先般より当ウェブサイトで報告しているとおり、日本経済を弱体化させるのに大きく貢献してきた組織は、じつは財務省ではないかというのが、当ウェブサイトにおける考え方のひとつです。これについて現在の日本において「国の借金」を無理してまで減らす必要がない理由を改めて振り返っておくとともに、私たち有権者が「しなければならないこと」を確認しておきましょう。
根本から間違っている「国の借金」論
財務省をロシアに輸出しましょう!
「財務省は増税の前にやることをやれ」。
これは、当ウェブサイトでこれまでに何十回、何百回となく繰り返してきた論点のひとつです。
以前の『ロシアを敗北させるならば財務省を活用してはいかが?』では、「日本政府がロシア経済を弱体化させ、ウクライナ戦争でロシアを敗北に導くために、経済を弱体化させることでは定評のある日本の財務省そのものをロシアに輸出することを検討している」とするウソ記事を紹介しました。
「日本政府はウクライナに対する支援の一環として、ロシア経済を弱体化させるために財務省をロシアに輸出する検討に入ったことが明らかになった」――。もちろんこれはウソ記事ですが、財務省が日本経済の弱体化に深く関与していたことに関しては、まぎれもない事実でもあります。こうしたなか、昨日は共同通信に「9月末の国の借金が1251兆円になった」とする記事が掲載されていました。財務省をロシアに輸出へ=政府はじめに、こんな記事を紹介しておきます。日本政府、財務省をロシアに輸出へ=ウクライナ支援目的でロシアによる軍事... ロシアを敗北させるならば財務省を活用してはいかが? - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、自分自身で冗談のつもりで執筆していた記事ですが、冷静になって「財務省が日本経済の弱体化にかなり大きな役割を果たしてきたのではないか」、「今後とも財務省は増税を画策し、それにより日本経済がさらに弱体化するのではないか」という仮説を振り返ると、これはかなり「シャレになっていない」話でもあります。
そもそも論ですが、日本経済において「国の借金」(※敢えてこの用語を使います)については、その絶対額を問題視すべき性質のものではありません。というのも、中央政府の債務というものは、ほかの経済主体の資産や負債の状況とも密接に関わってくるからです。
「借金」を巡っては、私たち一般人の多くは「返さなければならないもの」、「収入の範囲で借りなければ大変なことになる」、といった認識を持っているに違いありません。また、企業経営者の場合も、「借金」は自社の売上高、経費水準、自己資本、設備計画などの経営指標をにらみながら、慎重に対処することが一般的です。
そして、こうした認識を持っている人が、「国の借金が国民1人あたり1000万円だ」、などとする情報を耳にすると、「日本の借金はとても深刻だ!」、「日本の財政は将来、絶対に破綻する!」などと勘違いしても仕方がない話なのです。
管理通貨制度では通貨は国家の信用を裏付けとして発行される
この点、当たり前の話ですが、国家財政を一般個人や一般企業の債務の問題と混同してはなりません。そもそも国家財政の性質は、これらとはまったく違うものだからです。これについて考える前に、まずは「通貨」について検討しておきましょう。
まず、現代の世界では、ほとんどの国が「管理通貨制度」と呼ばれる通貨制度を採用しています。
これは、金塊などの裏付けがなくても好きなだけ通貨を発行することができる、という仕組みです。つまり、おカネを印刷する権限を持っている人が、その気になれば、おカネを好きなだけ刷っていろんなモノを買い、好きなだけ贅沢をする、といったことも、やろうと思えばできてしまうのです。
ただ、日本を含めた先進国の場合、「おカネを印刷する権限」を持っているのは、「政府」ではなく「中央銀行」です。そして、中央銀行はおカネをどれだけ発行するか(通貨供給量)、世の中の基準となる金利水準などを、できる限り透明で独立したプロセスで決定するのです。
これが「中央銀行の独立」です。
そして、中央銀行が政府などから独立し、あくまでも経済指標(インフレ率や失業率など)を見極めながら、通貨の供給量や政策金利を決定するというのが、多くの先進国で共通した仕組みなのです(例外として、米ドルを裏付けとして通貨を発行し、金融政策も完全に米国に追随している香港のような事例もあります)。
じつは「国債」≒「通貨」だった
ただ、資金循環統計上、「通貨」というものは「中央銀行の金融負債」ですが、中央銀行はあくまでも「通貨を発行する量」を決めているだけであり、管理通貨制度において、通貨そのものは国家の信用力を裏付けとして発行されているという特徴があります。
- 通貨…国家の信用力を裏付けとして発行されている中央銀行の負債
- 国債…国家の信用力を裏付けとして発行されている中央政府の負債
ということは、通貨(※ただし管理通貨制度に基づくもの)と国債(※ただし自国通貨建てのもの)は、「その国の信用力を裏付けとして発行されている」という意味では、じつは極めてよく似た金融商品なのだ、という言い方ができます。
