岸田首相の長男の「物見遊山」疑惑を巡っては、木原誠二内閣官房副長官が26日午前の記者会見で首相の「外国訪問で公務の必要上、公用車を利用して視察や訪問を行うことはあり得る」としつつ、事実関係については明らかにしなかったそうです。このあたり、昨年の「官邸情報漏洩」疑惑とともに、一連の報道が飛ばしであるという可能性ももちろんありますが、やはり秘書官に身内を起用すること自体が一種のリスクであることも間違いありません。
木原官房長官は事実関係を認定せず
『首相長男の新たな醜聞をも打ち消す野党党首の国会質問』では、岸田文雄首相の長男が首相の欧米5ヵ国訪問に随行した際、公用車で観光するなどしていた、などとする、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』の記事を紹介しました。
「存立危機事態にあっても敵基地を攻撃することは国際法違反であり、許されない」。こんなメチャクチャな認識が最大野党の党首の口から出て来たことで、少なくない日本国民は面食らっているのではないでしょうか。泉健太・立憲民主党代表の国会質問を眺めていると、少なくともこの政党に日本を委ねるという決定を下すほど、日本国民は甘くないものと信じたいところです。時事通信調査で青木率が50%割れ目前の岸田政権「岸田文雄内閣に対する支持率が、政権発足以降最低水準に沈んだ」――。ひと昔前だと、内閣支持率の急落は、即政権の... 首相長男の新たな醜聞をも打ち消す野党党首の国会質問 - 新宿会計士の政治経済評論 |
該当する記事は次の通りです。
岸田総理の「長男秘書官」が外遊中にパリ、ロンドンの観光地めぐり 公用車を使って繁華街でショッピングも
―――2023年01月25日付 デイリー新潮より
これに関連し、木原誠二内閣官房副長官は26日午前の会見で、テレビ朝日の記者の質問に対して回答しました(該当するやり取りは動画の2:23~)。内容を要約すると、こんな具合です。
- ご指摘の報道については承知している
- 一般論として申し上げると、総理の外国訪問において、総理の行事に同席をしない関係者が公務上の必要上、公用車を利用して視察や訪問を行うということはある
- その際、当該業務の内容、重要性、その視察先の安全情勢や交通情勢等に照らしつつ、必要とされる範囲内での運用とすべきであることは当然
…。
もし報道が事実ならとんでもない話
で、結局、長男による「公用車での繁華街ショッピング」は事実だったのでしょうか?
この木原氏の回答は、ある意味で当たり前のものです。首相の随行員が首相の行事のすべてに帯同するというわけではないでしょうし、多忙な首相に代わり、たとえば空いた時間で相手国の秘書官らと面会するなどの公務をこなす、といったことは、十分にあり得る話です。
それよりも、ここでむしろ論点となり得るのは、本来は公務に充てるべきリソース(たとえば勤務時間や公用車など)を「私用で」利用したのかどうか、ではないでしょうか。
実際、報道記事にはこんな記述があります。
「現地の大使館には翔太郎クンから、パリ市内の観光地を巡りたいとの要請があったそうです。大使館は車を回し、彼はお望みの名所を訪れている。それだけでなく、夕食はビストロを、とのことで、現地のアテンドで気心の知れたスタッフと舌鼓を打ったそうです」。
「ロンドン市内を“見学”したいとのことで、やはり大使館が回した車で、ビッグベンやバッキンガム宮殿を訪れ、(老舗高級百貨店の)ハロッズにも寄っています」。
もしもこの記事にあるとおり、長男が観光地や百貨店を大使館の車で訪れたという情報が事実であれば、これは公私混同の可能性が生じてくる話です。
そもそも首相秘書官という立場で公費を使って海外に出かけている以上、訪問国滞在中は基本的に「公務中」であり、遊びに出かけているわけではありません。したがって、自身の観光や買い物は控えるのが筋であり、まして公用車でそれをやるというのは論外です。
本来は要職
もちろん、公私混同も「程度の問題」であり、本当にちょっとした「空いた時間」を使い、気心の知れたスタッフと私費で現地のレストランに出かけるくらいならば許容範囲だ、といった見解もあり得るかもしれませんが、その場合であっても「程度の問題」は重要です。
というよりも、そもそも論として首相秘書官は国家公務員法に定める特別職の公務員です(同第2条第3項第8号)。
