紙媒体の新聞が毎年200万部減少するなど、新聞業界の苦境が続く中、しわ寄せは夕刊に来ていることは間違いありません。こうしたなか、今度は毎日新聞が東海三県での夕刊発行を休止するようです。「炭鉱のカナリヤ」ではありませんが、夕刊の廃止が相次ぐかどうかについては注目に値する論点のひとつであることは間違いないでしょう。
紙媒体の新聞の「受難」が続いています。
年初の『数字で見る新聞業界の現状と未来』でも取り上げたとおり、日本新聞協会が発表するデータによれば、新聞の部数は減少の一途をたどっており、2000年に5371万部だった合計部数は、2022年には3085万部と、じつに40%以上も減少した計算です。
また、統計データを「朝刊部数」「夕刊部数」に再集計して見ると、2000年に7190万部だった部数は2022年で3677万部へとおよそ半減したことがわかります。
新聞の部数はこの20年余りで半分近くに減りました。当たり前です。紙媒体自体の不便さもさることながら、ネットの普及によりブログサイト、ウェブ評論サイトなどが無数に出現し始めたことで、新聞社が提供する情報の相対的な価値が極端に下がったからです。新聞業界はこれまで「第四の権力」を自称し、驕り高ぶって来ましたが、ネット上のライバルサイトとのレベルの差は、これからは広がることはあっても縮まることはないでしょう。謹賀新年新年、あけましておめでとうございます。本年が読者の皆さまにとって素晴らしい年であります... 数字で見る新聞業界の現状と未来 - 新宿会計士の政治経済評論 |
23年累計で見た新聞部数の増減(セット・朝刊・夕刊の3区分、2000年→2022年)
- セット部数:1819万部→593万部(▲1226万部、▲67.40%)
- 朝刊単独:3370万部→2440万部(▲930万部、▲27.60%)
- 夕刊単独:182万部→52万部(▲130万部、▲71.53%)
- 合計:5371万部→3085万部(▲2286万部、▲42.57%)
(【出所】一般社団法人日本新聞協会データ)
23年間累計で見た新聞部数の増減(朝刊・夕刊の2区分、2000年→2022年)
- 朝刊部数:5189万部→3033万部(▲2156万部、▲41.55%)
- 夕刊部数:2001万部→645万部(▲1356万部、▲67.78%)
- 合計部数:7190万部→3677万部(▲3512万部、▲48.85%)
(【出所】一般社団法人日本新聞協会データ)
これで気付くのは、夕刊の部数の大幅な減少です。朝刊ももちろん大きく減少しているのですが、それ以上に夕刊自体の発行部数がこの20年あまりで3分の1以下に減っているのです。
このあたり、スマートフォンの爆発的な普及などの影響もあり、「夕方の暇つぶし」目的での夕刊タブロイド紙が売れなくなっているであろうことは想像に難くないのですが、この20年あまりで「3分の1に減った」のを「激減」とみるか、「意外と健闘している」と見るかは人それぞれでしょう。
ただ、新聞業界の衰退を眺めている立場からすれば、この調子で毎年200万部前後ずつ部数が減っていけば、遅くとも15年後には紙の新聞自体の発行が終了すると予想されるなか、「炭鉱のカナリヤ」ではありませんが、夕刊は朝刊に先行して廃刊される可能性が高いのではないかと考えています。
大手全国紙のなかで夕刊の発行を取りやめているメディアとしては産経新聞が有名ですが(2002年4月1日に朝刊単独紙に移行)、こうした動きは他紙に広まっていくのかどうかが見ものではあります。
こうしたなかで7日、こんな話題を目にしました。
毎日新聞が4月から東海で夕刊休刊へ
―――2023/2/7 10:09付 産経ニュースより
毎日新聞、東海3県の夕刊休刊 4月から、朝刊を拡充
―――2023年02月07日11時53分付 時事通信より
毎日新聞、東海3県の夕刊を4月から休刊へ…朝刊地域面を刷新
―――2023/02/07 11:13付 読売新聞オンラインより
毎日新聞が東海3県の夕刊を4月1日から休刊
―――2023年2月7日 12時28分付 朝日新聞デジタル日本語版より
毎日新聞社は7日付の朝刊で、「中部本社」管内の愛知、岐阜、三重各県での夕刊を、4月1日以降「休刊する」と発表したのだそうです。
ちなみに産経ニュースなどによると、今回の措置を巡って毎日新聞社は「読者のライフスタイルの変化に対応する」ものと説明しつつ、「デジタルサービスの充実も図る」、「東京、大阪、西部本社管内では引き続き夕刊発行を続ける」、などとしているのだそうです。
なんだかよくわかりません。
東海三県だけ「読者のライフスタイル」が変わったとでもいうのでしょうか?それに、デジタルサービスの充実も図るのであれば、その恩恵(?)を受けるのは東海三県だけではないでしょう。
もっとも、想像するに、おそらくは東海地方は中日新聞などが強く、毎日新聞などの市場シェアは少ないため、採算が割れているとの判断があったのかもしれません。
ただ、新聞業界がこれから縮小していく限られた市場を奪い合うことを余儀なくされるなか、夕刊発行を取りやめるという判断が広まるのかどうかは注目に値する論点といえることは間違いないでしょう。
View Comments (16)
展開してる各部隊を各個に逐次後退させとるんじゃあ"戦線の維持"すら夢のまた夢、司令部に勝つ気なんて更々ない全面負け戦ですやん
どーせご大層なお題目かかげるんなら臥薪嘗胆全体で一旦引いて戦線の再構築を試みるくらい…無理か
内容どうあれあーゆーカタチで"オフレコ"抜いたら今後の取材も当分は多少なりヤり方変わるんでしょーし(朝日が「ウチは後追いオンレコ取材からしか書いてない」てアピッてたのがナニゲニ面白かったけんども)
次はどの地域で"ライフスタイルが変わ"るのか、 ニラヲチすかね
また「廃刊」ではなくて「休刊」ですね。
地方はもともと全国紙の購読が少ないんじゃないかな?