もちろん、通貨と国債の大きな違いは、期限があるかどうか、という点でしょう。国債の場合は償還期が到来したら返さなければなりませんが、通貨の場合はそもそも「償還期」という概念が存在せず、発行したら「返す」必要がないのです。
このため、通貨は「永久に返す必要がない」という点においては、その国にとっての「負債」というよりも「資本」に近い存在だ、という言い方もできるかもしれません(「通貨は資本だ」、などと言うと、多くの会計士からはお叱りを受けるかもしれませんが…)。
国家債務は「全部返さなければならない」ものではない
この点、当たり前の話ですが、国債も債務ですので、中央政府としてはこれを「踏み倒す」わけにはいきません。償還期が到来したら、政府の責任でキッチリと返済していかなければならないものです。この点においては、家計債務や企業債務となんら変わるところはありません。
ただ、国家には「徴税権」というものがありますし、その気になれば法律を変えて中央政府が中央銀行からおカネを借りることができるようにすれば、「国債のデフォルト」というものは、簡単に回避することができます。
もちろん、経済学の理論上、中央銀行による国債の直接引受はハイパー・インフレを招く「禁じ手」だ、などと指摘されることもあるのですが、これはあくまでも極端な事例であり、通常はこのような「禁じ手」をわざわざ使わなくても、国債のデフォルトというものは滅多に発生しません。
というよりも、次に多くの方が誤解しているのは、国債というものは今すぐ全額返済しなければならないものなのかどうか、という論点でしょう。「現在の国債の発行残高は1200兆円」と聞くと、「いつか1200兆円分、キッチリと耳を揃えて返さなければならない」、と勘違いする人もいますが、こうした考え方も間違いです。
私たち一般人には「寿命」というものがありますし、たいていの場合、大きな借金(たとえば住宅ローンなど)は、生涯で2度も3度も借りるものではありません。ある個人が住宅ローンなどで4000万円を30年元利均等弁済などの条件で借りると、その人は条件通りキッチリと4000万円を返します。
ところが、国家の場合、そうではありません。
たとえば政府がある年に10年国債を100兆円分発行したとします(簡略化のため、額面発行とします)。この100兆円の10年国債は、発行から10年後に政府が100兆円を国債保有者に払い戻さなければならない債務ですが、政府はべつにその時点で100兆円のおカネを持っておく必要はありません。
その時点でもう1回、100兆円の国債を発行すればよいのです。これが「国債のロール」です。
というよりも、通常、国債の場合も企業債務の場合も、たいていの場合は債務のロールが行われます。個人と違って政府(や多くの企業)には「寿命」がありませんので、その時点で借り換え(リファイナンス)をすれば良いのです。
つまり、現時点において1200兆円の国債があったとしても、これを償還期にキッチリと1200兆円分返さなければならない、というものではありません。
経済成長、現在の国内資産
経済は成長する!「70年2倍」の法則
次に、もっと重要な論点があるとすれば、「経済は成長する」というものです。
たとえば、GDPが500兆円の国にとって、1200兆円という国債発行残高は巨額に見えますし、これらをすべて消費税の税収だけで返済しようと思えば、極端な話、消費税の合計税率を現行の10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)から100%くらいにまで引き上げねばならないかもしれません。
実際、財務省(というよりも御用学者や御用メディア)がよく援用するのが、この「国の借金はGDPと比べて2倍以上に膨らんでいる」とする話です。
これも、私たち一般人には刺さりやすい話です。
たとえば年収500万円の人が1200万円の借金を消費者金融などから借りていたら、これは大変な話であり、「すでに生活が破綻している」、などと考える人もいるでしょう(※ただ、年収500万円の人が2000万円の住宅ローンを借りている、といった事例など、いくらでもありそうな気がしますが…)。
しかし、もしも経済成長があるとする前提を置けば、この「GDP債務比率で問題だ」、などとするロジックも破綻します。たとえば経済成長率が2%だったと仮定すれば、GDPは約35年で2倍になります。そのときに国債の発行残高が1200兆円のままだったとすれば、GDP債務比率は1倍少々に収まります。
ちなみに「70年2倍の法則」というものが存在しています。これは、「年間成長率が1%だった場合、70年でGDPは倍になる」というものですが、成長率が2%なら倍になるまでの期間はその半分の35年、成長率が7%だった場合、倍になるまでの期間は約10年、という法則です。
成長率と倍になるまでの年数の関係
- 1%→69.66年
- 2%→35.00年
- 3%→23.45年
- 5%→14.21年
- 7%→10.24年
- 10%→7.27年
- 15%→4.96年
(【出所】著者作成)
国債残高よりもGDPが速く成長したら!?