国家公務員法第2条第3項
特別職は、次に掲げる職員の職とする。
八 内閣総理大臣秘書官及び国務大臣秘書官並びに特別職たる機関の長の秘書官のうち人事院規則で指定するもの
そして、本来であればベテラン秘書や有力官僚などが就く要職であり、小泉純一郎首相の時代の飯島勲氏、安倍晋三総理の時代の今井尚哉氏(経産省出身)らの存在が有名でしょう。
ただし、次の時事通信の記事でも指摘されているとおり、首相が「身内」を採用するケースはあります。たとえば福田康夫首相の長男の福田達夫氏(現在は衆議院議員で自民党総務会長)も、首相秘書官を務めていました。
身内を起用することは後継者育成という意味もあるのだが…
このあたりについては、時事通信の次の記事にも詳しく解説されています。
ベテラン秘書、官僚、身内◆長男で注目、首相政務秘書官は3タイプ【解説委員室から】
―――2022年10月07日12時00分付 時事通信より
「身内が首相の政務秘書官になるケースは多くはないが、世襲議員が多い自民党にあって、閣僚の政務秘書官なら枚挙にいとまがない。安倍元首相は、父・晋太郎氏の外相秘書官を経験。昨年10月の衆院選で初当選した塩崎彰久氏は、父・恭久元官房長官の秘書官を、恭久氏は父・潤氏の総務庁長官秘書官を、それぞれ務めている。国会で野党が問題視したが、菅前首相は総務相時代、民間に就職する前の長男を秘書官に就けている」。
さらには、時事通信の記事には記載はありませんが、故・安倍総理の実弟でもある岸信夫・前防衛大臣も、長男(つまり安倍総理の甥)である信千世氏を防衛大臣秘書官に任命していました。
岸信夫氏が体調不良という事情もあり、近く議員を辞職するとみられるなか、おそらくは4月23日ごろに投開票となる衆院補選の山口2区では信千世氏が後継者として出馬するのではないでしょうか。
(※余談ついでですが、安倍総理の出身選挙区である山口4区でも補選が行われると見られますが、岸信夫氏の次男が安倍昭恵氏と養子縁組し、安倍総理の後継者として出馬するのではないか、といった観測報道もあるようです。)
リスクも非常に高い
いずれにせよ、首相秘書官に誰を起用するにしても、それは結局のところ、岸田首相自身の判断ではありますが、首相秘書官になれば自動的に岸田首相の後継者になれる、というわけではなさそうです。
昨年の「官邸情報ダダ漏れ報道」事件を含め、岸田首相長男の醜聞が報じられたのは2回目でもあります。
ツイッター界隈で大騒ぎになっているのが、雑誌『FACTA』が報じた『「官邸極秘情報ダダ漏れ」情報源は首相長男』などとする記事です。報道等によれば、岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務める翔太郎氏を通じ、フジテレビ政治部の女性記者に「極秘情報」が漏れていたのだそうです。現時点でこれを事実として妄信するには尚早ですが、岸田政権に対する打撃のひとつとなる可能性はありそうです。こうしたなか、岸田首相が年明けにもう1回、内閣改造に踏み切る可能性があるとの報道も出てきました。長男を秘書官に起用するというこ... 今度は岸田首相長男?「官邸情報ダダ漏れ」の雑誌報道 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もちろん、「官邸情報ダダ漏れ」と「私用観光」という2つの報道がどちらも単なる飛ばし報道だという可能性もあるのですが(※その場合は長男にとっては不幸かもしれませんが)、ただ、首相秘書官という要職に身内を起用する以上、ネタを探している週刊誌の餌食になりやすいことは当たり前の話です。
とくに、雑誌業界ではそれでなくても雑誌自体が売れなくなっているわけですから、脇が甘い政治家やその身内は、格好のターゲットとなりかねません。
本稿では雑誌の部数増減について、もう少し詳しく紹介してみます。元データは「一般社団法人日本雑誌協会」が公表する『印刷証明付部数』の検索サイトから取得したもので、2008年と2022年の雑誌発行部数を比較してみたいと思います。雑誌協会のデータ昨日の『数字で見る「雑誌業界」・概況編』では、「一般社団法人日本雑誌協会」が公表する『印刷証明付部数』の検索サイトから取得したデータを使い、いくつかの雑誌についての増減を概観しました。ただ、その後この雑誌協会のデータを色々と確認してみたのですが、どうもデータ自体が... 数字で見る「雑誌業界」:217誌の増減率ランキング - 新宿会計士の政治経済評論 |
