再始動にかかりました。
この件でのお代わり軍団はまだあと22万人(韓国政府認定)も控えています。
更には、自称関東大震災被害者軍団、自称佐渡金山徴用工軍団、自称フクシマ処理水放射線病軍団、秀吉出兵被害者遺族軍団?と、次々後が支えてるから 急がないと順番後になっちゃうしね。
こうして世界最大の個人債務と年金破綻を日本クレクレでしのいだクネは後に迷彩省と呼ばれることとなることを狙う(苦笑)
自称広島原爆被災者軍団もありますよ。
5月の広島サミットが近づくにつれて声が大きくなるでしょう。
なんでも朝鮮人は劣悪な場所に住まわされていたから日本人より被曝が酷かった。日本政府は調査すべし、だそうな。
調査→謝罪→賠償のいつもの3点セットですな。
なんで日本企業に罪が及ぶの?
韓国内の事は韓国内で処理せよ。韓国政府は日本政府から有償無償のカネを、「日韓基本条約」で貰ってるんだ。個人も、北朝鮮の分も。厚かましい図々しいことを繰り返すな!
まあ、みんなチョー○○人だからねー。
これで納得してしまうなんて、すでにジョーシキ化してるね。
公示送達は、「異議なきときは、沈黙をもって答えよ!」的なカリオストロ方式。
話し合えば、「問題の存在を認めたからこその協議だ!」と言ってのける狡猾さ。
*そんな事実はない! ウソをつくな!! として突き放すより他はないですね。
将棋の対局を見ていつも自分の視野の狭さを反省しています。例えば飛車を取られそうになった時に、その飛車を逃げないで逆に相手の飛車にあたりをかける場合があります。自分の飛車ばかり見ていては思いつきません。相手のペースにはまらないように気をつける必要があります。
韓国が自称元徴用工でさらなる攻勢をかけてきています。しかしその攻勢には対応せず、竹島の不法占拠を国際司法裁判所へ提訴するとか、慰安婦合意の即時履行を求める等を行うべきと考えます。攻撃は最大の防御であるとともに、肉を切らせて骨を断つ気概が必要かと思います。
韓国第一審の却下理由である、「韓国の国民が日本や日本国民に対して持つ個人請求権は韓日請求権協定によって消滅、放棄されたとはいえないが、訴訟で行使することは制限される」は、日本政府の公式見解です(平成30年11月14日第197回国会衆議院外務委員会議録2号29-30頁)。
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detailPDF?minId=119703968X00220181114&page=29&spkNum=207¤t=-1
日韓請求権協定2条3項の「いかなる主張もすることができないものとする」の解釈としては、(a)国家の請求権(外交的保護権)のみを放棄したという説(b)個人の請求権も消滅したという説(c)個人の請求権は実体的には消滅していないけれども裁判上訴求する権能を失わせたという説があり、日本政府は現在では(c)説をとっています。
簡単に言えば、韓国人の個人の請求権は残っているが、裁判上でそれを訴求する権利はない、ということです。被告が任意に支払うのであれば、それは正当な権利の実現になります。
韓国大法院の例の判決は、国際法に反した独りよがりのトンデモ判決ですが、この第一審判決は、国際法に即した真っ当なものでした。それがまたひっくり返ったんですね。
taku様へ
引用されている聯合ニュースによれば「ソウル高裁は昨年8月と10月に裁判を開こうとしたが、被告側に訴訟記録が送達されていないため開けなかった。」とありますので、ソウル高裁が控訴審手続きを始めることを被告日本企業に伝達するよう、日本の外務省に海外送達要請書を送ったが、同省が説明なく返送したので、最終手段である公示送達手続きを行ったようです。
したがって、まだ「ひっくり返った」訳では無いようです。
情報ありがとうございます。
なるほどー。
とはいえ本件一審判決には日本政府答弁の以下の部分が反映されていませんね(少なくとも引用部分には)。
>外交保護権を相互に放棄した…個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません
>個人の財産権、請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない…国際法上の概念である外交的保護権の観点から説明した
>請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない…国際法上の概念である外交的保護権という観点から説明した
ここで仮に1965年〝以降〟の国際不法行為に対する個人請求があったとして、それに韓国が日本に対して外交的保護権を行使して償金を得てそれを請求権者個人に渡したとする。
一連の手続きは韓国国内においては韓国「国内法」に従い発生から弁済まで粛々と処理される(ハズ)。
つまり韓国に外交的保護権があろうがなかろうが個人請求権は「国内法的な意味で」発生するし、韓国民法に従い時効で消滅する(請求権協定が消滅させることはない)。
なので自称徴用工にあっては外交的保護権が〝あれば得られたであろう〟賠償金分の補償を請求する権利を韓国政府に対して行使できるのに。
個人請求権に言及しつつ外交的保護権放棄は隠す(「制限」の主体は隠す)、権利は声高に主張するが義務からは逃げるコソクな一審判決文ですわー。
ついでに:
外務委員会で穀田委員(共産)の自説ゴリ押しや話題そらしにも外務省側は淡々と原則を繰り返し、たまに簡潔に回答するとなぜか穀田委員は逆ギレし、最後は「(請求権協定に)慰謝料の請求権というものは入っていないということは今の答弁で極めて明らかだ」と勝手に勝利宣言しているところがおもしろいw
外務省は韓国相手にもこの切れ味を見せて欲しいなー。
≫……… 外務省を中心に……………韓国政府が提示する「基金方式による解決策」を容認する………。
これもう半月位前?に、日本政府高官の間で「日本政府が基金に金出す訳じゃ無いから韓国政府の姿勢を容認しても良いんじゃないか」と、こんな戯言が出たそうで、周囲の高官達は一体どんな反応を示したのか?、疑心暗鬼の国民をイライラさせる事については岸田首相は天下一品。 「そんな事は言っていない」とどうして即刻取消さないか?、前安倍政権当時に比してかなり弛緩している。
>公示送達
∑(;`∀´) 自称元徴用工問題で日本が正論ばかり述べて妥協しないでいると、第二第三の被害企業が出てくるよ
っていう脅しだったりするのかな?
被害企業がどんどんと出てきた方が、「日本が韓国に譲歩する」という機運を損ねることにつながるのかもしれませんけどね。