もちろん、リフレ政策によって日本経済が成長を始めたとしても、当面は国債の残高も増えるという展開は十分に予想されるところではあるため、もしも経済成長率が2%で国債の増加率も2%だったとしたら、現在のGDP国債比率は20年経っても30年経っても変わりません。
ただ、それと同時に、もしも経済が成長軌道に乗った場合は、そもそも論として税収が上振れする可能性が極めて高いので、国債の増加率も経済成長率と同じで推移するとは考えられません。
原因は異なりますが、現在の日本経済は円安による恩恵を大きく受けており、税収が過去最高の68兆円を超えることが明らかになったという報道もありました。
22年度税収が過去最高68兆円超に、2次補正で3.1兆円増額=政府筋
―――2022/11/04 14:28付 ロイターより
これも結局のところ、日銀による金融緩和の恩恵で円安が急速に進み、企業業績が押し上げられたことが原因と考えて良いでしょうが、一般に経済が成長し始めた場合は国債の残高を積極的に抑制しなくてもさほど問題ではありません。
たとえば現時点のGDPが500兆円、国債発行残高が1200兆円だったとします。このとき、GDP国債残高倍率、つまり国債発行残高をGDPで割った倍率は2.4倍(=1200兆円÷500兆円)と計算されます。
このとき、国債発行残高が今後毎年1%ずつ増えていったとしても、経済が毎年3%ずつ成長していたとすれば、35年後のGDPは1407兆円、国債発行残高は1700兆円ですので、国債GDP残高倍率は1.2倍にまで縮小します。
GDP成長率が3%、国債増加率が1%だった場合のGDP国債残高倍率
- 現時点:2.4倍(=国債発行残高1200兆円÷GDP500兆円)
- 35年後:1.2倍(=国債発行残高1700兆円÷GDP1470兆円)
(【出所】著者作成)
つまり、税金を取り過ぎれば、刹那的には多少、財政赤字を埋めることはできるかもしれませんが、将来の経済成長を犠牲にするため、結局は「金の卵を産む鶏」を食べているようなものなのです。
有り余る家計資産:日本は増税を必要としていない!