首相秘書官という仕事は、大手商社出身でもある長男自身にとっても、自身の出身社だけでなく、政界を含めた幅広い関係者と交友関係を築くチャンスではありますが、それとともに本人の自覚や能力などが足りなければ、自身のキャリアが潰れてしまうという結果に終わるかもしれません。
いずれにせよ、この人事が「岸田家」にとって、吉と出るか凶と出るかについては、意外と遠くない未来にも判明するのではないかと睨んでいるのですが、いかがでしょうか。
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震災真っ只中に仕事で行ったインドネシアでエステに買い物と満喫していた議員、口蹄疫が拡大しているのにキューバから帰らずカストロ参りをしていた赤い大臣、などを考えると、非常事態と平時との対比でどうも些末に感じてしまいます。
この「民主党モー」って考え方、良くないのはわかっているのですが。あまりに酷すぎて記憶に残り続けているのでどうしてもね……
息子さんのパリやロンドンでの動静が事実であるか否かは分かりませんが、少なくともキシダ氏は、G7を地元の広島で開催する、息子を補佐官にしているなど、身内に厚い行動を行っていること「だけ」は事実だと思います。
そういった批判を「避けたい」のであれば、G7は長崎で良かったでしょうし、息子さんは日本に留まるか変な報道が出ない様にホテルでじっとしているべきでしょう。
そうした自制が出来ない時点で、「駄目な奴」との誹りを受けても仕方がないのです。
やっぱり駄目な「奴ら」なんだなぁ、としみじみ思います。
恐らくは、親ガチャ当たりの親コネ人生を送ってきた翔太郎クンですから、一般国民としての常識が欠如しているのでしょう。国会議員が外遊した際に、現地大使館の車をハイヤー代わりに使うのはそう珍しいことではないそうですから、翔太郎クンにすれば、”スペシャル上級国民”の自分が使っても、問題にはならないだろう、と考えたのでしょう。
翔太郎クンがこれからどういう人生を歩もうとあまり興味はありませんが、岸田首相が彼をどう処遇するかは、大いに興味があります。国民に増税を強いて、身内には大甘では、誰も付いては行かない。一度だけなら許せても、二度はないでしょう。対応を誤れば、内閣支持率へのインパクトは小さくないものと予想します。
もう、岸田政権は終わりやな
後継者はしばらく決まらず、内戦状態になりそう
マスコミの報道なんぞそのまま信じる気はありませんが、岸田首相は未だに宏池会会長をやめないなど色々と身内重視で動いている様子が見られますので、そう言った点では信用できないんですよね。
「李下に冠を正さず」
些細な行いでも、世間から注目されている人は自らの行動を律することが必要です。
岸田さんのご家庭はどのような教育をされてきたのでしょうか?
総理大臣を目指すことになる家庭に生まれた者は、少なくとも公私を弁える事が必須であるという躾を受けたのでしょうか?
公設秘書の勤務制度について私は全く知りませんが、他の公設秘書も外国へ同行した時に同じような行いをしていたのでしょうか?
公設秘書の接待を外務省職員が対応するという慣例があれば大いに問題です。
ましてや、就任間もない秘書官が観光まがいの案内をさせるというのは、公職を侮辱しているのではないかと言わざるを得ません。
今回の報道が事実はどうか分かりませんが、岸田首相が公務員に操られている姿を見ていますと、とてもまともな後継者教育が出来ていると思え無いのは私だけでしょうか?
私の個人的な印象ですが、宏池会の方々には、既得権に縋っている保守的な中産階級の体質を感じています。
表現が適切かどうか分かりませんが、東京都世田谷区みたいな感じですね。
最近は世田谷区的なところがもう少し拡大しているようですが。
既得権と税金で安穏な生活を享受しようとしている公務員と同じ穴の貉ではないかと強く感じています。
なんとマスコミの追及が緩い事か。。。
菅(すが)総理の時の息子の総務省接待問題でもそうだし、岸防衛大臣の息子に対するネガティブキャンペーンもそうだけど、マスコミは露骨すぎです。報道しない自由を満喫しすぎですね。
この問題が、また一段とマスコミの信用低下に寄与すれば、悪い事ばかりでもないと思いたいです。