地方に出張して朝ホテルで朝食時に新聞を読もうとしたら地元紙ばかりだった記憶がある。
毎度、ばかばかしいお話しを。
中日新聞:「この地区の毎日新聞夕刊が休刊になるので、代わりにうちの夕刊をとりませんか。いっその事、(毎日新聞の朝刊をやめて)中日新聞朝刊とセットで」
実際に、言ってそう。
蛇足ですが、他紙が毎日新聞の読者を奪いに行くのではないでしょうか。
中日新聞は潰れても構いませんけど、
連載中の4コマ漫画、
ねえピヨちゃん、は
別の媒体で連載して欲しいものです。
新聞を定期購読するというビジネスモデルがもう腐って古くなっているのでしょう。
古い体質にしがみついている会社が新しいビジネスモデルを作れそうにないですが、新聞という媒体自体、古くなっていて同しようもないのでしょう。
ニュースを見ること自体、もう人を引き付けるモデルではないのでしょうね。
じゃあみんながティックトックのようなおバカショート動画を見るようにはならないと思いますが。報道自体、積極的に変わらないと。
たしかネットのなかった時代から、毎日新聞は発行部数で中日新聞に負けていました。東海地方での中日新聞のシェアは圧倒的なので。さらには 「発行部数・世界一の読売新聞が、東海地方では苦戦している」 とも、よく言われていましたね。東海地方は中日ドラゴンズのファンが多いので、巨人の親会社である読売新聞は読まれないのだと。
今はどうなんでしょうね? 東海地方在住の知人は、朝日よりも左に偏向している中日の論調がイヤで、読売を取っているそうですが、若い人はそもそも新聞自体、読まないでしょう。それに地上波テレビでプロ野球中継をやらなくなって久しいし、新聞社が球団を持っていても販促にはつながらないでしょうね。
キッシーのLGBT法案成立せよ! キリ
が用意良すぎると思うのは私だけ
いくらオフレコでもあのようなきわどいこというかなあ。
個人の感情なんだからあってもおかしくないんだけど。メデアの前で言うかなあ?
政府と毎日が仕組んだやつと違うかなあ。(他にも社はいたのに毎日だけ報道?)
安部元総理暗殺についてもJFK暗殺と似ていると思うのは私だけかなあ。
毎日新聞の読者ならば「東海(トンへ)三県ってどこだろう?」と後頭部をひねるかも。
毎日新聞が夕刊を廃止ということは
買ってくれる人がもういなくなっての
退却撤退負け戦ということです。
そうした負け戦の戦況にもかかわらず
なおもどぶサヨ進軍ラッパを吹き続けてる
滑稽な姿には、彼らが意味なく利用する
戦前の日本帝国主義(?)の最期以下の
姿しか感じません。
頑ななどぶサヨ志向を続けてしまい
日本の若い人には
「新聞だけ読んでいたら世の中の正しい動きは
わからにないしょう」
と言い切られて有効な反論できない
今の現状なのですから、
朝刊に立てこもっての反日ゲリラ
の末路の道を歩むより早く白旗挙げて反省し、
選挙結果で明らかな多数派国民良識層と
ともにある健全なメディアに生まれ変わることが
まっとうな生き残りの道だということに
気づけるのだろうかと心配してさしあげます。
例えば朝日新聞の場合
①夕刊のある地域の朝夕セット版は月額¥4400
②夕刊の無い地域で朝刊のみの統合版では月額¥3500
①の地域で夕刊のみやめても、基本¥4400のままで、
販売所の裁量でそこから¥200〜¥500引かれる程度であり、夕刊がなかなか消えない一因では無いかと思います。
https://smartpointer.info/2022/12/08/price-without-evening-edition/
中日新聞は夕刊のある(4400円)エリアでも、朝刊のみ(3400円)で購読できるのですね。朝刊にはご丁寧に前日の夕刊報道まとめ欄があるらしいですね。