これに加えて現在の日本が増税による財政再建を必要としている状態なのか、もう少し正確に現状を把握しておく必要もあります。
図表は日銀が公表した資金循環統計をもとに、著者自身が作成した2022年6月末時点における日本経済の正確な姿です。
図表 日本全体の資金循環バランス(2022年6月末時点・ストック、速報値)【※クリックで拡大】
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
くどいようですが、日本経済の姿を見ていただければ、家計が金融資産を持ちすぎているのに対し、企業や政府がおカネをあまりにも借りてくれていないがために、結局は日本国内で使いきれなかった資金が海外に流出してしまっているのです。
これがもしも、日本が対外純債務国であって、国債も外貨で外国から借りている、といった事情でもあるのであれば、最優先で財政再建を図らなければならない、といった主張が出てくるのも仕方がない話です。
しかし、家計部門が2000兆円を超える金融資産を抱え込んでおり、うち現金預金の金額が1100兆円を大きく超えているという状態で、この巨額の資金を預金取扱機関(銀行、信用金庫、信用組合、農協など)が運用していかなければならないという状況は、むしろ深刻です。
金融機関・保険会社・年金基金などの日本の機関投資家にとっては、日本国内に投資対象がないから、仕方がなしに外債などの外国資産に投資せざるを得ない状況にあるからであり、その結果が「海外」部門の「444兆円」という巨額の純負債(=日本国全体から見れば純資産)なのです。
この海外部門の純負債が消失しない限りは、当ウェブサイトで普段から述べている「国債デフォルト3要件(※)」のうちの1番目を満たすことは、基本的には考え辛いことです。
国債デフォルトの3要件
- ①国内投資家が国債を引き受けてくれないこと
- ②海外投資家が国債を引き受けてくれないこと
- ③中央銀行が国債を引き受けてくれないこと
(【出所】著者作成)
これだけある「バックストップ」
ちなみに上記3要件のうちの①が満たされたとしても、ほかの②、③が満たされるという可能性は非常に低いです。なぜなら日本の通貨・円は国際的に広く通用する「ハード・カレンシー」であるため、円建てで発行された日本国債は海外投資家の投資対象となり得るからです。
さらに、日本国債は(現在のところは)すべて円建てで発行されているため、最悪の場合は財政法第5条の国会決議を行えば、政府が日銀からおカネを借り入れることにより、国債のデフォルトを回避することが十分に可能です。
財政法第5条
すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。
もちろん、この「財政法第5条の国会決議の発動」は、極論です。通常、そこに至る前に、国債デフォルトの要件①と要件②がともに充足されなければならないからであり、現在の日本においては、とくに要件①が充足される可能性は極めて低いからです。
いずれにせよ、日本国債のデフォルトに至る前に、バックストップがこれだけ充実しているという事実もさることながら、これらの事実を「国家財政破綻論」などの極論を唱える人たちが無視しているのはいただけない論点のひとつでもあるのです。
財務省のロジックの破綻
財政再建したいならNHKを解体したら?
ただ、それ以上に問題があるのは、財務省とメディアの姿勢です。
「国の借金」だの、「財政破綻」だのという漠然とした社会不安を煽り立てるような報道を行うメディアはいかがなものかと思いますし、この30年間、ひたすら増税に次ぐ増税で日本経済を疲弊させてきた財務省は、日本経済にとっては明らかに中国やロシア、北朝鮮や韓国をも上回る脅威ではないでしょうか。
それに、「財政再建」をするのであれば、増税より前にやることはいくらでもあります。
たとえばハード・カレンシー発行国である日本にとって、巨額の外貨準備自体がそもそも不要ですが、その外貨準備にしても少なくとも数十兆円の為替含み益を抱えています(『為替介入で2兆円の利益:安易な増税は「Z」の陰謀か』等参照)。
またしても「増税原理主義」の暗躍でしょうか、政府が開催した自称「有識者」会議は、防衛費財源を巡って「増税」を唱えだしたそうです。国民を財源か何かだと勘違いしているのでしょうか?政府は売れる資産を大量に抱えていながら、安易な増税という手段に頼り過ぎです。それはそうと、為替介入で2兆円の利益が生じたようですよ。自称「有識者」は経済学と複式簿記を勉強して出直せ「有識者」、という単語をよく見かけますし、政府がこの「有識者」を積極的に使い、会議をさせて一定の結論を得る、といった事例はよく見られます。ただ... 為替介入で2兆円の利益:安易な増税は「Z」の陰謀か - 新宿会計士の政治経済評論 |
外為法を改正するなどし、この外貨準備を日銀に付け替えれば、そもそもそれだけで「国の借金」が100兆円単位で圧縮可能です。また、財投債についても、財政融資資金そのものを民営化ないし廃止すれば、あっという間に圧縮可能です(※財務省がそれらの利権を手放すかどうかは別として)。
次に問題があるのは、莫大な数の天下り法人、特殊法人のたぐいであり、それらのなかでもとくに大きなものは、NHKです。
『現代の貴族・NHK職員の平均人件費は1500万円超』などでも指摘したとおり、NHKは潤沢な受信料収入を原資として巨額の資産を抱え込んでいるのに加え、職員1人あたり少なく見積もって1500万円を大きく超える人件費を計上しています(しかも、この1500万円には「隠れ人件費」を考慮していません)。
NHKが抱え込む資産は、金融商品だけでも連結ベースで1.2兆円を超えますし(※年金資産含む)、帳簿価額ベースで計上されている土地などの有形固定資産を路線価などで再評価すれば、それらの価値は下手をすると数兆円を超えるかもしれません。
これまた強烈な情報が出てきました。NHKは昨日、2022年3月期決算(財務諸表・連結財務諸表)を公表したのですが、相変わらず巨額の金融資産を保有するとともに、おそらく1万人を超えるであろう職員に対し、昨年に引き続き、1人あたり約1573万円の人件費を計上していることが明らかになりました。NHK職員はまさに「現代の貴族」であり、NHKとは「利権の塊」だと言わざるを得ないのです。金融資産は1.3兆円に!NHKは昨日、2022年3月期決算を公表しました。さっそくですが、NHKの連結財務諸表から判明する、NHKが保... 現代の貴族・NHK職員の平均人件費は1500万円超 - 新宿会計士の政治経済評論 |
財務省が外為特会や財政融資資金などの巨額の「別会計」を維持し、総務省がNHKの受信料利権を守りつつ、国民に対してのみ増税で痛みを強いるというやり方は、このインターネット時代には通用しなくなり始めているのです。
自民党議員に直接意見を言える時代ですよ!
さて、こうしたなかで、繰り返しておきたい論点がもうひとつあるとしたら、自民党と官僚機構についてはちゃんと分けて考えなければならない、という点です。
もちろん、自民党にも財務省や外務省などの出身の議員は多数所属していますし、それらの者がときとして霞が関の意向を代弁し、国益を無視した行動を取っていることも多いため、自民党は必ずしも日本の国益を実現する政党であるとは言い難いのが実情ではあります。
しかし、自民党は、なんだかんだいいながらも、「国政選挙」という我々有権者による厳しい審判を受けている政党でもありますし、その自民党は結局、私たち有権者の顔色を見ながら動いている政党でもあります。
これが何を意味するか――。
それは、「有権者の圧倒的な支持」が見えていれば、自民党が「政治の力」で霞が関をコントロールするのは、本来は非常に簡単な話だ、ということです。
したがって、これを読んでいただいた皆さまを含め、有権者のひとりひとりが意識を高め、「省益を重視するあまり、日本の国益を犠牲にする」という者たちの動きについては「絶対に許さない」という強い意志を持つことが大切なのです。
幸いにして官邸への意見や自民党への意見は誰でも提出できますし、もしご地元選出の国会議員の方がツイッターなどのSNSアカウントをお持ちであれば、ダイレクトメッセージなどのかたちで彼らに意見を伝えても良いかもしれないでしょう。
というよりも、とくに与党の政治家の皆さんは、案外ツイッターやフェイスブックなどを通じ、有権者の声にはよく目を通していますし、とくにご自身の地元の政治家に対しては、私たち一般人も、たとえばツイッターのアカウントをフォローするなどして、気軽にコミュニケーションをとることができます。
さらに、運が良ければ、その政治家の方からフォローしてもらえるかもしれません。そういえば、「新宿会計士」自身もささやかながらツイッターをやっているのですが、これまでフォローしてくださった方々のなかには、自民党議員やその関係者の方も数名いらっしゃるようです(ちゃんと確認したことはありませんが…)。
日本経済よもってくれ!
いずれにせよ、財務省、総務省、外務省など、選挙で選ばれたわけでもない役人が、私たち有権者の意向に反し、国益を損ねるような行動を取っているという問題は、いずれ必ず正さなければなりませんし、インターネットはそのための重要なツールです。
そして、官僚機構のこうした強い権力構造を支えているのは、新聞・テレビなどの少数のメディア(あるいは「オールドメディア」)を通じた情報の寡占・支配なのですが、肝心のそのオールドメディア自体の社会全体に対する情報支配力が、音を立てて崩壊し始めているのです。
うまくいけば、私たち有権者が世論を官僚とオールドメディアから取り戻すまで、さほど時間はかからないはず。ただ、それまで日本経済がもってくれれば良いのですが…。
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日本の最大の不幸は現実野党が存在しないこと。
特定野党では一般国民の支持を得られるはずもなく自民党は緩み切っている。
現実野党が存在して自民党と切磋琢磨する。
そうなれば統一教会問題を含め自民党がここまで腐敗することもなかった。
辞任した葉梨康弘の発言は注目に値する。
「外務省と法務省は票とお金に縁がない。法務大臣になってもお金は集まらない。なかなか票も入らない」
これは逆に言うとそれ以外の省には金と票が集まるということ。
厚労省や農水省が顕著だが族議員と省の結束による腐敗は明らか。
現実野党による政権交代があればこうはならなかったはず。
まったく嘆かわしいかぎりだ。
>たとえば政府がある年に10年国債を100兆円分発行したとします(簡略化のため、額面発行とします)。この100兆円の10年国債は、発行から10年後に政府が100兆円を国債保有者に払い戻さなければならない債務ですが、政府はべつにその時点で100兆円のおカネを持っておく必要はありません。
>その時点でもう1回、100兆円の国債を発行すればよいのです。これが「国債のロール」です。
更に言えば、マイナス金利であれば100兆円分よりも少ない国債を発行すれば足りますしね。
>これも結局のところ、日銀による金融緩和の恩恵で円安が急速に進み、企業業績が押し上げられたことが原因と考えて良いでしょうが、
業種別納税額が無いのが残念ですね。
ちなみに、トヨタ自動車は急激な円安にお陰で売上は増えたけれども系列会社に対する原料価格高騰などによる増額分の負担増額やロシア国内の事業清算費でさほど利益は出ていないって聞いてるので、製造業は基本的に業績アップになっていないさそう。
やはり金融系ですかね。
イギリスはいきなり内向き国家になりました。ジェレミーハント財務相がいる限り国際社会には戻って来ないのではないでしょうか。金融界に乗っ取られたイギリスには絶望しました。
会計士どのがおっしゃるように、企業経営と国家経営は異なります。財務省が数字のつじつま合わせを自分が絶対手放さない権力として握っていることが、社会閉塞感の根幹にあります。追加のカネを引き出しては票田にばらまくことを任務なのだそれがお商売だと話をすり替えている議員さんたちの性根は官僚に見抜かれている。票を集めたければ財務官僚の機嫌を損ねるな。馬鹿にされているのは選挙民のほうです。
防衛費増議論ではっきり分かりました。「財務省棍棒」と当方は表現します。議員をくすぐり不平を黙らせる官僚権力の一種です。ざっくりと不要支出減にホンキで取り組むつもりなどどこの誰にもないわけです。
毎度、ばかばかしいお話しを。
財務省:「うちの省益を犯さないで、経済成長してくれるなら文句はない」
NHK職員:「我々のぬるま湯の生活を奪うな」
誰か笑い話だと、言ってくれ。
すみません。追加です。
(NHKだけではありませんが)NHKの適切な職員数て、何人でしょうか。もちろん、人数だけで、どうこうという話ではないと分かった話です。
twitterは世界で何万人クビ切ったかしりませんけど、変なハッシュタグが見えなくなってよくなるばかりで悪くなっていないですね。
当方が学生時代に出会った小企業経営者のかたから聞いた話です。
>通常、国債の場合も企業債務の場合も、たいていの場合は債務のロールが行われます
脱サラして会社を興した。事業がうまく行き出してから初めて地元の金融機関に金を借りにいった。始めたばかりで実績がないので取引先からの発注書を審査部門に見せる必要もあった。カネは借りれた。そして期限に合わせて約束通りに利息込みで全額返済した。心が軽くなりルンルンして銀行を出ようと席を立ったら「ちょっと待ったー、なぜつぎ借金の話をここでしないのだー」と銀行員に呼び止められた。お金の循環を理解していなかった駆け出しのころの思い出だよ、と。
日銀が増発した通貨や財務省が発行した国債により増加した通貨の行方がキーポイントです。後者は公共投資や赤字事業補填で1度は実態経済を通過します。しばらく実態経済を回った後,預貯金や株式などマネー経済に吸収されます。前者は最初からマネー経済に吸収されることが多いと思います。何故かマネー経済は単調増加に総額が拡大しているので,うっかりしていると実態経済の中で巡回している通貨量が減少して不景気になります。コロナの間に分かったこととして,次が挙げられます。
1. 日銀が半分近くの日本国債(新発債のほぼ全部)を引き受けても,懸念されていた経済への様々な悪影響は少なかった。
2. 日銀はいくら日本国債を引き受けても,通貨発行権を持っているので破綻しない。
3. アメリカが高金利,日本が低金利の状態は,日本経済にとって悪くない。
ただ,日本産業を支える科学技術力が低下してきているので,そこは頑張って支えないと日本が衰退します。理系音痴の文系官僚に科学技術のデザインをさせてはダメです。
P.S. 岸田首相の功績としては,1日11人しか乗らない芸備線の廃止議論阻止,が挙げられると思います。あと,マイナンバーカードの保険証化の迅速な骨抜き。NISAは想像以上にしょぼいものになりそうで,今考えられているシステムだと,私は利用しないと思います。
通貨は、企業でいうところの「株式」に準じたものって認識でいいのでしょうか?
「日本国」の持ち分割合を測る尺度であり、返済義務の生じないものだからです。
Twitterでは、もはや消費税を増税でもしようものなら財務省の役人の命を奪う、と言った趣旨の投稿がチラホラ散見されます
意識の変化は確実に進んでますね
ヤフコメやTwitterは反緊縮の世論があきらかに強いです
右派も左派も若い政党は反緊縮ですしね
雑談でも散々やりましたが
消えた6000億円! 自賠責保険の積立金を「借りパク」した、財務省の誠意なき態度と役人天国ニッポン(Merkmal)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/8bfa2842264a141d3f26bdb28ab0fbea1e82542c&preview=auto
「誠意」をみせろ w
今回の自賠責保険のことに関しては私も怒りを覚えています。
他の方も書いてありましたが無力化もしれませんが声を届けるために、財務省のホームページ意見箱に投書してきました。
自賠責値上げは根拠なしですね。
誰か訴訟を起こしてくれないかな。
こういう話なら、共産党弁護士でも賛同するけど。
でも、何で赤字国債を発行しないのだろう?
ただ、結局この金を何処に使ったかが問題で
財務省の利権維持に使われたのか、政治屋のばらまきに使われたのか。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
非常に良質な議論と思います。
それでもっていくつか読後感を。
日本共産党よりマルクス主義者である当方として唯物論から見た現代社会とは『技術の進化』を伴って「ヒト・モノ・カネ・情報・信用」が循環して相互作用によって社会全体が変質していくダイナミックなプロセスであると考えます。
管理通貨とは国家の信用の総額であると言う言葉は非常に秀逸で現実を捉えていると思います。
厳密には自国民からの信用と自国民以外の対外信用に分かれると思いますが、日本人の行動様式ならば隣の半島の南北国家やウクライナを侵略中の熊たちと異なり「対外信用と自国民からの信用が著しく乖離する(笑)」ことは当面ないでしょう。
信用という観点から見たらマクロなレベルで出生率とは若者から国家に対する「未来への信用」と思います。
成長率1%ならば結婚後人口維持する2名の子供を作るために世帯で高等教育するために必要な費用を20年後に自分たちが賄えるには能力的に相当な上ぶれが必要です。
成長率が1%では「内政の評価として」ダメではないでしょうか。
現実の成長及び賃金の上昇が実感的に4%くらいは必要でしょう(笑)
この信用をどう向上させて出生率を上げるか?
当方は「高等教育の費用を無償化する」か社会人に対する「ヒトへの知における質的向上を社会が行うことで賃金獲得を向上させる」必要があると思います。
こういった議論のためには「知の分野における循環統計資料」が必要と思います。
イメージ的には管理人様が今回も掲載した資料のカネを知識に置き換えた資料です。
個人的には「ヒトへの知的能力向上の投資が不足」しているゆえに未来への信用が低いのではと思うのです。
中高年がリストラされて収入が激減する現実をフツウにしているようではダメでしょうね(笑)。
以上です。駄文失礼しました。
国の借金論…
案外ころっと騙されるものです。
先日、某有名知識系YouTuberも騙されてました。
人間とは所詮、誰が言っているかで信じてしまう生き物なので、インフルエンサーが間違えた情報を発信してしまうと間違えた考えが蔓延ってしまうものです…